名古屋ハートセンター 心臓血管外科

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註: 2013年(平成25年)9月末をもちまして米田正始は丸5年間お世話になった名古屋ハートセンターを退職いたしました。これまで皆様から戴きましたご厚情に厚く御礼申し上げます。しばし郷里・奈良県に新たな施設を整備したあと、

2016年(平成28年)8月から大阪府東淀川区にある医誠会病院にスーパーバイザーとして着任いたしました。何かありましたらこちらまでいつでもご相談ください。


名古屋ハートセンター
(写真左)は有名な豊橋ハートセンターが発展し大都会へ進出したものです。

ここでは開院1周年の時点での想いを含めたご案内をさせて戴きます。

 

豊橋ハートセン名古屋ハートセンターの正面玄関と建物ですターの「患者様第一の高度な循環器専門病院」「技を尽く 創立者・鈴木孝彦先生です。患者さんのために頑張れる幸せをかみしめ、70歳まで腕を磨き続けなさいと言われて感動しましたし心を尽くす」という鈴木孝彦先生(写真右)の哲学を受け継いで、

昨年2008年10月 に名古屋市東区の名古屋ドームの近くにオープンしました。

名古屋大学名誉教授で初代愛知県病院事業丁長であられた外山淳治先生を院長とし、

循環器内科の実力派である松原徹夫先生と心臓血管外科代表の著者(米田正始)が副院長として現場の指導にあたるという体制でスタートしました。

理事長でもある大川育秀先生がスーパーバイザーとして毎週来られることになりました。

2009年2月にオープンした岐阜ハートセン ターを合わせて、3つのハートセンターが協力して動きを始めました。

 

著者と名古屋ハートセンターの関係は2007年4月から豊橋ハートセンター(写真右)にて非常ルーツである豊橋ハートセンターです勤で仕事を始めたころから始まります。

当時勤務していた大学病院を遠からず辞めて、

今度こそ組合本位ではなく患者本位で、必要な心臓手術や治療を誰に遠慮することもなく、思う存分できる、そういう病院を考えていた著者に、

名古屋ハートセンターのお話が来た時には、これだ!と思ったのを覚えています。

そうこうしているうちに、その心臓血管外科部長兼副院長の大役を仰せつかることになりました。

豊橋ハートセンターの実績と方法の上に、国内外の大学病院での技術や経験を加味した充実の医療を目指してスタートしました。

 

もちろんセンター開設当初は、関連した病院も医院もない、初めての土地で、公的資金の援助もなく、

まして現代の厳しい医療費抑制政策の中で新しい専門病院がうまく成り立つかどうか、

当初は誰にもわかりませんでした。

 

救急や緊急をすべて受け入れる、ここから名古屋ハートセンターは始まりましたただ調べてみますと、名古屋ではまだまだ循環器の専門施設が弱い、足りない状況がわかりました。

とくに緊急手術を断られて病院めぐりをするケースが少なくないことがわかり、

それなら名古屋ハートセンターが患者さんや地域に貢献できる余地があると確信するようになりました。

たとえば急性大動脈解離に対する弓部大動脈置換術

不安定狭心症に対する冠動脈バイパス術とくにオフポンプバイパス術

大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術

感染性心内膜炎に対する弁形成術または弁置換術などですね。

 

また高度な専門施設がまだまだ不足している状況があると聞き、この点でも貢献できるのではないかと思うようになりました。

たとえば複雑僧帽弁形成術大動脈弁形成術

あるいは左室形成術難治性心房細動や状態が悪い透析などでのオフポンプバイパス手術 

低心機能の開心術、再手術や再々手術・再々々手術、成人先天性心疾患などですね。

名古屋ハートセンターが患者さんや地域に役立つ病院になるとすれば、経営的にも徐々に成り立つはずだと確信しました。

 

開院し、当初は総力戦の感覚で患者さんの治療にあたり、徐々にチームを磨き、手術例数を日々反省と改良を積み重ね、重症が多くてもいつの間にか150連勝を超えました増やして行きました。

重症例を断らない、他病院で断られたとか治療不成功となった患者さんも引き受ける(頑張れば患者さんが助かる、そうすれば元の病院もまた助かる、皆助かる)、

というポリシーを実践するなかで、多くの患者さんにお役に立てると同時に、若干名の患者さんを救命できないことが当初ありました。

それらのケースを徹底反省・検討し同様の患者さんが今度来られたら一味ちがう結果を出す、そうした努力を積み重ねました。

 

立ち上げの努力は、努力と言っても苦労の中に笑顔がこぼれるようなものであったのは幸せなことでした。

何より有り難かったのはこのハートセンターの理念を評価し、応援して下さる先生方や患者さんたちが多数いて下さったことでした。

さらに全職員が職種を超えて献身的に努力してくれたのも見逃せません。

 

医療者も病院も患者さんとともに進むことで、成長して行きます努力が徐々に結果として現れ、名古屋ハートセンターは開院一年で150例近い手術 を行い、

うち132例が開心術つまり心臓の本格的手術で、

かなりの重症例や大手術が多いなかで欧州データベースでの予測死亡率の約4分の1の死亡率まで改善できました。

ただ一例一例を丁寧に慎重に治療して行くことに今後も変わりはなく、その結果としてより多くの患者さんが助かればうれしいことです。

 

2009年の一年間では開心術135例と大血管手術15例の計150例を行い、

2010年3月から毎月20例以上の開心術を行うまでに発展しています。

重症も緊急も断らず、最近15カ月間、心臓手術で死亡ゼロを続けています。

 

また難しいオペを皆で頑張って成功させるなかで、国内外のジャーナルや学会で発表して世の中に役立てて頂けるようなケースが多数あり、順次発表しつつあります。

そうした検討結果をまた今後の患者さんの治療に役立てたく思います。

たった一年半で、いくつもの感動を患者さん・ご家族・チームの諸君から戴きました

(このホームページの患者さんの声のところをご覧ください)。心臓で困ったとき、心配な時はご相談を

 

心臓血管外科手術を受けることを考えておられる患者さん におかれましては、

現在受けてお られる治療で困ったり疑問がでるようでしたら一度ご相談下さい。

 

手術が必要かも知れない患者さんをお抱えの循環器科・内科や開業医の先生方には、確定診断や手術適応が不明な段階でもご連絡下さい。

内外のガイドラインEBMをもとに的確な診断や適応を検討しておりますので、お役に立てると存じます。

 

電話予約や窓口で「米田副院長希望」と言って頂ければ米田が責任もって対応いたします。

当然のことですが、そのための費用は発生しません。


なお病診連携の基本に則って、ご紹介には治療後に逆紹介でお応えしています。

それによって地域医療全般の発展にお役に立てると存じます。

 

名古屋ハートセンターは患者さんだけでなく、実力派の心臓外科医にもお役に立つ存在になり得ると思います。

こうした私的専門病院が欧米では大学病院で研究と臨床に頑張る先生方にも大いに役立っており、なくてはならないものとさえ認識されていることを踏まえ、

今後名古屋でも大学病院や公的病院の外科医のお役に立てるような仕組みづくりを進めたく思っています。

2009.9.記

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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Comments

  1. (愛知県在住の方から) says

    愛知県に二つもすばらしい病院ができて光栄です。豊川市民病院が新しくなるのでハートセンターの先生方に指導に来てもらいたいです