お便り23 僧帽弁置換術の患者さん

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患者さんは鹿児島在住の40代の女性です。

 
20年近く前に地元の病院で僧帽弁狭窄症に対して僧帽弁交連切開術を受けられました。

Tutuzi房中隔欠損症への手術も合わせて受けられました。

 

その後お元気にしておられましたが、僧帽弁は次第に再狭窄(せまくなることです) を起こし、

さらに三尖弁閉鎖不全症や慢性心房細動AFも合併したため

2度目の心臓手術が必要と言われました。

2度目の手術はご自分の納得行く病院でと考えられ、

熟慮のうえで名古屋ハートセンターまでご来院されました。

 

そして手術(僧帽弁置換術三尖弁形成術そしてメイズ手術)を受けられ、

心不全はもとより不整脈(心房細動)も治り、順調な経過で退院されました。

 

近年は狭窄といえどもなるべく弁を形成するようにしていますが、

この患者さんの場合は僧帽弁が石のように硬くなっていたことと、これで最後の手術にしようという考えで、僧帽弁置換術を行いました。

 

私たちは患者さんがじっくり納得行くまで調べ、

そして私たちの治療を求めて遠方からお越し下さったことを光栄に思い、

チーム全員、張り切って手術と治療をさせて頂きました。

遠方からも多数の患者さんが来て下さいますが、

距離のハンデを埋めるべく一層の努力をしています。

治療前からお互いの信頼関係があるとき、医療はスムースに進みます。

医療の原点と思います。

 

以下はその鹿児島の患者さんからのお手紙です。

 

*********** お手紙 ***********

 

米田先生、北村先生・深谷先生・小山先生、スタッフの皆さま

お久しぶりです。

手術の時は大変お世話になり有難うございました。

手術する前は、階段を上がることもできず主人に背負ってもらいながら周りの冷たい視線を気にしていたものでした。

 

今は、手術が無事に終わった喜びと、自分が正しい選択「病院」が出来たことへの満足の毎日です。

私は、今回2度目の開心術でした。

同じように心臓病で悩んでいらっしゃる方にとって、少しでも参考になれたらと思い、今までの経過を書いてみました。

 

最初の手術は1992年、地元の病院で受けました。

生まれつき心臓に穴があいている「心房中隔欠損症」と「僧帽弁狭窄症」で、

手術は無事成功して元気に過ごしていました。

 

今から5年前(2005年)、「心臓粗動」という不整脈になり、

カテテーションアブレションで根治手術を受け、

その時の説明の中で「僧帽弁狭窄症」は軽症という診断でした。


不整脈が治った喜びもつかの間、3年後(2008年)、

「心房細動」という不整脈になり手術が必要と言われました。


手術を受けるなら再手術の危険性も考えて自分で納得できる病院を見つけようと思いました。

大学病院の先生に手術の事を相談し、

ハートセンターへの紹介状を書いてもらいました。

私の住んでいる所から遠い病院です。

 

米田先生のブログを目にする機会があり、

先生の医療に対する取り組み、考え方に感動して、

まだ会ったことのない米田先生への尊敬の気持ちから手術をするならこの先生にお願いしたいと思ったからです。


「弁置換(僧帽弁置換術)なら手術方法にたいした差はないですよ」


「メイズ手術もこれくらいの心臓の大きさなら縮小手術はしませんよ」

 

そう言われてはいたのですが、不安な気持ちの中、初診で初めて米田先生にお会いした時、私達夫婦の「お願いします」という言葉に「はい、解りました」と答えてくれた米田先生の言葉でほっとしたのを今でも覚えています。


手術説明も解りやすく丁寧に話してくださり、

不安な気持ちも半減し安心して手術を受けることができました。

 

術後はスタッフの親切丁寧な看護のおかげで経過も良く、

日ごとに体調も回復していきました。

それと院内がとても明るく綺麗で、快適に入院生活を過ごすことができ、

また隣にマックスバリューもあり買い物とかも非常に助かり便利でした。


これからは塩分・水分の制限に気をつけながら毎日過ごしていきたいと思います。


有難うございました。

これからも宜しくお願い致します。

平成22年4月

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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