背中が痛い 【2020年最新版】

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最終更新日 2020年3月12日

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背中が痛いという場合にもさまざまな病気が考えられます。

一般の方々がよくご存じなのは

脊椎つまり背骨などに関連する整形外科的な背部痛ですが、

さまざまな内蔵の病気による背部痛もありますので注意がひつようです。

 

背部痛の中で頻度は必ずしも高くはありませんが、

命にかかわる、急を要するという意味では大動脈解離は重要です。

この場合、ナイフで刺されるような強烈な痛みが起こることがあります。

大動脈の壁が内外に裂けて大動脈が膨れたり破裂したりするため

直ちに病院へ行く必要があります。

救急科や心臓血管外科あるいは循環器内科のある病院が良いでしょう。

 

同じ大動脈で、腹部大動脈瘤の破裂も背部痛を起こします。

とくに背中側に破裂し、大動脈と背骨の間でかろうじて血液がとどまっている危険な状況では

持続的な背部痛や強烈な背部痛が起こります。

救急科や心臓血管外科、循環器内科などへ直ちに行って下さい。

 

循環器関係ということでつぎに考えられるのは狭心症や心筋梗塞です。

これらは胸痛が典型的ですが、背部痛で来ることもあります。

胸痛が10分以上続けば心筋梗塞のおそれがあります。

救急科や循環器内科、内科へまず行って下さい。

 

頻度などから大切なものは腹部臓器や腎臓に関連した背部痛でしょう。

たとえば急性膵炎です。

アルコールによるものや、胆石のために起こる場合もあります。

膵臓がんでも背部痛が起こることがあり要注意です。

これは消化器内科、内科、腹部外科などが適切です。

 

腎臓関連では尿路結石がもっとも多く、

通常、左か右の腹痛や下腹部痛、そして血尿でわかります。

腎臓がんでも背部痛は起こることがあります。

この場合は泌尿器科へ行って下さい。

 

呼吸器の病気でも背部痛は起こります。

肺炎や胸膜炎あるいは気胸などのときには胸痛が起こりますが背部痛はまれです。

この場合は内科や呼吸器内科などが良いでしょう。

 

帯状疱疹でも背部痛は起こります。皮疹がでてから疼痛が起こります。

皮膚科へ行って下さい。

 

肝臓が原因のこともあり、

また胃や大腸など消化管の病気では腹痛が主で背部痛はまれですが、

たとえば胃潰瘍が膵臓に穿通するときには背部痛が起こります。

これらの病気は消化器内科や内科、あるいは腹部外科が良いでしょう。

 

これらを考え、強い背部痛があれば直ちに病院へ、

そう強くなくても背部痛が続くときには近くの病院へ行って検査を受けることを勧めます。

救急科や内科などですね。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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