心臓手術を受けた患者さんが大震災のとき健康を守る方法――1 機械弁

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1.    人工弁(機械弁)をおもちの患者さん:

StJudeValveこれはとくに重要です。ワーファリンが1-2日切れてもただちに大問題になることは少ないですが、一日も早くワーファリンを再開することが生きるために必要です

そのために日頃からワーファリンを少し余裕持って温存しておくことと、普段の使用量を覚えておくことが役立ちます

 

もしプラザキサが入手可能なら安全に大変貢献します。

75㎎カプセルを2つ、それを一日2回服用できればかなり血栓は予防しやすいでしょう。

機械弁の抗凝固療法としてプラザキサが十分であるという確証はまだありませんが、理論的にはかなり良いことが予想されます。

このままではダメというときの緊急避難としては良いでしょう

一日も早く病院を探してワーファリンを再開する、それまではせめて脱水を防ぐ、バイアスピリンやパナルディン、プラビックス、アンプラーク、エパデールその他の抗血小板剤が手元にあれば、あるいはご家族や友人が持っておられたら、1錠でも飲んでおけば、約数日―1週間はある程度以上の効果があります。

病院へ電話やメールの問い合わせは通常できませんが、私の患者さんの場合はできる限り対応できます。それからツイッターやフェイスブックなら連絡がつくことがありますので、覚えておいて損はありません。

ともあれ大丈夫なうちに至急、病院へ行く手段を考えて下さい。

 

納豆

納豆は小さい容器1つ分でもワーファリンを完全に中和します。機械弁の患者さんは決して食べないように。

そしてくれぐれも納豆を食べないように。

 

食べたら1日以内に死亡のリスクが起こります。

 

機械弁ではなく、心房細動のためにワーファリンを飲んでおられる方も、上記よりは多少余裕はあるものの、できるだけ早くワーファリン再開への努力をお願いします。

この場合も上記の抗血小板剤の一粒でも役に立ちます。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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