第9回患者さんの会のご報告と御礼

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本日6月3日に、第9回患者さんの会が開催され、50数名を超える多数の患者さんたちがご出席くださいました。(写真は準備中です)

世話人の松岡さんが今回、キャンパスプラザ京都という新しい良い会場を見つけて下さり、新しくきれいでしかも格安で大いに助かりました。厚く御礼申し上げます。

諸般の事情で前回の会からしばらく時間が経っていたため、その分より力を入れてお役立ち情報を提供しようと努力しました。

Tsunami20111年あまり前の東日本大震災の教訓から、震災のときに心臓手術後の患者さんがどうやって健康を守れるか、私なりに考えるコツをご紹介しました。

私自身、軟弱で、被災地へ支援には行けず、せいぜい東北や福島の患者さんを何名か受け容れて治療させて頂くということしかできなく、申し訳ないという気持ちのなかから、この企画を考えました。ちなみに私の後輩で被災地気仙沼の、それも医師が逃げてしまった病院へ震災後入り、院長として地元のために大活躍している川島君や、これまた震災後、福島へ入って婦人科や麻酔科で貢献している河村君、あるいは福島の大学で研究して村おこしの一助にと最近福島入りした小柴君、さらには福島で貢献するため名古屋で私の心臓手術を受けて下さったOさんなどとの交流のおかげで問題意識だけはいつも持っていました。立派な友人をもつことは人生の喜びです。

講演内容は今回参加できなかった方々にもお役に立てればと、患者さんへのお知らせのページにまとめましたので、ご参照ください。

DSCF0007(1)b第九回患者さんの会では、さまざまな方々の近況報告やご挨拶も戴きました。

 

鹿児島から私の僧帽弁手術を求めて名古屋までお越しいただき、元気になっていただいたSさんにその決断のところをお話しいただきジーンとなりました。

また6年以上前に左室形成術その他の心臓手術を京大病院にて受けていただき、その後お元気になられたものの、大動脈弁閉鎖不全症を合併していから心不全がまた悪化し、昨年、心移植を受けて元気になられたWさんにもお話しいただきました。長期的に見れば、心移植までの時間を左室形成術で持たせる、その協力をさせて頂いたことをうれしく思いました。ちなみにこのWさんは当時、テレビ「世界のスーパードクター」で米田正始が左室形成術を行いそれを放映させていただいた患者さんです。

10年以上まえに、京大病院で大動脈弁置換術を受けていただき、そのときに感染のために長期間の入院を余儀なくされたSさんが、昨年名古屋にて2度目の大動脈弁置換術を受けられました。大変リスクの高い状態でしたが、スイスイとすぐ元気になられ、その後ますますお元気に活発にくらしておられるお姿をうれしく思いました。

さらに大動脈弁閉鎖不全症への手術のあと、どんどん回復し、1か月後にはオーストラリアへ旅行されたOさんの頑張りにはあらためて頭が下がりました。

また名古屋の他病院での僧帽弁形成術のあとの経過が思わしくなく、私のところへ相談に来られて、高度の心不全が判明し、その後再手術ですっかり元気になられたKさんの、あのつらい中での決断とそれによって健康を取り戻されたことをうれしく思いました。

メキシコへ留学ののち、名古屋で心室中隔欠損症の手術を受けていただきお元気に社会復帰されたYさんや、地方自治体議会の重鎮として重病を押して仕事をしておられる中、これは危険と緊急の大動脈弁手術をお勧めし、みごとその期待に応えて元気になって下さったOさんにもご挨拶戴きました。

その他さまざまな方々と再会でき、お元気なお姿を拝見でき、うれしいひと時でした。

ひとりひとりの患者さんに人生があり、苦悩と決断、そして光と意義があります。その中でひとつの重い役割を与えて頂いたこと、光栄に思います。

この会はもともと私の手術を受けて下さったかたへのお礼の会からのスタートでしたが、それ以外の患者さんも歓迎しようということで、今回からそうした方も若干名ご参加いただきました。幅広く世の中のお役に立つ会になれば最高ですので、今後もどうぞお越し下さい。

次回は今回ほど間をあけず、なるべく11月にスケジュール調整をする予定です。

またいつも大変お世話になっている世話人の松岡さん、中村さん、全さんにくわえて山田さんにも世話人に入っていただき、心強いことです。今回は東京で慶事があり、急きょ欠席になりましたが、次回を楽しみにしております。全さんには今回もおいしいお菓子を作って頂きました。京大時代からの元秘書である旧姓中村さん(現在石丸さん)には今回も応援に来ていただき、感謝しています。

それではみなさん、また11月にお会いしましょう。

ただ何か心配な折にはいつでもご連絡下さい

 

平成24年6月3日

米田正始 拝

追記:今回の患者さんの中にも、米田正始が豊橋へ異動したものと思っておられる方がおられました。心配ご無用です。米田は名前こそ豊橋ハートセンター(本店にあたります)の副院長ですが、活動拠点は名古屋で、3センター心臓外科統括部長としてほぼこれまでどおり外来も手術も名古屋ハートセンターにて行っております。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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Comments

  1. **** says

    米田先生、昨日はお疲れ様でした。また有益なお話を有難うございました。お忙しいにも関わらず、直ぐに講演内容をアップされ、また術後も患者さんをこれほど思って下さる先生にめぐり合えて感動すると共に、先生の熱意に敬意を表します。仕事に向き合う姿勢も先生をお手本にし、日々、向上していきたいと思っております。初参加であり、他の患者様のお話を聞き入ってましたところ、先生からのご指名で、術後すぐに海外に行った人との紹介があり、終始その話になってしまいました。単なる自慢話で、他の患者様で、術後、大変な思いでリハビリをされた方もいられますでしょうに、不愉快な思いをされてましたら、申し訳ない思いです。来月には1年検診で名古屋ハートセンターに参ります。今年1月よりガンマGTの数値が少し高いので、診察の時に何か心臓との関係があるか、お聞きしようかと思います。普通なら病院に行くのは嫌なものですが、ハートセンターは特例で、先生方や優しい看護婦さんにお目にかかれるのを楽しみにしています。