お便り96: 感染性心内膜炎のあとの僧帽弁閉鎖不全症

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感染性心内膜炎(IE)では僧帽弁が複雑に壊れた僧帽弁閉鎖不全症になることもあります。


A335_009患者さんは40代女性で半年前に感染性心内膜炎のため大学病院の循環器内科で治療を受けられました。

感染は治まり普通の生活に戻られましたが、徐々に心不全症状が出てきて、階段を登るのも苦しくなったり、動悸がときどき起こるようになりました。胸が痛くなることもあり、米田正始の外来に来られました。

持参されたデータでは僧帽弁閉鎖不全症はそう強くないため経過観察していました。

2か月後の外来での心エコーでは逆流が増えて高度になり、かつ労作時の息切れと動悸が強くなってきたため、ガイドラインでも手術適応と判断されました。

若い患者さんでもあり、仕事にも早く復帰したいという状況から、創の小さなポートアクセス法で僧帽弁形成術を行いました。

僧帽弁の傷みは強く、3か所を直してようやくきれいに逆流は止まりました。

手術前に心房細動の不整脈発作が起こっていたため、メイズ手術も併せて行いました。

術後経過は良好で、手術後9日目に元気に退院されました。

術後1か月もたたないうちから仕事にも復帰され、前向きに暮らしておられます。大変うれしいことです。

やはり創と痛みが小さいポートアクセス法のミックス手術はお役に立っているようで何よりです。

以下はその患者さんからのお便りです。過分のお褒めをいただき、逃げ出したい気持ちです。

また外来でお元気なお顔を拝見できるのが楽しみです。

 

***** 患者さんからのお便り *****


米田先生

米田先生に手術をしていただいた私は本当に幸運でした。

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先生の診察、ICと受けさせていただいて、丁寧で論理的なご説明に私自身も夫もオペ前から大きな安心感に包まれておりました。

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その後オペ当日までは、先生のホームページを隅から隅まで読み、all aboutの記事も併せて拝見しました。
同じ病気の人のブログを読んだり、自分なりに自分の病気を理解しようと考えたのです。

両親や友人は、「どうしても手術しかないのか?手術のデメリットはどれくらいか?」など心配してくれました。

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しかし、私自身は迷いはなく、調べれば調べるほど、米田先生の執刀で最新で最高の技術でオペしていただける喜びが大きくなり、
不安はどんどん小さくなりました。
「米田先生にお任せするのだから、大丈夫」という確信がありました!

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オペ後はもうろうとしていて、あまり記憶がないのですが、一番印象的だったのは、翌朝米田先生がCCUに来て下さった時のことです。

背中が痛いと訴えた私に、先生ご自身が「ゴッドハンド」でマッサージをしながら、「こんな感じであとでご家族にもんでもらうといい」とおっしゃったのです。
私はゴッドハンドにマッサージしていただいたことが恐縮に思え、感激でぼーっとしていました。

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後から思い起こし、オペのお礼も申し上げず、自分の痛みだけを訴えて恥ずかしかったなと思っております。

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夫から、「オペでは、僧帽弁(の一部)が通常の場所になく、切ってからすぐに見えなかったのでその分大変だった模様。また、心房細動の処置も一緒にしていただけた。」と聞きました。
メイズ手術のメリットも後から調べて知りましたが、本当にありがたかったです。

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意識がハッキリしたオペ後5日目、病室に来て下さった米田先生のお顔をみたら、感無量になり涙が出てきました!

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助けていただいて本当にありがとうございます!という感謝の気持ちでいっぱいになりました。適切な感謝の言葉が浮かばず、残念に思いました。

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ハートセンターは本当に素晴しい病院です。
ドクター、看護師、理学療法士の方ばかりでなく、配膳やお掃除の方までとても温かく、病院の理念として皆さんに浸透していると思いました。

北村先生、深谷先生、木村先生も回診の際は丁寧に話を聞いてくださり、小さな疑問にも答えてくださいました。

また、いつも明るく接してくださり、どれだけ励まされたかわかりません。
こんなによくしていただいているのだから、早く回復したいという気持ちも強くなりました。

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最高の治療を受けながらも、夜中に背中と胸の痛みが強く出て、毎晩ぐっしょり汗をかいて痛みで目が覚めるということが続きました。
そんな中、看護師さんに温かい看護をしていただきました。

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アイスノンを背中に当てるために用意してくださった方
ロキソニンを持って来てくださった際、発熱で喉が渇いているだろうと、冷たい水と氷を下さった方
背中にシップを張る際に、ホットタオルで背中を拭いてくださり、さすってくださった方。

夜勤でお忙しい中、常にお願いしたこと+αで接してくださった看護師さんにもいくらお礼を言っても足りないです。

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もう一つ感激したことがありました。

あと一日でシャワーオッケーになる前日、「シャンプーだけでもできたらなーって思うんです」と担当看護師さんにふとお話したら、
後から部屋に来て下さり、
「今シャンプー台も私もあいてますから、今のうちにやっちゃいましょう!!」
と、何とシャンプーしてくださったのです。

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看護師さんは私の話に「明日シャワーできますからね!」と励ましてくださるだけでも十分な応対だったと思うのです。
それなのに忙しい中わざわざシャンプーしてくださった看護師さん。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

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今はハキハキと明るい理学療法士の方々と江原先生のご指導のもと、リハビリに励んでおります。
リハビリ室でも元気をたくさんいただいています。

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友人や知り合い、またその家族にも心臓病や心臓病予備軍の方がいますが、名古屋ハートセンターで早急に受診するよう勧めています。

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よい病院、そして最高のドクターに巡り会うのは本当に大切だと思うからです。それに加え、
自分の体験から思うのですが、日頃普通に過ごせると心臓病を甘く見てしまうことがあります。

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「まだ大丈夫」「普段は普通に過ごせるのだから、もうちょっと手術は伸ばしたい」「自分は健康には自信があるし、これくらい大丈夫」
「薬は体に悪いから、飲まないで様子を見よう」「仕事も忙しいし、それどころではない」と言う人もいます。

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そう思うのも納得なんです。まさに自分も思っていました。しかし、適切な診断を受けることは本当に大切だと思いました。
場合によっては命にも関わるんだと今は怖くも思います。

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元気にしていただいた心臓を大切に、これからいろんなことに挑戦し人生を楽しみ、さらに人様のお役に立てたらいいなと思っております。
頑張ります!

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本当にありがとうございました!
米田先生のますますのご活躍と、病院のご発展を心から願っております。

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それから8か月ほどしてまたお手紙を頂きました。

こんどはヨーロッパからのきれいな絵葉書でした。

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ワインの勉強のためイタリアにしばらく留学しておられたようで、

お元気に活躍しておられる様子を知り、私も幸せな気持ちになれました

ますますご活躍ください

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****** 患者さんからのお葉書 *****

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米田先生

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昨年7月に名古屋でオペをしていただいた**ですIMG_1492

先生のおかげで本当に元気になり

1月末ー3月**までイタリアに滞在しておりました

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主にワインの勉強でしたが

途中は公園で運動したり、

現地の人とプールでエクササイズしたりと、

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私の健康は本当に米田先生のおかげと

イタリアでも感謝しておりました!

ありがとうございます!!

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今から帰国です

フィレンツェにて ****

(ハガキは昨日おとずれたローマです)

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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