お便り110: ポートアクセスで心房中隔欠損症や心房細動などを完治された患者さん

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心房中隔欠損症(略称ASD)は先天性心疾患のなかでは一番多いもののひとつです。

多くはこどものころに検診などで発見され、こどものうちに手術を受けていただくのですが、検診でわかりにくいときなどにはそのままとなり、成人になってから心臓が大きくなったり心房細動などの不整脈がでたり三尖弁閉鎖不全症171107243を併発して心不全になってから病院に来られることも少なくありません。

以下の患者さんは岐阜県からかんさいハートセンターまでお越し下さいました。

長年の無理が影響してすでに慢性心房細動となり、心房中隔欠損症の血液の漏れのため右心室が巨大化し三尖弁の逆流も強くなっておられました。軽い運動でも息切れが出るほど心不全になっておられました。

手術ではミックス法・ポートアクセス法で骨も切らず、小さい創で上記の3つの病気をすべて一回で治しました。

お元気なお顔を外来で拝見するのが楽しみになっています。

157563164以下はその患者さんのブログからの引用です。ブログそのものも

さわさわ と・・・
 心臓手術をポートアクセスでしました 
   手術のこと・・日常の思いなど記します

というタイトルでさわやかで親しみやすいものです。心臓手術をご検討中の患者さんには参考になれば幸いです。❤こちらをご覧ください

なおここでは手術前日、当日、退院日、半年後、一年後の記事をUpさせて戴きました。それ以外はブログのほうをご覧ください。

***********患者さんのブログから**************

こんにちは!

このブログに来ていただきましてありがとうございます。
心臓手術のことだけではなく日常の事も織り交ぜて更新しています。

2014年1月 かんさいハートセンターで心房中隔欠損症、三尖弁形成、メイズ手術をしました。
その時私が感じたことを残しておきたいと思いブログを始めました。

心臓の手術はどうして怖いのでしょう?

特別な場所・・・
よくわからない事・・・

得体のしれないものは怖いです。
だったら「知ること」から始めましょう。
自分の事、心臓の事を知ることで、きっと恐怖は少なくなります。
手術や治療に前向きになれると思います。

心臓はほっておいてもよくなることはありません・・・

 

******* 手術前日の記事です ******

2014年07月**日(*)

手術日前日は麻酔科の先生やICUの看護師さん、

リハビリの担当者などが次々と来て説明を聞きました。

手術室やICUも見せていただきました。

(やっぱり明日手術なんだ・・・)

まだピンと来ていないのか、

特に不安もなく落ち着いていました。

夕方18時頃から先生のお話(インフォームド・コンセント)があるということで主人と娘が少し早めにやってきました。


手術に対する不安はありませんでした。

長年不安を抱えてきて、

やっと手術が受けられるのだから、安心していました。

それも米田先生の手術です。

心房をゴアテックスで塞ぎ、

三尖弁の形成をする。

僧房弁の状態が悪いようなら治すが、

問題なければそのまま。

心房細動はメイズ手術で治す。

これをポートアクセスで、

右の胸を少し切って行うということでした。


「右胸から心臓までの距離が遠いですが、見づらくありませんか?」
という私のばかげた質問に

「今ここで見ている20センチくらいの距離を見るのと変わりません」

と説明いただきました。

手術は15時頃に終わると言われ、

3時間前後かと思っていた私は、少しびっくりしました。

危険性なども説明いただきサインをして終わりました。


明日の手術の時間を確認して、主人と娘は帰っていきました。


******* 手術当日の記事です ******

2014年07月**日(*)
いつもと何も変わらない朝

起きると排便があったので
浣腸はしませんでした。(よかった!!)

7時頃にはシャワーを使いました。
ぜ~んぶきれいに洗って、
まな板の上のコイ?の心境でしょうか。
前日におへそのゴマもチェックされましたし・・

特に手術前に特別なことがあるわけではなかったので
落ち着いていられました。

他の病院では、剃毛をするという話を聞きましたが、
何も言われませんでした。
実際は麻酔が効いてから、

鼠蹊部近くを少しカットされていました。

家族も到着し後は時間が来るのを待つだけ。

午前9時半
みんなで歩いて6階の手術室へ。

そこで家族とはお別れ、
二度と会えなくなるというような思いは一切ありません。
身内のほうが、私よりも心配していたと思います。
ちらっと見た主人の姿が、心細げに見えたのでした。

扉を入ると、キャップ(白いふわふわのやつ)をかぶせられ

狭い手術台に自分で乗りました。
自分でもわからないのですが、わくわくするような気分もあり

少しも怖くはありませんでした。

すぐに麻酔が効いてあとは全く覚えていません。

手術は17時になっても終わらないと

娘が気をもんでいたというので、結構長引いたようでした。
その後主人は、先生から図を描いてもらい詳しい手術の説明があったということです。

ICUに運ばれた後で家族が面会したというのですが、
これも全く覚えていません。

のちにリハビリの泉さんに聞いた話ですが、

寝かされている私を見て主人が一言

「お前、サイボーグみたいだなぁ」と言ったそうです。

そういえば手術前に

「術後はたくさんの管が10本くらい体につながっているので、驚かないでください。」

と言われました。

私はまだ意識が戻っていませんから何も知らなかったことですが。

(写真を頼んでおけばよかった~)

 
気が付いたのはICU

誰かの呼ぶ声が聞こえてふわふわとぐるぐるとした感じで
それでも返事が出来ないのがもどかしかった。

一生懸命目を開けようとしていた気がします。

先生の腕が目に入りました。

やっと目が覚めた。

「終わったんだ!」

でも喉の奥がヘン

人工呼吸器?

何かが喉の奥にあたって吐きそう・・

すぐに外してもらえたのですが

今度は喉が渇いて仕方ありません。


看護師さんに頂いた水が「おっいっしい~!!」

お水ってこんなにおいしかったんだ!

その後も氷をいただき喉の渇きを潤しました。

 

******* 退院時の記事です *******


2014年07月**日(*) Bara

2日後

元の4人部屋に戻りました。

手術中に部屋の人数は私の他1人になっていました。

私より10歳ほど年上のその方は

手術は終わって人工透析が必要になり、

いまだ退院のめどが立たないようでした。

 

私はリハビリをがんばって早く回復するしかありません。
まだ足元がふらついていました。

少しふらつきながら点滴をぶら下げて、
両側から支えられて病室の廊下を歩きます。

 

廊下をどこまで歩いたかで

歩行距離を計算します。

この後毎日何メートル歩いたか記録するようになりました。

 

夜中に痰が絡むので「クッ!カッ!」と言って

うるさいんだろうな~(ごめんなさい^_^;)

ポータブルトイレの音もごめんなさい!

そのたびに心の中で謝っていました。

それが大部屋のつらいところですね~

反面、いろいろな話ができるのがいいところ。

気分も明るくいられます。

 

毎朝採血と体重測定があります。
血液検査によって薬の種類や量を決めていたようです。

体重は体に水が溜まっていないかむくみを知るためです。

前日より1キロ多く数字が出たことがあって

測り直したことがありました。

結局機械が狂っていただけでしたが・・

 

切ってあるのは右胸の下と右足の付け根。
回診に来た増山先生に胸は何センチ切ってあるかと尋ねると
「6センチ」との事
ちゃんと測って切ったと言われました。

 

足の付け根は人工心肺のために4~5センチ切ってありました。

その他に左首にやや大き目なドレンの穴、

右胸の上部脇の下あたりに穴が一つ、

右の鎖骨あたりに跡があります。

 

手術直後から創はほとんど痛みません。
手術後に痛かったのは、
手術の創ではなく右肩から背中にかけてでした。
ポートアクセスの際、

右手を挙げる体勢で手術するからだそうです。

しばらくの間、看護師さんに背中に湿布を張ってもらいました。

 

この頃には腰痛もずいぶんよくなっていました。

背中の痛みのほうが気になって仕方ありませんでした。

 

また、深呼吸をすると、胸が(肺が)痛い。
これは手術でしぼんだ肺が元通りになるまでは仕方ないそうです。
「早く肺を元に戻すために深呼吸をしてください。」と言われました。

5日後には自転車のマシンをこいで汗だくになり、
それから毎日負荷を掛けながら20分。

リハビリのマシンに心電図のモニターがついているのですが、

規則正しいリズムで、どんなに息がはずんでも乱れることがない。

・・・感激でした。


この頃にはシャワーも使えるようになっていました。

気持ちがいいと思えるのは幸せなことです。

 

術後米田先生が病室を訪ねてきて

「肋間神経ブロックをしてあるから痛みはないはずですが、

どうですか?心臓の下の方もしっかりメイズ手術しておきましたから」
と言って下さいました。

本当に痛みがないのです。

神経の麻痺は2~3か月で戻ってくるようです。

しびれているような感覚があるだけです。

この後ず~~っとぴりぴりとした感覚は半年ほど続きました。

 

暇なときはリハビリを兼ねて、院内を散歩していました。
この病院は院内にローソンがあり病衣のままで買い物に行けます。
文庫本も少しあり、2冊ほど買って読みました。
浅田次郎「鉄道員・ぽっぽや」良かったです。

ヨーグルトが食べたくなって買いに行きました。

コインランドリーの洗剤も買ってきました。

 

このころ退院したら
絶対に食べたかったもの「激辛のラーメン」!!

今から思うとあっという間でした。

いつも優しく接していただいた看護師さんたち

その仕事の大変さを改めて知り本当にありがたく思いました。


******* 術後半年のブログ記事です ********


2014年07月**日(*) Hana_1

 

地元の循環器の先生が米田先生のお知り合いということで、

逆に紹介をいただき最近は地元で薬をもらっています。

 5月に奈良に行ったときは、
旅行気分でひとり電車に乗りました。
あの1月の入院の時とは全く違った気持ちで奈良へ行くのが楽しみでした。

後は1年後に来て下さいと言われ、
帰り際「気を付けてお帰り下さい」
との先生のやさしい言葉に感激して帰ってきました。

 順調に回復しているようです。

 しっかりとメイズ手術をしていただいたせいか、
不整脈も起きていません。

 規則正しい脈拍に安心する毎日です。

 頭痛も以前と比べると随分減ってきました。

 毎日のウォーキングもなるべく欠かさないように、

 姿勢と呼吸を意識して速歩だったり、

 少し走ってみたりしながら行っています。


田舎なので、周りの景色の美しさに改めて感動しています。

 筋力がつくようなストレッチも時間があればするようにしました。

 ただ、私の性格からいって
なにごともほどほどに出来ないこともあり、

 それがストレスにならないようにしなくては

 ・・と思っています。


最近、地元の循環器の先生に言われたことは

 「せっかく米田先生に手術してもらったのだから・・」

 という言葉でした。

 少しの動悸にも「心房細動?」と不安になり

 体のことばかり心配していた私に

 そのとき先生がおっしゃったのです。


以前よりも確実によくなっているのに心配ばかりして、

 毎日を楽しめないようでは手術をした意味がないのではないか

 ・・というようなニュアンスでした。


何のために手術をしたのか。
これからの人生を楽しむためにしたのではなかったか。・・・

 体をいたわりながらも充実した楽しい毎日を送ることに意味があると思います。

 半年にしてあらためて気づきました。

「せっかく米田先生に手術してもらったのだから・・・」

 ・・ですね!

 
自分の体に起きていることが不安だったり
信じたくないと思うのは仕方のないことだと思います。

 
それでも自分で行動を起こすことが
少しでも良くなる方向に向かうとしたら、
いろいろな方法を試してみるべきだと思います。

 私は迷った末に米田先生にメールを送ったことですべてが始まりました。
こんなに穏やかな気持ちで心臓の手術を受けられるとは思ってもいませんでした。
そして今、本当にありがたく毎日が幸せです。

 皆様に感謝です。
この手術で、一旦は自分の心臓が止まってしまったにもかかわらず、こうして生きていける。

 そのために尽力される医療の立場の方々には
本当に頭の下がる思いです。

 今まで気にしなかった自分の心臓が、とても気になります。

 私は、この先もきっと心臓に関しては、

 興味を持たないではいられないでしょう。

 ただ、心配はしないで暮らしていきたいと思います。

 最善を尽くしていただいたのだから、
これから先は何か起きた時に考えればいいのではないかと。

 30年も待ち続けた手術がやっと終わったのです。

 
****** 術後1年弱の記事です *******


2014年10月**日(*) Hamanasu
昨年の今頃は悩んでいた。


手術が必要なのか

本当に手術をした方がいいのか
このままではいけないのか
どこに相談するか
どこの病院にするか

わからないことだらけで・・・

それでも、30年来の答えを出さなければいけないのだろうとは思っていた。

「手術」という選択

確かに苦しい胸をそのままにしておくのはよくないだろうという気持ちはあったが、

自分が心臓手術を受けるという実感がわかなかった。

思いっきり脅かされて「長嶋さんみたいになりますよ~!」

今でもその言葉はドキッとする。

ありがたいと言えばありがたい
その言葉で踏ん切りがついたのだから・・・

そして、たった一つ

「ハートセンター」の心臓血管外科医を頼りに
少しづつ気持ちを固めていく。

心房中隔欠損症はポートアクセスで手術出来る。

心房細動はメイズ手術で治る。

名古屋で手術を受けたかったという気持ち

新しい「かんさいハートセンター」への不安

 

「心臓」という場所を切り開くことへの「安心」を手に入れたいと思っていた。

祈るような気持ちで米田先生にメールを送ったのを覚えている。

先生の返事をいただいてからはすべてが早く回りだしたような気がする。
気持ちが固まった以上、自分がどこまで納得して手術に挑めるかだけだった。
ただひたすら、「安心」を手に入れたかった。

そして今

確実に一年前とは違う「私」がいる。

胸が楽になっただけではない。
大きく変わった気持ちも感じている。

今までの人生への反省もあり
感謝もあり
今後の希望も大きくなった。
いい人生だったと最後に思いたい。

手術に対する「安心」は手に入れたものの

今後に対する「安心」は誰も手に入れられないもの・だと知った。

 

**********************

その後、手術から1年あまりたって、以下の記事がUpされました。

振り返って総括する内容ですのでここに転載させて頂きます。さらに詳しくはこのブログを直接見られると良いでしょう。

 

********1年あまり経っての記事******

 


2015年01月08日(木)
Haibisu

 

ちょうど1年

 

新しく心臓が動き始めてから・・・

 

 

あっという間の1年でした。

 

 

体だけではなく、気持ちまで大きく私を変えてくれた心臓手術でした。

 

 

手術をして本当によかったと思っています。

 

 

現在の状態はずいぶん良くなっていると思います。
手術をしたことを忘れるくらいに・・・

 

走っても苦しいことはありませんし、体力に自信もついてきました。

 

時々感じる「ドキドキ」感はあります。
咳も相変わらず出ますが、
横になった時というわけではないので少しあきらめています。

 

 

 

 

現在の創の状態です。

 

わきに一つの丸い傷

 

斜めに乳房の下
・・・とてもきれいです。

 

・・・痛みもありません。
創自体の痛みはないのですが、胸がチクン、ズキン、ということはあります

 

 

 

私の受けたポートアクセスについてまとめてみました。

 


 

心臓手術の一つの方法としてポートアクセスがあります。

 

MICS(ミックス:minimally invasive cardiac surgery)手術です。
以前からおこなわれていた胸の真ん中で縦に大きく切開し胸骨を切る胸骨正中切開に対して、切開が小さく低侵襲(体への負担が低い)という利点があります。

 


私が20代で心臓手術を考えた時に気になるのは胸の傷でした。
当時の手術は(30年ほど前)胸の真ん中を大きく切る正中切開が当たり前でした。

 

その後、心房中隔欠損症ではアンプラッツァーというカテーテルでの治療が出来るようになりましたから、胸を切らないでも済むわけです。
但し、心臓の欠損(穴)の状態にもよるようですし
私には若干の金属アレルギーがあることも心配でした。

 

 


そこで、ロボット手術に関心を持ちました。
金沢大学の渡辺剛先生(現:ニューハート・ワタナベ国際病院)が行っていらっしゃる「ダヴィンチ手術」

 

創がないということは魅力でした。
(創はないが穴の痕がいくつか残るということです)

 

 


しかし一番問題なのはお金がかかる事です。
保険がきかないなんて・・・
実費ということですよね。「○百万」
とてもダヴィンチ手術には踏み切れませんでした。

 

 


それと、私の場合心房細動がありました。
心房中隔欠損症の手術だけなら割と簡単なもののようですが、
心房細動があるということであれば、
メイズ手術をやっていただきたいと思っていました。

 

 

それもポートアクセスで・・・
そこで、メイズ手術もお願いするのであれば米田先生かと思いました。

 

 


実際に検査をしたら三尖弁閉鎖不全もありました。
心房中隔欠損症で穴をふさぐだけでは済まされない状態です。
メイズ手術と三尖弁形成も同時に施術していただきました。

 

 


それらを含めての手術という点では、
ポートアクセスは条件を満たしていたと思います。
6センチの創と1個の穴が残りましたが、

 

結果的によかったと思っています。
今見ても大変きれいで目立ちません。

 

 


胸に傷が残ることで心臓の手術を躊躇している人がいるかもしれません。
そうであれば、ぜひポートアクセスがいいと思います。
「創は勲章」とは思うものの、小さいに越したことはありません。

 

 

痛みの面でも、術後の回復の面でも、
本当に心臓の手術をしたのかと思うこともあります。

 


ポートアクセスも、もしかしたらいろいろなやり方があるのかもしれませんが、私にしていただいたものは全く痛みがありません。

右肋骨の間(乳房の下)を6センチほど斜めに骨に沿って切ってあります。
その際に肋間神経ブロックがしてあるということで痛みがないようです。
これはほんとにうれしいことです。
術後の痛みは随分なストレスになると思うからです。

 

 


病気の状態によってはポートアクセスが出来ない場合もあるようですが、
心房中隔欠損症、僧房弁置換術、僧房弁形成術 大動脈弁置換術、大動脈弁形成術、三尖弁形成術、メイズ手術などで行われるようです。

 


ポートアクセスは視野が狭いこともあり技術がいるようです
この手術を多くこなしているベテランの医師を選んでください
たくさんの経験が手術の質を上げるものだと信じています。

 

 

 

利点
①傷が小さい
②痛みがない
③社会復帰が早い
④保険適用

 

①については傷が右胸乳房に沿って下部を斜めに6センチ
胸骨正中切開と比べて傷は目立たず、温泉などでも気になりません。
正面から見ても傷痕は見えません。
この手術は右胸から心臓へ直接アプローチします。
あくまでも開胸手術で、胸腔鏡手術ではありませんでした。
小さい切開で長めの特殊な器具を使っての手術になります。

 

 


②痛みは全く気になりません。「痛みなし」と言ってもいいくらいです。
通常の心臓手術は胸骨を切りますが、

 

ポートアクセスは骨を切りません。肋骨の間からの手術です。
肋間神経ブロックをしているので、術後創そのものの痛みはありません。

 

 ピリピリした神経の感覚が残ります。

 

 


③骨を切らないので術後の治りが早いです。
私の場合術後10日で退院

 

 退院後10日目には自動車を運転して会社へ行きました。

 

 


④保険が適用されるので3割負担で済みます。
なおかつ高額医療制度がありますので、私は450万ほどの手術が13万強で済みました。

 

注意点


①ポートアクセスはどの病院でもやっているというわけではない。
狭い視野からのアプローチになりますから技術が必要です。

②人工心肺を右下肢の付け根にある大腿動脈につなぎます。
そのため、大腿動脈や大動脈に動脈硬化がないひとに限定される。

 

 


**********おわりに***********

素晴らしい体験談ブログをありがとうございました。  150464174

心臓手術を受ける患者さんの中でも、強い痛み症状のない病気の患者さんは将来の健康といのちをかけて、病気を勉強し理解し、克服する決心をされ実行された方々です。

私も含めて、手術は誰でもいやなものです。(私、20歳のころ、お腹の手術を受けるはめになって落ち込みと八つ当たり状態だったのを想いだします) 

それに敢然と挑戦し健康を勝ち取られたことに、あらためて敬意を表したく思います。

またその大切な手術をお任せ頂いたことを光栄に思います。

また外来でお元気なお顔を拝見するのを楽しみにしております。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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