お便り125 勇気を出して僧帽弁形成術を受ける決意を

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心臓手術は昔と比べて格段に進歩し安全性も上がりました。

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それでも死亡率はゼロにはならない。これは技術が進歩した分、より重症の、昔なら手がimg_2599出なかったような患者さんを助ける努力をしているからです。

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僧帽弁形成術を受ける患者さんでは30代―50代の比較的お若い患者さんも多々おられます。多くは元気な、いわゆる状態の良い患者さんたちです。こうした方々での死亡率は1%をゆうゆうと切っています。

しかしそれでも0%にするのはまだまだ努力が必要です。死亡率ゼロと自信を持って断言できる病院は世界にありません。何しろ全身のどこかに問題があっても心臓手術のときに足を引っ張る恐れがあるからです。

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そういう中で、患者さんから見ても、心臓手術はまだまだ怖いものと思います。

相談し、熟考し、悩み、また相談し、しかし最終的にみずから決意される、立派と思います。

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以下のお便りはそうした努力で健康や高いQOL(生活の質)を勝ち取られた若い患者さんから頂いたものです。中部地方からお越し下さいました。

これからは病気なしで楽しくお過ごしください。傷跡がみえにくい腋窩下部のMICSですので心の傷も小さくなるでしょう。

また時々にでも外来へ定期健診にお越しください。遠方からでも行く価値があると言って頂けるように努力いたします。

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米田 正始 先生

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おはようございます。

メールにて本当に失礼致します。

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先日は退院後の診察にてお邪魔を致しました。この度は、お世話になりました。ありがとうございました。

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地元の病院にて僧帽弁が逸脱していると診断された後、自覚症状も無く何年か過ごしておりました。途中、疲れやすくなってきまして投薬にて過ごしておりました。昨年10月の終わり頃から、息切れが辛くなり手術を覚悟するようになりましたが、地元の病院では肋骨の開胸術が主流で、想像するだけでも恐怖でした。

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小切開手術をされる先生がいらっしゃるということは以前からお聞きした事はございましたが、具体的な事が分から無い為迷っておりました。この度は自分の事だから自分で調べて動いてみようと決心致しました。

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そして、先生にメールを送らせて頂きました。私の中では、このような流れになるとは意外でした。もっと時間の掛かることだと諦めていましたので。驚きでした。迅速にご対応頂き感謝です。正直、手術は本当に怖い事ですが、先生でしたので安心しお任せする事が出来ました。終始ご丁寧なご対応、世の中にはこんなに優れた方がみえるのだと感激致しました。ありがとうございました。そして、コーディネーターの方、看護士さんも明るく大変機転の利く方で感謝しております。

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小切開術は視界の狭い中での手術でお時間お手間の掛かる大変なご作業だと思います。様々な動物の命にも感謝致します。そのように治して頂いたこの心臓を大切にしたいと思います。過度なストレスは避け、なるべく負荷を掛けない生活を心掛けたいと思います。

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この度は誠にありがとうございました。三寒四温の時節柄、どうかご自愛専一にて先生のますますのご活躍をお祈り申し上げます。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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