ソロ弁(Solo弁)

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新型のステントレス弁であるソロ弁(別名ソロ・スマート弁)が日本でも使えるようになり、心臓外科専門家の間ではちょっとした話題になっています。

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そもそもステントレス弁とは何でしょうか。stentless valve

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まずステントレス弁は生体弁の一種です(写真右)。一般の生体弁とちがうのは弁尖つまり弁の開閉する部分を支える柱のような構造物(ストラットとかステントと呼びます)がないのです。
柱がないことで、それだけ弁としてのサイズが大きくなり、性能が良くなるのです。その反面、柱がないために全体にぐにゃぐにゃして柔らかいのです。きれいな形になるように取り付ける必要があります。

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ソロ弁はこのステントレス生体弁の新型です。

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30年ほど前に、第一世代のステントレス弁が誕生TorontoSPVしました。そのひとつであるトロントSPV弁は我が恩師デービッド先生が開発されたもので、私もそれに関与していましたので親しみがあります(右写真)。当時のステントレス弁は性能も良く、うまく取り付ければきれいな仕上がりで、心エコーで見ても自然の大動脈弁と見間違うほどの出来具合でした。

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しかしこの第一世代ステントレス弁は一般の心臓外科医には取り付けが難しく、時間もかかりあまり好評ではありませんでした。性能は良かったのですが、耐久性でも期待されたほどではなく、次第に消えて行きました。

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理論的には耐久性は優れているはずなのですが、取り付けが難しいということは不完全な形で取り付けられるケースが少なくなく、これが全体の成績・耐久性を下げたのかも知れません。何にせよどの心臓外科医が取り付けてもベストの成績を出せる人工弁が理想的です。この意味でトロントSPVは不完全でした。

Solo弁.

今回のソロ弁はいわば第二世代のステントレス弁です。第一世代のものと違い、取り付けも比較的ワンパターンで確実性に富んでいます。時間もそうかかりません。第一世代より進化したと思います。

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もうひとつ、このソロ弁は自己心膜やウシ心膜による弁再建をより規格化し、よりわかりやすくしたような印象があります。心膜を取らずにすむため、将来もしもの再手術の際にも癒着が減り有利です。

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私たち医誠会病院心臓外科チームは氏家先生がスロベニア留学時代にソロ弁の豊富な経験を持ち、私、米田正始も直接その手術に参加する機会を複数得て、かつての第一世代ステントレス弁の経験を活かせるというアドバンテージを持ったチームです。また自己心膜での弁再建いわゆる尾崎弁の経験もあるため、これらを総合的に考えた治療を組み立てることができるでしょう。

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この新しいステントレス生体弁に関心がおありの方はご連絡下さい。

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米田正始   医誠会病院スーパーバイザー 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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