最終更新日 2019年2月21日
このページの目次
はじめに、、、
1)虚血性心疾患とは
治療につきまして、、、
MIDCAB(ミッドキャブ)、MICSのCABG、川崎病、Syntax(シンタックス)研究、天皇陛下のこと、ガイドラインなども
6)ハイブリッド治療
7)冠動脈ろう
7b)冠動脈瘤
もっと悪くなってからでも、、、
8)心筋梗塞への手術
11)心破裂
12)心室中隔穿孔(VSP)
近未来の医療が現実に、、、
13)心臓の再生医療
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◾️はじめに、、、
虚血性心疾患は多数の方々を襲う可能性のある現代病です。
動脈硬化のために冠動脈(右図の赤い細い血管)が狭窄(せまくなる こと)したり閉塞するために起こります。
とくに心筋こうそくに至ってしまうと命の危険が高い病気です。
しかしこの病気はかなり予防できますし、予防できない場合でも早期発見と早期治療で死亡リスクを減らすことが可能です。社会復帰の見込みも高まります。
この虚血性心疾患になりやすい、いわゆるリスクファクターをお持ちの方々、たとえば糖尿病や腎不全あるいはメタボなどの場合は、そうした努力が一層意味をもちます。
1) 虚血性心疾患とはどういう病気ですか
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(末尾の参考資料もごらん下さい)
糖尿病や慢性腎不全・血液透析の患者さんは、
対策を立てない場合は冠動脈がどんどん悪化するという心配がありますが、
より重点的な予防策を立てることで安心安全を確保しやすくなります、、、続きを見る
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◆糖尿病 について: 万病のもとですが打つ手はあります、、、続きを見る
◆ 慢性腎不全・血液透析について: 心臓 や血管を守れば予後は大きく改善します、、、続きを見る
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◆ご高齢の患者さんについて: 今は楽しく長生きするのが普通の時代です、、、続きを見る
◆糖尿病性網膜症につきまして:意外に心臓や血管もやられているものです、、、続きを見る
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◆市民公開講座から、狭心症や心筋梗塞の解説です
まず予防、ついで早期発見と正しい治療がいのちを救います
(註: ここでNO(エヌオー)とは一酸化窒素のことで冠動脈を開き動脈硬化を予防するはたらきがあります。サウナで気持ち良くなるのもこのエヌオーのおかげと言われています)
◾️治療につきまして、、、
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虚血性心疾患の治療はまず予防、ついで生活改善やお薬での治療が行われます。
それでもダメなときや、心筋梗塞の危険が迫っているときなどは、カテーテルという管を使って冠動脈を広げる治療(PCI、ピーシーアイ)が行われます。
PCIでもダメなときや、PCIが適切でないときには外科で冠動脈バイ パス手術が有効となります。
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2) 狭心症にたいする冠動脈バイパス手術とはどういう手術ですか:
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以前から長持ちする治療法として知られていましたが、
近年、カテーテルによるステントより長生きできることが証明され、
その価値が見直されています、、、続きを見る
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3) 薬剤溶出性ステント(DES) は万能なのですか:
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どちらが大切かということも考える必要が時にあります、、、続きを見る
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■かつてカテーテル治療(PCI)やステントを受けられた患者さんたちへ:
油断は禁物です。
定期検診によって楽しく安全確保ができます、、、続きを見る
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4) とくにオフポンプバイパス手術について :
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すでに定番の手術となり、多くの方々によろこばれています、、、続きを見る
以前からある手術ですが、最近その良さが見直さ れる方向にあります
左図のように小さい創で骨もほとんど切らず、術後も楽です、、、続きを見る
カテーテルによるPCIとのハイブリッド治療でも役立ちます、、、続きを見る
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◆ MICS-CABG とは?:小さい傷跡で、しかしバイパス手術の良さはそのままに。これからの手術法です。同時にミックスでなくても早く仕事復帰できる方法も、、、続きを見る
◆川崎病患者さんの成人期の冠動脈疾患につきまして: こどものころの川崎病は完治していても、大人になってから動脈硬化が進行し狭心症や心筋梗塞を発生することがあります、、、続きを見る
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◆ Syntax研究3年の結果と欧州のガイドラインはこちらです。
EBMにもとづく医療を推進するためにもぜひごらんください、、、続きを見る
ついに生存率でバイパス手術がカテーテル治療PCIより優位に立ちました、、、続きを見る
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◆天皇陛下(当時)が冠動脈バイパス手術を受け
られるわけは?:
医師団が陛下の全身と今後を考慮された結果と思います、、、続きを見る
◆陛下(現・上皇)のバイパス手術成功を慶ぶ――ブログ記事はこちら
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◆冠動脈バイパス手術のふしぎな力とは 、、、続きを見る
◆ 日本の新しい治療ガイドライン―
日本循環器学会が2012年に発表された最新の治療指針を解説します、、、続きを見る
◆ SYNTAXトライアル研究、5年の結果がでました。
CABGが患者さんに役立つことがさらに明らかになりました、、、続きを見る
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5) オフポンプバイパス手術は心筋に埋もれた冠動脈には弱いと聞きましたが:
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工夫ができます、、、続きを見る
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6)ハイブリッド治療とは?:
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内科治療と外科治療の良いところを組み合わせて患者さんにベストの治療を提供するものです、、、続きを見る
7) 冠動脈ろう: 
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冠動脈から肺動脈や右房その他へ血液が漏れ出る病気です。
心不全、狭心症、IE(感染性心内膜炎)への注意が必要です。
より確実に安全に手術できる工夫があります、、、続きを見る
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7b) 冠動脈瘤:
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冠動脈の壁の一部が壊れてこぶのように膨らむ病気です。
とくに川崎病の後遺症としてできることが知られています。心筋梗塞や破裂に至ると危険です、、、続きを見る
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◾️もっと悪くなってからでも、、、
虚血性心疾患の治療は、心筋梗塞になるまでに行うのが良いのですが、そうは言っても心筋梗塞が発生してから病院へ来られるということは、まま起こることです。
右図は冠動脈が閉塞し心筋が壊れて心筋梗塞になるときの様子を示したものです。
しかし心筋梗塞が起こればもうおしまい、というわけではありません。現在は有効な治療法が多くあり、決して単純に諦めていけません。
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8) 狭心症が悪化して心筋梗塞になってしまってからでも手術はできるのですか :
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できます、、、続きを見る
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9) 虚血性心筋症にたいする左室形成手術にはどういうものがあるのですか?:
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いくつかの方法を患者さんの状態に応じて使い分けます、、、続きを見る
◆ 左室瘤の治療は?: 大きな左室瘤などでは手術が有益です。手術後とくに元気になりやすい病気です。このことは医師の間でも意外に知られていないことがあります、、、続きを見る
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10) 心筋梗塞のあとなどに起こる虚血性僧帽弁閉鎖不全症(虚血性MR)は治療が難しいと聞きますが
ずいぶん進化しました。
ハイリスクと言われるタイプの患者さんでもその手術死亡率は低下しました
◆ 機能性僧帽弁閉鎖不全症とは?心臓のパワー確保が大切です、、、続きを見る
◆ なかでも虚血性僧帽弁閉鎖不全症は、心筋梗塞で左室が壊れてあまり動かなくなるときに起こりやすく、、、続きを見る
◆ 虚血性MRに対する弁形成術ー先人から学ぶ欧米の先人の手術と工夫を学ぶところから始めました、、、続きを見る
◆ 虚血性MRに対する新しい弁形成術——このようにして開発して行きました。成績が良いためこれから国内外にもっと広めたく、、、続きを見る
◆ 虚血性MRへのより効果的な手術(デュアル形成)–これまでの適応限界を大きく改善しました、、続きを見る
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11)心筋梗塞のあと、心臓が破れたり中の壁に穴が開いても手術できる のでしょうか:
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できます。
ただし生きて病院にたどり着かねばなりません
私たちは救命実績を何例ももっています
しかしそのまえに、まず平素からの健康管理が大切です、、、続きを見る
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12) 心筋梗塞のあと、心臓の中(心室中隔)に穴があく心室中隔穿孔VSP (VSRと略称することも)ではどうでしょうか?:
かつては治しづらい病気でしたが、
現代は体の状態がまだ保たれているうちに手術すれば
ほぼ治せるようになりました。
しかも年々進化しています、、、続きを見る
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◾️近未来の医療が現実に、、、
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心筋梗塞や梗塞のあとのさまざまな問題は、これまで難病あつかいになっていました。
しかしこれも治せるという光が見えて来ました。
上記の外科治療や内科治療に加えて再生医療を行えば、極端に弱った心臓でもそのパワーを取り戻す、そういう時代がすぐそこまで来ています。
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13) 心臓の再生治療 は使えますか?
、、、続きを見る
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■病診連携(医療者向け)の講
演会から
H25.10.に奈良市で行われた米田正始の講演録です
医療者の皆さん向けです。音がやや小さいため、ボリュームを上げてごらんください。ご要望にお応えし字幕をつけました。
早期発見、適切な治療がいのちを救い、長期の健康を守ります。
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ
患者さんからのお便りのページへ
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参考資料 ”
All About” から ~拙筆です。こちらもご覧下さい~
1.狭心症・心筋梗塞の原因・メカニズム
2.狭心症・心筋梗塞の症状・検査
3.狭心症・心筋梗塞の治療法・予防法
4.胸痛を伴う病気の一覧
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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