4. 虚血性心疾患―心臓が酸欠状態になるため危険 【2022年最新版】

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最終更新日 2022年1月14日

1. はじめに

虚血性心疾患は多数の方々を襲う可能性のある現代病です。
動脈硬化のために冠動脈(右図の赤い細い血管)が狭窄(せまくなること)したり閉塞するために起こります。
とくに心筋こうそくに至ってしまうと命の危険が高い病気です。

しかしこの病気はかなり予防できますし、予防できない場合でも早期発見と早期治療で死亡リスクを減らすことが可能です。社会復帰の見込みも高まります。

この虚血性心疾患になりやすい、いわゆるリスクファクターをお持ちの方々、たとえば糖尿病や腎不全あるいはメタボなどの場合は、そうした努力が一層意味をもちます。

2. 虚血性心疾患とはどういう病気ですか

糖尿病や慢性腎不全・血液透析の患者さんは、対策を立てない場合は冠動脈がどんどん悪化するという心配がありますが、より重点的な予防策を立てることで安心安全を確保しやすくなります…

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  • 糖尿病について

    万病のもとですが打つ手はあります…

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  • ご高齢の患者さんについて

    今は楽しく長生きするのが普通の時代です…

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  • 糖尿病性網膜症につきまして

    意外に心臓や血管もやられているものです…

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2. 市民公開講座から、狭心症や心筋梗塞の解説です

まず予防、ついで早期発見と正しい治療がいのちを救います
(註:ここでNO(エヌオー)とは一酸化窒素のことで冠動脈を開き動脈硬化を予防するはたらきがあります。サウナで気持ち良くなるのもこのエヌオーのおかげと言われています)

3. 治療につきまして

虚血性心疾患の治療はまず予防、ついで生活改善やお薬での治療が行われます。
それでもダメなときや、心筋梗塞の危険が迫っているときなどは、カテーテルという管を使って冠動脈を広げる治療(PCI、ピーシーアイ)が行われます。
PCIでもダメなときや、PCIが適切でないときには外科で冠動脈バイパス手術が有効となります。

1. 狭心症にたいする冠動脈バイパス手術とはどういう手術ですか

以前から長持ちする治療法として知られていましたが、近年、カテーテルによるステントより長生きできることが証明され、その価値が見直されています…

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2. 薬剤溶出性ステント(DES)は万能なのですか

皮膚へのやさしさと内蔵へのやさしさのどちらが大切かということも考える必要が時にあります…

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  • かつてカテーテル治療(PCI)やステントを受けられた患者さんたちへ

    油断は禁物です。
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3. とくにオフポンプバイパス手術について

すでに定番の手術となり、多くの方々によろこばれています…

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    カテーテルによるPCIとのハイブリッド治療でも役立ちます…

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  • MICS-CABGとは?

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  • Syntax研究3年の結果と欧州のガイドラインはこちらです。

    EBMにもとづく医療を推進するためにもぜひごらんください…

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  • SYNTAX研究4年の結果

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  • 天皇陛下(当時)が冠動脈バイパス手術を受けられるわけは?

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  • 天皇陛下(現・上皇)のバイパス手術

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4. オフポンプバイパス手術は心筋に埋もれた冠動脈には弱いと聞きましたが

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5. ハイブリッド治療とは?

内科治療と外科治療の良いところを組み合わせて患者さんにベストの治療を提供するものです…

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6. 冠動脈ろう

冠動脈から肺動脈や右房その他へ血液が漏れ出る病気です。
心不全、狭心症、IE(感染性心内膜炎)への注意が必要です。
より確実に安全に手術できる工夫があります…

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7. 冠動脈瘤

冠動脈の壁の一部が壊れてこぶのように膨らむ病気です。
とくに川崎病の後遺症としてできることが知られています。心筋梗塞や破裂に至ると危険です…

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4. もっと悪くなってからでも

虚血性心疾患の治療は、心筋梗塞になるまでに行うのが良いのですが、そうは言っても心筋梗塞が発生してから病院へ来られるということは、まま起こることです。
右図は冠動脈が閉塞し心筋が壊れて心筋梗塞になるときの様子を示したものです。
しかし心筋梗塞が起こればもうおしまい、というわけではありません。現在は有効な治療法が多くあり、決して単純に諦めていけません。

1. 狭心症が悪化して心筋梗塞になってしまってからでも手術はできるのですか

できます…

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2. 虚血性心筋症にたいする左室形成手術にはどういうものがあるのですか?

いくつかの方法を患者さんの状態に応じて使い分けます…

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  • 左室瘤の治療は?

    大きな左室瘤などでは手術が有益です。手術後とくに元気になりやすい病気です。このことは医師の間でも意外に知られていないことがあります…

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3. 心筋梗塞のあとなどに起こる虚血性僧帽弁閉鎖不全症(虚血性MR)は治療が難しいと聞きますが

ずいぶん進化しました。
ハイリスクと言われるタイプの患者さんでもその手術死亡率は低下しました

私たちが考案した手術法です。これによって弁の安定性が向上しました

  • 機能性僧帽弁閉鎖不全症とは?

    心臓のパワー確保が大切です…

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  • なかでも虚血性僧帽弁閉鎖不全症は、心筋梗塞で左室が壊れてあまり動かなくなるときに起こりやすく

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  • 虚血性MRに対する弁形成術

    先人から学ぶ: 欧米の先人の手術と工夫を学ぶところから始めました…

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  • 虚血性MRに対する新しい弁形成術

    このようにして開発して行きました。成績が良いためこれから国内外にもっと広めたく…

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  • 虚血性MRへのより効果的な手術(デュアル形成)

    これまでの適応限界を大きく破りしました…

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4. 心筋梗塞のあと、心臓が破れたり中の壁に穴が開いても手術できるのでしょうか

できます。
ただし生きて病院にたどり着かねばなりません

私たちは救命実績を何例ももっています
しかしそのまえに、まず予防、そのために平素からの健康管理が大切です…

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5. 心筋梗塞のあと、心臓の中(心室中隔)に穴があく心室中隔穿孔VSP(VSRと略称することも)ではどうでしょうか?

かつては治しづらい病気でしたが、現代は体の状態がまだ保たれているうちに手術すればほぼ治せるようになりました。…
しかも年々進化しています…

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1989年にアメリカ心臓学会で発表した図です。当時の手術死亡率を3分の1まで下げる貢献をしました

5.近未来の医療が現実に

心筋梗塞や梗塞のあとのさまざまな問題は、これまで難病あつかいになっていました。
しかしこれも治せるという光が見えて来ました。
上記の外科治療や内科治療に加えて再生医療を行えば、極端に弱った心臓でもそのパワーを取り戻す、そういう時代がすぐそこまで来ています。

1. 心臓の再生治療は使えますか?

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6. 病診連携(医療者向け)の講演会から

H25.10.に奈良市で行われた米田正始の講演録です
医療者の皆さん向けです。音がやや小さいため、ボリュームを上げてごらんください。ご要望にお応えし字幕をつけました。
早期発見、適切な治療がいのちを救い、長期の健康を守ります。

心臓手術のお問い合わせはこちら患者さんの声はこちら
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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