2)Q: 心臓血管外科のデーターベースとは?―今や国民の財産です

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日本心臓血管外科学会で、患者さんのリスクを判断できるデータベース(日本成人心臓血管外科手術データーベース Japan Adult Cardiovascular Surgery Database, JACVSD )とリスク計算のための計算ソフトを 作っています。

この領域で日本の主な病院の殆どすべてが参加し、大変正確かつ有用な情報となっています。

 

全国の主な心臓外科病院から正確なデータを集めたデータベースが充実しつつありますそこで示された予測死亡率と、受診した病院の実績を比較して もらうのもよいでしょう。

つまり同じ年齢・疾患・体力・状態の患者さんが日本の標準的病院で心臓血管外科手術を受ければ何%が死亡するかが算出され、

今からオペを受ける予定の病院での成績と比較することで、その病院の良し悪しがわかるわけです。

 

たとえばある患者さんが受けようとしている手術の、その病院での死亡率が10%であれば、それはかなり危険性の高いものです。

しかし日本全国での予測死亡率が20%であれば、その病院の成績はかなり良いということがわかります。

もしその逆の結果つまり全国予想死亡率10%なのにその病院での死亡率20%なら、心配です。

他病院でセカンドオピニオンをもらうなどもやって良いかも知れません。

 

こうしたデータによる医療、EBMは世界では常識です。

ヨーロッパではEuroscore II (ユーロスコEBMは世界の常識ですが、データベースはEBMの基本中の基本、大切ですアII)、アメリカではSTS(エスティーエス) databaseなどがあり活用されています。

日本では大学教授といえどもこれを理解していない方が少なくない現実があります。

この理由のひとつとして、大学教授選考のときに動物実験関係の論文を重視しすぎて患者さんのデータを研究する臨床研究が日本ではこれまで立ち遅れていたことが挙げられます。

 

症例数にしても死亡率にしても、数だけにとらわれると本質を見失う恐れがあります。

いたずらに数だけを 稼ごうとすれば、そのひずみが患者さんのための研究や若手の教育に来るかも知れません。

上記の日本成人心臓血管外科手術データベースJACVSDの結果も含めて総合的に考えるのが安全上からも勧められます。

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7. 病院や医師の選び方 (セカンドオピニオンも含めて)にもどる

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執筆:米田 正始
医誠会病院スーパーバイザー 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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