熱中症や脱水にお気をつけて―予防はそう難しくない?

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暑い季節になりました

Ilm18_bc04004-s つい最近までそれほどではなかったのに梅雨を追っ払うような暑さです

実際九州などでは梅雨明けしたそうですが

皆様にはいかがお過ごしでしょうか(註:2011年6月の記載です。)

心臓手術を受けられた方あるいは心臓病がある方や、ある程度以上のご年齢の方々にはぜひとも以下の注意事項をわすれずにお願いします

まず

1.暑い季節には知らないうちに急速に脱水になる。とくに屋外で直射日光を浴びるとより急速に脱水となり、熱中症にもかかりやすい

2.若いうちは脱水になるとまもなくのどが渇き、おのずと水などを飲んで体が守られる

3.しかし高齢になればなるほど、のどの渇きのセンサーが鈍くなり、脱水状態となってものどが渇かず、どんどん状態が悪化する。気がつけば危険な状態になっていることもしばしばです。たかが脱水といっても熱中症や腎不全などに至れば命にかかわる事態になりかねません

これらを考えますと、多くの皆様には、以下が大切になります

Ilm16_cd06054-s 1.暑いときには普段より積極的にお茶や水を飲む

2.しかし心臓病とくに何らかの心不全がある方の場合は、水分の摂り過ぎにも注意が必要

3.その目安として、尿量や尿の濃さ・色をチェックすると良い。

4.バランスを考えるとあまり体に揺さぶりをかけないほうが良いので、夏には涼しい時間帯を中心に行動する。同じ意味でエアコンを活用し、あまり暑い環境で頑張りすぎない。とくに熱帯夜は快適温度と快適環境を心掛ける。

たとえば暑い日で、汗ばんでおり、しかも尿の量や回数が少ないとか、尿の色が濃い黄色などになっておれば脱水になっている可能性が高いです。そこでお茶やミネラルウォーターを飲むことが勧められます。

このときに塩分をあまり摂ると体に水分が残り、心不全や高血圧が悪化することがあります。そこで塩分は取りすぎないように注意してください。

ただし、屋外などで下着がべっとり濡れるほどに汗をかいているときには、塩分もかなり失っていますから、多少の塩分は摂ってもかまわないでしょう。たとえばポカリスエットなどのスポーツ飲料の多くには塩分がほどよく入っています。ラベルを調べてみて下さい。あるいは梅干しの1個とあとはお茶お水というのも一法かも知れません。

人間は急速な変化には弱いものです。そこでとくに 心臓手術後あるいは心臓病の方や、ご高齢の方々には、暑い季節にあまり長時間屋外で頑張るなどのことは控えて頂くのが良いと思います。

機械弁や心房細動などのためワーファリンのお薬を飲んでおられる方々にも、たとえワーファリンがきちんと効いている状態でも、脱水になると血栓ができやすくなるため、無理のないようにお願いします。

散歩などの運動は朝夕のしのぎやすい時間帯が良いでしょう。

しかしやむなく暑い時期に無理をして、なんだかひどく苦しい、いつもと違う、などの症状を覚えられたら、早めにかかりつけの先生のところや、ハートセンターの主治医などに連絡を取られることを勧めます。

また平素から血圧と体重を毎朝起きぬけに測り、記録しておくと、塩分や水分の摂り過ぎはすぐにわかります。たとえば体重が1-2日で1kg以上増えれば塩分を摂り過ぎた可能性があります。

こうしたことを念頭においていただき、暑い季節を楽しく安全にお過ごし頂ければ幸いです。

米田正始 拝

 

追伸: 私の手術を以前に受けて頂いた患者さんが有名なブログを書いておられます。その中での問答です。皆様にお役に立てるかも、と考え、引用させていただきます。

 

参考1: 暑い季節に無理をすると不整脈が増えることがあります。もともと不整脈をお持ちのかたや、不整脈が出やすい状況だった方の場合です。これは水分の出し入れが多量になるとき、つまり多くの汗をかき、多くの水分を摂るなかでカリウムが減ることが一因です。

Ilm18_bc02009-s そこでカリウムを多く含んだ食べ物、たとえばバナナや Ilm04_ea05003-s オレンジジュースなどを常識の範囲内でのみ食べすることが勧められます。たとえば朝食などにバナナ一本とか、夜オレンジジュース(果汁100%)200mlなどですね。ただしこれは腎臓や心臓のちからが良い患者さんの場合です。腎臓などが弱い方の場合は主治医の先生と相談しながら進めて下さい。というのは血液検査でカリウムや腎機能などを調べながら進めることで安全確保しやすいからです。

カリウムはお薬でも補うことができますし、利尿剤を服用中の患者さんの場合は、よく使われる利尿剤であるラシックスに加えてアルダクトンAが同時に処方されていることがあると思います。このアルダクトンAはカリウムを上げる作用があり、ラシックスのカリウムを下げる作用をほどよく中和する意味でも使われているのです。こうしたお薬が入っている場合、カリウムを含む食べ物の量はあまり多すぎないようにすることも大切です。そこで主治医と相談するのが安全安心につながるわけです。


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参考2: 米田医院の土曜日外来で70代の女性が来院され体調が悪いとのことで心電図変化あり、これはおかしいと直ちに近くの総合病院に連絡、ご紹介しました。

救急外来にて血液のカリウム値が9を超えており(正常はおよそ4台です)、再度調べても同じ結果で、ただちに治療を受けられ、カリウムは下がり、事なきを得ました。

カリウムが9を超えるというのはいつ心臓が止まってもおかしくないという危険レベルです。その後の調べで、その患者さんはみかんを一気に10個も食べたそうで、日頃腎臓が正常の方でも極端な食べ方をするとこんなに恐ろしい状態になるのかと感心?した次第です。

とくに腎臓が悪いと言われている方々におかれましては、こうしたカリウムを含む食べ物や穏やかに食べられるよう、お願いします。たとえばみかんで言えば1個ずつですね。一気食べは慎重に。

 

参考3: 夏の脱水がどれほどか、私自身の経験談をご紹介します。

まえもA301_075ってトイレへ行ってからゴルフの打ちっぱなしで午後2時間ほど練習し、練習中ペットボトル3本つまり1.5リッターのお茶お水を飲んでも7-8月の暑い時期は尿がでません。

練習が終わって帰宅して夕方にトイレへ行っても色のついたやや濃い尿が少量でるだけです。夕食と飲水のあと、尿はようやく普通の色と量にもどりました。

打ちっぱなしは屋根つきのところでしたし、ゴルフの運動量はそう極端に多くありませんので、真夏の脱水がどれほど強いかおわかり頂けるかと思います。

ましてご高齢の方の場合は普段から多少とも脱水傾向にあることが多く、ノドの渇きセンサーも弱っているため、脱水は悪化しやすく熱中症になりやすいのです。

(2013.8.改訂)

 

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執筆:米田 正始
医誠会病院スーパーバイザー 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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