コロナに負けない!ページ

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コロナウィルス(COVID-19)の感染が猛威を振るっています。

2021年1月9日の時点で、2回目の緊急事態宣言が首都圏の4都県で出されています。

以下はこれまでに私のメールマガジンにてお伝えしたコロナ感染予防のための知識集です。

安全確保のため少しでもお役に立てれば幸いです。

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いい心臓・いい人生 【第139号】 コロナ肺炎(COVID-19)に負けない対策
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いい心臓・いい人生 【第140号】 コロナ肺炎(COVID-19)に負けない対策その2
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いい心臓・いい人生【第141号】 明けましておめでとうございます。コロナの話③も
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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BLS(一次救命処置)の勧め AEDも含めて

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158
いのちを救う! お互いに!

BLSという言葉をご存知でしょうか。

 

Basic Life Supportつまり一次救命処置のことです。最近は学校や職場、地域その他さまざまな場面でこのBLSの講習会が開かれているため、すでによくご存じの方も多いのではないかと思います。

 

しかしもしまだ講習を受けておられない方があればこの機会にそれをお勧めします。

 

というのは周囲の方がもし心肺停止状態になれば、4分以内に脳死になってしまい、取返しがつかなくなるからです。

 

救急隊がいくら頑張っても電話から4分以内に到着するというのは極めて困難だからです。そもそも電話するだけでも1分はかかりますし、救急隊が現場に到着してからでもドアを開けて名前を確認するだけでも何十秒かかかるでしょうから、4分というのは受け身の姿勢ではほとんど無理、という短時間なのです。

 

その時、もしBLSの心得があれば、ひょっとすると、大切な人、肉親や友人のいのちを助けることができるかも知れないのです。

 

BLSには心肺蘇生(CPR)やAED()の使用などが含まれます。うまくやれば、かなり救命に役立つのです。

詳しくはACLSやBLSのホームページをご参照ください。

ここではポイントを記載します。

 

******* BLSのポイント ******

 

意識のない人を見つけた!とか 目の前で倒れた!

↓ 周囲の安全を確認 (この時、大声で人を呼ぶとうんと能率が上がります)

緊急通報とAEDを要請 →→→→→→→→ AEDを取りに行く

↓                                 ↓

呼吸を確認する                        ↓

↓ 大声で呼びかける、                    ↓

↓ 呼吸をしていないか正常な呼吸でない場合は    ↓

CPR心肺蘇生を開始!                   ↓

      胸骨圧迫から開始                   ↓

      胸骨圧迫だけでもOK                 ↓

       人工呼吸ができるなら行う              ↓

       AEDで解析! 指示されれば電気ショックを行う

.                              2分ごとに繰り返す

*********************************

 

ポイントをまとめると上記のようになりますが、個々の操作を正しく行うことが効果を高めます。

その場で取説を読む時間はありません。

なので是非BLSの講習をせめて1回は受けて欲しいのです。

 

003
AEDで危険な不整脈を治せる可能性があります。(柏市のHPから)

心臓マッサージの仕方、どのくらい胸を押すと良いか、AEDを正しく素早く使う方法、などなど少し学ぶとうまくなります

それと前述のように、大声で人を呼ぶ、これによって救命率が上がります。恥ずかしがってはいけません。

たとえばもし助っ人が一人得られれば、その人にAEDを取りに走ってもらい、ご自身は倒れた人の蘇生救命を直ちに開始できるのです。このメリットは大きいですね。

 

いざという時に、目の前でご自分の大切な人がなすすべもなく死んで行く、そうした悲劇を回避するために

ぜひ講習を受けましょう!

 

そしていったん蘇生つまりよみがえれば、直ちに病院へ行き、しっかりと原因の解明や病気の診断、治療へと進めます

生きていてこそいろんな工夫ができ、楽しみが増えるのです

 

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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第11回患者さんの会のご報告

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第11回患者さんの会は平成26年6月1日に京都駅前のキャンパスプラザにて盛大に行われました。ご参加下さいました患者さんたち、協力してくれた高の原中央病院の皆さんに感謝申し上げます。

今回はかんさいハートセンターが立ち上がってから初めての会でした。

実際、私自身がその立ち上 A335_002げのため多忙を極め、また要領の悪さからなかなか第11回が開催できず、久しぶりの会になりましたこと、お詫び申し上げます。

しかし会場は多数の患者さんでにぎわい、しかも皆さん活発にご質問やご意見を下さり、感謝に堪えません。

私の講演は「検査データの読み方」で、患者さんたちが平素外来で受けられた検査の結果をよりしっかりと理解し健康管理に役立てていただけるよう、ご説明させていただきました。

心臓外科手術、メタボや糖尿病、脂質異常症、CKD、高血圧、そしてそれらを予防するための生活の注意、糖質制限食、体によい食べ物とくにアマニ油など、多岐にわたるディスカッションで皆様のお役に立てる内容になったのであればうれしいことです。

また今回は当院栄養科の余呉淳子科長が栄養のお話をして下さり、しかも糖質制限のケーキを皆様にお出ししてくれました。今後の健康管理の一助になれば大慶です。

予定を超過しての会は盛会裏にお開きとなりました。

なお今回皆様に頂いたご意見をもとに、今後の患者さんの会を運営していきたく存じます。

今後の方向性として、これまでの京大病院、名古屋ハートセンターの患者さんたちと、現在の高の原中央病院かんさいハートセンターの患者さんたちも合流してもっとにぎやかに行えればと考えております。

会場は患者さんの負担減を考慮して、高の原中央病院講堂や適宜これまでのキャンパスプラザをうまく活用することを検討したく存じます。

皆様のさらなるご意見やご教示を頂けましたら幸いです。

最後に協力してくださった山田さん、高の原中央病院の皆さんに厚く御礼申し上げます。

平成26年6月1日

米田正始 拝

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お便り100: お掃除のおばさんからのお手紙

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天声人語という言葉があります。有名新聞のコラムの題名ですが、もとは中国の古典で「天に声あり、人をして語らしむ」という言葉があり、そこからの引用です。

A335_004病院で言えば偉い先生方の声も有難いのですが、庶民的なレベルの方々の声に真実があるとも言えましょう。

実際、いつも院内を掃除しきれいに快適にして下さるおばさんたちの声は傾聴に値すると思っています。それは心臓手術の患者さんの声を重視しじっくり聴くように努力するなかで、患者さんは医師というだけで身構えてありのままに話せないことがあるからです。このことは看護師さんにも言えるのです。身近なお掃除のおばさんたちになら遠慮なく本音が言えるとおっしゃった患者さんがおられます。

そういう気持ちがあるおかげか、水心あれば魚心状態になったのでしょう、ハートセンターのお掃除のおばさんたちとちょくちょく話すようになり、いろいろと教えて頂くようになりました。

病院開設から5年がたち、私が郷里の奈良にかんさいハートセンターを立ち上げるため名古屋ハートセンターを去るときにも賑やかに歓談の場を持てたことは幸いでした。

そのあと、以下のようなお手紙を頂きました。こころ温まる、ジーンと来るものがありました。

新しい病院でもこうしたことを忘れずに精進するつもりです。ありがとうございました。

 

**********お手紙***********

 

米田先生

 

この度先生がハートセンターをおやめになると伺いショックを受けております。

でも色々とご事情がお有りになることと拝察し現実を受けとめなければ・・・と思います。

今まで色々なご相談に乗って頂いたり、おやさしいお言葉を頂きましたこと、心よりお礼を申し上げます。

本当にありがとうございました。素晴らしい先生にお逢い出来ましたこと、一生の宝でございます。


あきたメンテナンス   **** ****より

 

追伸

私どもが病室に入りますと、必ず米田先生のファンの患者から細かいところまで気を遣って頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。と

日本中どこにいらしても先生のご診察を受けに行くと・・・たくさんの患者さんから聞いております。

 

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名古屋ハートセンターにて米田正始の手術を受けて下さった患者さんたちへ

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最終更新日 2020年3月8日

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皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ことしの夏は猛暑が厳しく、多数の方々が熱中症などで体調を崩しておられます。どうぞご自愛ください。

A335_004さて名古屋ハートセンターが開設されたのは2008年10月でした。

 

ハートセンターは大学の学閥や政府自治体などのいわゆるコネとは関係のない、いわば庶民出身の病院です。

 

それだけに名古屋という比較的古風な風土では、患者さんを紹介して下さる病院も少なく、ほとんど展開しないだろうと言われていました。

 

こころある友人は皆、先生、気を悪くしないでね、名古屋ってそういう土地なんだから、じっくりゆっくりやって行こうよ、となぐさめて下さったものです。

 

しかし患者さん中心の仕事をすればそのうち必ずわかって頂けるだろう、今は患者力(かんじゃりょく)というのがあって、患者さんのご希望のまえには学閥も官僚も逆らえないという意見を下さった友人もあり、私もそれを信じて名古屋ハートセンターを皆とともに立ち上げました。

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ふたを開けてみると、1年目で心臓大血管手術で130例を超え、一人前の施設の仲間入りを果たしました。2年目のジンクスもそれなりに克服し200例に迫り、3年目、4年目と成長をつづけ300例に迫る、名古屋屈指の心臓血管外科施設になりました。

 

内科はそれ以上のスピードで展開し、カテーテル治療(PCI)ではすぐ名古屋のトップに立ちました。

 

これは患者中心の医療を日々実践し、それを患者さんや地域の病院医院の先生方が評価してくださった賜物と感謝しています。とくに患者さんのご支援には頭が上がりません。(患者さんの声のページをご参照ください)

 

128410265だけでなく、質的にも大きな展開がありました。

 

心臓大血管手術で、他で断られた患者さんや超緊急の患者さんもほぼ100%近い確率で受け容れ、そのほとんどを救命でき、お元気に退院戴きました。

 

また日本屈指の施設でもできないと言われた重症や難手術の患者さんも多数受け入れ、そのほとんどをお助けし軽快退院にまでもって行くことが出来ました。その成果は国内はもとより、国際学会や国際シンポジウムなどでも多数発信でき、名古屋ハートセンターを世界中から認識して戴けました。

 

全職員と患者さん、地域の先生方という大きなチームの絆を感じずにはおれません。心から感謝申しあげます。

 

私、米田正始は名古屋の地がすっかり気に入ってここで骨をうずめたく思っていましたが、残念ながら両親が歳をとりその面倒をみることになったため、実家のある関西に戻ることになりました。

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奈良にハートセンターを立ち上げしばらく勤務したあと大阪でさらにこの努力を続けることになりました。

 

私にとって患者さんと医師の関係はいのちがけの戦いをともにした仲間と心得ています。名古屋に移動してからもかつて京都で手術させて頂いた患者さんのための勉強会を開いたり、名古屋まで診察や治療のためにお越し下さった患者さんは多数おられます。

 

同じことを名古屋の患者さんとも共有したく思います。

 

名古屋ハートセンター 145148731で米田正始の手術を受けて下さった患者さんにおかれましては、何かご心配やお困りのときには遠慮なく米田までメールかお手紙を下さい。お役に立てるかも知れません。

 

これは私なりの人生観や職業倫理にもとづくものですので、お代は不要です。中にはメールの送り方が判らないというかたもおありでしょう。その場合は周囲の若い方に聞いて頂ければ今は携帯からでもネットを見たり通信することができます。

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心臓手術のあとは内科の先生が外来などで治療を続けられることで患者さんの健康は維持できる場合が多いです。

 

しかし外科医がそれを応援する形で、定期健診すれば、さらに予後が改善することがいろいろな場面でございます。ようするにより心臓のパワーアップをし、より健康に、より長生きするのにお役に立てることがあるのです。

 

5年間にわたり、私(たち)を支えて下さった患者さんたちに、心から御礼を申し上げるとともに、今後も絆を持って頂けましたら職業人医師として大変うれしいことです。

 

平成27年7月吉日

米田正始 拝

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お便り87: ミックス法で自己心膜の大動脈弁形成術(再建術)

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比較的お若い患者さんの大動脈弁閉鎖不全症大動脈弁狭窄症に対してはこれまで機械弁をもちいた大動脈弁置換術が一般的でした。

A335_007しかしそれでは一生涯、ワーファリンという血栓予防のお薬が不可欠で、毎月、一生涯病院に通って検査を受け、薬の量を調整する必要があります。

それを避けるため生体弁を若い患者さんに使うことは増えましたが、その場合は将来何度か再手術を受ける必要があるという問題が残っていました。

これを解決すべく開発されたのが自己心膜による大動脈弁形成術(別名・大動脈弁再建術)です。

以下の患者さんはこの自己心膜大動脈弁形成術を受けて元気になられたかたです。

それも小さい創のミックス法で行いました。

比較的遠方からお越し頂いただけのものが提供できてうれしく思います。

これから永い間、のびのびと楽しく、くらして頂ければ幸いです。

**********患者さんからのお便り**********


拝啓

先生 この度は色々お世話になりありがとうございました。

2月13日に手術して頂き、約40日経過し、主人も大分普段の生活に戻りつつあります。

入院中は皆様に本当に良くして頂き、名古屋ハートセンターに決断して、夫婦共々つくづく良かったと思っております。

2月22日の退院の時には出張されていて御礼を申し上げる事が出来ませんでしたが、3月19日の診察の時、お会いする事が出来、主人も喜んでおりました。

そして、9月頃より奈良高の原でハートセンター開院のお話しをして下さり、有難い限りです。

自宅からは車で一時間弱で行ける距離だと思いますので、是非高の原での診察を望んでおります。

次回、名古屋ハートセンターの予約は8月ですが、主人の体調さえ良ければ、9月に延ばしてでも先生に診て頂けたら有難いです。

これから先、先生の「心臓外科手術情報WEB」等、注意しながら見、診察予約できる日を確認したいと思っていますので、これからも引き続き宜しくお願い申し上げます。
一番最初の問い合わせメールの件、(一時間で返信して下さいました)そして今回、前もって高の原開院の件をお話しして下さった事を、先生の御実家近く?の**病院に職員として勤務している娘に話しましたら、本当に親切な先生だと感動していました。

勿論私達夫婦も感謝に堪えません。
では、9月頃に受診させて頂く日、楽しみにしております。

敬具
平成25年3月25日

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お便り83: 拡張型心筋症と僧帽弁閉鎖不全症から立ち直り

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拡張型心筋症は難病で、重くなるとしばしば打つ手なしという扱いになることが世間では多いようです。

私たちはこの拡張型心筋症の治療にちからを入れてまいりました。

A335_007心臓外科の観点からは、拡張型心筋症が悪化したときに合併する機能性僧帽弁閉鎖不全症をしっかり治し、かつ左室をできるだけ良くすることが重要と考えています。

そのため、単に手術で頑張るだけでなく、その後のアフターケア、丁寧な薬の治療が大切です。

以下の患者さんは50代前半の男性で、駆出率20%台つまり健康な心臓の3分の1のパワーまで落ちた状態で、しかも高度の僧帽弁閉鎖不全症を合併して来院されました。

そこで僧帽弁形成術を工夫し、弁だけでなくなるべく左室のパワーアップを図るようにしました。

術後経過は良好でまもなく退院されましたが、その後も時間をかけてβブロッカーやACE阻害剤、ARBなどを使用し、じわりじわりと心機能を改善させていきました。

そして手術から1年後には駆出率44%へ、2年後には56%まで改善し、その後術後3年半の現在もこれを維持しています。現在のデータだけを見れば、もう心筋症や心不全の姿はありません。

ともに心臓手術を勝ち抜き、さらに時間をかけてじっくり薬を効かしここまでに回復された患者さんは、仲間そのものです。

その患者さんが手術のあと、退院されるときに意見箱に入れて下さったお便りです。

*********患者さんからのお便り*********

 

米田先生はじめ北村先生、深谷先生、小山先生、また担当戴きました看護師の皆様には心より感謝申し上げます。

米田先生にお会いするまでは騙し騙しぎりぎりまで手術を先延ばしするつもりでしたが今なら弁形成が可能であり、また置換と形成との効果の相違、また放置した場合と現時点で手術をした場合のリスクを、分かり易く比較して説明して戴き、今後のQOLを十分に鑑み、家族と話し合い手術する決意をする事ができました。

術前も、先生方が積極的にインフォームドコンセントを含めたコミュニケーションを取って頂き全く不安なく(本人は)手術を受ける事ができております。

今後は健康な体になり、気兼ねなく仕事に打ち込める事や、高校中学の二人の息子と妻ともスポーツを交えた楽しい時間を過ごす機会を与えられ社会復帰が楽しみです。

貴院に於かれましては志の高い看護師の方々が、更にスキルアップしようと研修に積極的に参加されている様子などから益々患者からの信頼性の向上が期待され発展されることを信じております。

本当にありがとうございます。

こちらの病院の看護師、受付、各職員の方々どなたも私ども患者に対しての応対が、低姿勢で丁寧と大変感心いたしました。

また担当のドクターの方々皆様、ハイレベルで人当たりも良く、患者の質問に丁寧に説明していただき、大変満足しており、感謝いたしております。

平成21年5月30日

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お便り82: 3度目の心臓弁膜症手術で

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弁膜症とくに機械弁つまり金属の人工弁の手術のあとは長年月にわたり、丁寧な治療やフォローアップが必要です。それによって元気で楽しい生活を長期間楽しむこともできます。そうした患者さんの人生をお支えするのも私たちの役目のひとつです。そこでは内科の先生方や開業医の先生方とのチームワークもたいせつです。

 

以下のお便りは東北地方在住の60代女性患者さんからA335_001のものです。

 

若いころ、僧帽弁狭窄症に対して僧帽弁交連切開術を受けられ、いったんお元気になられました。

その効果は20年近く続きましたが、そこで弁がまた狭くなり、カテーテルによる僧帽弁形成術を受けられました。

 

その後経過はまずまず良好でしたが、数年後また僧帽弁が狭くなり、大動脈弁もあわせて狭くなっていたため、ついに僧帽弁置換術と大動脈弁置換術を受けられました。どちらも金属製の、いわゆる機械弁でした。

 

以後も現地の大学病院に通院し、ワーファリンの治療を受けておられました。

 

15年経って、大動脈弁が狭くなって来ました。パンヌスと呼ばれる、患者さんご自身の組織が増殖し、機械弁の動きを妨げるようになったのです。

 

さらに2年たち、いよいよ弁が狭くなって、危険な状態となったため、ネットや本で勉強し決心して私の外来に来られました。遠方にもかかわらず、列車で長時間かけてお越し頂きました。

 

調べてみますと弁がきびしく狭くなり、しかも別の弁も二次的に逆流し、心不全が悪化していました。

 

再々手術はリスクがやや高くなりますが、このままでは永く生きられない危険な状態で、こうした手術に慣れている私たちに任せたいとのご希望のため地元の病院のご推薦も得て手術に踏み切りました。

 

 手術では心臓と周囲組織との間の癒着をはがし、それから大動脈弁とパンヌスを切除し、新しい人工弁を入れ、三尖弁も形成して無事終了しました。

 

術後経過は良好で、翌朝には集中治療室を退室され、術後10日目に元気に退院されました。

 

遠方のため、地元の病院と協力し役割分担しながら、名古屋へは時々健診に来られます。お元気にしておられます。

以下はその患者さんご本人からいただいたお礼のメールです。

 

 ***********患者さんからのお便り*********

(前略)

今私は台所で料理をしたり秋植えした花眺めたり、スーパーで買い物をしたり、また散歩をしていてもこのようにできるのは本当に米田先生に出会えて手術して頂いたからだなと毎日毎日思いながら喜びをかみしめ感謝しております。

三度目の手術が必要とわかった時の不安、ハイリスクであるらしいことなど考えて、いてもたってもいられずいろんな本買って読んだりネットで朝から晩まで調べました。

そして米田先生のページ見つけたのです。

読んでいくと先生の患者に対するあたたかい人間性や考え方とても尊敬できました。

そして米田先生にすべてをかけてお任せしようと決めました。

先生のページすべてネットから印刷しました。

だいぶ厚くなりましたが、何回も何回も読みました

まだ行ったこともない名古屋にはるばる主人と不安抱えながら行って説明聞き手術日まで決めました。

一回の外来ですべて検査できたのも助かりました。

 
手術も苦しいとか痛いとかなく入院もアッという間の夢中の二週間でした。

私は麻酔で何もわかりませんでしたが、さぞかし先生方は大変だったと思います。

外来で米田先生お見受けして思わずお声おかけしても気さくにお話ししてくださり本当にありがたいです。

治して頂いた命大事にしていきます。本当に有難うございます。

感謝

    

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心臓病患者さんのためのノロウィルス対策

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かなり強い寒波が日本列島のほぼ全域を襲っています。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

この寒波に合わせるかのように、ノロウィルスが流行しています。

病院などでは多数の死亡者がでているところもあり、十分ご注意ください。


Ilm09_ad13001-s症状は下痢や嘔吐が主なようですが、普通の下痢嘔吐よりも激しく、何日か続くため、心臓病の患者さんたちにはとくにご注意戴きたく思います。

というのは強い下痢と嘔吐が発生しますと、まもなく高度の脱水になります。

たとえばいつも手の甲にある静脈が良く見えている方の静脈が見えなくなっているとか、舌が乾いているなどがあれば要注意です。

すると血圧が下がって、血液も粘っこくなり、もともと心臓病がある心臓には一般の健康者以上に大きな負担になりかねません。

また心臓手術後とくに人工弁や不整脈などのためにワーファリンを飲んでおられる方々には、急に強い脱水となれば血栓ができ、そのための二次的な脳梗塞などの恐れが出て来ます。

さらに嘔吐が強くIlm09_af06004-sて、あまり食べられない状態が何日か続けば、日頃ワーファリン(血栓予防のお薬です)を服用しておられる患者さんでは、その効き目が極端に強まることがあります。この場合は脳出血の心配が出て来るのです。毎日の食べ物の中には多少ともビタミンKが入っており、食べるのをいきなり止めてしまうとビタミンKが全然ない状態となって、ワーファリンが強く効きすぎるという事態になりやすいのです。

そういうことで、もし強い下痢や嘔吐に見舞われたとき、まず近くのかかりつけ医に相談し、そのときの状態に合わせて点滴でしっかりと脱水を治すなり、ワーファリンの効き具合がちょうど良いレベルになるようにINR検査を受け、指導してもらったりすることがたいせつです。

それと一層大切なこと、それは予防です。


ノロウィルスは大変伝染力が強く、患者さんの便から他のひとの手につき、そこから感染することが多々あります。またトイレなどで汚物が乾くとウィルスが空気中に放たれ、その空気を吸うと感染します。

Gum06_fr01002-s

そのため、まずは手洗いやうがいの励行がたいせつです。外から帰れば、直ちにやりましょう。

また人ごみはなるべく避けるのが賢明でしょう。

しかしいったん嘔吐や下痢で発症すれば、上記のようにただちにかかりつけ医か病院へ行って下さい。

治せる病気で命を落とすことはぜひとも避けたく思います。

こうしてノロ対策を万全として、楽しいお正月をお迎えください

 

(2012.12.25.記載)

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お便り81: 大動脈二尖弁と上行大動脈、僧帽弁の患者さん

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大動脈二尖弁はそれ自体では必ずしも病気とは言えないのですが、大動脈弁の弁膜症を起こしやすいため、注意深いフォローアップが必要です。

同時に大動脈基部つまり大動脈の根っこの部分から上行大動脈にilm17_da05003-sかけて、大動脈の壁が弱く瘤になりやすいため、マルファン症候群のような結合組織疾患に準じたフォローアップが必要です。

これによって長期の安全性が確保しやすくなるのです。

下記の患者さんは大動脈二尖弁のため、お若い年齢でも大動脈弁閉鎖不全症と上行大動脈瘤を発症し、

さらにIEつまり感染性心内膜炎を合併したため僧帽弁閉鎖不全症も発生し、

このままでは心不全悪化や大動脈破裂などの懸念が強まるため来院されました。

この病気をきちんと治してくれる病院をもとめて、九州から来て下さいました。

詳しく調べますと、大動脈弁と僧帽弁の両方と、上行大動脈から弓部大動脈の一部までを治す必要があることがわかりました。

時間がゆるせば弁は両方とも形成か再建とし、上行大動脈は人工血管で置換したかったのですが、僧帽弁は前尖つまり主要パーツが全体に壊れているためその形成術も比較的複雑で、上行大動脈も弓部大動脈の一部まで治す必要があり、大動脈弁は破壊が高度であることもあって短時間で確実に生体弁で治しました。

とくに僧帽弁形成術では穴をパッチで治し、ゴアテックス人工腱索を8本立てて逸脱を修復しました。

以上をミックス手術で、小さい創で行いました。若い患者さんが創を気にせず楽しく暮らして欲しいからです。

術後経過は良好でまもなく元気に退院されました。九州から外来へ定期健診に来て下さいますが、元気いっぱいのお姿をみてうれしく思っています。

大動脈弁が将来壊れたら、TAVIという折りたたんだ生体弁をカテーテルでもとの弁の中に装着することで再手術が回避できるよう、極力大きな生体弁を植え込みました。

以下はその患者さんとそのお父さんからのメールです。とくに患者さんのお便りは他の患者さんたちのお役に立つようにという気持ちで書いて下さいました。

*******患者さんからのお便り*******

私は38歳の男です。

お便り81です生まれつき二尖弁と診断され、定期的に地元や他県の病院で診察を受けてきました。

 
将来的に手術も必要だと言われてましたが、自覚症状もなく、元気でしたし、運動も普通にしてきました。

歳をとるにつれ、大動脈弁の逆流もひどくなるし、大動脈も太くなってきてて、早めに手術したほうがいいと言われましたが、手術するのも怖くて、自分の病気にも向きあう事ができませんでした。

 
やはり手術するなら心臓専門の病院がいいと思い、パソコンから米田先生のホームページを見て、私の病気の事を米田先生にメールしたところ、返事をいただき、平成24年7月に診察をしました。

1日の検査で、治療方針を決めていただき、病気の症状など、丁寧に詳しく説明してもらって、その時はじめて米田先生に全てを任せようと決心する事ができました。

検査の結果は、大動脈弁閉鎖不全症、僧房弁閉鎖不全症、大動脈瘤です。大動脈瘤の太さは5センチでした。

手術は平成24年8月21日に決まり、大動脈弁置換術、僧房弁形成術、人工血管置換術をして、無事に手術は終わりました。

術後は、思っていたほど痛みもなく、2日目には歩いたり、食事も普通にできました。名古屋ハートセンターの看護師さんやドクターの方も親切な方ばかりで、入院中も不安なく過ごせました。

退院は8月31日で、入院から12日で退院する事ができました。

一度の手術で、三箇所を治す難しい手術みたいでしたが、現在の経過も順調です。

手術して約半年になりますが、仕事や運動などしたり、手術前よりあきらかに元気に過ごしています。

傷口も小さく綺麗なので、米田先生に手術していただいて本当に良かったと思います。心から感謝しています。

先生には新しい命をいただきました。

 

*******患者さんのお父さんからのメールです********

熊本・**市の****です。

ご無沙汰致しております。
次男の経過が良好なのも、先生ならびにスタッフ皆様の御蔭と感謝申し上げております。

病気発覚時に、開業医病院では処置できずに総合病院に転院した訳ですが、経過観察だけが続くだけで
ムンムンとした日々を過ごしていました。

私の二十五年前の経験から病院と先生は、自分の納得した上でお願いしたが良いと思っておりましたので、
ネットで全国の病院と先生を調べました。

こういう事を言えば言葉は悪いかも知れませんが、「医者と病院は、選ばなければ・・・・・」

米田先生のホームページを拝見しました時に、病の説明を細目に書き込みされている事に感銘致しました。
また、開業医の先生への項目に早めの紹介をと、書かれていたのに・・・・自分も同感致した次第です。

初めて、先生にメールで病気の問い合わせ致しました時も、ビックリするほど返信が早かったのを覚えています。
返信の内容で、不安が一掃したのも言うまでもありません。

九州・熊本から受診した時も、日帰り出来る様に手配頂いて、感謝申し上げます。
スタッフの皆様も暖かく親切でしたので、田舎者も安心して帰路についた次第です。
重ね重ね、今回の診察から手術までと、経過治療につきまして御礼申し上げます。

有り難う御座いました

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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