いい心臓・いい人生 【第106号】 シュワルツェネッガーさんと小澤征爾さん

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いい心臓・いい人生 【第106号】 シュワルツェネッガーさんと小澤征爾さん
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発行:心臓外科手術情報WEB
http://www.shinzougekashujutsu.com
編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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暑さと寒さが混在するこの頃ですがいかがお過ごしでしょうか。

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さて最近話題になっている弁膜症のお二人、アーノルド・シュワルツェネッガー
さんと小澤征爾さんの弁膜症の治療につきましてAll Aboutに記事をお書きし
ました。

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弁膜症治療は昔は多くの場合、弁置換つまり手術して人工弁を入れるしか選択肢
がありませんでした。しかし近年は体に優しい、胸を切らずにできるカテーテル
治療が進歩し、だいぶ治療体系が進化したように思います。

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俳優で元カリフォルニア州知事を務めたシュワルツェネッガーさん(愛称シュワ
ちゃん)の治療もその一つでした。残念ながら治療の最中で問題が起こり、
通常の胸を開く、いわゆる心臓手術に切り替えられたようですが、あとは無事に
終了したようです。カテーテル治療の良さと課題を教えてくれた一件でした。
早くお元気に社会復帰していただきたいものです。

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有名な指揮者である小澤征爾さんはまだ精密検査などの段階で治療はこれからの
ようです。大動脈弁狭窄症という弁が硬く狭くなる病気で、小澤さんのご年齢
からカテーテル治療、いわゆるTAVI(タビ)が用いられるかも知れません。
これは胸を切らずにできることが多いため、早くコンサートなどに復帰される
かも知れませんね。ぜひそうなって欲しいものです。

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それらの詳細はAll About(オールアバウト)の心臓血管の病気の私のページを
ご参照ください。

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こうした高齢者や体力のない、他の病気を持った患者さんたちへの低侵襲治療
(体に優しい治療)の一方で、大動脈弁形成術や僧帽弁形成術が進化しつつあり、
若い患者さんや活発な生活、仕事、スポーツなどを楽しみたい人たちに好適な
心臓手術もより患者さんたちのお役に立てるようになってきています。

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それぞれの患者さんたちのニーズに合わせた治療ですね。私たちもますます
頑張りたいものです。

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平成30年4月20日
医誠会病院心臓血管外科スーパーバイザー
米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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