いい心臓・いい人生 【第110号】 iPS細胞の心臓病治療での展開

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いい心臓・いい人生 【第110号】 iPS細胞の心臓病治療での展開
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発行:心臓外科手術情報WEB
http://www.shinzougekashujutsu.com
編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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梅雨が目前に迫るこの頃、体調など崩しておられませんか

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私の方は相変わらず賑やかに心臓手術や仕事に熱中しています。
最近、iPS細胞を用いた新しい心臓の再生医療の臨床治験が厚労省の認可を受ける
かも知れないという報道がありました。
かつて心臓の再生医療を進めていたものとして、そして現在も重症心不全の患者
さんを救命しているものとして、大変嬉しいことです。

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皆さんの関心を引くテーマですのでAll About(オールアバウト)に記事を載せ
ました。ご一読頂けましたら幸いです。

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iPS細胞はご存知のように山中伸弥先生がノーベル医学賞を2012年に受賞された
画期的なご研究です。皮膚やリンパ球などの入手しやすい普通の細胞に4つの
遺伝子を入れ込み、その細胞が若返り里帰り現象を起こして、ES細胞のように
様々な細胞に育つ力を持つというものです。

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iPS細胞は心筋細胞(心臓の筋肉細胞)にも育つため、これをシートの形にして
心臓の表面に貼り付け、弱った心臓を回復させようというわけです。
心臓をパワーアップするためには心筋細胞の量が足りないため、まだ
これから育てていく技術ですが、少なくともこれまでの骨格筋芽細胞シート
よりも動く可能性があり心臓の動きとつながる可能性もあり、進歩した技術に
なるかも知れません。

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私もかつて胎児心筋細胞移植の実験を世界に発信していた経験から、今回の
iPS細胞シートは今後の展開が楽しみにしています。

All Aboutにはその他にもお役立ち情報を掲載していますので、心臓外科手術
情報WEBとともにご一読頂ければと思います。

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それでは間も無くやってくる梅雨(台風も?)を楽しく元気に乗り切られる
ことをお祈りします。

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平成30年6月8日
医誠会病院心臓血管外科スーパーバイザー
心臓血管外科専門医・指導医
米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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