心不全パンデミック 【2020年最新版】

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最終更新日 2020年2月11日

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⬛︎パンデミックとは?

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病気が伝染病のように国中に広がることをパンデミックと言います。

大昔たとえば中世のヨーロッパなどではペストや天然痘などの病気で何百万人、何千万人の方々が亡くなった時代があります。これがパンデミックの一例です。

もう手がつけられない、どんどん人が死んで行く、それがパンデミックの世界なのです。

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⬛︎心不全パンデミックとは?

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高齢化が年々進み、それに比例するように心不全が増えて心不全パンデミックいる状態を心不全パンデミックと呼びます。

高齢者ほど生活習慣病とくに高血圧や動脈硬化などが増え、それが心不全の増加を後押しするからです。

しかもこれからの日本では人口がピークを打ち、その後は徐々に減るなかで心不全人口はより高い割合を占める、しかしそれを支える労働人口つまり若い働く人たちの数はさらに減るため一段と深刻な問題なのです。

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⬛︎心不全パンデミック、その心不全の治療は?

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心不全の原因を治す、さらには予防することが第一です。

たとえば心筋梗塞などの虚血性心疾患、大動脈弁や僧帽弁、三尖弁などの心臓弁膜症、拡張型心筋症や肥大型心筋症などの心筋疾患、先天性心疾患、その他の病気のそれぞれで、原因を封じ込め予防する、それができなければ早期発見して効果的な治療を行うなどですね。

また近年HFpEFつまり駆出率が下がらない心不全、多くは拡張機能障害なども高齢者では増えるのです。これらの治療も大切です。

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⬛︎移植や補助循環(人工心臓)があるのでは??

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移植や補助循環は重症心不全には切り札とも言える治療法ですが、ドナー心が圧倒的不足のため65歳以上の患者さんには使えません。そのため高齢化社会における心不全パンデミックの対策としてはあまり役に立たないのです。

さらに保険医療が財政破綻を来しつつある現在、補助循環を多数の患者さんに制限なく使うことは財政破綻をさらに促進することになり、現実的ではありません。保険医療がもし破綻すれば、収入に関係なく平等に医療が受けられる日本の医療制度が壊れてしまうのです。これは何としても防がねばなりません。

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⬛︎それではどうすれば良いの?

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上記の予防、早期発見と早期治療、かかりつけの先生方と専門医の協力連携などでできるだけ心不全になるまでに治すことが肝要です。

しかしそれができなかった場合、どうすれば良いのでしょうか。

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⬛︎心臓外科医としての私たちのお答えは、、、

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まず生活習慣の改善、お薬や心臓リハビリなどを行ってもダメな場合、その原因(虚血性心疾患や弁膜症その他)に応じた治療、必要なら手術を行うことで患者さんの心不全をできるだけ治すようにします。

それでもダメな場合は新しい左室形成術で治せるケースがあります。

残念ながらすべての心不全が治せるわけではありませんが、心臓内科の先生方がギブアップした患者さんをこれまで多数救命して参りました。

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⬛︎どんな心臓病、心不全なら新しい左室形成術で治せるの?

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心筋梗塞やステント治療後の虚血性心筋症、拡張型心筋症いわゆるDCM、虚血性僧帽弁閉鎖不全症や機能性僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁膜症などに続発する二次性の拡張型心筋症、左室緻密化障害にともなう拡張型心筋症など、左室が拡張して心不全になるタイプの心臓病に対応できることが多いです。、、、もっと詳しく見る

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逆に、新しい左室形成術が活躍しにくいのは、拘束型心筋症つまり心臓は大きくないが硬くなり動きが悪いとき、あるいはすでに寝たきりや認知症が進んでいる、大きな脳梗塞の後の状態、あるいは患者さんもご家族もこれ以上の延命を望んでおられない時などが挙げられます。

詳細はお問い合わせください。あるいは米田外来にてご相談ください。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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