いい心臓・いい人生 【第九十一号】成果をアメリカで発表して参ります

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いい心臓・いい人生 【第九十一号】成果をアメリカで発表して参ります
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発行:心臓外科手術情報WEB
https://www.shinzougekashujutsu.com
編集・執筆: 心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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あちこちで桜が満開になっています。お花見など楽しんでおられるでしょうか。

 

私は相変わらず仁泉会病院と医誠会病院で患者さんたちと向かい合い、
毎日汗を流しています。

 

さて心臓血管外科さらには胸部外科関係の学会として世界最高峰と言われる
アメリカ胸部外科学会が今年は100周年を迎え、大変な盛り上がりが期待
されています。

 

このアメリカ胸部外科学会では毎年、世界中から主だった人たちが集まり、
英知を結集した発表やディスカッションを行い、それは直ちに患者さんに還元
できるため、私は多少無理をしてでもスケジュールを合わせて参加しています。

この学会の正会員の一人であるため、義務として参加しなければという事情も
あります。

 

そのアメリカ胸部外科学会100周年の総会(5月1日から)で、私たちが
この15年あまりの間、京都大学病院、名古屋ハートセンター、そして高の原
中央病院、仁泉会病院と医誠会病院などで行って来た、機能性僧帽弁閉鎖
不全症に対する乳頭筋前方吊り上げ術が評価を受けて発表できることになり
ました。

 

内容は、これまで予後が悪いと言われて来た機能性僧帽弁閉鎖不全症の患者さん
たちがこの心臓手術で心機能が回復し、長期の生存率が高く、心臓の機能が正常
近くまで回復しお元気になられるケースが多いことが示された、というものです。
SHDカテーテル治療が元気な時代にあって、外科治療が優れているという外科の
心意気を評価されたのかも知れません。

 

この数年間以上、欧米の大きな学会たとえばヨーロッパ心臓胸部外科学会や、
アメリカの僧帽弁学会(Mitral Conclave)あるいはアジア弁膜症アカデミー
などでも発信して来ましたが、アメリカ胸部外科学会総会それも100周年の
会で発表というのは大変光栄なことです。

 

これまでご支援くださった皆様に心から感謝申し上げます。
何よりも、手術を受けそして頑張ってリハビリや外来をこなし、お元気になって
下さった多数の患者さんたちに、あらためて御礼を申し上げます。

 

こうした新しい心臓手術では患者さんがお元気になられ、楽しく暮らして
戴くことは、単にその方だけの喜びで止まらないのです。

 

同じ病気で苦しむ全国の方々にもその恩恵が届く可能性があるのです。また
その成果を受けて、心臓外科仲間でもこの手術を使って下さるというケースが
徐々に増えています。

 

皆様への感謝と、より多くの人たちのお役に立てることを願ってアメリカで
頑張って参ります。皆様、今後もご鞭撻やご指導をお願い申し上げます。

 

敬具

 

平成29年4月7日

 

米田正始 拝

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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