お便り136 ハードルを超えて大動脈弁形成術を完遂できた患者さん

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大動脈弁形成術は現在も難しい手術として知られています。ましてそれがリウマチ性がらみで、弁尖がより壊れている場合はなおさらです。

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患者さんは現在西日本に在住のアフリカの方です。現在IMG_2446は日本で仕事をしておられますが、将来は郷里のアフリカへ日本人の奥さんと一緒に戻ることを考えておられます。

そうした中で大動脈弁閉鎖不全症が進行し、心不全症状が出てきたため近くの病院で診察を受け、弁形成は難しいと言われて私の外来へ来られました。

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確かに弁が壊れ、下垂するだけでなく一部縮んで小さくなっており、弁形成には不利な状態でした。アフリカではリウマチ性の弁膜症が多いため無理からぬことでした。

しかし将来アフリカで安心して暮らせるようにとのご希望から人工弁を使う弁置換ではなく極力、弁形成をやることになりました。術後早い時期に仕事に戻りたいというご希望から骨を切らない傷跡の小さいMICSで行うことになりました。

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なかなかハードルが高かったのですが、ドイツの方法を中心とした近年の成果を活かして大動脈弁の逆流は軽度にまで治すことができ、心臓は完全に正常化し、お元気になられました。また将来もし弁の逆流が増えた場合にTAVI(カテーテルで入れる生体弁)ができるような工夫も併せ行いました。

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以下はその患者さんの奥様からのお便りです。

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米田先生

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御無沙汰しております。**の**です。

退院してから、一か月と少し経ちました。主人は、日に日に元気になり、先日は**病院に行ってまいりまして、

心臓のエコーを主治医が見られて、4分の一の状態に回復していると言われました。

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米田先生に手術をしていただいて、本当に良かった!としみじみ感じている今日このごろです。

米田先生は、患者に優しい手術、そして何より、患者に本当に温かく接して下さり、感謝の気持ちでいっぱいです。

今まで、お会いしたお医者さんの中で、米田先生のような立派な方にお会いしたのは、初めてです。

お世辞でも何でもありません。

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初めてメールをさせていただいてから、手術後まで、私が不安な気持ちを抱きながら、様々な質問をさせていただきましたが、

決して嫌がらずに、丁寧に対応して下さりました。お会いしても、変わらず丁寧で温かい対応をして下さいました。

本当に有難く、米田先生のような深い愛情をもった先生に出会えて、本当に感謝しております。

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心臓の手術ということもあり、経験も知識もない中、米田先生に手術をしていただいた私たちは、本当にラッキーでした。

米田先生に手術をしていただいた大動脈弁を大切に生活していこうと夫婦で話しているところです。

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(以下略)

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上記のメールの掲載許可をお願いしたところ、次の追伸をいただきました。

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私は、米田先生に出会わせていただくまでに、本当に悩んでいました。

主人の状態が主治医からの説明では納得がいかず、手術をするべきか否か、、、、、。

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主治医は、手術ではなく、薬の服用で様子を見ましょうということでしたが、

逆流の状態を知れば知るほど、また知人が突然死したこともあり、手術をしなくてもいいのか、、と悩みました。

また、手術をするのであれば、どんな方法があるのか、、、、、。

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毎日、毎日、インターネットを見ながら、情報を集め、勉強している状態でした。

大動脈弁を手術する方法としては、65歳までの年齢では、機械弁であるということ、

生体弁は、長持ちしないので、65歳以上であるということ。

尾崎先生が自己心膜弁という新しい方法をされているということ。

そして、心臓の手術は、医師の経験と実力で結果が大きく違うということ。

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米田先生のWEBサイトを発見して、何回も読みました。患者目線で、治療にとても愛情を感じる文面でした。

お会いして、文面以上に温かい愛情をお持ちの先生でした。

県外からの治療ということで、検討する内容もありましたが、それ以上に米田先生に手術していただいたことを本当に感謝しております。

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大動脈弁を、形成弁にするのは本当に難しく、技が必要ということを知っておりましたが、

米田先生は、それをMICSでして下さいました。逆流ゼロにならなかったのは、残念でしたが、

生体弁に置換するより、長期で見て良いだろうと言われたので、最善の手術をしてくださったと

思います。

本当に有り難うございました。

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追加のメッセージということでもないのですが、私の気持ちの整理も含めて書かせていただきました。

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どうぞ、この内容が少しでも同じ境遇の方の手助けになりましたら幸いです。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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