マルファン症候群、、患者さんの想い出

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Aさんはマルファン症候群をもつ50代の女性です。かつて私が京大病院にいたころ、定期健診をお願いしますと来院されました。

聞けば、下行大動脈瘤のためすでに下行大動脈置換術を他院で受けておられました。

sick_29しかしマルファン症候群のため、大動脈の他の部分が解離や瘤になればまた手術が必要なためこれから注意し、いざと言う時の備えを造りました。

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それから1年ほど経ったある日、Aさんから電話が入りました。

朝から急に胸や背中が痛むので、打ち合わせどおり近くのB病院へ行きました。そこでCTを取ってもらったら、上行大動脈が解離していると言われました、と。A309_095

そこで私もただちにそのB病院に急行し、そこで緊急手術を行いました。

解離した上行大動脈を人工血管で置換してAさんは一命を取り留めました。

まもなく元気に退院して行かれました。

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このお話しはマルファン症候群の患者さんが、日頃からいざと言う時の準備、備えをしておけばこれほどスムースに安全に救命できることを示すものと思います。Aさん、ご理解とご協力ありがとうございました。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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