僧帽弁弁膜症、、、患者さんの想い出

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Aさんは60代女性で僧帽弁膜症のため当時私が勤務していた名古屋ハートセンターへ来院されました。それも遠方からでした。病院は開設直後でまだチームを日々育てているところでした。

Aさんの僧帽弁膜症は弁の逸脱と逆流で、私がもっともちからを入れている弁形成術の良い適応でした。安全に確実に治せるという確信はありましたが、なにしろ病院開設一例目なので、申し訳なくて、正直にその旨お話ししましたが、敢然と手術を希望されました。

これほど信頼して戴いているからにはそれに応える十分な手術をしようと、皆しっかり準備して手術に臨みました。シュミレーションを繰り返し、関連の豊橋ハートセンターからも大勢の助っ人に来ていただき、万全の態勢で臨みました。

結果は上々で、Aさんの僧帽弁膜症はきれいに治り、逆流も狭窄もない、健康な弁と心臓にもどりました。まもなく元気に退院して行かれました。

患者さんが医者を育てて下さるというのはこのことだなあと今もAさんに感謝しています。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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