最終更新日 2020年3月4日
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◾️いわゆる付き添いさんは
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通常とくには必要ありません。
中でもICU(心臓集中治療室)に患者さんがおられる手術直後(通常1日、重症患者さんでも平均1-2日)は
医師・ナース・技師らが常時そこに居ますので付き添いは不要となります。
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◾️付き添いよりも必要なのは
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ただ、ICUに滞在中の患者さんの回復を促進するという観点からは、
付き添いではなく、ちょくちょく訪問して頂き、話をしたり聞いたり、それも世間話や患者さんが好きな話題を持って来て頂きますと、患者さんの回復に大変役に立ちます。
世間でよく言う「ICUシンドローム(ICU症候群、ICUに長くいると、一時的にどこかおかしくなること)」はこうして予防なり早期解決しやすくなります。
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それと術翌日は通常は一般病棟の重症個室へ移動して頂き、社会復帰への第一歩を進めて頂きますが、
この時点ではご家族がちょくちょく訪問して下さると患者さんの気持ちも前向きになり回復にも役立ちます。
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◾️いわゆる「静養」は体に悪い?
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意外に知られていないことのひとつとして、心臓手術のあとは、じっと仰向けで寝ている、いわゆる「静養」は体に大変悪いのです。
それは肺の背中側にたんが貯まり、発熱や肺炎の原因になるからです。
ご家族と語らい、そのために起きたり座ったり、可能なら立ったりすることが心臓手術後の回復には大変良いわけです。
これらについては、医師や看護師などの医療者とは一味ちがう良さがご家族やご親友にはあるのです。
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まもなく患者さんは一般病室へ移られ、ふつうに動いたり歩いたりできるようになり、それからはむしろご自分で身の回りのことをやる方が良いリハビリ、トレーニングになります。
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患者さんがアットホームな形で、ICU症候群で困ることも少なく回復して行けるように工夫しています。
大部屋でお互い声をかけたりできるため社会復帰のための良い練習になります。
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◾️ご家族もチームの一員です
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ともあれ医療は医療者のみならずご家族も、そしてほかならぬ患者さんご自身も大切なチームの一員です。
皆が一致協力して「やったるでー」となれば、手術のあとの回復のスピードアップに役立つというものです。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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