【テスト】はじめての方へ ―まずお読みください 【2021年最新版】

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最終更新日 2023年9月11日

心臓外科手術情報WEBではこの領域の最新情報を一般の方々にもできるだけ理解しやすいように、心臓血管外科専門医の米田正始がご説明します。
以下を参考に1.から14. までの解説をごらん下さい。どの項目を見るかがわからない場合は10.さくいん のページもご参照ください。

御案内 health_0021

また「心臓外科手術情報WEBについて」「よく戴くご質問」のページもご参考にしてください。
お問い合わせはこちらをご覧ください。

1.心臓手術の概説

他の臓器のそれと比べた、その全般的特徴を知るのに役立つでしょう。それが安全対策につながるのです、、、
続きを見る
◆もし「あなたは心臓手術が必要です」と言われたら、、、
こちらをご参考にしてください

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◆心臓病そのものの基本的な注意点などを簡単にまとめました。

などを簡単にまとめました。こちらもごらんください、、、続きを見る

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基本になる「心臓血管の仕組みや主な病気」は「All About」(オールアバウト)に記事(専門医・米田正始が執筆しています)を載せてありますのでご参照下さい。

Aboutは知識の百科事典のようなページでアメリカ等で人気があり、日本でも急速に充実・普及しつつある有益サイトです。

◆心臓血管手術の今後の方向は

流れはより低侵襲つまり体への負担の少ない、体にやさしい方向にありますが、同時にこれまでお手上げだった重症例を救うための本格手術という方向もあります、、、続きを見る
このように虚血性心筋症が悪くなると命にかかわる状態になってしまいます。この状態では胸痛がないことも多く、患者さんご自身では状態がわかりにくいため油断は禁物です。

2.MICS(ミックス、低侵襲小切開心臓手術)は

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安全性を維持しつつ小さい皮膚切開で患者さんにやさしいオペです。その実際を解説します、、、続きを見る
(右図の右側はMICSでの皮膚切開の一例です。左側は通常の正中切開です。右写真はMICSの傷跡の実例です)

◆傷跡が目立たない心臓手術
これからより多くの方々のお役に立つことでしょう、、、続きを見る

◆ロボット手術は魔法の手術?
今話題のダビンチ・ロボットとは、、、続きを見る

◆もう一つのミックス、、、ミックスが医学的に危険なとき、胸骨正中切開時でも早い仕事復帰や早期のクルマ運転復帰が、、、続きを見る

◆心臓血管外科の名医とはも参考にして下さい。

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正確さとスピードの両方が求められる心臓手術では他臓器のそれより術者の技量差が結果の差つまり患者さんの生き死にの差に現われやすい特徴があります。

そのため経験量や熟練度それも一人あたりのそれが大切なわけです、、、続きを見る

3.ハートチーム

患者さんにベストの治療を行う ため、これからの医療のあるべき姿です。欧米では当然のこととなりましたが日本もそれを目指さねばなりません、、、続きを見る
ガイドラインで示されたハートチームの大切さ。もはや世界の常識になりつつあります、、、続きを見る

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4.心臓手術まえのオリエンテーション

具体的にどう進んでいくか見てみましょう。心臓手術を受けることを考えておられる方に参考になるでしょう、、、続きを見る

さらに以下もご参考にして下さい。

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◆糖尿病について

糖尿病では心臓血管が壊れやすいため心臓血管手術が必要になることがよくあります。

また術後も糖尿病のコントロールが大切で、そうしてこそ永く元気に暮らせるのです、、、続きを見る

◆慢性腎不全・血液透析について

腎不全の患者さんも全身の血管が壊れやすいため注意が必要です。
腎不全の患者さんが長期的に亡くなる原因は心臓血管・脳血管の病気ですので、
これらを予防し、予防できないときでも早期発見・早期治療すれば長生きしやすくなります、、、続きを見る

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◆メタボリック症候群と心臓

近年話題になったメタボリック症候群は心臓血管の大敵です。
その予防は生活習慣とくに食事と運動から始まります。
同時に定期健診が命を守ります、、、続きを見る

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◆ローカーボ食ダイエット(つまり糖質制限食、新しい科学的ダイエットです)はこちらへ。

米国の糖尿病学会ではすでに市民権を得ています。

◆日本ローカーボ食研究会のHPはこちら

さまざまな有益情報があります

5.ご高齢の患者さん

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信長の戦国時代には人生50年と言いました。今、そう思う方はおられないと思います。
でも70年生きたからもう死んでも良いと仰るかたはあります。
現代は80年以上、元気に楽しく暮らすことが普通の時代です。そのために平素の健康管理、病気の予防が大切ですが、治せる病気が見つかれば高齢でもきちんと治し、社会復帰することが個人にも社会にも有益です、、、
続きを見る

さらに左室全体の形が崩れて丸くなるために、僧帽弁という左室入り口にある弁もゆがみ、弁が逆流することがよくあります。これを虚血性僧帽弁閉鎖不全症といい、これによって状態が大きく悪化します。

このように虚血性心筋症が悪くなると命にかかわる状態になってしまいます。この状態では胸痛がないことも多く、患者さんご自身では状態がわかりにくいため油断は禁物です。

6.がんをお持ちの心臓病患者さんについて

独特な工夫が必要で、それによって問題を解決できることがよくあります、、、続きを見る

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7.いわゆる難病について

難病というのはあまり良い言葉ではないような気がします。難病でもある程度以上治せるもの、あるいはうまくコントロールして生活を守れることはよくあります。

心臓関係の難病もそうです。難病イコールもうダメとは限らないのです、、、続きを見る

8.医療費はどのくらいかかりますか?

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これはよく戴く御質問です。
我が国の医療保険制度はこの点立派で、
大きい心臓手術でも患者さんやご家族の負担が最小限になるようにできています、、、続きを見る

9.遠方の患者さんの場合は

遠方でも地元の病院とチームワークを行うことで
高い医療レベルと患者さんの便利さを
両立することができます、、、続きを見る

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10.待ち時間につきまして

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待ち時間は患者さんにとって苦痛や負担になるものです。
なるべく待ち時間を減らす工夫が重要と考えています。
一回の外来で主な検査ができ、しっかりとした方針が立てば、遠方の患者さんにもメリットがあると思います、、、続きを見る

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奈良市とそのエリアにおける心臓手術について

、、、続きを見る

11.セカンドオピニオンのもらい方

セカンドオピニオンはしばしば患者さんを救います。
現在の病院に疑問ある場合は積極的に他病院でセカンドオピニオンをもらうようにするのが現代は広く認められています、、、続きを見る

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12.手術前に心カテーテル検査は必要ですか?

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かつては心臓手術の前は何でもカテーテルという時代でした。今はそうとは限りません。
カテーテルなしでも困らない病気ではカテーテルを省略することで患者さんの負担や苦痛を減らすことができます、、、続きを見る

13.手術前に経食道エコー検査は必要でしょうか?

有用なことが多いですが、必ずしも必須とは限りません。
手術が必要という根拠があれば、オペ室で眠って戴いてから快適な経食道エコーで精査し手術へと進むようにしています。しかし快適な経食エコーなら安全と質の向上のため前向きに前もってやるのも一理あります、、、続きを見る

14.大切にされる患者道

患者さんが医師・医療者と仲良くそして良い雰囲気と信頼関係を築くことは大変良いことです。治療もそれだけうまくいきやすくなります。
そのためには大切にされる患者道をご覧下さい。
医者や看護師・技師などの医療者もまた現在の貧相な医療保険制度のもとで手弁当の努力をしています。
この点、患者さんと理解共感のうえ協力できればより良い医療へと進めると思います、、、続きを見る

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それぞれの病気のご説明ページはつぎのとおりです

1.まず僧帽弁とか大動脈弁をはじめ、何らかの弁が壊れている(逆流とか狭さくなど)と言われた方は弁膜症のページへ。弁膜症のトップページはこちら。

2.心拡張・心拡大や心肥大とか心臓の筋肉が壊れている、あるいは心不全と言われたら心筋症・心不全のページへ

3.胸やお腹の大動脈が大きくなっている・こぶのようだとか破裂しそうだと言われた方は大動脈疾患のページへ

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4.狭心症(胸の痛み)や胸の締め付け感などがある方は虚血性心疾患のページへ。中には弁膜症や大動脈疾患で胸が痛むことがありますので、そちらもご参照下さい。もちろん早目に病院か医院へ御相談しつつ。

5.足の血管が詰まったと言われた方や歩くと足が痛む方、閉塞性動脈硬化症ASOと言われた方は動脈硬化症のページへ

6.生まれたときからあるいはこどものころからの心臓病と言われれば先天性心疾患のページへ。こどもの頃からの病気ですが高齢者になっても影響は大きいですので。

7.かかりつけの先生に心臓病と言われたとき、あるいは心臓手術が必要と言われたとき、どの病院へ行ったら良いかわからない場合はこちら

8. 心臓腫瘍(心臓にできものやがんが ある) と言われたらこちら。腫瘍の性質、サイズや部位によっては急ぐものもありますので。

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9.収縮性心膜炎(略称CP)との診断を告げられたらこ ちらへ。軽ければお薬で良いのですが、重症では心臓手術が必要となります。右図のようなたまごの殻の中に心臓が閉じ込められた形になるからです。しかしほとんどの場合は治せる病気です。
ミックスMICSによる収縮性心膜炎の手術: 痛みを減らし、創を見えにくくし、早く仕事に復帰するために
心タンポナーデ。心臓の周りに水や血液などが貯まって心臓を圧迫します。重症ではいのちにかかわる病気です。

◾️10.まだ病院に行くことができていない方でも、
さいきん息切れが強くなったとか、
胸が痛むあるいは重苦しくなる、
胸がどきどきする、
一度失神したなどの症状があるようでしたら、
まずかかりつけの先生に相談されるか、左段下の要領で私たちにご相談ください。

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11.地震後のクルマなどの生活や飛行機での長旅のあとで息切れや胸痛が起これば肺塞栓症のページをごらんください
12.心臓ペースメーカーについてはこちらをどうぞ

13.エホバの証人の信者さんで心臓血管外科手術を考えておられる方はこちらをご覧ください
14.睡眠時無呼吸症候群(略称SAS):これはイコール心臓病ではありませんが、心臓病になりやすいため注意が必要です

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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心臓手術!?

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ある日突然、病院で「心臓手術が必要です」と言われたら、あなたはどう感じられるでしょうか。

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人間誰でも体にメスを入れられるのは嫌なものです。だからさまざまな理由をつけてそれを逃れようとするのはある意味、当然のことです。

しかしその心臓手術が患者さんにとって益する、つまりオペするほうがしないより安全上有利となればどうでしょうか。しかしその情報が信頼に足りるものであることが必要ですね。

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このコーナーでは Ilm17_ca05007-s患者さんが心臓手術をと言われてお困りのとき、頭が真っ白になってどうしたら良いかわからないときに、静かに客観的に情勢を見極めるのに役立つ情報を集めました。

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ようするにその手術があなたの得になるなら受ける、損になるなら受けない、

その判断材料を提供します。

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◆まずその心臓手術の必要性について

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ホントに必要なの?→→心臓手術することで寿命が延びるなら必 A311_018要と言えましょう。逆にプロが見たら不要だったということもあります。できるだけ科学的に、客観的に、つまり正しくすることが大切で、、 続きを読む

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■こんなに元気なのに!→そのとおり、症状のない方に手術するのはかなり限定した状況のときです。つまりこれから悪くなるのが確実な時などですね。その一方、危険が迫る病気では、オペを乗り切るだけの体力があるうちが有利です →続きを読む

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■どこも痛くないよ!→痛くない心臓病もあります。強い痛みが出るタイプの心臓血管病は患者さんも実感があり判断が遅れることが少ないのですが、痛みがないタイプでは逆に手遅れにならないよう、注意が必要なのです →続きを読む

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■じっとしてたら苦しくないよ!→それは4度の心不全ではなさそうですね。しかしじっとしていて苦しいようでは手遅れのこともあります →続きを読む

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■心臓手術しなくっても生きて行けるんじゃない?→今の状態がいつまで続くのかを知ることが大切です。そしてオペしないときに、患者さんがいつ、どのように死んで行かれるかを知ってください →続きを読む

216319072.

 

■心臓なんて切ったら生きていけないんじゃない?

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それは昔の常識でしたが今は違います。

この臓器は血液ポンプであり「こころ」は宿っていませんし →続きを読む

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■もう手遅れなんじゃない?

手遅れかどうかまず調べることが大切です。ご自分で早合点して助かるチャンスを逃した方もこれまでありました。

また病院によってその手遅れ判断は大きく違います。

つまり病院によっては手遅れでないということがあるのです →続きを読む

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A311_009◆そしてその病院に対して、

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■この病院で心臓手術受けて大丈夫?→術者や病院の実績を調べることが大事です。こと執刀数については、日本の心臓血管外科専門医は心臓と血管合せて50例で合格します。心臓だけなら20例そこそこでも専門医になれるわけで、欧米の専門医のように信頼の証にはなりません。また数だけでなく質も大切です。簡単な心臓手術をたくさんやっているだけの病院もあるのです。

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■ほかにもっと良い病院や先生がいるんじゃない?→そうかも知れません。まず調べることが大切です。心臓手術は一生に一度あるかないかのおおごとです。納得できる病院と先生のもとで受けましょう。

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大病院■この病院、大病院だけどあまり心臓手術やってないよ→建物だけは立派だけど中身は平凡という病院は意外に多いです。建物より内容、実績が大切ですよ。

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■アルバイトの先生はいても常勤の先生が少ないし→アルバイトや非常勤の内容によってはチームとして不完全なこともあります。

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セカンドオピニオンを 131122526ほかでもらえない?→それは患者さんの権利です。いつでももらえるはずです。迷うときにはもらうことをお勧めします。前もってネットで情報を得ておくことも役立ちます。→続きを読む

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■でもそんなことしたら、この病院の先生に嫌われる?→セカンドオピニオンを渋ったり、ひどいときには断る先生が今なおおられると聞いています。それ自体、医師として欠陥ものです。というのは自分がやっている医療を他人に見られたくない、自信がないからです。こういう場合、せかんオピニオンは必須です。

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◆さらにその心臓手術の詳細について、

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■(弁膜症手術の場合)弁形成ができるんじゃない?→弁置A304_039換はたくさんやっていても弁形成ができない病院はかなりあります →続きを読む

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■長持ちする弁形成の実績はあるんだろうか→弁形成の後、長期の成績をきちんとフォローし発表している病院が良いでしょう続きを読む

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■僧帽弁の後尖だけなら治せるなんて言ってるけど→それは前尖は治せない、つまり人工腱索の長さを自信をもって決められないという意味なのです。弁形成のレベルが低いという証拠になり、後尖の形成さえあやしいと言えましょう。

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創 (きず)が小さいミックス手術ポートアクセス法はできないの?MicsAVR

→ミックス手術ができない病院はたくさんあります。ごく簡単なミックスを少数行って、いつもやっているように語るところもあります。複雑弁形成や大動脈弁手術などもミックスでやっているかを聞くのも良いでしょう。

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(左写真は私たちのミックス弁膜症手術のあとです)→真実は

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■ホントにお目当ての先生に執刀してもらえるの?→→希望をはっきりと言いましょう。このような大事な時に遠慮は無用です →続きを読む

ilm14_bf01002-s.

■すぐ仕事復帰できるんだろうか?→オペから平均1か月程度ですが、仕事内容によってはもっと早くなります。またミックスのあとは早めに復帰できます。→続きを読む

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■孫の結婚式までに退院できるの?→およその計算は前も ってできます→続きを読む

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■脳pc48梗塞にはならずにすむんだろうか?→心臓手術の熟練チームなら脳梗塞はめったに起こらなくなりましたが、動脈硬化が強い方などでは注意が必要です →続きを読む

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■オペのあと、創が痛いんだろう?→ある程度の痛みはつきものですが、私たちの経験ではミックス手術とくにポートアクセス法のあとは痛みは軽いです →続きを読む

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CLPL112■お金がかかるんじゃない?→幸い日本では保険制度のおかげで心臓手術の患者さんの自己負担はわずかです。ただしロボットなど保険適応ですべてカバーできない方法では高額の出費が必要です →続きを読む

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■家族に迷惑かけたくないし→→通常の保険診療での心臓手術でしたらご家族の負担も軽いです →続きを読む

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■自分の年齢と体力でほんとに大丈夫?→→近 Ilm19_ca02024-s年は80代の患者さんの心臓手術は当然のようになりました。若い方よりは注意が必要ですが、昔の70代ぐらいの印象ですね →続きを読む

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■糖尿病あるし、、→→糖尿病の方こそオペの恩恵をもっとも受けるという心臓病もあります。たとえば狭心症・心筋梗塞などですね →続きを読む

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A313_098■腎臓も悪いし、、、→→心臓病が悪いままだと利尿剤などのために腎臓が弱っていくことがあります。なお腎不全でも心臓手術はできるのです。一方、腎臓を守るためにも心臓手術するというケースもあります。 →続きを読む

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■肝臓がダメと言われてるから、、→→肝臓も同様です。ただあまり肝臓がやられ過ぎると、オペはできなくなります。そうなるまでに受けるのを勧めます →続きを読む

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■輸血になったらどうしよう!→→輸血は極力避けるよう全力を尽くします。しかし生きて頂くためにどうしても必要ということもあります。この意味で自己血貯血をやる病院は理想的です →続きを読む

185065040→→自己血輸血の続きを読む

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こ うしたさまざまな不安や心配がつのるかも知れません。

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その病院の主治医とじっくり相談することがまず大切です。

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しかし納得できない、あるいは判断しづらいときには、広く情報を集めるべきです。

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上記のように他病院でセカンドオピニオンをもらうのも大変有益です。

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◾️餅は餅屋に

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また心臓内科だけでなく心臓外科の意見をもらうことも重要です

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冠動脈の病気なら冠動脈の専門家に、弁膜症なら弁の専門家の、大動脈疾患なら大動脈の専門家の意見を聴くのが良いでしょう

餅は餅屋ですから

.

 

心臓手術は一生に一度あるか どうかの大きな出来事です。

他の手術と比べて、多少ともリスクは高いこともあります。

そこでへんな遠慮は要りません。Ilm17_bc03015-s

.

医師や病院との信頼関係はきわめて重要ですが、同時に

自分のいのちや健康は自分で守るという気持ちも大切です

いのちあってのものだねですから

.

 

.

 

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関連ページのご案内

 

❤ 経済的、社会的なこと

Q1.心臓血管手術の 医療費はどのくらい

Q2.遠方の患者さんの場合は

Q3.他院で受けるには?

Q4.かかりつけ医の大切さ

Q5.セカンドオピニオンのもらい方

Q6. 付き添いさんについて

Q7.  後期高齢者の患者さん

Q8.コネとカネは必要?

Q9. 突然手術と言われて納得できません→より良い説明

Q10. 内科の先生から大したことはないのでもう病院へ来なくて良いと言われました。大丈夫でしょうか?→より良い説明2


医学的なこと
 (個々の病気に関することは解説の各ページをご覧下さい)

Q1.心臓手術をそちらで受けたいのですが、心臓以外の病気ももっており、、、→私のお勧めは、、

Q2.糖尿病もわずらっています。→糖尿病についてあるいは糖尿病性網膜症について

Q3.血液透析を受けています。→慢性腎不全・血液透析について

Q4.高齢ですが→ご高齢の患者さんについて

Q5.私はがんと心臓病の両方を持っています。→がんをお持ちの心臓病患者さんについて

Q6.手術前に心カテーテル検査は?→心カテーテル検査

Q7.私はエホバの証人の信者ですが→エホバの証人の患者さん


Q8.心臓関係の「難病」で苦しんでいますが→難病について

Q9.サルコイドーシス心筋症について

Q10.→マルファン症候群について

日本マルファン協会での講演と質疑応答 2010年8月 へ進む

Q11.→心臓の再生医療について

Q12.下肢(足)の再生医療は?新しい再生医学の治療法

Q13.成人先天性心疾患について

Q14.ペースメーカーによる三尖弁閉鎖不全症について

Q15.心臓病の名医とは

Q16.術後の社会復帰について 

Q17.美容について

Q18.必要な検査

 

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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INDEX

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■ 異動のお知らせです。

■ テレビ放映 3回分がUpされました メディアのページを。リンクもご参照ください

■ 通算アクセス数が300万を超えました(TypePad社データ)。感謝とともに今後の充実をお約束いたします(2014.11.19.)

■ 名称が心臓血管外科情報WEBから心臓外科手術情報WEBに変わりました(2013.2.2.)

■ EVAR(ステントグラフト)やミックス手術ポートアクセス手術などの低侵襲手術の項目を充実させました。(2011.12.)

■ かつて京都大学病院で米田正始の心臓血管手術を受けられた患者さんたちへご挨拶

■ 日本マルファン協会での講演と質疑応答を掲載いたしました

■ 「All About」の拙筆「心臓・血管・血液の病気」シリーズもご参照下さい

■ メールマガジン(右段)および心臓外科医の日記ブログ(左段)もご覧ください

■ 論文リスト ~英語~ ~日本語~ (ご参考になれば幸いです)

■ 心臓外科手術体験記 お便り1 うれしいニュースを戴きました。がんばって下さってありがとう

心臓外科手術体験記 お便り14 冠動脈バイパス手術と僧帽弁形成術から何年も経ち、なお絆が健在であることをうれしく思います

心臓外科手術体験記 お便り118 東日本大震災と心臓手術を乗り越えられた患者さんからです。MICSの僧帽弁形成術はここでも活躍できたようです

心臓外科手術体験記 お便り117 心尖部型肥大性心筋症への難手術を乗り切って見事に元気さを勝ち取られました

心臓外科手術体験記 お便り116 複雑な三尖弁形成術それもMICSで長年の心臓病を克服されました。遠方からご苦労様でした。

心臓外科手術体験記 お便り113  5回目の心臓手術と2つの内臓不全という大ハンデにもかかわらず、元気な生活を取り戻されました

心臓外科手術体験記 お便り111  世にも珍しい心臓腫瘍でしたがMICSで目立たない傷跡で内外ともきれいに治りました

心臓外科手術体験記 お便り110 心房中隔欠損症などがMICSできれいに治り、またお元気に社会復帰されました。この方のブログもご覧ください

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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西奈良中央病院

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西奈良中央病院はその名のとおり奈良市西部の中核病院で、かつ地域密着型です。

昭和31年に開設され、年々発展を遂げてこられました。

平成18年には病院機能評西奈良中央病院価で合格され、同24年には現在の鶴舞地区へと移転新築され発展しておられます。

奈良県における緩和ケア病棟の草分けのひとつですし、慢性血液透析や人間ドックにもちからを入れておられます。

もちろん地域医療の拠点として救急医療にも貢献しておられます。

奈良医大の関連病院というご縁もあって高の原中央病院とは以前から交流があり、かんさいハートセンターが発足した2013年からは病々連携が次第に密になっています。

紹介には逆紹介でお応えし、今後ますます連携を強めて行ければと思います。

 

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執筆:米田 正始
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西ノ京病院

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西ノ京病院は奈良県で最大の透析センターをもつ地域の中核病院で昭和61年に開設されました。世界遺産薬師寺のちかくという得難いところにあります。

療養や介護まで幅広く守備範囲とする新しい時代に即応した病院です。あたらしい地域包括ケアにも対応されています。

透析にちからを入れておられるため循環器内科や血管外科も活発です。

前者はこれまでも交流があり今後より活性化して参りたいものです。重症例や緊急例を多くこなしている私どもかんさいハートセンターですので双方向の連携が楽しみです。

後者ではとくに静脈瘤の手術や治療で実績を上げておられ、奈良医大の関連病院として高の原中央病院とも交流があり、私たちかんさいハートセンターからもご紹介することがよくあります。

西ノ京病院は地域医療と並行して健診にもちからを入れておられメディカルプラザ薬師西ノ京はPETなどの早期がん健診でも有名です。

それやこれやで地域医療のパートナーとして私たちがこれからお役に立てればうれしいことです。

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大和高田市立病院

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この病院は昭和28年に開設された奈良県中西部の320床の基幹病院です。

現在は砂川晶生先生が病院長を務めて 大和高田市立病院
おられます。

エイズ感染協力病院や災害拠点病院、 奈良県地域がん診療連携支援病院なども兼ねている有力病院です。

昔から京都大学や奈良県立医大などとの交流が多く、私も学生時代に先輩を訪ねて実習させて戴いたことがあります。ちょうど昭和55年ごろのことで当時は西嶋先生が部長として活躍しておられました。そのころは消化器内科の故・兼松雄象先生が院長を務めておられ、同窓会雑誌などを売り込みに参上しお世話になったこともあります。

Ilm09_ag04004-sかつて故・長瀬正夫先生という名物外科医がおられ、そのころから腹部一般外科が元気な病院という印象がありました。長瀬先生は胆石手術の名手で、京大での講義は私の友人によれば「嵐のような講義」で明快で力強い、患者さんに役立つ、頭の中がすっきりする、そういう講義でした。

現在は畏友で元クラスメートの岡村隆仁先生が外科部長兼副院長として活躍しておられ、同先生が着任されてから外科手術は何倍にも増え、年間900例以上という奈良県でもトップクラスの実績を上げるに至っています。

手術や治療が質量ともに充実しているため、これまで10名近い若手医師をご紹介させていただき、皆さん満足してくれています。これからも自信をもってご紹介したいものです。

京大心臓血管外科の教授を拝命していたころに、この病院で講演をさせて戴いたことがあり、その後の会食も含めて歓待いただきうれしく思ったものです。

私が学生病院実習でお邪魔していた昭和54-55年ごろの建物に加えて平成11年には東館が建設され、今はかなり大きな病院になっています。ハイケアユニットや教育研修センターも併設され、大きく展開しようとされています。

奈良県の地域医療のレベルアップのためにこの大和高田市立病院と連携して私たちのチームがお役に立てればと願っています。とくに心臓や大動脈の緊急手術や傷跡の目立たないMICS手術弁形成その他で他にはできない貢献ができればうれしいことです。

 

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執筆:米田 正始
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元・京都大学医学部教授
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土庫病院

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土庫病院は奈良県中部の地域医療を支える拠点病院です。

無差別・平等の医療、安全・安心で信土庫病院頼される医療を理念に掲げた、志の高い施設です。

奇しくもほぼ私が生まれた頃に発足し、多くの地域住民から支持され現在の199床(一般病床) 13床(地域包括ケア病床)の病院に発展しました。

無料低額診療事業を推進し、誰でも安心してかかれる病院へと努力しておられます。

 

私の実家医院での患者さんのなかにかつてこの土庫病院で事務職として勤務しておられた方があり、お話を聴くたびにここが患者中心、住民本位で愛されていることが実感できます。

とくに消化器疾患、大腸肛門疾患の予防や早期診断と治療にちからを入れ、小児科診療、透析、リハビリテーション、在宅訪問、介護とともに地域医療の基盤を大切にしておられます。

 

院長の山西行造先生には私が京大病院心臓外科にて奉職していたころから大変お世話になり、地に足つけた地域医療の手本を何度も見せて戴きました。また何人もの心臓病患者さんを遠方から搬送いただき、全力あげて心臓手術し元気にお返ししたのを覚えています。

 

高齢化社会で非都市部の奈良県にあって、患者さんもこれまで以上に高齢・重症です。90歳を超えるお歳で、しかしまだまだ生きる意欲を持っておられる患者さんも少なくありません。それぞれの患者さんの全身状態から家庭事情までを考慮して最適の治療を組み立てることが大切と考え、ハートチーム、というより病院全体の知恵を出しあって努力しています。

先日も90歳を超えた患者さんの弁膜症手術でお元気になって頂きました。

故郷奈良県で、個々の患者さんたちのお顔が見える地域医療に貢献できるのは光栄なことです。

今後もよろしくお願い申し上げます。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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第9回宮城 Cardio Tissue Labo Seminarで

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この回は東東北大学病院北大学心臓血管外科が中心となって若手心臓外科医の手術手技修練のために毎年開催されているものです。すでに9回目で実績のある恒例行事になっているようです。

写真右は東北大学病院です。

今回は教授の斉木佳克先生のご厚意にてご招待いただき、心室中隔穿孔 VSP の講義とウェットラボによる実習およびその指導を仰せつかりました。

10年ほど前に、当時の田林晄一教授のご厚意で講演させて戴いたちょっと懐かしい艮陵会館で講演させて頂きました。病院の目の前という至便のところにあります。

 

心室中隔穿孔は心筋梗塞のあとで心室中隔が破れて右室へ血液が流入し、そのままでは患者さんは一気に心不全になりまもなく死亡される恐ろしい病気です。

私は1980年代後半にトロント大学へ留学したときに真っ先に研究したテーマのひとつでした。

そのころ、多くの心臓外科医がこの病気に取り組んでいましたが、その多くは穿孔した穴を塞ごうとして失敗し、患者さんを失っていました。

心筋梗塞の直後で組織が大変弱く、せっかく穴を塞いでも組織がちぎれてまた穴が開いたのです。

そこであえて直接穴を閉じるのではなく、遠巻きに、心筋梗塞部をパッチで覆うようにすることで、心筋梗塞でやられていない、比較的状態の良い心筋にパッチを縫うことで安定した結果を出したのです。

1989年のアメリカ心臓協会で発表したときにも多くの賞図 VSP手術賛の言葉をいただき、指導してくれた恩師のデービッド先生に感謝したものです。

その後この術式は日本へも導入され、David-Komeda法 とかKomeda-David法 と呼んでいただけるのは光栄な限りです。

この方法で多数の患者さんを救命することができました。この術式は単に穴を塞ぐだけでなく、左室を守る、心不全を予防するという効果もあるからです。それもあってこれが世界の標準術式となっています。

しかしこの方法は3次元的な感覚が必要で、左室内操作に熟練したひとでないと難しいというきらいがあります。

またせっかくきれいにパッチを縫着しても、術後、心筋梗塞エリアがさらに広がれば、パッチを縫った部位も壊れてパッチが外れるという事態も経験しました。

そこでこの20数年、この術式に改良を加え磨き続けて来たのです。その成果をお話しました。

山形大学の貞弘光章教授もこの会にご参加くださり、貴重なコメントを下さいました。(貞弘先生、ありがとうございます。)

東北大学の若い先生方も多数参加しておられ、これからドンドン実力をつけて心室中隔穿孔 VSPのような重症例を救命して頂きたいので、講演では何例も実際の手術ビデオを供覧し、操作に慣れて戴けるように工夫しました。

また最近一部の先生方が使っておられる右室からの二重パッチ法のビデオも供覧し、こうした方法の特徴を知り、うまく駆使してベストの結果を出せるようにしました。2011年から二重パッチ法の拡大術式つまり左室前壁まで保護できる方法を発表していますのでそれも併せて見て頂きました。

それに続いて、ウェットラボが行われました。

ブタ心は内腔が狭いため、手術練習はやや難しいのですが、逆に良い練習の機会にもなり、前向きに進めました。

まず私が前壁中隔のVSPでのDavid-Komeda法のパッチ縫着をデモンストレーションしました。

初心者でもやりやすい、改良型の方法をお見せしました。

この方法で、昨年も長野県の比較的若い先生に初めてのVSP手術を遠隔支援し、見事に救命成功していただいた経験をお話したこともあってか、若手諸君は皆しっかりとブタ心での手術をこなしてくれました。

どなたもきれいにパッチが貼られ、かつそれを組み立てて心筋がちぎれないようにという私の依頼をしっかりと守ってくれました。

初対面でも昔から仲間であったような気持ちになれる、一体感ある雰囲気の中で和やかに勉強ができました。

それから後壁のVSPは乳頭筋や僧房弁、腱索などの構造物のため視野が狭く難しいため、とくにそこを重点的に供覧し、皆さんになるほどと言って頂けたのはうれしいことでした。

つまり左室側から僧帽弁輪を縫えば組織切れもおこらず、難しい手術がうまく行く、これをお示ししたのです。

デービッド先生と開発したこの術式は別名 Exclusion法 と呼びます。心筋梗塞部を除外(Exclusion)するためこう呼ぶのです。皆さんに自在にExclusionできるよう、改良に改良を重ねた最新版、おそらく究極のそれをご披露し、お褒めの言葉を頂きました。

勉強のあとは斉木先生、准教授の川本俊輔先生、病棟医長の熊谷紀一郎先生らとごちそうして頂き、楽しいひと時を過ごすことができました。

私なりに進めている民間病院と大学病院のコラボレーションに前向きのご意見を頂き、うれしく思いました。

楽しく充実感あふれる機会と時間をいただき、斉木先生と東北大学心臓外科の先生方に深謝申し上げます。

 

平成27年3月8日

米田正始 拝

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第五回日本ローカーボ食研究会に参加して

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恒例の学術集会がこの3月1日に名古屋で開催されました。

早いものでいつしか5回目となり、内容の深さも当初よりさらに立派になったと思います

まず灰本クリニックの灰本元先182347277生(この研究会の理事長です)が三段階糖質制限法に対する海外の反応という、パイオニアならではのご苦労と今後の方向性がわかるお話でした。

穏やかなローカーボ食(CARD)は過激派からは生ぬるいと言われ、CARD否定派からは単に毛嫌いされるという板挟み状態にあると思います。

しかし従来のダイエット法の良い点をそのまま温存し、悪い点だけ補う、それも科学的根拠にもとづいておこなうという点で穏やかローカーボは優れものと私は考えています。

医学ジャーナルの査読の先生方もまだまだ旧式の、自分の考え以外は否定するひとも少なくありません。着実に仲間を増やしていくのが良いと思いました。なかでも患者さんが喜んで下さり、患者さんが仲間になる、これが強いと思います。

つまりローカーボダイエットを正しく実践する医師のところへ多数の患者さんが集まる傾向がはっきとすれば、あとは時間の問題になると思うのです。

医療の世界では審判は患者さんなのですから。


Ilm09_ad03002-s続いて私、米田正始が心臓外科手術でやせるべき時、太るべき時というタイトルでお話しました。

太り過ぎのため、肺活量が少なすぎたり血糖値その他の問題で心臓手術ができないという患者さんをときどき見かけます。

そうした患者さんたちを、ただ手術適応がない、と断るのではなく、科学的ダイエットで必要な減量を安全に行い、肺活量や内臓脂肪、血糖値その他を良い状態にしてからゆうゆうと安全な心臓手術を行う、これは患者目線の全人医療として正当なものではないかと思うのですが、大方のご意見は好意的でうれしく思いました。

最近進歩しているMICS手術でも太り過ぎの方は脂肪に押されてか、視野が狭いのですが、こうしたケースにもCARDはお役に立っているのです。

 

ついで私たちの知恵袋、名古屋大学名誉教授の加藤潔先生が果糖代謝とブドウ糖代謝の関係ー果物を理解するために、というタイトルでお話されました。

自然科学という言葉がぴったりとくる、論理的で明快で頭の中がすっきりと整理される、興味深いお話でした。

果物には果糖が含まれるタイプがあり、それを食べ過ぎると糖新生が起こり、血糖値や悪玉コレステロールLDL、中性脂肪TG、尿酸その他が増えてメタボの病気を創ってしまうのです。

また果物が熟するとブドウ糖が増えるタイプがあり、熟したときのおいしさの秘密がわかり、なるほどと感心しました。

果物は他の食べ物にはない特徴があり、うまく食べれば健康食品として活かせるという期待をもたせて下さったお話でした。

 

ランチョンセミナーは名古屋大学大学院予防医学の笹壁多恵さんのゆるやか糖質制限食のお話でした。ちょうど研修のためフィリピンに滞在中で、この研究会のために戻って来て頂きました。

フィリピンの食事が炭水化物中心であるのに驚きました。何でも太っているのがひとつのおしゃれ、ステータスのような空気があるそうです。しかし糖尿病が増加しているという事実を見るとこれから彼の地でもローカーボダイエットCARDを啓蒙しなければと思いました。

ランチョンセミナーの時間に糖質制限のスープ、カレー、パンなどがふるまわれました。なかなかの美味で感心しました。スポンサーの皆様に感謝!


午後は管理栄養士さんが中心の発表セッションでした。

Btn_ghc岐阜ハートセンターの大西歩実さんは同センター開設時からCARDを推進して来られた実力派の栄養士さんです。今回はローカーボによってさらに痩せて困った症例を発表されました。

小早川医院の飯塚智子さんはSU剤を減量し、CARDを指導した肥満糖尿病の一例を発表されました。

いずれも立派なお仕事です。あえて前向きにコメントさせて戴ければ、もう少しおだやかローカーボで、かつ体重などでもこれ以上はやらないという限界を設けてやって頂ければ理想的かと思いました。

高の原中央病院4bかんさいハートセンターでの大事な仲間でもある高の原中央病院の余吾淳子さんはエネルギー制限食に比べたローカーボ食の有用性という研究を発表されました。20名の患者さんで2倍の速さで無理なく減量できることを示されました。

これまでのローカーボ研究ではカロリーを一定にして糖質の割合を変えるという科学的検討ができたものはなかったため、灰本先生はじめ大方の方々の高い評価を頂きました。

この研究をさっそく論文にして世にだそうということになりました。余吾さんの努力に敬意!です。

名古屋大学大学院の笹壁多恵さんは2型糖尿病患者の自己血糖測定をとおした連携について発表されました。食生活、食べ物はじつに多種多様です。患者さんから教えて戴くことがたくさんあります。それを実例で教えて頂きました。

たとえばプチシュークリームは痩せる目的には意外に良いとか、カレーライスはかなり不利とかですね。こうした情報をこれから共有し、豊かな食生活を築くことができれば良いですね。

最後に灰本クリニックの渡邉志帆さんがロールプレイングによる糖質制限食の管理栄養士教育の実際を発表されました。

なかなか見ごたえのある内容で、これからこうした実地シュミレーション教育が役立つと感心しました。

そのあと総合討論で皆さんからさまざまなご質問やご意見がでて、熱気につつまれた研究会になりました。

私は心臓外科医ですが、この会の活動や研究会を通じてじつに多くのことを学ぶことができ感謝しています。その成果は患者さんたちに直接還元できています。

来年もまた立派な研究会にしたいものです。

皆様、ありがとう、お疲れ様でした。


米田正始 拝

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京都山城総合医療センター

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この病院は国民健康保険山城病院が2013年5月に改組されさらに立派な京都府南部の地域中核病院になったものです。

山城総合医療センター

京都府がん診療連携病院でもあり脳脊髄センター・ハートセンターや糖尿病センター・慢性腎臓病センターなどをもつまさに地域医療センターです。ハートセンターでは急性心筋梗塞に対するカテーテル治療PCIを多数こなされ、山城エリアの救急医療の中心として活躍しておられます。

 

高の原中央病院かんさいハートセンターとは府県は異なるものの距離的には比較的近く、すでに病々連携でお世話になっています。

以前から京都府立医大の研修病院として指定されており、かんさいハートセンターの心臓血管外科も2015年1月から同医科大学の専門医制度関連施設となったため、いっそう親しみやすく協力しやすくなりました。

 

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