いい心臓・いい人生 【第九十五号】弁形成手術とお若い女性患者さん

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いい心臓・いい人生 【第九十五号】弁形成手術とお若い女性患者さん
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発行:心臓外科手術情報WEB
https://www.shinzougekashujutsu.com
編集・執筆: 心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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大型台風が去った後、また猛暑日が復活しているこの頃ですが、皆様いかがお過ごし
でしょうか。

私は相変わらず病院内で皆さんと賑やかに、忙しくさせていただいております。

 

高齢化社会のため心臓外科の世界も患者さんが高齢化し、老年科のような雰囲気に
なっているとよく言われます。

長年、社会のために尽くして来られた方々を大切にし、しっかり治してまた楽しく
暮らせるようなお手伝いをすることは大きな意義あることと思います。

 

同時にこれから将来がある若い患者さんたちの心臓手術には重責を担っているという
緊張感と将来の社会への貢献のような夢を感じます。

 

私の外来や病棟には10代から40代までのお若い患者さんたちもよく来られます。
中でもこれからこどもさんを産みたいという方々が弁形成手術を求めて全国から
お越しになります。あるいはこれから社会人としてしっかり仕事に打ち込みたいと
MICSでの弁形成や弁置換術を受けに来られます。この夏もそうした患者さんたちが
手術を受け、元気になって順次退院して行かれています。

 

とくにこれからあるいは将来こどもを産みたいという若い女性の場合は弁形成が
うまく決まるかどうかで、人生設計が違ってきます。そうした患者さんたちを意識
した項目をHPに載せました。

 

題して「これからこどもを産みたい患者さんにーーー妊娠・出産に合う心臓手術」
https://www.shinzougekashujutsu.com/web/valve_repair_pregnant.html

です。ご参考になれば幸いです。

 

最近も遠方例えば沖縄からも同様の状況で若い患者さんが来られました。バーロー
症候群という、僧帽弁形成術としては難易度の高い病気でしたが、首尾良く進み
逆流もゼロとなりお元気になられました。MICSで傷跡も見えにくく、いっそう
喜んで頂けました。

 

中には弁形成術を希望しながら、熟練外科医がいない病院で希望が叶わなかった
という女性患者さんも多くおられます。そうした残念を繰り返さないように、
よく調べ、よく考え、よく相談して納得いく治療を一緒に創っていただければと
希望します。

 

厳しい暑さの折柄、皆様ご自愛ください。熱中症対策は十分にお願いします。

 

敬具
平成29年8月10日
米田正始 拝

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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