名古屋市医師会病診連携システムについて

Pocket

名古屋市医師会病診連携システムとは

昭和60年12月1日に発足した名古屋市医師会による病診連携のネットワークです。

各医療機関が自己の機能を最大限発揮するとともに、

他の医療機関と連携を密にし、

地域医療の充実と発展に寄与することを目的としています。

名古屋市医師会の病診連携システムでさらに地域医療が発展するようお手伝いしたく思います このシステムは、

診療所の医師が自院の患者の検査・治療・入院などをスムーズに実施するとともに、

病院に登録している診療所の医師は、

病院での症例検討会・研修会への参加、

また、医学・医療及び紹介患者の情報交換、共同診察の実施や診断等の支援を受けることができ、

患者は安心してかかりつけ医に受診できることを利点としています。

 

この2011年4月から名古屋市医師会病診連携システムの一員に加えて頂き、

さらに地域の医療に貢献しやすくなりました。

名古屋ハートセンターはその強い足腰と蓄積してきた治療経験を活かして、

一層地域に貢献したく思います。

皆様のご支援とご指導をお願い申し上げます。

 

名古屋ハートセンターでは循環器内科と心臓血管外科の領域でお役に立ちたいのですが、

私の担当しております心臓血管外科では

救急・緊急や狭心症弁膜症大動脈疾患などのcommon diseaseはもとより、

専門病院として重症例や難症例も受け入れております。

 

これはもちろん私たちがお役に立てるという判断ができたときで、

私たちのチームには不適合と判断する場合はしかるべき施設にお願いするようにしています。

それも患者中心、地域貢献と考えております。

たとえば他臓器のがんが関与した心臓腫瘍や、

活動期の膠原病などがある弁膜症あるいは出血が止まらない消化器疾患をおもちの冠動脈疾患などのケースでは

大学病院や総合病院と協力しながら、

あるいは患者さんに有利と判断すれば迅速に転院などを行い、

全体像を見失わない医療を心掛けています。

 

Ilm17_ca05007-s専門病院として私たちがこれまで実績を上げてきた領域

たとえば弁形成術左室形成術あるいは心不全の手術などでは

全国から患者さんが来られます。

その治療経験を地元の患者さんたちに還元しお役に立ちたいと願っています。

循環器専門医の先生方にはdiscussionのお相手としても貢献できれば望外の喜びです。

 

  また病診連携の基本は逆紹介であると考えています。

患者さんの全身あるいは人となりを守るのはかかりつけ医の先生方の大切な任務であり、

循環器専門病院の使命は循環器の治療や支援・アドバイスを行うことと考えます。

 

またそこからさらに一歩進めて、

私たちが循環器・心臓血管外科の治療をさせて頂いた患者さんで、

これまでとくにかかりつけ医を持たなかった方に、

本紹介として開業医の先生に紹介させていただくことも大切な病診連携と思います。

 

循環器診療を長年行ってきた経験から、

循環器病院に通っていることで、患者さんはなんとなく全身を守られているという油断が生じることがあります。

全身を忘れない診療を行っているという観点からは進歩かも知れませんが、

そのためにがんの検診やさまざまな生活指導・チェックがおろそかになっては本末転倒です。

そこで私たちは外来でがん検診や生活指導はかかりつけ医でこそ実施あるいは世話をして頂けることを患者さんにお伝えするようにしています。

これは私の実家が開業医であることからの生活の知恵でもあります。

 

救急車 このような平素の努力の積み重ねの上に、

名古屋市医師会病診連携システムの一員として貢献できれば幸いなことと存じます。

 

皆様のご支援とご指導をお願い申し上げます。

 

註)現在米田は名古屋ハートセンターを退職し、大阪府内の病院にて手術、外来を行っております。

心臓手術に関するご質問やご相談は下記連絡先にて米田正始までご連絡いただければ責任もって対応させて頂きます。

(医誠会病院 06-6326-1121、仁泉会病院 072-875-0100 

またはメール zeek-m@bf7.so-net.ne.jp )

 

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

心臓血管外科情報WEBのトップページにもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。