心臓手術、家族に迷惑かけたくないし、、

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心臓手術が必要と言われて相談に来られる方のなかで、家族に迷惑をかけるのを気にされるかたは少なくありません。

Ilm2007_04_0081-sそのほとんどはご高齢者の患者さんたちです。

お気持ちはよくわかりますが現代の日本の社会の状態を反映するような悲しい話です。

 

現在の高齢者の方々は他の世代以上に苦労された日本復興の立役者と言える方々です。

そうした方々がご自分の治療を遠慮がちにとらえておられるというのは残念です。

 

しかし心臓手術について申し上げあれば、高額医療の制度によって医療費のほとんどは保険からでますし、後期高齢者の方にはいっそう手厚いサポートがあります。

 

Cgre027-sご高齢の方に多い大動脈弁狭窄症では生体弁をもちいた弁置換を行うことが多いため、第一級身体障害者の認定ももらえます。手厚い特典が得られるのです。

ご高齢の患者さんの場合、生体弁は20年近く持つうえに、比較的短時間で確実に手術が完了するため、弁形成とくらべて短期長期とも安全性や確実性に優れ、さらに経済的サポートもある程度あるのです。

 

これら心臓手術へのサポートは日本の医療制度の素晴らしい点ですから、うまく活用し、早く元気になり、ご家族と楽しく暮らして頂きたく思います。

 

ご高齢の方を大切にできない社会は中国の古典・孔子のいうケダモノ社会です。

それはあらゆる弱者を切り捨てにする社会だからです。身障者、弱者、ハンディをもったひとたち、つまり守られねばならない人たちが切り捨てられる恐れがあります。

そういう社会にはしたくないものです。してはいけません。

高齢者や弱者を守ることは、回りまわってご自身を守ることにもつながります。

 

医療とくに心臓手術を行うものの観点からは、やはり合併症をできるだけ予防し、早く退院し、普通の健康生活にもどって頂けるように、あらゆる工夫をしています。

いったん元気になると、心臓が良くなった分だけ患者さんが得した、形になります。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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