機械弁とは

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◾️機械弁とは

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主要部分が金属やカーボンでできた人工弁のことを機械弁と呼びます。主要部が柔らかい生体組織でできた生体弁と両極をなす存在です。

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かつてはこの機械弁が人工弁の主流を占めていました。

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◾️第一世代の機械弁・ボール弁

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機械弁は当初 BallValve、ボール型の閉塞子がラムネ玉のように前後して血液の逆流を防ぐという簡単な構造のボール弁からスタートしました(右図)。

ボール弁たとえばStar-Edwards弁はその簡単な構造のおかげで長持ちし、一世を風靡した感がありますが、血液の流れ方が不自然で、弁の材質も洗練されていなかったためか、血栓や塞栓が多発し、次第にディスク弁に置き換わって行きました。

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◾️第二世代の機械弁・ディスク弁

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ディスク弁はまず弁の開閉部が1枚のタイプが世に出ま BSvalveした。
その代表例がBjork-Shiley(ビジョロクシャイリ―弁)です(左図)。
ボール弁より高性能で血栓塞栓の合併も少なくなりましたが、
弁の開閉部が何かにひっかかると弁機能不全が起こりやすく、1枚のためその1枚がやられると命にかかわることもあり、
次第に次の二葉弁に代わって行きました。

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◾️第三世代の機械弁・二葉ディスク弁

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二葉のディスク弁の代表格はやはりSJM弁でしょう。
1970年代にアメリカで開発され、世界中を席巻した感がありました。リラハイ先生という僧帽弁手術のパイオニアが開発されました。

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何と言っても高 StJudeValve性能で血行動態が優れているだけでなく、血液のよどみを巧みに回避するデザインで血栓塞栓症の頻度もうんと改善しました。

また僧帽弁位に植え込むときには左室内へ突出するのがわずかで、当時先端技術であった腱索乳頭筋温存する僧帽弁置換術にも適しており、世界中から受け入れられました。50年経った今見ても、なお先進的なデザインで、思わず脱帽してしまうほどの優れものです。

その後さまざまな改良を加えて二葉の機械弁が世にでて、現在まで機械弁の主流はこの二葉のディスク弁です。

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◾️機械弁の長所は

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機械弁は生体弁と比べて弁口面積(弁が開いたときの口の大きさ)が大きいため高性能です。
これは大動脈弁位に植え込むとき、その患者さんが狭小弁輪といって小さい弁輪しか持っていないときに特に有利です。
近年の人工弁は機械弁も生体弁も性能が向上しましたが、弁口面積という意味ではやはり機械弁に軍配があがります。

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こうした特性をうまく活かし、機械弁が患者さんに益するときには現在も機械弁が選択されます。

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◾️機械弁の短所は

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ワーファリン3332001F1024ただし機械弁は生体弁と違って血栓ができやすく、ワーファリンというお薬を一生飲む必要があります(左図)。

このためワーファリンが不利な状況の患者さんあるいはワーファリンを嫌う患者さんには生体弁を選択することがあります。
もちろん生体弁にはその弱点がありますので、それらの得失をよく勘案して決定します。

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◾️まとめ

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機械弁よりも生体弁よりも優れているもの、それは自然のままの、もとの弁です。
そこでもとの弁を修復し、長持ちする形で活用する弁形成が高い評価を受けているのです。
しかし形成できないほど壊れた弁ではやはり機械弁などの人工弁が必要で、まだまだ進歩改善の努力がなされるべき領域です。

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