心臓手術が必要という話を聞いた患者さんの中には「私の年齢と体力では手術なんて、、」とおっしゃる方が少なくありません。
こうしたことは80代はもちろん、70代の方にもあります。
昔の標準で考えるとわからないではありません。
現代は平均寿命、平均余命が長く、たとえば80歳でも心臓病を治せばかなりの年月の人生が得られます。
さらに心臓手術もまた
リスクつまり危険性とベネフィットつまり患者さんが得る利益のバランスで適応(オペすべきかどうか)を考えるのです。
術前に歩ける程度の体力があれば、
そしてもっと生きたい!という意欲がある方であれば
80代でも比較的安全にできる手術は多数あります。
たとえば大動脈弁置換術なら平均リスクは1%程度、
80代でもその2-3倍ぐらいで、
あと腎臓が悪いなどの余病の程度に応じてリスクは上がります。
かりに推定リスクが4%となっても、
手術しない場合の予想リスクが1年間死亡率が60%であれば、
これは1年単位で考えればオペが有利となります。
ご高齢であればあるほど、心臓手術でもその他の治療でも慎重に丁寧に行う必要があるのは確かです。
しかし上記のように、心臓病によっては手術の意義が大きく、いったん乗り切れば当分は楽しく元気に暮らせることを患者さんには知って頂きたいのです。
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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