お便り115: MICSの僧帽弁形成術で健康を回復し

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僧帽弁閉鎖不全症つまり弁がきちんと閉じずに血液が逆流する病気は残念ながら進行性です。

その程度が軽いあいだは良いのですが、重くなると左心室や左心房への負担も増加していきます。

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下記の患者さんはこの僧帽弁閉鎖不全症で半年以上前に神戸から私の外来へ来られました

歯の治療の際に感染性心内膜炎、略称IEを発症してからこの病気になられたそうです。

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当初は逆流は強くても心臓はがんばって持ちこたえていたため、お薬で経過を見ていました。

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ところが次第に左室、左房が拡張し症状も強くなって来たため心臓手術を決意されました

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もとの病院では弁が壊れているため胸の真ん中を大きく切って、しかも人工弁を入れる手術しかないと言われておられましたが、

私が拝見したところ、MICSで傷跡の目立たない、しかも僧帽弁形成術で行けると判断したため、

患者さんも前向きになって下さったようです。

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手術は弁の悪いところを取るだけでなく、壊れた部位が広かったためゴアテックスの人工腱索つまりきれいな糸をもちいて弁形成を完遂しました。

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お元気に退院して行かれました。

以下のお手紙はその患者さんからのものです。

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これから前向きに、楽しく活発にお過ごしください!

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****** 患者さんからのお便り *****

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米田先生へ

先生、この度はひとかたならぬお世話になりましてありがとうございました。

ミックス手術による自己弁形成をしていただき、私は今、もったいないくらい幸せです。

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ICUで術後初めて先生にお目にかかれました時の喜びは、心に深く刻まれています。

一口めのアイスクリームも甘くて冷たくておいしかったです。

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私は、先生に治していただいた心臓を大事にして、

充実した日々を過ごせますよう体調管理に努めてまいります。

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先生も大変お忙しいおからだと存じますが、どうぞ御大切になさって下さいませ。

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そして、先生をお慕い申し上げますたくさんの患者さんのひとりとしてこれからもずっとご指導下さいませ。

よろしくお願いいたします。

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先生、本当にありがとうございました。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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