1)Q: 安心して心臓血管手術を受けるためには、どれくらいの症例数が必要でしょうか?

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症例数や手術数は有用な情報ですが、落とし穴に注意するひつようがありますA: 心臓血管外科医個人の症例数として年間最低100例、理想的には200例を目安と考えればよいでしょう。

年間実績のほかに注目したいのは、医師個人の通算 (累計)実績数です。

大手術・難手術などを安全にこなすには少なくとも通算1,000例は欲しいです。

名医やスーパードク ターと言われるひとたちは数多くの経験を重ね反省・検討することで、さまざまな状況に対して即座に適切な手を打てるからです。

心臓手術の技術や治療の質を上げるためには量(つまり症例数)が伴うという面があります。

このことは欧米・豪州はもちろんアジアも含めた世界の常識になっていますが、なぜか日本だけは遅れています。

 

しかし一部の先駆的な人たちの努力のおかげで最近は症例数の重要性がメディアなどである程度認識される方向にはあります。

それを意識してか、心臓血管手術の症例数を病院グループの合計で発表しているところもあります。

これはその病院そのものの実績とは違います。

患者さんにとっては誇大広告で有害です。

同様にステントグラフト(カテーテルで人工血管を大動脈瘤の中に入れます)の数もカウントしていることがあり、これもその病院の心臓外科手術の実力とは違うため、注意して読む必要があります。

 

意外に見落とされる重要ポイントとしては一人あたりの症例数があります。

全体としてまずまずの例数があっても、そこに多数の心臓血管外科医がいる場合、個々の医師はあまり心臓手術にタッチしていないわけで、安全上は好ましいことではありません。

たとえば年間200例の心臓血管手術をこなしていても、医師の数が10人とか15人ではひとりあたりはほとんど無いのも同然となります。

治療の内容が大切です

心臓血管外科では症例数以外では、手術死亡率という判断基準があります。

当然、低いほうが望ましいです。

ただ、患者さんの状態とか疾患の程度などでリスクが変わりますから、 緊急や重症の手術を主に手がけている病院や心臓血管外科医では、その率が高まります。

逆に、簡単な心臓手術を主にやれば死亡率は一見低そうに見えます。

それらを考慮した真実を知るにはどうすれば良いでしょうか。

これを解決するのがリスク補正と全国データベースです。

次ページ(JACVSD)をごらん下さい。

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執筆:米田 正始
医誠会病院スーパーバイザー 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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