事例 腹部大動脈瘤へのステントグラフト

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腹部大動脈瘤に対するステントグラフト(略称EVAR)

データの蓄積がある程度でき、

確立した治療法となりました。

といってもまだまだ未知の部分もあり、

これは従来型の手術が有利と判断できるものも少なくありません。

何でも手術とか何でもステントグラフトというのではなく、

内科とも相談してその患者さんに最適のものを選択するようにしています。

 

PreopCT1 PreopCT2 患者さんは57歳男性です。

 

以前から胃潰瘍のため近くの病院に通っておられ、

半年前にフォローアップのCTにて

腹部大動脈瘤(AAA)を指摘されました。

 

そこで手術の相談のため私たちのハートセンターへ来られました。

 

なお20歳のころに虫垂炎の手術、

そして半年余り前に膀胱がんの手術を受けておられます。

CTなどによる精密検査の結果、ステントグラフトの適応と判断しました。

 

PostopCT1 PostopCT2 そこで腹部大動脈の一部と

左右の腸骨動脈の一部を置換する形で

ステントグラフトを取り付けました。

 

術後経過は良好で

すぐ元気に歩行、

食事等ができるようになり、まもなく軽快退院されました。

術後2年が経ち、腹部大動脈瘤は徐々に縮小傾向にあり、良い傾向です。

お元気にしておられます。

 

ステントグラフトの予後は一般に良好と言われていますが、

中には瘤が小さくならないとか、

ときには瘤がまた拡大を始めたなどの報告が見られます。

注意深いフォローアップが大切と考えます。

なおこの患者さんの場合は瘤の血液は完全に閉ざされた形ですので、

予後は良いと考えられます。

 

Ilm11_bc08003-sステントグラフト(EVAR)はこのように患者さんに優しい治療法です。

とくに腹部大動脈瘤や胸部では下行大動脈瘤(TEVAR)がベストの適応になりやすいです。

皮膚もほとんど切らずに治療ができ、

治療後まもなく食事も運動もできます。

今後さらに応用範囲が広がり発展することが期待されています。

 

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米田正始   医誠会病院スーパーバイザー 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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