正しく知る糖質制限食 ――医学書として通用する初めてのダイエット本

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これまで糖質制限食(別名ローカーボダイエット)の本は多数出版されて来ました。

 

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心臓手術のあと体調が良すぎて?メタボになる患者さんがおられるため、科学的ダイエットに関心を持つようになりました

いずれも持ち味があり、ひとりの読者として勉強させて戴き感謝しています。

5年ほど前に春日井の開業医、灰本元先生と親しくなってから私もこの糖質制限食に強い関心をもつようになり、勉強を始めました。

というのは心臓病の患者さんは心臓手術のあと、心不全が取れて元気になられ、食欲も出て次第に太り、メタボになる方が少なくないため、単に心臓手術しただけでは患者さんたちのお役に十分は立てていないのではないかと考えていたからです。

しかし勉強会・研究会を灰本先生をはじめとした内科医、その他医師、薬剤師、管理栄養士、看護師、研究者などの方々とやっているうちに、糖質制限食にも限界や弱点があることを次第に知るようになりました。

なかでもハーバード大学のチームが10万人の被験者を10年間フォローして成し遂げた空前絶後の臨床研究で、やりすぎの糖質制限食は寿命を縮めることを示された論文はショックでした。

さらにWHOなどの研究でも、BMIが23前後の、やや小太りの方の寿命がもっとも長いこと、つまり痩せすぎるとかえって短命になることや、糖尿病のコントロールもHbA1cで7.5が一番長生きと言う研究も同じ意味で衝撃的でした。

そこから学んだことは炭水化物は摂り過ぎてもダメだが、不足しても有害であるということです。

よくよく考えてみれば、炭水化物は糖質+ファイバー(繊維分)であり、からだにきわめて重要なファイバーの宝庫であることや、炭水化物イコール植物性であり、人間の体にとって基本的に重要で安全な側面をもつことから、炭水化物を悪とするのは不適切と考えるようになりました。

ある意味、糖質制限食の素晴らしさを学ぶ中から、炭水化物の大切さも知ってしまったと言えましょう。

こうした経緯の中から、世の中の糖質制限食をより科学的に、より安全なものにしそれを全国に発信することで、これまでの糖質制限食の先駆者のお仕事がより生きることになるだろうと教科書を創ることになりました。NPO法人日本ローカーボ食研究会の皆さんがちからを合わせて執筆完成したのが本書です。

Cover4-2内容はつぎのとおりです。

序章 糖質制限食(ローカーボ)の背景にあること

第1章 まず糖質制限食(ローカーボ)を理解しよう

第2章 糖尿病をコントロールするために


第3章 糖質制限食(ローカーボ)と肥満、脂質異常症


第4章 病状に応じて糖質制限食(ローカーボ)を使い分ける


第5章 糖質制限食(ローカーボ)の実施と表で覚える糖質量


第6章 糖質制限食(ローカーボ)の課題と展望


補遺 生命進化から見た糖質代謝の意義とポイント


巻末付録 食品別・献立別の糖質量/糖質を多く含む注意すべき食品


この本の末尾に引用科学文献が多数掲載されています。いかに科学データにもとづいてこの本が書かれたかを知って頂ければ幸いです。上記のハーバード大学での偉大な研究論文も含まれますし、灰本先生の日本発データの論文もあります。

科学的・医学的であること、これが本書の最大の特長なのです。

医師が執筆した第1-4章、第6章はメタボ関係の生活習慣病を治すという観点から書かれた力作ですが、管理栄養士が執筆した第5章はおかずという視点から親しみやすく、実用的な内容になっています。執筆された医師はみな経験豊富な臨床医で、しかも学術論文も十分に勉強されている熱心な方々ぞろいです。あえて申し上げればこの中では私が一番不勉強でしょうか!

巻末付録の糖質量のリストは意外なほど役にたちます。たとえばサーロインステーキがほとんど糖質を含まないこと、つまりうまく食べればほとんど太らないことや、同じ牛肉でも牛丼はサーロインステーキの100倍も糖質を含んでおり、太りたいひとにはぴったりの食べ物であることなどもわかります。

読者がご自身のお好きなメニューが太りやすいものかそうでないかを見極めるのに役立つことでしょう。

お酒の飲み方、どんなお酒がダイエットに良くどんな銘柄が悪いかというユニークな解説もあります。また生命進化という学問的な視点から考えた極めてアカデミックなコーナーもあります。

蛇足ですが私が執筆させて戴いたコラムは、糖質制限食を心臓手術に活用することで、これまで手術できないと言われていた患者さんでもできるようになった事例をいくつかご紹介しています。つまり医療のなかで、これまでになかった治療法としてダイエットをとらえているつもりです。

製薬会社の方々のなかにはこのダイエットによって薬の売り上げが減ることを心配しておられる方も多いようですが、正しいダイエットによって患者さんが健康を回復し長生きされれば、ご高齢者のことですから長期間の間には別の観点から薬が必要となることもあり、結局患者さんがハッピーに楽しく永く暮らせることが製薬会社にとってもメリットがあるのです。物事は長期的に見て頂きたく思います。

この書が日本の正しく健全な糖質制限食の発展に役立ち、ひいては心臓病を含めた生活習慣病の安全確実な克服に結びつくことを信じてこのご紹介文を閉じたく思います。

 

平成25年11月

高の原中央病院かんさいハートセンター

米田正始 拝

 

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