1b) 糖尿病と心臓 について―対策のNo.1は?【2020年最新版】

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最終更新日 2020年3月4日

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◾️糖尿病と心臓・血管

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糖尿病は代表的な生活習慣病の一つですが、万病のもとでもあります。

そのままにしておく糖尿病でやられる臓器は多数あります。腎臓は一番侵されやすい臓器のひとつです。と血管(動脈)がやられ、そこから心臓、腎臓、、脳、下肢はじめ全身が障害を受けてしまいます。

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糖尿病は生活の改善つまり食事や運動療法から始める予防あるいは早期治療が重要です が、気がつけば心臓等がやられていることもよくあります。

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私たち心臓外科医があつかう糖尿病の患者さんは、心臓では狭心症心筋梗塞関係の疾患、下肢では閉塞性動脈硬化症ASOなどがあります。

また糖尿病のために腎臓がやられて慢性腎不全・慢性血液透析<の状態になると、上記の狭心症や心筋梗塞、ASOが一層増えて患者さんの体に大きな負担になります。

大動脈瘤などの大動脈疾患も増えます。

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◾️糖尿病のコントロール

.糖尿病では食養生は極めて大切です

しかし糖尿病の多くは、完治はしづらくてもうまくコントロールすれば比較的対処しやすくなります。

糖尿病はある種のがんのように、手がつけられない病気ではなく、考え相談し勉強・工夫して改善が図れる病気です。

具体的には食事療法(要するにカロリーをうまく調整する)、運動療法、そして必要に応じて薬やインシュリンの使用です。

食事療法は進化し、低炭水化物・高脂肪ダイエットで成果を上げています。

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◾️糖尿病と心臓、その治療は

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冠動脈バイパス手術は糖尿病の患者さんにはとくに有効です。それはバイパスに使う内胸動脈が糖尿病に負けにくいからです。糖尿病が心臓に影響を及ぼす場合、狭心症つまり冠動脈が狭くなったり閉塞したりという状態になります。

これが昂じると、薬は効きづらくなりますし、カテーテル治療(PCI)も必ずしも安定した長期成績は出しづらいです。

そうした場合には冠動脈バイパス術(CABG)(左図)は役に立ちます。

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CABG手術で使用する内胸動脈グラフトは動脈硬化が起こりにくいため、もとの冠動脈がひどくやられている場合でも、内胸動脈グラフトはきれい でそのまま使えることが多いのです。

動脈硬化を抑えるホルモン類を内胸動脈はみずから作れるからです。

それでCABG手術で糖尿病でも、さらにはその結果慢性血液透析になるほどの患者さんでも、狭心症に対しては有効な治療ができます。

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◾️治療、近年の展開

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近年はCABG手術も人工心肺を使わないオフポンプバイパス手術として安全にできるようになり、一層治療成績が改善しました。

手術で心臓が良くなれば、運動も十分できるようになり、もとの糖尿病にも有効な治療法ができるようになります。

またPCIと違い、術後に強い薬(クロピドグレルプラビックス)を使わなくてすむため、もしもの怪我やがん手術などが起こっても普通どおりの治療が受けやすいです。糖尿病では下肢の動脈もやられやすく、足の色が変わったり痛むときは要注意です

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◾️糖尿病と下肢動脈

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下肢のASOには、下肢動脈が閉塞か狭窄すれば、下肢バイパス手術やカテーテル治療 (PTA)にて改善が図れます。

それができない状態になれば少々大変ですが、現在、血管新生治療(再生医学の一つ)である程度改善できるところまで来ています。

糖尿病は完全には病気離れできなくても、うまくなじませることのできる、ある意味で頑張りがいのある病気と言えましょう。

とくに二次的におこる心臓や血管の病気にはあきらめてはいけません。

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4. 虚血性心疾患

5. 動脈硬化症

3.大動脈疾患

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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