2) 大動脈解離とは?―壁が裂ける!

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◾️大動脈解離とはどういう病気ですか?

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大動脈解離とは大動脈の壁が内外に裂ける病気で、大変強い痛みが背中や胸に走ります。

大動脈解離は大動脈瘤とは違う形をしています。患者さんはそのままではまもなく死亡されるため、急いで緊急対応できる病院に行く必要があります。時間勝負ですみもいろいろですが、この大動脈解離の場合はナイフで刺されるようだとか、生まれて初めての強烈な痛みだという、最高レベルの痛みです。と患者さんたちが語っておられます。

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ただし解離の進展が一時とまると、痛みも治まることがあります。しかし解離が治ったわけではないため、要注意です。

この大動脈解離は昔、石原裕次郎さん、その後、加藤茶 さんが手術を受け元気になられたことで有名になった病気です。

2010年2月には立松和平さんがこの病気で亡くなられました。油断できません。

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病気の場所によって大きく2種類あります。

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◾️スタンフォードA型

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スタンフォードA型(左図の左側、心臓に近大動脈解離(A型)のCT写真です。大動脈の壁が裂け(矢印)、内側が2つにわかれているのが見えます。い部位が解離します)の大動脈解離では緊急手術が必要です。

手術しないと発症2日間で約半数の患者さんが、発症1週間でほとんどの方が亡くなる重い病気です。

手術が間に合えば、熟練心臓血管外科チームならほとんどの患者さんを助けることができますので迅速で的確な対応が大切です。

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写真右のCT写真(体を輪切りにした写真が撮れます)は上行大動脈の壁(矢印)が裂けて大動脈が2つに割れているのを示しています。

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◾️スタンフォードB型

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大動脈解離(B型)のCT写真(3次元再生)です。下行大動脈が2つに割れているのが見えます。スタンフォードB型(上図の右側)の大動脈解離では通常は手術ではな く点滴やお薬などで血圧等を調整しながら治します。集中治療室が必要なことが多いです。大動脈が破裂しそうなときなどには手術が必要となります。

そこで落ち着いている方でも年1-2回は定期健診し、安全を確保するようにしています。

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近年のデータで、お薬などの治療だけでは5年10年の長期の生存率が低いことがわかり、ステントグラフトTEVARなど)を活用して積極的に治療を進める方向にあります。

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左の写真はCT写真をコンピュータで3次元再現したものです。

大動脈壁(内膜と呼びます、矢印)が裂けてはがれて下行大動脈が2つに割れているのがわかります。

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執筆:米田 正始
医誠会病院スーパーバイザー 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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