1e) 糖尿病性網膜症につきまして――眼だけではないかも、ご注意を

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◾️糖尿病は

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糖尿病は現代病の一つで食生活の向上とともに年々増加の方向にあり、今後国民病のような存在になるという心配が出ています。

 

眼の血管は全身の血管のバロメーターです糖尿病の患者さんでは血管の動脈硬化が早い速度で進みやすくなるため、眼や心臓その他全身の臓器で病気が発生しやすくなります。

実際、東京大学胸部外科チームのデータでも、糖尿病の患者さんが死亡する原因の3分の1は血管関係の病気で、そのほとんどは冠動脈疾患です。

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◾️糖尿病性網膜症の怖さ

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同じ糖尿病でも、網膜症が発生します眼の血管がやられると心臓の血管(つまり冠動脈)もやられやすいのです(糖尿病性網膜症)、狭心症や心筋梗塞のリスクが高まります。

 

もともと糖尿病では症状(胸の痛み)がでにくいきらいがあり、かつ糖尿病性網膜症が合併すれば患者さんもあまり動 かなくなられるため、一段と症状が隠れてしまうのです。

 

心臓の血管がやられると狭心症や心筋梗塞になり危険ですまた糖尿病性網膜症がありますと、ない場合に比べて、冠動脈疾患による死亡率は最高5倍まで増加します。

現代は冠動脈疾患はかなりのところまで治せる病気であることを考えれば、冠動脈疾患で死亡されるのは極めて残念なことで、何としても避けたいものです。

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◾️糖尿病から冠動脈疾患が

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そこで糖尿病をお持ちの患者さん、とくに糖尿病性網膜症と眼科で言われたかたは、心臓の定期健診をお勧めします。

 

定期健診の内容は、その患者さんの症状や状態にもよりますが、一般的には基本検査(尿、血液、心電図、胸部レントゲン)と心エコー・ドップラーそして冠動脈MDCTです。

いずれも比較的苦痛の少ない検査です。腎臓が悪い患者さんには別途プランを立てます。MDCTのおかげで冠動脈の検査はずっと簡便で痛みなく快適になりました

 

とくに冠動脈MDCTでは、かつては心カテーテル検査(管を手足の血管から心臓まで送る本 格的検査です)でしか調べられなかった冠動脈をCT検査で、苦痛なく横になっているだけで短時間で調べることができ、健診には大変親しみやすいと喜ばれています。

 

もし異常所見があれば必要に応じて心カテーテル検査で治療へ進んで行くことがスムースにできます。

 

治すべき病気が冠動脈に明確に見つかれば、カテーテル治療やバイパス手術を迅速に検討します。

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◾️私たちの努力

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私たちは患者さんの便宜を考えたポリシーと熟練度の高い循環器専厳しい医療経済情勢の中でも患者さん中心のポリシーを頑張って貫いています門スタッフ(医師・技師・看護師)の献身的協力が得られる循環器専門病院が総合病院内にあるという特長を活かしています。

 

来院されれば数時間ですべての検査を行い、その解析データを見ながら、私たち熟練の専門医がお話することができます。

 

冠動脈MDCTでは新鋭の器械だけでなく、経験豊富な技師と医師のチームがなかばリアルタイムで解析できることが重要です。

 

「これまで大病院では 3週間3往復以上かかった検査+説明が、ここでは1回できちんとできるのでありがたい」などのお褒めをよく戴いていますし、

実際、新幹線などに乗る時間を含めてもトータルでは早いためか、遠方からもよくご来院戴いています。

それ以上に大切なことは質の高さであることを銘記して取り組んでいます。

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時間を効率的に使えるよう、予約して頂ければベストですが、予約なしでも、できるだけのことは致します。

(メールを送っていただくか、仁泉会病院か、医誠会病院をご参照ください。

外来担当看護師に米田先生希望と言って頂ければ米田が責任持って対応いたします)

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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