いい心臓・いい人生 【第148号】 コロナの話(10)

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いい心臓・いい人生 【第148号】 コロナの話(10)
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発行:心臓外科手術情報WEB

心臓外科手術情報WEB について――まず正しい情報を得る、すべてはそこから


編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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梅雨が戻って来て水不足の心配が少し軽減したと思ったら新型コロナ第七波で

ますますうっとうしいこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

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また新型コロナ?もういい加減にしてよー、という声が聞こえてきそうな雰囲気

ですが、あちこちで人が亡くなる事態は防がねばなりません。

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現在猛威をふるっているのはオミクロン株の変異型でBA5と呼ばれるタイプです。
感染力はこれまでのオミクロン株よりもさらに強く、重症度はまだ不明なところも
あり、それだけに要注意です。

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変異株だけにこれまでの新型コロナワクチンを3回受けた方でも感染の予防効果は

低く、半分も予防できないというデータも出ています。しかしワクチンの意義が

ないかというとそうではなく、いったん感染したときの重症化を予防する効果は

これまでのワクチンでもかなりあるようです。

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差し迫った課題として、第4回目のワクチンをどうするかということがあります。
上述のように感染はあまり予防できなくても死亡者を減らす効果はあるというのが
専門家の意見です。BA5対応のワクチンが日本で使えるのはこの10月以後に
なりそうですので、そこまでの安全を確保するためには従来型のワクチンを早めに
打つのが良いでしょう。心臓病をお持ちのかたや心臓手術後のかたもそうです
(主治医にご相談を)。

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第七波がこれほど急速に来た背景として諸外国との交流の再開と20代を中心と
した若者のワクチン接種率が低いことが指摘されています。オミクロンで死ぬこと
はないしワクチンの副反応(発熱など)は若者の方が強い、それなら自分たちは
受けなくても良い、という考えが広がっているためのようです。しかし現代の
ウィルスワクチンのコンセプトは人の壁を作り、弱者を守ることです。ワクチンを
受けないひとがいると、壁に穴があき、そこから入ったウィルスが弱者を襲います。
若者にもご両親やおじいさん・おばあさん、ご親戚がおられるでしょうし、友人の
中には病気で免疫抵抗力が低い方もおられるかも知れません。自分も含めた「皆」
を守るためにワクチンを受けましょう。そしてこれまでの感染予防策(マスクや
三密防止など)を忘れないのも大切です。

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早く第七波が収まることと、その間の死亡者が少しでも減ることを祈ります。
みなさん、共に頑張りましょう。

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令和4年7月18日

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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いい心臓・いい人生 【第147号】 第12回日本ローカーボ食研究会

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いい心臓・いい人生 【第147号】 第12回日本ローカーボ食研究会

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発行:心臓外科手術情報WEB

心臓外科手術情報WEB について――まず正しい情報を得る、すべてはそこから

編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始

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まだまだ寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。オミクロン株コロナの第6波は新規感染のピークは超えてもまだまだ多数の発生があり、死亡される方の数も増える一方で、みなさんストレスが多いことと存じます。ウィルスに負けない、新しい楽しみや交流のやり方もいろいろ模索されていることと存じます。本日は第12回日本ローカーボ食研究会のご案内です。対象は医療者や保健衛生あるいは栄養・健康管理に関心をお持ちの方々です。

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日本ローカーボ食研究会は糖尿病やコレステロールなどの脂質異常症、メタボリック症候群の正しい治療を目指して名古屋のさまざまな医師・医療者が集まって10数年前にスタートしました。私は心臓手術後の患者さんが元気になり、食事も進んで(進みすぎて)メタボになる傾向を以前から感じていたため、薬をなるべく使わずに健康ライフを心臓手術後に送れるようコアメンバーとして参加して現在に至ります。年一度の研究会、年数回の勉強会、ガイドライン作成や健康食レシピ出版などの活動をかさねて来ました。

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ローカーボ食は別名・糖質制限食で、現在はこちらのほうが良く知られているのかも知れません。研究会発足当時はメタボ撲滅が皆さんのためになるという空気が強かったのですが、研究を続けているうちに糖質(炭水化物)の新たな重要性も認識するようになりました。その後時代はフレイルつまり痩せて「しょぼく」なる事が高齢者の大敵であることが知られるようになりました。そのため日本ローカーボ食研究会の目指すところは、単に食事で安全にメタボ克服するだけでなく、高齢者やさまざまな病気を持つ方々を中心にフレイルをも防ぐことにもちからを入れるようになりました。ローカーボ(糖質制限)の逆をやれば痩せで困っている人たちのお役に立てるからで、これまでのローカーボ食指導の経験が生きるからです。

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私たち医師や医学研究者の世界では学会や研究会で情報交換・意見交換し、うれしい経験だけでなくつらい経験も皆で共有して切磋琢磨するのが通例でしたが、コロナで大勢が会場に集まれなくなりオンラインで勉強するのが普通の姿になりました。心筋梗塞や弁膜症や心筋症などの心臓病でもその他の病気でも、まだ治せない病気がある以上、皆で知恵を集めてベストの結果を出す方法を探ることが欠かせません。コロナが蔓延していても治療を良くする努力は止めてはなりません。

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ということで今年の研究会も、コロナに負けることなくWEBつまりオンラインで行います。テーマは「メタボからフレイルへーーローカーボと逆ローカーボ」です。

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開催日時:2022年3月13日(日)午前10時~13時30分

WEB開催、Webexを使用します。

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参加申し込み締め切り:2022年3月9日(水)

参加希望の方は下記メールアドレスまで連絡をお願いいたします。

申し込み希望の方には事前に抄録集を添付いたします。当日は連絡を頂いたメー

ルアドレスにwebexへの招待メールを送信する予定です。

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ローカーボ食研究会事務局 渡邉志帆:e-mail: low.carbo.diet@gmail.com

詳しくは日本ローカーボ食研究会HPをご覧ください。

多くの方々のご参加を楽しみにしております。

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ということで多数の方々のご参加をお待ちしております。

末筆ながら皆様のご健勝、とくにコロナに負けない健康生活を祈念します。

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令和4年2月28日

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米田正始 拝

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元・京都大学医学部教授
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いい心臓・いい人生 【第146号】 新型コロナの話(9) オミクロン株

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いい心臓・いい人生 【第146号】 新型コロナの話(9) オミクロン株

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発行:心臓外科手術情報WEB

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編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始

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本格的な冬の訪れを感じさせるこの頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナはあの恐ろしい第五波のあと、専門家が不思議と言うほどおさまっています。1日の新規感染者130人台というのはかつての1日2万人を超えていた夏頃と比べると嘘のようです。

 

そこへ新しい変異株であるオミクロン株の出現です。

すでにヨーロッパなどでは大流行しており、これまでの反省もあってか日本では前向きな水際対策がされ、現在のところは静かです。

 

オミクロン株が最初に報告された南アフリカ共和国からの情報では、夜に多量の寝汗をかくのが特徴で、感染力は強いようですが、致死性つまり重症度はそれほどではないという印象です。

 

学者によっては新型コロナウィルスが次第に普通感冒つまり普通の風邪に近い形になりつつある兆しという考え方もあるようです。重症化するタイプのウィルスが蔓延すると、多くの死亡者が出てウィルスの生きる場所が減る、なのでウィルスは自分が犠牲にならない程度の毒性に落ち着くというのがその根拠です。しかし鳥など他動物から人に移るような変異をしたのではないかという考え方もあり、この場合は毒性は低いとは限りません。これまでも新型コロナが終息していくという考え方はあり、それが現実のものにならなかったという経過からは、当分は油断しないのが賢明です。

 

オミクロン株のコロナウィルスに対するワクチンは、まだ実用レベルにはありませんが、これまでのワクチンでもある程度は効くようです。オミクロン株といえども変異していないスパイクタンパクがあり、その部分を攻めればウィルスは駆除しやすくなるからです。ワクチン効率がやや落ちる分、その効きをもう少し強くする工夫が望ましく、ワクチンの量を増やすか接種間隔を短くするかが考えられ、その意味で近々第3回目のワクチン接種が予定に入りつつあるのは良い方針と思います。

 

もちろんこれまでのコロナ対策つまり、マスク、三密回避、手洗い、うがい、顔洗いなどは続けましょう。

これからの事はまだまだわかりませんが、少し光が見えて来たような気も致します。元の生活にいつ戻ることができるか、不明ですが、新しい人間交流の方法も模索しながら普通の生活の実質回復を目指したいものです。

 

思えば大変な一年でしたが、みなさまが良い新年を迎えられることを祈ります。

 

 

令和3年12月18日

 

米田正始 拝

 

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いい心臓・いい人生 【第145号】 コロナの話(8)

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いい心臓・いい人生 【第145号】 コロナの話(8)
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心臓外科手術情報WEB について――まず正しい情報を得る、すべてはそこから


編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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猛暑のあとは集中豪雨が続き大変な状況です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
オリンピックのあと、コロナ第五波は勢いが衰えず、入院ベッドが足りないため自宅療養になっている方々も大変な数に登っています。自宅で急変してお亡くなりになった方の話を聞くと落ち込んでしまいます。

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最近ひょんなことでコロナ感染爆発の現場を見てしまったのでここに記載します。

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たまたま出張していた週末の夕方、午後8時ごろ京都に戻り、京都駅構内の飲食店はすべて閉店のため四条通りまで出かけました。こちらも多くの店は閉店していました。ようやく開いている飲食店を見つけ、中に入ったところ、そこは驚きの光景でした。20代を中心とした若い人たちが50−80名ほど、三密状態で大声で食事をしておられ、ほとんどがマスクなしかあごマスクで、満員電車内のようなむっとする熱気でした。雑居ビル内のビストロのため換気もなさそうですし、これは危険とすぐに立ち去りました。

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しかしこの人たちの中に一人でもコロナ陽性の方が居れば、その場で相当数の人たちが感染するでしょうし、その人たちが自宅へ戻れば両親や祖父母に移すことになるわけで、この店1件だけでも数百人のコロナ感染者を短期間につくる(つくり続ける)ことになるでしょう。こんな状態を放置していくら緊急事態宣言だのまんぼうだのと言っても感染爆発は止まらないと思いました。(逆に、こうしたケースを何とかすれば感染は大きく減るでしょう)

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行政にはもっとポイントを押さえた対策を取って欲しく思いますし、若い人たちにもこれが家族友人を含めた周囲の人たちにどれほど害悪を及ぼすかを再認識して頂きたく思いました。

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飲食店の方々の苦しみも若い人たちのストレスも理解できるのですが、感染爆発で大切な人たちが死んでしまっては元も子もありません。皆さんの自覚と、行政のもっと強力で的確な指導なしでは悲劇が激増してしまうでしょう。皆さん今何をすべきか、もう一度考えようではありませんか。

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令和3年8月21日

米田正始 拝

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いい心臓・いい人生 【第144号】 コロナの話(7)

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いい心臓・いい人生 【第144号】 コロナの話(7)
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心臓外科手術情報WEB について――まず正しい情報を得る、すべてはそこから


編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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長い梅雨が関西ではようやく明けました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
コロナの蔓延は相変わらずで憂鬱な空気が続いています。

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最近気になることの一つはコロナワクチンを受けない方、とくに若い方々が増えているという事です。
彼らの言い分は、コロナにかかってもいのちの心配は少ない、ワクチンの副反応(副作用)がSNSなどで話題になっている、つらい思いをしてまでわざわざワクチンを打つ必要が感じられない、などなどです。

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ある意味気持ちがわかるところもあるのですが、インド株はじめ変異株では若者といえども死亡者が増えていること、副反応の多くは危険性がないこと、それ以上にワクチンを受けることは若者が自分だけでなく家族や恋人・友人あるいは周囲の人たちを守るために重要であるということです。

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SNSというのは言いたい放題のことがよくあり、視聴率を高めるために危険でもない副反応を大袈裟に述べているケースがあることを知って下さい。
副反応で注射部が多少痛むとか腫れる、発熱するなどは確かに楽しいことではありませんが、短期間のことであり危険性もありません。コロナそのものにかかった時の危険性のほうが遥かに大きいことは皆さんご存知のはずです。

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言論の自由はこの上なく大切で尊いものですが、だからと言って市民に誇張情報を与えて犠牲者を増やすようなことはあってはなりません。

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ただ医療者としてはワクチンのアレルギー反応とくにアナフィラキシー(アレルギーのつよいもの)にはお互い皆で十分に注意し対応すべきと思っています。インフルエンザなどのワクチンや、ふつうの風邪薬でさえアナフィラキシーで亡くなる方がまれながら存在するからです。アレルギー、アナフィラキシーは予測できないことがあるのです。

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それらを考え、ワクチンはご自分はもちろんお互い皆のためにも必ず受ける、しかしアナフィラキシー対策(ワクチン摂取後30分はその近くで待機し、1日以内は蕁麻疹や気分の悪さがあれば病院へ行くなど)は必ず実行する、というのが大切です。

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最近の動向として、若い方のコロナ感染が急増しており(というより新規感染者の多数が若い方になっています)、死亡者も出ています。若い方々のご理解とご協力が必要なのです。

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コロナ禍が続き、もうこんな不自由な生活は嫌だ!と言われた方もおられます。しかし悪いニュースばかりではありません。たとえばファイザーワクチンのあと半年経ってもリンパ節の中の記憶B細胞の数は減っておらず、体はコロナ臨戦態勢が維持できているというアメリカの研究成果が話題になっています。まだこれからの研究成果待ちとはいえ、うまく行けばワクチンは年一回とか何年かに1回で済むなどの可能性さえ出て来ています。

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皆ではやくコロナ禍を過去のものにしましょう。

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令和3年7月18日

米田正始 拝

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いい心臓・いい人生 【第143号】 コロナの話(6)

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いい心臓・いい人生 【第143号】 コロナの話(6)

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心臓外科手術情報WEB について――まず正しい情報を得る、すべてはそこから

編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始

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ゴールデンウィークの真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナの第4波のためにまた緊急事態宣言が大都会などで発令され、うっとおしいことです。

しかし大阪などではコロナの患者さんを収容するベッドが不足して危機的状態であるのは皆さんご存知のことと思います。私の友人が勤務する滋賀県の総合病院には大阪府から重症のコロナ患者さんが順次搬送されているそうで、そこも満杯になってしまえばどうなるのかと不安になります。

 

私が住む京都市では週末や祭日などを中心に高野川などの河原でバーベキューパーティを楽しむ20歳前後のグループ、10人から30人ほどの大人数の姿がよく見られ、気になります。それでGW中ですがこのメルマガをお書きしています。

 

年齢や話の内容からおそらく大学の新歓コンパなのでしょうか。緊急事態宣言で多人数のパーティをやる場所がなくなり、管理人のいない河原で宴会をやっているようですが、大変危険な行為です。屋外でも三密状態ではコロナは感染することがデータで示されており、まして飲食のためマスクを外しているため、飛沫は飛び放題、吸い込み放題です。彼らは自分たち若者はたとえコロナに感染しても死ぬことはないと思っているのかも知れませんが、帰宅や帰省して家族に移せばどうなるかわからないのでしょうか。

 

皆さんの周囲に若いひとがおられましたら、お互い注意し協力するように、ご相談ください。

 

電車の中などは皆さん話をすることもなく静かにしておられ、もちろん全員マスク着用で、窓も開けられ換気も十分で、手すりなどの消毒もされており、ここで新型コロナに感染する確率は極めて低いものと思います。仮にほんのわずかなリスクがあるとしても皆、仕事や学校へ行くために、必要あって電車に乗っていることで、それを止めることの被害は大きいと思われるため、現実的には十分許容範囲の行動と思います。(それにひきかえ不必要なパーティでコロナを拡散するのは本当に情けない行為ではないでしょうか)

 

先日、コロナのワクチンを病院の同僚たちと一緒に受けました。私はそのあと、軽い風邪症状はありましたが特に問題ありませんでした。同僚のなかにはワクチン摂取部が痛くて鎮痛剤が必要だったというひともありました。これはそう心配なことではないと思います。一番重要なアレルギーやアナフィラキシー(アレルギーの強いもの)はなかったようです。ワクチンは2回受ける必要がありますが、1回でも重症化するのは90%も防げるそうで、十分意味があるようです(でも油断なく2回受けて下さいね)。

 

ということで、若い人たちを含めた周囲の皆さんと一緒に相談しながら、屋内外を問わず飛沫に近づかない、飛沫を吸わないよう留意しながらGW後半をお楽しみ下さい。もちろんマスクや手洗い、うがいなども忘れずに。そしてなるべく早くワクチンを2回、受けましょう。

 

2021年6月1日

 

米田正始 拝

 

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いい心臓・いい人生 【第143号】 コロナの話(5)

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編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始
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ゴールデンウィークの真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナの第4波のためにまた緊急事態宣言が大都会などで発令され、
うっとおしいことです。

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しかし大阪などではコロナの患者さんを収容するベッドが不足して
危機的状態であるのは皆さんご存知のことと思います。私の友人が
勤務する滋賀県の総合病院には大阪府から重症のコロナ患者さんが
順次搬送されているそうで、そこも満杯になってしまえばどうなる
のかと不安になります。

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私が住む京都市では週末や祭日などを中心に高野川などの河原で
バーベキューパーティを楽しむ20歳前後のグループ、10人から
30人ほどの大人数の姿がよく見られ、気になります。それでGW中
ですがこのメルマガをお書きしています。

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年齢や漏れ聞こえる話の内容からおそらく大学の新歓コンパなの
でしょうか。緊急事態宣言で多人数のパーティをやる場所がなくなり、
管理人のいない河原で宴会をやっているようですが、大変危険な行為
です。屋外でも三密状態ではコロナは感染することがデータで示され
ており、まして飲食のためマスクを外しているため、飛沫は飛び放題、
吸い込み放題です。彼らは自分たち若者はたとえコロナに感染しても
死ぬことはないと思っているのかも知れませんが、帰宅や帰省して
家族に移せばどうなるかわからないのでしょうか。

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皆さんの周囲に若いひとがおられましたら、お互い注意し協力する
ように、ご相談ください。

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電車の中などは皆さん話をすることもなく静かにしておられ、
もちろん全員マスク着用で、窓も開けられ換気も十分で、手すりなど
の消毒もされており、ここで新型コロナに感染する確率は極めて低い
ものと思います。仮にほんのわずかなリスクがあるとしても皆、仕事
や学校へ行くために、必要あって電車に乗っていることで、それを
止めることの被害は大きいと思われるため、現実的には十分許容範囲
の行動と思います。(それにひきかえ不必要なパーティでコロナを
拡散するのは本当に情けない行為ではないでしょうか)

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先日、コロナのワクチンを病院の同僚たちと一緒に受けました。私は
そのあと、軽い風邪症状はありましたが特に問題ありませんでした。
同僚のなかにはワクチン摂取部が痛くて鎮痛剤が必要だったという
ひともありました。これはそう心配なことではないと思います。一番
重要なアレルギーやアナフィラキシー(アレルギーの強いもの)は
なかったようです。ワクチンは2回受ける必要がありますが、1回
でも重症化するのは90%も防げるそうで、十分意味があるようです
(でも油断なく2回受けて下さいね)。

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ということで、若い人たちを含めた周囲の皆さんと一緒に相談し
ながら、屋内外を問わず飛沫に近づかない、飛沫を吸わないよう
留意しながらGW後半をお楽しみ下さい。もちろんマスクや手洗い、
うがいなども忘れずに。そしてなるべく早くワクチンを2回、受け
ましょう。

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令和3年5月3日

米田正始 拝

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いい心臓・いい人生 【第142号】 コロナの話(4)

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いい心臓・いい人生 【第142号】 コロナの話(4)
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桜の花が咲き乱れる美しい季節になりました。
皆様お元気にお過ごしでしょうか。

コロナ(COVID-19)は緊急事態宣言が解除されてからまた
感染者増加の兆しがあり、すでに第4波到来という残念なニュース
にまで発展しています。

米国ファイザー社製のコロナワクチンの接種が始まっています。
心臓手術後の患者さんたちからワクチンを受ける意義はあるので
しょうかというご質問をいただきました。答えはYESです。
ぜひ受けていただきたく思います。

心臓手術の後は多くの場合健康を取り戻し、手術前より活発な
生活に戻る方が多いのですが、ばい菌やウィルスに対する
免疫抵抗力という点からは病気をしたことのない健康人よりは
やや弱いという可能性はあります。
まして背景に糖尿病や強い動脈硬化などの病気あるいは喫煙歴
などをお持ちの場合は抵抗力では不利な状況になりがちです。
なので可能な範囲で早めにコロナワクチン接種を受けられる
ことをお勧めします。

ワクチンの副反応(副作用)が気になるという方もおられます。
確かに油断は禁物です。恐ろしい副反応たとえば強いアレルギー、
アナフィラキシーと呼びますが、これらは稀ではありますが
起こり得ます。そしてそのまま放置すれば死に至ることさえ
あるのです。しかしこの多くはワクチン接種後間も無く、
15-30分以内に起こります。

なのでその間は病院内に
とどまり、少しでもおかしいと感じたらすぐ医療者に伝え、
対応してもらえば安全性は大きく改善します。ほとんどの場合は
ステロイドなどの注射や点滴で回復します。しかしもし放置して
時間が経てば血圧低下や呼吸困難その他の状態に陥りいのちの
危機にいたります。油断禁物なのです。

しかしその稀な副反応
と比べて得られるものつまり抵抗力アップという効果はかなり
あるようです。現時点で日本国内でのこのワクチンのデータを
私は持っていませんが、かなり高い評価を得ていると聞いて
います。

もちろんこれまでの対策、つまり3密を避ける、マスク着用、
手洗いの励行、できれば洗顔やうがいなどは今度も続けて
ください。
これらにワクチンが加われば対策としてはかなり強固になるの
ではと期待しています。皆でちからを合わせ、この難局を
乗り切ろうではありませんか。

 

令和3年3月30日

米田正始 拝

 

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いい心臓・いい人生【第141号】 明けましておめでとうございます。コロナの話③も

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いい心臓・いい人生 【第141号】 明けましておめでとうございます。コロナの話④も

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編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始

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皆さま明けましておめでとうございます。

昨年は本当に大変な年でしたが今年は少しずつでも光が見える、そんな年になればと思います。

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コロナは第三波の真っ只中で、緊急事態宣言を出すべき状況ですが、度重なるコロナ負担に経済が耐えられず崩れる心配からか、宣言は出されていません。しかし1日の感染者が4500人を超え、死亡者も3500人を超えるなど危険レベルです。

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医療現場ではさまざまな努力と工夫で有効な治療を試みていますが、まだ特効薬がなく、これまでの薬の上手な組み合わせと使用タイミングで努力しているというところでしょうか。私のいる病院ではコロナ患者さんを受け入れていないため、専門家や現場の先生方から聞いた話で恐縮ですが。

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期待されたファビピラビル(アビガン)やレムデシビルもまだ十分な成果が上がっていないようです。私見ですが、これらはウィルス増殖を抑える薬のため、コロナ感染の早期に使えば良く効く可能性があると思います。ただコロナウィルスは感染してもなかなか症状が出ず、診断も遅れ、病院に行くころにはウィルスが増殖して危険な段階に入っていることも多いため、早いタイミングを見つけて薬を服用する作戦が必要なのではないかと思っています。

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シクレソニド(オルベスコ)は吸入ステロイドですが粒子が細かく肺の奥まで到達するという特徴があり、一部で重症化防止に効果があったという報告がなされたことがうなづける薬です。使って損はない、得する可能性がある、と考えやすいですし、医療現場では積極的に使われています。

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コロナ感染のもう一つの困った特徴として、からだ全身の細い動脈に刺激を与え、血栓を作ることが報告されています。これはこれまでの他の感染症などでも重症の際によく見られたDICという状態と共通するところがあり、そのため血栓を防止するナファモスタット(フサン)やバイアスピリンなどが現場で使われているのも理にかなっていると思います。

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現在試験中や開発中の薬あるいは中和抗体が1日も早く効果を上げることを祈っています。またアメリカやヨーロッパでワクチン接種が開始され、日本にもまもなく入ってくるようで、まだ効果とくに長期の効果や安全性が不明という印象もありますが、ある程度以上の成果が出ているため期待したいところです。中国産のワクチンでは危険な副作用があったそうで、私は今のところお勧めできません。

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こうした状況から、現時点でできるベストはやはり生活の中での予防です。

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現場の声を聞きますと、現在の第三波も主に飲食店、要するに飲み会から来ているところが多いようです。大勢集まって同じテーブルでおしゃべり(飛沫が飛びます)と飲み食い(マスクを外します)を楽しむ、これはコロナの移しっこそのもので、グループに一人でも感染者が居れば、数名以上の感染者が新たに発生しても不思議ありません。飲み会に出るのは若い方が多いようですが、コロナウィルスを自宅に持ち帰り、両親や祖父母(高齢ゆえ死亡率が高い)に移す、悪気はなくても、大きな不幸を作ってしまうのです。

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年末にスーパーへ買い物に行くと、こどもも含めて一家数名で食料品の買い物を楽しみ、一家でレジの列に並んでいる、こうした光景を何ども見ました。わざわざコロナをもらいに(あるいは移しに)来ているの?と言いたい光景です。こんなことでは1日4500人感染者という現実に不思議はありません。

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中にはまあ大丈夫さ、コロナになっても病院へ行けば何とかなるさ、という考えもあるのでしょうが、病院ももう少し混雑すれば満杯にて患者さんお断りという事態になるのです。大災害時のように患者さんを放ってはおけないと廊下や玄関ホールにまで入院いただくことはコロナ感染の場合は許されないのです。

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ちょっと大げさに言えば、今、市民の英知が試されているとも言える状況なのです。飲み会も初詣も家族総出の買い物もやめて家で静かに暮らす、これだけでも大きな安全策になるのです。

皆で一緒にお互いのいのちを守りましょう。

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令和3年1月1日

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米田正始 拝

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(注:事情によりメルマガ配信が遅れています。できるだけ早くお送りしますが、それまではこのバックナンバーをご参照ください)

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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いい心臓・いい人生 【第140号】 コロナ肺炎(COVID-19)に負けない対策その2

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いい心臓・いい人生 【第140号】 コロナ肺炎(COVID-19)に負けない対策その2

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発行:心臓外科手術情報WEB

心臓外科手術情報WEB について――まず正しい情報を得る、すべてはそこから

編集・執筆:心臓血管外科専門医・指導医 医学博士 米田正始

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前回5月にコロナウィルス(COVID-19)のお話をしてから3ヶ月近くが経ちました。

状況が改善するのを願っていましたが、最近また悪化していると言わざるを得ない

のが残念です。今は第二波の真っ只中ですね。

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緊急事態宣言が解除されてから、人の動きがまた活発になり、ご存知のように感染者

は急増しています。これは夜の飲食街での3密や、PCR検査の普及で発見率が上がった

ことも要因のようです。しかし要因が何であれ、感染者が急増しているのは、一般の

方々とくにハイリスクの皆さんには心配なことです。

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前回のメルマガで感染予防策のポイントをいくつかまとめました。

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1.飛沫感染の予防ということで三密を避け、マスクを使う。

2.接触で感染することも多いため、なるべく触らず、頻繁に手を洗う。

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前回お書きしました工夫に加えて、コンビニやスーパーに行くときに、もし買い物の

量が少なければ買い物かごは使わない(かごの取っ手にコロナウィルスがついている

かも)か、アルコール消毒剤を手につけてからかごを持つ(かごの取っ手も消毒され

る)ようにしましょう。

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残念ながら楽しい飲み会や食事会、パーティはまだ危険です。

参加者に一人でもコロナウィルス感染者がおられれば、その会はクラスターの集まり

になってしまいます。

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家の中を消毒する必要はないか、よく聞かれます。私はそこまでは要らないと思います

が、スマホなど外へ持ち出す物品は帰宅時にアルコールで拭いて消毒する意義はあると

思っています。

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治療に使う薬については、まだ特効薬は出ていません。

アビガンやアクテムラは期待したほどの成果が出ていないようです。まだダメと決まった

わけではありませんが。オルベスコ吸入薬やフサン点滴あるいはデキサメサゾン点滴は

重症化を防ぐには有用なようで、よりうまい使い方、つまり適切なタイミングと量が

はっきりすれば大きな力になるでしょう。レムデシビルは有用なようですが、これからの

展開が期待されるところです。これらの経験量の蓄積効果でしょうか、ICU(集中治療室)

に入った重症患者さんの死亡率が2月ごろの50%から5月には40%まで下がったと

いう報告がヨーロッパでありました。まだまだ高い死亡率ですが、治療は進歩していると

いう印象です。

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今後の展望としてコロナワクチンが期待を集めています。SARSやエボラ熱などのワクチン

もできていない状況で本当にコロナのワクチンができるのだろうかという意見や、ワクチン

に効果があっても数ヶ月しか持たないという恐れもあり、これからの努力かと思います。

しかし抗体の量だけでは測れない、別の免疫(たとえばキラーT細胞など)もあるという説

があります。これが新たな対策のきっかけになると良いのですが。

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糖尿病や太り過ぎがコロナ肺炎になりやすいというデータもあり、適正な血糖値コント

ロールと、無理のない範囲での体重調整は一考に値するのかも知れません。タバコはこの

機会に止めるのが理想です。

皆さんには上記の地道な予防努力を油断なく続けていただき、その上はあまり心配しすぎ

ず、動いて食べてという基本を実践いただければと思います。

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令和2年8月6日

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米田正始 拝

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元・京都大学医学部教授
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