日本マルファン協会での講演と質疑応答―どしどし意見交換を

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2010年8月8日に名古屋市で日本マルファン協会にて講演をさせていただきました。

Cj009b-s た講演にひきつづき、自由に質疑応答や歓談を行う機会がありました。

それらはJAMAA 同協会会報の2010年12月11日号に掲載されました。

当日ご参加できなかった方々にもご参考になるかもということで、

日本マルファン協会のご許可を得てここに整理編集ののち再掲載いたします。

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多数の方々のご参加を得て、さまざまな疑問・質問や悩み相談を戴きました。ilm09_ba01018-s

医師として信頼をして頂ける、こんなにうれしいことはありません。

またその質疑応答や相談によって

その後の健康が回復あるいは確保されたことを知るたびに、大きなよろこびを感じます。

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今後もどしどし意見交換をやりましょう。

 .

1.大動脈瘤とマルファン症候群についてへ進む118647835

2. 大動脈解離と同症候群について へ進む

3. 心臓弁膜症について へ進む

4. 心房細動について へ進む

5. ステントグラフトについてへ進む

6. 緊急治療・救急について へ進む

7. セカンドオピニオンについて(日本マルファン協会での講演から) へ進む

8. その他(同協会での講演から) へ進む

「大動脈疾患」 のページの 5c)日本マルファン協会での講演と質疑応答から のページにもどる

「心臓弁膜症」 ページの質疑応答から のページにもどる

「よく戴くご質問」ページの質疑応答から のページにもどる

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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日本マルファン協会につきまして―ますますの発展を期待しつつ

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日本マルファン協会は「マルファンネットワークジャパン(MNJ)」の発起人である古藤雅代さんが亡くなられた際に、

ご遺族の希望で造られた「古藤雅代マルファン基金」がそのルーツです。

その目的はMNJの情報収集や周知活動 を支援することです。2004年3月のことでした。

 

日本マルファン協会は「情報は命を救う」「情報は生きる支え」を基本理念とし、

全てのマル情報は命を救う、情報は生きる支えです ファン団体・関連組織との協調・連携を重視し、

社会に開かれた誰もが参加できる活動によって、

マルファン症候群を取り巻く環境改善を行なう事を目指しているということです。

大変重要なことと思います。

日本マルファン協会のHPによりますと、医療問題として以下の事柄が挙げられています。

・日本人における診断基準、類似疾患との鑑別が確立されていない

・人によって症状の差が大きく、その理由が解明されていない

・マルファンの中でも早期に解離する人がいるが、その原因および特定方法が定まっていない。

・ロサルタン等内科的治療の確立

・根本治療の確立

・治療リスク、負担の低減

・患者のための総合的な医療的、生活的管理ガイドラインが出来ていない

・医療における情報格差・地域格差の問題

・地域医療ネットワーク

・専門クリニックの拡充

・救急医療の問題

救急医療体制は大切です これらの諸問題のうち、私たちは心臓血管専門施設としてとくに地域医療や救急医療を中心に力を入れています。

たとえば同じ大動脈瘤でも現在のEBM(証拠に立脚した医療)にもとづき安全第一の方針で、過剰治療は避けつつ、

いざという時にはいつでも受け容れる方針を患者さんとまえもって相談し、その時に備えるようにしています。

実際それによって急性大動脈解離(解離性大動脈瘤)を発症しても患者さんは冷静に対処され、

協力して病気を迎え撃つ形で直ちに対応して事なきを得たという経験もあります。

 

小さな専門病院ですので専門クリニックという形でアクセスを限定せず、

心配時はいつでも対気軽にアクセスできることはマルファン症候群の治療にはとくに大切で有用です応という形をとっています。

ロサルタンも使える患者さんには使用し、

他科・他病院との連携を進め、できることはするようにしています。

同様に眼科や整形外科などとも連携を取るようにしています。

心臓や血管だけでなく患者さんの全身を守ることが大切だからです。

また日本マルファン協会のHPによりますと社会問題として以下のものが未解決です

・疾患が知られていない問題

・疾患への偏見

・家族や周囲の疾患自体への理解不足の問題

・学校生活での問題

・社会生活の問題

・患者にとって有益な地域情報が得にくい問題

・患者本人や家族の疾患自体への理解不足の問題

・運動の問題

啓蒙活動も大変重要です。マルファン症候群を皆が自分の問題として捉えることができれば大きな進歩が得られるでしょう これらも心臓血管専門病院としてできることが一つでも多くなるように努めています。

なかでも疾患への偏見をなくすことは医療者として大切と思います。

マルファン症候群は遺伝しないタイプ(つまり突然変異型)が多数あることが知られており、

国民全員の問題なのです。こうしたことも機会を見つけては啓蒙するようにしています。

 

将来的には手術も不要、薬さえ不要、遺伝子治療や再生医学的治療で未然に問題が解決され、

最終的には発生そのものが予防されるべき疾患と思います。

その日が来るまでの間、ハートセンター心臓血管外科は常時スタンバイ状態でマルファン症候群の患者さんや日本マルファン協会を守り支援する役割を果たしたく思います。

 

*今年8月8日、日本マルファン協会で講演させて戴きました。学ぶところが多く、楽しく有意義なひとときでした。

日本マルファン協会 ニュース

5b) マルファン症候群について へ戻る

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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