僧帽弁の感染性心内膜炎IE

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◾️僧帽弁の感染性心内膜炎とは

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僧帽弁にばい菌がついて繁殖する状態です。

僧帽弁にも大動脈弁と同様、ケガなどのちょっとしたきっかけで感染性心内膜炎(略称IE)が起こることがあります。

いったん感染性心内膜炎IEになってしまうと、弁が壊れて心不全が危険なレベルにまで悪化したり、感染そのものが全身を冒して障害を起こし、そのばい菌の塊が脳へ流れていけば脳梗塞になって大変な後遺症を残したり、運が悪ければいのちを落とすこともあります。

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◾️僧帽弁、どんな時に感染性心内膜炎になりやすい?

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僧帽弁のIE僧帽弁での感染性心内膜炎IEは僧帽弁閉鎖不全症の方に起こりやすいため注意が必要です。また僧帽弁逸脱症(弁が少しずれて落ち込んでいます)の方にも起こることがあります。

 

僧帽弁逸脱症だけなら手術は不要ですが、感染のために弁が壊れてしまうと手術が必要になる場合があります。

なお僧帽弁逸脱症はよくある状態ということもあって、感染性心内膜炎の原因のトップレベルを占めます。

そのため逸脱と言われているかたは一般健康人の方より少しだけ注意を払うことで大きな安全が得やすくなるとも言えましょう。

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◾️僧帽弁の感染性心内膜炎、どんな時にどんな手術が必要?

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僧帽弁の感染性心内膜炎IEの治療は、心不全がくすりや点滴ではどうにもならないときや、感染つまりばい菌の勢いが治まらないとき、あるいは脳梗塞などばい菌の塊が危険な状態のときなどに、外科手術が必要となります。

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心臓手術となれば、まずできる限り僧帽弁形成術を行うのが望ましいです。しかし弁のかなりの部分がばい菌によって壊れている場合などは弁形成も複雑なものになります。

そのためこの病気の心臓手術は僧帽弁形成術のエキスパートにゆだねるのがベストです。でないと複雑弁形成が必要になったときに人工弁による弁置換手術になりがちで、患者さんのその後の人生が変わってくる場合もあります。たとえば若い女性ではもし機械弁の弁置換術になってしまうとワーファリンを一生服用しなければならなくなり、以後の妊娠出産や赤ちゃんの奇形率がきわめて危険なものとなってしまいます。

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◾️僧帽弁の感染性心内膜炎、ミックスで手術できる?

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通常の創(左側)とポートアクセス法ミックス手術での創(右側)。通常の方法では胸骨という骨を切りますが、ポートアクセス法では骨は切りません。この病気は高齢者だけでなく10代ー30代の若者にもしばしば起こります。40-50代の働き盛りにも起こります。そのため骨をできるだけ切らず、創も小さいミックス手術とくにポートアクセス手術(右図の右側です)が喜ばれます。

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私たちの経験ではLSH法というポートアクセス手術でもとくに創が目立たない方法のあとは満足度が高いという印象を得ています。この先、長い人生を目立たない創と付き合うのはそれほど苦痛ではないというご意見を戴いたこともあります。こんな手術なら将来また受けても良いよとまで言ってくれた方さえあります。

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◾️大切なこと

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しかしもっとも大切なことは安全性と確実性です。

手術のときの合併症をできる限り予防し、かつ完全な僧帽弁を目指して極力きれいに治すことが何より大切です。

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さらに大切なことは予防です。手術後の方の場合は再発予防です。


Ilm03_bd02003-s虫歯を抜く、いわゆる抜歯のときには必ずかかりつけの歯医者さんと相談し、抜歯の前夜から抗生物質を飲んで万全を期しましょう。

イソジンガーグルでのうがいも血のにおいがしなくなるまで続けましょう。

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また切り傷擦り傷などのけがをしたら、ただちに土や砂を水道水などで十分洗い流し、出血があれば病院で消毒とともに抗生物質をもらうようにして下さい。

とくに傷口の洗浄は直ちにやって下さい。

しかし熱が出て下がらないなどおかしいときには専門家にご相談下さい。

こうしたきめ細かい対策がいのちを守ることにつながります。

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