【第十九号】 ウィーンフィル演奏会のお知らせ

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【第十九号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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残暑の中にも影の傾きに秋の気配を感じる最近です。

ウィーンフィルハーモニー交響楽団のメンバーによる室内楽のコンサートをサ

ポートして10数年が経ちました。といっても私自身はときどき拝聴するだけ

で、私の父が代表世話人のような形でお世話し、最近は大勢の方々のおかげで

運営できているのが実際のところですが。

親善や文化活動としてのコンサートですので比較的安価でまた庶民的な雰囲気

でやっています。

開催地は橿原市(奈良県)・京都市・小浜市(福井県)のみですが、よろしけ

ればご来場下さい。

くわしくはHPをご覧下さい。
http://www.masashikomeda.com/web/2010/09/announce_vienaphil2010.html
です。

2010年9月9日

敬具

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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【第十八号】 日記と患者さんの声に新記事upです

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【第十八号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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台風が過ぎたらとたんに暑い日が戻って来ました。半端ではない残暑です。如

何お過ごしでしょうか。

さて心臓外科医の日記に新しい記事をUpしました。テレビ映画「外科医須磨

久善」への雑感です。わたしにはあらためてジーンとくるものがありました。
http://www.masashikomeda.com/web/2010/09/cvdiary_drsuma.html
です。
関心がおありの方は本HPの心筋症・心不全の項目などもご参照ください。

それから患者さんの声にも新しい記事をUpしました。イギリスはスコットラ

ンドから名古屋まで手術に来て下さった患者さんからのお便りです。
http://www.masashikomeda.com/web/2009/05/post-00b2.html
からお入りください。

それでは皆さま、ご自愛のうえ、残暑を楽しんで下さい。

2010年9月9日

敬具

米田正始 拝

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【第十七号】 日記に2つの話題をUpしました

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【第十七号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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依然として暑い毎日ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか

さてHPの中の心臓外科医のブログのコーナーに2つの記事をUpしましたの

でご紹介いたします

一つは緑茶のお話で、今一つは日本冠動脈外科学会の印象記です。

緑茶のお話は煎茶道方円流の研修会にて先日講演させていただいた骨子を載せ

たものです。お茶の良さと平素の心臓血管病予防について知って頂ければお役

にたつものと思います。

学会印象記は少し専門的で申し訳ないのですが、専門家はこうした努力を日々

重ねているということを知って頂ければ幸いです。医師や医療関係者の方々に

は参考になるかも知れません。患者さんにとって良い治療が必ずしもできない

現実が日本にはありそれを何とかしたいものです。

これから次第に涼しくなるものと予想しますが、皆さまには健康に留意して元

気にお過ごし頂くことを期待いたします。

2010年9月3日

敬具

米田正始 拝

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【第十六号】 心臓突然死から身を守るために

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【第十六号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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暑い夏がいつまでも続くと思っていましたら、今度は台風が何と3つ同時に発生!

地球温暖化が進むとさまざまな問題がおこるというのを実感しています

しかし嘆いていてもだめです。一つひとつ、できることを実行することが大切と思います。

最近、心臓突然死が問題になっています。全国で毎年数万人が突然なくなられる、

大きな問題です。

しかしその内容を見れば、かなり予防なり対策が立てられると思います。

その解説を「All About」の私のページに載せました。
http://allabout.co.jp/gm/gu/1009/
これをぜひご覧ください。

末筆ながら、脱水に注意され、この残暑を楽しく乗り切って下さい

2010年8月31日

敬具

米田正始 拝

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【第十五号】 心臓外科医のブログ、新記事Upです

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【第十五号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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朝夕の日差しはどことなく秋の気配を感じるこのごろですが、温度計は30度を超えた

ままで、いつまで続くこの残暑という毎日です

皆さまにはいかがお過ごしでしょうか

一昨日、火星への往復と、火星衛星の砂の採取という快挙をなしとげた人工衛星

「はやぶさ」の感動の秘話が放送されました。

 

予想以上に大変だったこのプロジェクトを支える人たちの汗と涙のあとがよくわかった

ような気がします

ぶろぐにそのお話と、それをめぐっての雑感をお書きしました

ご覧いただけましたら幸いです

敬具

米田正始 拝

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【第十四号】 本メルマガをモデルチェンジします

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【第十四号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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まだまだ猛暑が続きますが皆さまいかがお過ごしでしょうか

いつもこのメールマガジンを読んでいただき、ありがとうございます

今日はこのメルマガの形を変えるというお知らせです

これまでこのメールマガジンではトピックス的なものをお届けして参りました

。その内容はご存じのとおり、私のホームページの中にある「心臓外科医の日

記」からの抜粋が主でした。

しかし抜粋よりは図や写真も含めた完全なものが良いのでは?というご意見を

戴き、また新しいページや改訂ページの情報もあったほうが役立つというご意

見も戴き、考えていました。

それらを考え、今後は新しいページや改訂ページのお知らせを主にし、その分

、頻回にお送りできるようにしたく思います。

これまで私のホームページ「心臓血管外科情報WEB」が役立った、助かったと

いうご意見を多数の方々から戴き、大変うれしく思っております。

今後はホームページが一層お役に立つような支援ツールとして、このメールマ

ガジンが貢献すればうれしいことです。

皆さまのご意見やご希望をお聞かせ頂ければ幸いです。

末筆ながら皆さまのご健勝を祈ります。

敬具

平成22年8月20日

米田正始 拝

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【第十三号】 ツイッターのお勧め

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【第十三号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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いつの間にか時間が経ち、すでに汗ばむ季節となりました。

皆さん如何お過ごしでしょうか。私は名古屋でのなじみも増えて毎日忙しく手術に治療に走り回っています。多くの方々のご協力やご支援に感謝申し上げます。冬よりは夏の方が心臓にはやさしい一面がありますが、それでも夏バテや脱水など注意したいことはあります。

最近、巷でツイッターなるものが流行しつつあり、皆さんの中にもすでにそれをやって楽しんでいる方もおられるかも知れませんし、関心をお持ちの方もあるかも知れません。

ツイッターとは「つぶやく」という意味で、ネット上で短く発言するのです。それをフォロー(聞いてくれる、読んでくれる)する人たちがいてくれて、お互いコミュニケーションが出来上がります。さまざまな人たちの意見が、さまざまなテーマで聞けて、学ぶことが多く、ニュースなどは迅速で話題豊富にもなります。

皆が自由に発言できるという意味ではネットの掲示板に似ていますが、その方をフォローする方にしか見えないため、掲示板よりは仲間内での発言となります。また多くは実名かそれに近い自己紹介をしているため、発言もそれだけ責任のある真面目なものが多く、根拠ない誹謗中傷は稀で、社会悪も生まれにくい構造になっています。

ツイッターの発言は、140文字以内で書き込むのですが、それだけに手軽に、思ったことや感じたことを言えるのです。140字は読むのにちょうど便利で、慣れれば結構多くの情報が入ります。

最初はフォローしてくれる人がゼロから始まりますので、誰も見てくれないということからつまらなく思えるかも知れません。お伝え頂ければ私もフォローさせて戴きますので、そこから徐々に増えて行き、面白くなるでしょう。

やってみようと思われる方は以下のようにしてみて下さい。
まず私のHP、心臓血管外科情報WEBのトップページ右段中ほどにある「Twitter」をクリックして下さい。それでTwitterのページに入れます
そこで登録をして下さい。画面の指示に沿えばできます
それから上段の「友達検索」をクリックして下さい。そこでたとえば「米田正始」と入力すればツイッターの私のページへ行けます。

そこではこれまで私がつぶやいた事や、他の方々のつぶやきで面白いものを別の方々に披露するリツイートした内容が並んでいます。私なりに皆さまにお役に立つものをと考えて出しています。
そこで「フォローする」というボタンを押せば、それ以後は私のつぶやきが画面に自動的に出るようになります。見つけ次第、なるべく早く、私からもフォローします。これをりフォローと言います。それでお互いのつぶやきが見えるようになりますし、ダイレクトメッセージのところをクリックすれば直接言葉のやりとりもできます。

実はこのツイッターが面白く、学ぶところが多く、新たな友達や旧友と「再会」するなど楽しくて、メルマガが一時休止状態になっておりました。お詫び申し上げます。

今後は仕事の合間を使ってホームページHP、メルマガ、ツイッターなどを有機的に組み合わせ、情報や交流の幅を広げたく思っております。

皆さまのご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

敬具

米田正始 拝

(このメールマガジンは心臓血管外科情報WEBの中の心臓外科医の日記ブログのコーナーから転載いたしました)

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【第十二号】 サリドマイドの病気メカニズムが解明

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【第十二号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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かつて悲劇の合併症を世界的に引き起こした睡眠剤・サリドマイドが四肢の奇

形を起こすメカニズムが最近、解明され3月12日付の米科学誌サイエンスで

発表されました。朝日ドットコムによれば、東京工業大と東北大のグループが、

サリドマイドの副作用にかかわる体内のたんぱく質を見つけ、動物実験で確か

めたのです。サリドマイドが手足の発育に重要なセレブロンというたんぱく質と

結合し、その働きを邪魔するために、手足の小さいこどもが生まれることが動物

実験で証明されたわけです。

医療と医学のつらい歴史の中で画期的な業績と思いました。

サリドマイドで悲劇的な合併症が1960年ごろから発生してメカニズム解明まで

実に50年近い年月がかかったわけで、医学・科学の研究とはそれほど大変で難

しいものであるというのを改めて痛感します。

 

では悲劇の発生の防止に50年もかかったかと言えばそうではありません。臨床

医の経験や勘、そしてデータの検討から早い時期にサリドマイドの有害性は指摘

されていました。行政がそれを直視した対策をとっていなかったことが被害を大き

くした主因でした。

そこで一つ思うことは、科学的「因果」関係が重要であることは確かであって

も「連関」関係だけでも急場をしのぎ多くの人たちを助けることができるとい

うことです。

昔アメリカのスタンフォードで虚血性僧帽弁閉鎖不全症の研究し

ていたころ、僧帽弁や左室のジオメトリーの変化と僧帽弁の逆流の因果関係を

調べていて、それがほぼ因果関係と言えるレベルのものであっても、完全に科

学的にそうとは言えない、そうしたときに連関関係 associationという表現で正

確を期すように恩師に教えられたものです。

つまり科学的な厳密さを追求することの意義は大きくても、それに長大な時間

がかかりその間に多数の犠牲者がでるよりは、統計上の連関だけで警告と予防

措置をとり、被害を食い止め、その間に真実を証明すればよいわけです。現代

の生物統計学、医療統計学、臨床疫学は多数の犠牲者を救えるだけの方法論と

信頼性を持っていると思います。

 

たとえば一万人単位の妊婦さんでデータをとらせて頂き、服用薬剤などをすべて

記録し、手足の発育障害の原因になり得る要素たとえば心臓や骨その他の遺

伝性疾患などもできるかぎりチェックし、それ以外の一般データとともに多変量

解析すればサリドマイドが有力な要因として統計学的に浮かび上がってくるは

ずです。

かつての日本では学問や科学を厳密に追求するあまり、多数の被害者を出した

ケースが薬害などで多々あり、学問や科学のありかたにある種の疑問を抱かせ

ることがあったことは残念なことです。かつてアインシュタインは言いました

。科学研究とは単に知識や情報を増やすためにやるのではない。ヒューマンな

目的性が必要という主旨です。サリドマイドの経験からこうしたことを再確認

すべきと思います。

2010年4月11日 米田正始

(このメールマガジンは心臓血管外科情報WEBの中の心臓外科医の日記ブログ

のコーナーから一部抜粋・転載いたしました)

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【第十一号】 バンクーバー冬季オリンピック 2

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【第十一号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
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編集・執筆:米田正始
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(前回のメルマガで、元の図の説明文が本文に一部混入し、読みづらいところがありました。お詫び致します)

バンクーバー冬季オリンピックが閉幕しました。皆さん多くの感動や悔しさ、あるいは夢を感じられたのではないかと思います。

女子フィギュアスケートの浅田真央選手とキム・ヨナ選手の熱戦の時にはちょうどお昼時ということもあってか名古屋ハートセンターの職員食堂では皆さんテレビにかじりついていたように思います。浅田選手の地元・名古屋ということもあって銀メダルは残念、しかしキム選手もあれほど立派な演技をよく頑張ったという公平な称賛の空気も感じました。

今回の冬季オリンピックで見られたひとつの面白い傾向は個人が国籍より重視されたケースが増えたことでした。
2月24日の朝日ドットコムで、「薄らぐ「日の丸」意識」というタイトルでそうした傾向が論じられていました。
今回の五輪は「国家」をあまり意識しない大会になっているというのです。

たとえばロシア国籍で参加したフィギュアスケート・ペアの川口悠子選手、日本代表で出場したアイスダンスのキャシー・リード、クリス・リード姉弟、米国代表として参加した長州未来選手など、これまでにあまり見られなかったパタンです。そもそも五輪憲章には「オリンピック競技大会は個人種目または団体種目での選手間の競争であり国家間の競争ではない」と規定されているそうです。

個人の自由や尊厳、生きることの意味、国家や組織の意義など、時代の流れでしょうか。ふと振り返れば医者の世界もつい最近までは医者はどこかの「教室」に所属し、一生涯その代表者である大学教授の指令どおりに病院を移り変わるのが普通でした。それが新しい研修制度が発足した数年前から急速に崩れて、大学や教室の求心力低下、教室が人手不足になって医師を派遣できないための地域医療の崩壊や重労働ハイリスクのメジャー科目離れなどさまざまな問題につながっています。教室・大学意識が薄れて個人意識が台頭してきているのはどこかオリンピックの流れに似て来ています。

能力や情熱のある若い医者が自らベストと思う研修を受けるべく世界に師を求め、実力をつけ、自分の腕前で立派に生きて行く、そしてそれを認める実力重視の病院が増えて来たということでしょうか。現在のところ、まだこうした生き方はハイリスク・ハイリターンコースと捉えられているようですが、価値観そのものが進化している中である意味自然なことのようにも思えます。

大学もその流れを感じてか、外科系などでは市中病院や海外で手術や臨床の実績を上げた医師を教授に抜擢するケースが増え、進歩と思います。教授に抜擢されれば待遇が悪く仕事環境が貧相でも大学へ就職するケースが多いのはさすがに大学はまだオーラを維持しているとも感じます。しかしそういう努力をしても大学へ就職する若手医師が激減している現実は、付け刃では対処できない問題が大学病院や医局に存在することを示しています。

かつての医師の価値観のゴールドスタンダードは、ひたすら我慢を重ねて大学教授になり、学会の会長をやって花道を引退し、どこかの有名病院の院長になることでした。ただそうして得られるものと失うものを現代の若者はすでに見抜いているように感じるこのごろです。そしてかつてのゴールドスタンダードに背を向ける若手医師が増えている現実を知ることは病院や大学にとっても脱皮し進歩するために大切と思うのです。欧米の大学ははるか昔にそうした試練を克服した歴史があります。

今回のバンクーバー冬季オリンピックを見ていて感じたことの一つでした。

米田正始 拝 (3月1日記)

(このメールマガジンは心臓血管外科情報WEBの中の心臓外科医の日記ブログのコーナーから一部抜粋、転載いたしました)

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【第十号】 バンクーバー冬季オリンピック

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【第十号】
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編集・執筆:米田正始
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バンクーバーでの冬季オリンピックが佳境に入っています。

皆さん感動したり悔しがったりいろいろと思います。勝者も敗者も美しい、オリンピック

では清々しい気持ちにさせてくれるシーンが多く感動の連続です。

フィギュアスケートでは高橋大輔選手が男子フィギュアでは日本初のオリンピ

ックメダルを獲得しました。強豪相手に立派というしかありませんが、その内容

にも心を打たれました。高橋選手はリスクを承知で4回転ジャンプに挑み、もう少し

のところで残念ながら着地に失敗しました。それでも気落ちせず、その後をしっか

りとまとめ上げ、銅メダルを獲得したのはご存じのとおりです。ここで3回転ジャン

プで堅実にこなすのではなく、金や銀を目指して挑戦した姿勢に私は打たれまし

た。そしてふと次のことを思いました。

心臓手術をやっていて、しっかりした病院でも打つ手なしと言われ、最期のと

きを待つ中で、九死に一生をもとめて来院される患者さんが少なからずおられ

ます。立派な病院で断られたような患者さんは本当に重症です。毎日息苦しい、

つらい生活の中で、死んでも悔いはないから手術して下さいと言われたことが

何度もあります。このままにしておけない、かといって手術のリスクは高い、しかし

このまま薬で様子をみるよりは手術で勝ち目は多い、どうするか、といった状況

です。

そんなとき手術をして亡くなるのは患者さんで、手術をする自分ではないとい

うのが大変つらいです。フィギュアスケートの4回転ジャンプなら、失敗して

痛い思いをするのは本人なので、まだ悔いのない、さわやかな気持ちが残ると

思うのですが、医療では結果が悪いときある種の生き地獄を感じます。しかし

、そうは言っても手術をすれば助かるかも知れない患者さんを重症だからと見

殺しにするのは一層つらい、どこを向いても苦しみしかないわけです。

するとやれることは、成功するかしないかの見極め・予測をより正確にできる

ような方法を開発すること、また成功率を高める工夫をすること、さらに大成

功ではなくてもとりあえず生きることだけでも達成する方法を使うこと、など

があり、それらを内外の多くの仲間の御意見を戴きながら模索して来ました。

バチスタ手術で言えば現在は90%以上は勝てますし、勝ち負けも以前よりは予

測できるようになりました。他の左室形成術も同じです。しかしそれでもハイ

リスクと呼ばれる患者さん、とくにいくつも内臓の病気を持っておられる場合

や高齢者患者さんの場合などでは予測に反して失敗ということはあり得ます。

今後さらに情報量を増やし精度を上げる必要があると感じています。

 

オリンピックで大勝負をかける勇気ある選手たちの姿をみて、そんなことが脳裏

を横切りました。ジャンプで転倒している選手の姿を涙なくしては見れません。

米田正始 拝 (2月19日記)

(このメールマガジンは心臓血管外科情報WEBの中の心臓外科医の日記ブログ

のコーナーから一部抜粋、転載いたしました)

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