ミックスによる僧帽弁置換術――やさしい手術へ

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◾️ミックス(MICS)による僧帽弁置換術とは?

ミックスつまり骨を切らず傷跡も目立たない方法で、患者さんご自身の僧帽弁を切り取り、人工弁に取り替える手術です。以下、もう少し詳しく解説します。

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ミックス(MICS、その代表格がポートアクセスです)

つまり小切開低侵襲手術による心臓手術

徐々に進化をしています。

 

この流れは私たちの経験では僧帽弁形成術でまず実現し、

 多くの患者さんたちの術後の苦痛を軽減し、

また早い回復と社会復帰をもたらし、

さらには外から見えにくい創から心の負担も少なくなるというおまけまでつき、喜ばれています。

そうした経験から僧帽弁置換術にもミックス手術を行うようになりました。

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◾️その実際は?

上の図の左は通常の胸骨正中切開のときの創部、右はミックス(ポートアクセス法)での創部です。

MICS1c もともと僧帽弁置換術が僧帽弁手術の定番でしたので、

経験豊かなチームならミックスでもより簡単にオペができるわけです。

左の写真はミックス(ポートアクセス)による僧帽弁置換術後1か月の創部です。

創そのものが小さいのですが乳腺に隠れてほとんど見えません。

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患者さんの長期の寿 A302_096命や負担を考え、

弁形成で行ける場合は極力そのようにしていますが、

弁の破壊が高度であったり、患者さんがご高齢の場合は、

人工弁(この場合はブタやウシから造られた生体弁)が長持ちする上にワーファリンも不要なため、

前向きに人工弁を使うことがあります。

そうした際にもミックスによる僧帽弁置換術は患者さんの役に立ち、喜ばれています。

  183521318.

その際には肋間神経ブロックを併せ行うため術後の痛みも軽くなります。

ブロックの効果は数週間程度なので、

痛みが消える時期に神経も正常の状態にもどります。

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◾️ミックスに不適な場合は?

ただしこのミックスは動脈硬化の強い患者さんにはやや使いづらいため、

今後さらに改良を加えてそうした方にも恩恵が届くよう努力しています。

また当面の方法として、胸骨正中切開をしながらも、

小さい皮膚切開を行うというタイプのミックス手術(MICS)も適宜使っています。

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◆患者さんの想い出:

Aさんは60代女性でいつも知的生活や美的センスを大切にする方です。心臓手術に際しても夏服が着られるような創でお願いしますというお気持ちがわかりましたので、僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症に対する手術をお引き受けしました。

術中は弁そのものが壊れていたため、そしてご年齢から生体弁が有利と判断し、これをもちいて僧帽弁置換術を行いました。

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医学的理由からポートアクセス法は使わないほうが安全という判断で、正中での小さい創のミックス手術を行いました。

その結果、心臓はすっかり良くなり、お元気になられましたが、創もかなり小さくかつ低くでき、夏服やTシャツを着ても見えないレベルにできました。

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Aさんの美的感覚にお応えでき、うれしく思いました。「夏服が着られる心臓手術」とはAさんから戴いたお言葉ですが、人間、何歳になっても美しく、立派に暮らしていく、そうした哲学を持つことが素晴らしいと感嘆しました。またひとつ勉強させて戴きました。

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参考ページのIndex:

MICS(ミックス手術)とは 

  とくにポートアクセス手術とは
  
  その位置づけ
  
  それ前向きに安全な場合
  
  美しいLSH法とは
  
  かかる費用は?

  ハートポートとは
  
  危険なの
  
  術後の痛み軽減について
  
  社会復帰が早いわけは?
  
  美容について
  
  胸骨「下部」部分切開法とは
  
ビデオ ポートアクセス法による僧帽弁形成術
  
ビデオ 連合弁膜症のご高齢患者さんへのミックス法・3弁手術
  
僧帽弁

  ミックスによる弁形成 

  同、メイズ手術

  ポートアクセスによる弁形成術

 

患者さんやご家族からのお便り

お便り43 がんの手術後に心臓腫瘍がみつかった患者さん

お便り46 遠方からご自分の信念で来院下さった患者さん

お便り48: ミックス手術ですみやかに社会復帰された患者さん

お便り54: ポートアクセス法で弁形成を受けた若者患者さん

お便り59: 被災地支援へ!同法の弁形成術を受けられた患者さん

お便り62: ミックスの弁形成と冠動脈バイパス手術を受けた患者さん

お便り63: ポートアクセスの複雑僧帽弁形成術を受けられた患者さん

お便り65: 同法による弁形成術で元気になられた患者さん

お便り68: 同法の弁形成を受けたバーロー症候群患者さん

お便り73: リウマチ性連合弁膜症と心房細動をミックスで克服

お便り74: ポートアクセス法で弁形成とメイズ手術を受けた患者さん

 

 

 

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