国立循環器病研究センター

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愛称「国循」あるいは「循セン」と呼ばれるこの国立施設は1970年代に設立されました。

当時国立がんセンターががん対策で成果を上げ、厚生行政で戦後最大のヒットと言われた経験から、心臓病や血管病でも同様に日本の医療や医学を展開させようという趣旨で設立されたと聞きました。

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著者は学生時代に小児循環器の神谷部長(当時)のもとで見学と実習をさせて戴いたのが国立循環器病研究センターとの出会いでした。

級友と一緒に参加し、その建物から設備雰囲気まで進歩的なことに感心したのを覚えています。カンファランスで心臓外科の曲直部先生の存在感の大きさに学生ながら感嘆したものです。

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いちどこの施設で心臓外科や血管外科の研修を受けたいという気持ちはあったのですが、その後長らく海外で修練することになり、その機会はありませんでした。

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その代わりにその後、循環器センターの先生方には臨床でも研究でも交流をいただき、良くして頂いたことを今でも感謝しています。

たとえば心機能で世界的権威であられる菅先生が当時、センター研究所長を務めておられ、何度もセミナーで呼んでいただき、多くを学ぶことができました。

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あるいは盛先生、永谷先生ら、循環器の再生医療や分子生物学で活躍しておられた先生方と共同研究をやらせていただき、当時の大学院生諸君ともども楽しく充実した時間を過ごすことができました。

北村惣一郎総長(当時)に班研究で大変お世話になったのも懐かしい想い出です。

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当時の京大病院では補助循環(いわゆる人工心臓ですね)が十分ではなかったため、循環器センターの中谷先生にご指導いただいて補助循環を京大でも安全に装着開始できたという想い出もあります。京都大学心臓血管外科同門会関係では大北先生(現、神戸大学)や湊谷先生(現、京都大学)がセンター在籍中に活躍され、交流を持てたのは幸いでした。

当時はまだ医局意識のようなものが全国にあり、妙な緊張感があった時期もあり、もっとざっくばらんに一緒に遊べば良かったという反省をしたこともあります。

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大学を離れ、民間のハートセンターで仕事をするようになってからは、補助循環や心移植の相談でお世話になっています。民間病院でできる貢献を考え、役割分担というスタンスでセンターを盛り上げて行ければうれしいことです。

また移植センターというバックアップがあってこそ、民間の第一線病院は積極的な前向き医療を展開し世の中のお役に立てるとも思います。

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今後も楽しく中身のあるコラボレーションをお願いできればと思います。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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西奈良中央病院

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西奈良中央病院はその名のとおり奈良市西部の中核病院で、かつ地域密着型です。

昭和31年に開設され、年々発展を遂げてこられました。

平成18年には病院機能評西奈良中央病院価で合格され、同24年には現在の鶴舞地区へと移転新築され発展しておられます。

奈良県における緩和ケア病棟の草分けのひとつですし、慢性血液透析や人間ドックにもちからを入れておられます。

もちろん地域医療の拠点として救急医療にも貢献しておられます。

奈良医大の関連病院というご縁もあって高の原中央病院とは以前から交流があり、かんさいハートセンターが発足した2013年からは病々連携が次第に密になっています。

紹介には逆紹介でお応えし、今後ますます連携を強めて行ければと思います。

 

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執筆:米田 正始
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元・京都大学医学部教授
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西ノ京病院

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西ノ京病院は奈良県で最大の透析センターをもつ地域の中核病院で昭和61年に開設されました。世界遺産薬師寺のちかくという得難いところにあります。

療養や介護まで幅広く守備範囲とする新しい時代に即応した病院です。あたらしい地域包括ケアにも対応されています。

透析にちからを入れておられるため循環器内科や血管外科も活発です。

前者はこれまでも交流があり今後より活性化して参りたいものです。重症例や緊急例を多くこなしている私どもかんさいハートセンターですので双方向の連携が楽しみです。

後者ではとくに静脈瘤の手術や治療で実績を上げておられ、奈良医大の関連病院として高の原中央病院とも交流があり、私たちかんさいハートセンターからもご紹介することがよくあります。

西ノ京病院は地域医療と並行して健診にもちからを入れておられメディカルプラザ薬師西ノ京はPETなどの早期がん健診でも有名です。

それやこれやで地域医療のパートナーとして私たちがこれからお役に立てればうれしいことです。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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大和高田市立病院

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この病院は昭和28年に開設された奈良県中西部の320床の基幹病院です。

現在は砂川晶生先生が病院長を務めて 大和高田市立病院
おられます。

エイズ感染協力病院や災害拠点病院、 奈良県地域がん診療連携支援病院なども兼ねている有力病院です。

昔から京都大学や奈良県立医大などとの交流が多く、私も学生時代に先輩を訪ねて実習させて戴いたことがあります。ちょうど昭和55年ごろのことで当時は西嶋先生が部長として活躍しておられました。そのころは消化器内科の故・兼松雄象先生が院長を務めておられ、同窓会雑誌などを売り込みに参上しお世話になったこともあります。

Ilm09_ag04004-sかつて故・長瀬正夫先生という名物外科医がおられ、そのころから腹部一般外科が元気な病院という印象がありました。長瀬先生は胆石手術の名手で、京大での講義は私の友人によれば「嵐のような講義」で明快で力強い、患者さんに役立つ、頭の中がすっきりする、そういう講義でした。

現在は畏友で元クラスメートの岡村隆仁先生が外科部長兼副院長として活躍しておられ、同先生が着任されてから外科手術は何倍にも増え、年間900例以上という奈良県でもトップクラスの実績を上げるに至っています。

手術や治療が質量ともに充実しているため、これまで10名近い若手医師をご紹介させていただき、皆さん満足してくれています。これからも自信をもってご紹介したいものです。

京大心臓血管外科の教授を拝命していたころに、この病院で講演をさせて戴いたことがあり、その後の会食も含めて歓待いただきうれしく思ったものです。

私が学生病院実習でお邪魔していた昭和54-55年ごろの建物に加えて平成11年には東館が建設され、今はかなり大きな病院になっています。ハイケアユニットや教育研修センターも併設され、大きく展開しようとされています。

奈良県の地域医療のレベルアップのためにこの大和高田市立病院と連携して私たちのチームがお役に立てればと願っています。とくに心臓や大動脈の緊急手術や傷跡の目立たないMICS手術弁形成その他で他にはできない貢献ができればうれしいことです。

 

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執筆:米田 正始
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土庫病院

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土庫病院は奈良県中部の地域医療を支える拠点病院です。

無差別・平等の医療、安全・安心で信土庫病院頼される医療を理念に掲げた、志の高い施設です。

奇しくもほぼ私が生まれた頃に発足し、多くの地域住民から支持され現在の199床(一般病床) 13床(地域包括ケア病床)の病院に発展しました。

無料低額診療事業を推進し、誰でも安心してかかれる病院へと努力しておられます。

 

私の実家医院での患者さんのなかにかつてこの土庫病院で事務職として勤務しておられた方があり、お話を聴くたびにここが患者中心、住民本位で愛されていることが実感できます。

とくに消化器疾患、大腸肛門疾患の予防や早期診断と治療にちからを入れ、小児科診療、透析、リハビリテーション、在宅訪問、介護とともに地域医療の基盤を大切にしておられます。

 

院長の山西行造先生には私が京大病院心臓外科にて奉職していたころから大変お世話になり、地に足つけた地域医療の手本を何度も見せて戴きました。また何人もの心臓病患者さんを遠方から搬送いただき、全力あげて心臓手術し元気にお返ししたのを覚えています。

 

高齢化社会で非都市部の奈良県にあって、患者さんもこれまで以上に高齢・重症です。90歳を超えるお歳で、しかしまだまだ生きる意欲を持っておられる患者さんも少なくありません。それぞれの患者さんの全身状態から家庭事情までを考慮して最適の治療を組み立てることが大切と考え、ハートチーム、というより病院全体の知恵を出しあって努力しています。

先日も90歳を超えた患者さんの弁膜症手術でお元気になって頂きました。

故郷奈良県で、個々の患者さんたちのお顔が見える地域医療に貢献できるのは光栄なことです。

今後もよろしくお願い申し上げます。

 

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京都山城総合医療センター

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この病院は国民健康保険山城病院が2013年5月に改組されさらに立派な京都府南部の地域中核病院になったものです。

山城総合医療センター

京都府がん診療連携病院でもあり脳脊髄センター・ハートセンターや糖尿病センター・慢性腎臓病センターなどをもつまさに地域医療センターです。ハートセンターでは急性心筋梗塞に対するカテーテル治療PCIを多数こなされ、山城エリアの救急医療の中心として活躍しておられます。

 

高の原中央病院かんさいハートセンターとは府県は異なるものの距離的には比較的近く、すでに病々連携でお世話になっています。

以前から京都府立医大の研修病院として指定されており、かんさいハートセンターの心臓血管外科も2015年1月から同医科大学の専門医制度関連施設となったため、いっそう親しみやすく協力しやすくなりました。

 

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京都きづ川病院

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京都きづ川病院は1980年に開設された京都南部の地域医療を担う病院です。

当時私はまだ大学生で、この病院を創られた故・中野進先生を慕って何度かお邪魔したことを覚えています。

開設当時から開業医の先生方との病診連携をモットーにした病院運営で話題になっていました。

中野進先生は医師だけでなく 医師の世界の新版学者文化人としても有名で、医師の社会におけるあり方を徹底調査し理想像を探った医師の世界という本は今も含蓄深いものがあります。勉強熱心な先生はお忙しいのに同志社大学で社会学を教えておられたこともありました。

文化活動の一端として著名人を招いての学術講演会も京都きづ川病院の開設当初から頻繁に開催され、一味違ったものがありました。

まだ留学中の1995年ごろだったと思いますが、そのきず川病院で講演させて戴いたこともあります。まだ駆け出しのころで「講演」では僭越ですと申し上げたところ、「ランチセミナー」ならどうだいと言われてそれでもまだ恐縮ですとお答えしました。それじゃ「ティタイムセミナー」でどうかと言われてそれでお願いしますと厚かましくお引き受けしたのを覚えています。講演のあと建設的なご意見を多数いただき、大勢で記念写真を撮って頂き感動したのを覚えています。

京都きづ川病院京都きづ川病院はその後ご子息で脳外科医の中野博美先生が継承され、発展し現在に至っています。中野博美先生は順天堂大学の名物教授・石井先生のもとで腕を磨かれたエキスパートです。

私が京大病院で勤務していたころは京都の救急体制の充実のためにいろいろとご指導いただいたのも懐かしい想い出です。

私が京大を去って名古屋ハートセンターを立ち上げてからは遠方ゆえしばらくご無沙汰しておりましたが、

2013年10月に高の原中央病院かんさいハートセンターを立ち上げてからまたご厚誼を頂くようになりました。

2015年1月からかんさいハートセンターが心臓血管外科専門医制度の関係で京都府立医大の関連施設になってからさらに親しみが増し、先日もそのご挨拶に行って参りました。

中野博美先生は周辺部の病院と協力して発展することをさまざまな観点から考えておられ、これぞ地域医療、素晴らしいと思いました。

これから京都府南部と奈良県北部の地域医療できづ川病院のお手伝いができ、より多くの患者さんの救命ができればうれしいことです。とくに心筋梗塞がらみの心不全や心室中隔穿孔、あるいは大動脈瘤や大動脈解離などでもお役に立てると思います。もちろん傷跡のちいさい弁形成術や弁膜症手術では他でできない心臓手術が提供できるでしょう。

京大病院時代には小回りが利かず足腰の弱い国立大学病院の特徴からあまり貢献できませんでしたが、これからは24時間走り回れる病院の利点を活かした病々連携ができるものと楽しみにしております。

患者さんたちにおかれましては、こうした病院間の連携や協力で、より便利でより高度な医療が受けられることを知っていただき、病気になっても諦めることなく、ご相談頂けましたら幸いです。人間、「生きてなんぼのもの」と思います。そしてさらに楽しく生きることを目指して戴ければと思います。皆で地域医療を発展させたいものです。

 

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近畿大学医学部奈良病院・心臓血管外科

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この病院は近畿大学附属病院の第二病院として1999年に開設された。

私にとって母校の大先輩にあたる心臓外科医・城谷均先生が中心になって救急や循環器にちからを入れた内容になった。

当時ひとはこの病院を城谷病院と呼んだほどである。 A335_010

城谷先生は患者さんの手術や治療にあたっては頭脳明晰、冷静沈着、有言実行しかし酒を飲むと天真爛漫ときに狂喜乱舞といった心臓外科医で、先天性心疾患の外科治療で多大な成果を上げた方である。

近大奈良病院の開設時、私は京都大学に奉職していたため、城谷先生のご依頼を受け、医師チームを構成しこの新しい病院へお送りした。とくに心臓外科のヘッドには京大グループの中でも実績豊富な西脇登先生に着任いただき、大学としてもしっかりとサポートする中での発進であった。

近畿大学奈良病院は順調に発展を続け、とくに心臓血管外科は大阪や奈良、さらには京都府南部や兵庫県西部まで、もちまえの機動力つまり救急車を活かして緊急のバイパス手術と大動脈解離を中心に大きな貢献をするようになった。

この病院の草創期のサポートに携わったものとして大変うれしいことである。

その後私は京都大学を去り、名古屋ハートセンター等で第一線心臓外科臨床に没頭しながら近大奈良病院の展開をいつも頼もしく見守っていた。

御縁あって奈良の地に高の原中央病院かんさいハートセンターを開設することになり、医療圏は少々違うがおなじ奈良県で地域医療に携わることになった。大変光栄なことと感じている。

立ち上げ期ということで緊急対応できないときには近大奈良病院に患者さんをお願いしたこともすでに何度かあり、こうした地域の病々連携ができるのもうれしいことである。

昔風のパラダイムでものを考えるひとたちの中には、私たちが近大奈良病院とバッティングするのではと心配下さる向きもあるようだが、私たちは全国区のセンターであり、かつ連携重視した地域医療をこなす方針のため問題ないと考えている。

部長の西脇先生のプロ精神は私が個人的にもっとも尊敬しているところであり、今後同先生がご退官されても何らかのご指導を頂ければ幸甚である。

奈良の地が日本でももっとも心臓血管死の少ないエリアになるよう、近大奈良病院にご協力しつつ私たちは微力ながら貢献したく思うのである。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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循環器救急での e-MATCH の一員として貢献します

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奈良の地域医療をまもる仕組みのひとつ 奈良県として、奈良県救急医療管制支援システム事業(略称 e-MATCH)があります。

高の原中央病院かんさいハートセンターはこれに参加し心筋梗塞、狭心症、大動脈解離など循環器疾患の救急医療の一翼を担っています。

奈良市では市立奈良病院さん、奈良県総合医療センター(旧、県立奈良病院)さんらとともに、地域医療に参加する3病院の一つになっています。

奈良市消防かんさいハートセンターは心臓血管外科部門がスタートしてから1年あまり、循環器内科部門が発進してから半年あまりのまだ若い施設ですが、他施設を応援・協力し地域医療にできる限りの貢献をしたく思います。

 

具体的には、たとえば心筋梗塞の患者さんが発生し救急車がかけつけた時、 iPad等を見れば対応できる病院が救急隊員には一目でわかるのです。そして救急車はその病院に直行し、到着と同時に患者さんは適切な治療が受けられるのです。たらい回しや時間の無駄が起こらないシステムです。

 

Ilm22_ba01055-sこの e-MATCHの設立は次の課題に対応する必要があったためです。

課題1.橿原市における妊婦搬送中流産や、生駒市における心肺停止患者の県外搬送等救急搬送時の搬送困難事例が頻繁に発生し、県民の信頼が揺らぎ、地域の救急医療に大きな問題を抱えている。

課題2.適切な搬送先を決める情報が不足し、関係各機関が個別に行う改善では対応しきれない部分がある


これに対する e-MATCH の目的・目標は次のとおりです。

「時間的要因で定量化できるマッチング不全*1」と「医療の質の観点から見たマッチング不全*2」の2つの課題を解決し、県民が安心安全に生活できる環境を整備する

*1 各医療機関の受け入れ状況等が把握できず、搬送先を決定するまでに時間を要し現場滞在時間が長くなっていることなどを指す

*2 患者の病態に対応可能な専門医等を擁する医療機関以外に搬送される場合などを指す

199696376 この事業は鳥の視点(Bird’s View)で救急医療を俯瞰し、
救急医療管制支援システムで「地域医療の現状」を把握し、PDSAによる救急医療の改善を図る とされています。

PDSAは plan-do-study-act の略称です。

 

この e-MATCHに対179336369して 現場の救急隊員からは、

「病院交渉に関し、救急隊端末でリアルタイムに医療情報を確認できることで、傷病者や家族への交渉経緯の説明が行え、また、医療機関によるこれまで以上の正確な応需情報の登録を行うことにより交渉回数の減少につながる」

「医療機関の情報がタイムリーに、そして正確に反映され、救急隊の観察能力向上と受入側病院の対応がe-MATCHというシステムを通じて同じ方向性を向いたとき傷病者のために活用されると考える。」

という声が寄せられています。 168769790

また医師からは次のような意見が得られています。

「本システムの導入後は、搬送基準に基づく、患者の状況等がリアルタイムに救急隊と共有され、医療機関向けの端末では、患者の基本伝達情報、搬送中の経過が把握可能となり、状況に応じた準備を実施した上で受け入れを効率よく実施することができるようになりました。これにより適正な照会割合の増加、医療機関における対応時の応需割合の増加、照会回数削減を示す成果が得られています」

かつて救急体制が弱かった時代の試練を乗り越えて造られたe-MATCHを積極的に応援いたします。かんさいハートセンターはまだ若い施設ですが、こうして奈良県の地域医療にお役に立てればこれほどうれしいことはありません。

よろしくお願い申し上げます。


平成27年1月1日

米田正始 拝

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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第五回 Heart Valve Conferenceを開催いたします

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「ケーススタディを通して弁膜症の治療戦略と手術手技を考える」というスタンスで熱いディスカッションが名物になったハートバルブカンファランス、第五回の当番世話人(会長)を仰せつかりました。

この2015年4月11日土曜日に、昨年と同様、グランフロント大阪ナレッジキャピタルにて開催させて頂きます。

詳細はこの会のHPをご参照ください。

今年もさまざまな企画を練り上げました。代表世話人の川副浩平先生、昨年当番の中谷敏先生に感謝申し上げます。

♡ハートチームをもっと実りある楽しい 113719291ものにするために何が求められるのか: ハートチームを大切にしてこられた外科医と内科医にお話頂きます

♡若手の心臓外科医がベテランの愛の鞭でしごかれ成長する外科医今昔物語:今、旬の若手外科医3名が恐ろしいベテランに襲われるなかで得られるものは、、、

♡大動脈弁を理解し形成術を極めるセッション: ちょっと聴けない、スペシャリストならではのハイレベルのお話と何だか味のある座長連とのかけひきは、、、

♡弁膜症におけるエコーとCTの華麗なる競争: この2つの検査法の進化が患者さんに益するものは計り知れません。あえて競争して頂きます

♡HOCMの治療の深淵: 難症例、稀有な症例を含めてここまで治せるというディスカッション、科学的な解析やまとめ付で、、、

♡弁膜症Great Debate:TAVIとMクリップ: いよいよやってくる外科医受難時代?あるいはハートチームとしての大躍進時代?こだわりなく良いものを目指しましょう

これらを幅広い視点から論客をお招きして症例本位つまり患者さん目線で議論します。

不肖私、米田正始はHOCMで最近欧米で話題の左室中部での狭窄を外科手術で治す手術を実例をもとにディスカッションし、皆様のご意見やご指導を頂戴したく思います。川副先生は視点をかえて皆さんをあっと驚かせてくださるかもしれません。

循環器内科、心臓外科はもちろん、広範な医師、 184701458そして弁膜症に関心をおもちの検査技師、ME、ナース諸賢、なかでもこれからステップアップを目指す熱い方々のご参加を希望します。

当日は午前10時からスタートしますが、午前9:30からプレカンファランスセッションもあります。16:30に終了のあと、懇親会もありますので、あとで論客に直接挑んでいただくことも許されます。

学会とは違う面白さ、世界を見据えた内容、そして領域・世代・男女の壁を取り払う楽しい議論、これらを患者目線で行います。4月11日土曜日、大阪。ふるってご参加ください。

 

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