ロボット手術での事故報道を見て

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9月22日の中日新聞や朝日新聞・読売新聞などによれば、名古屋大学病院にてロボットをもちいた胃がんの手術を受けた70代の男性患者さんが、5日後に死亡され、事故調査が開始されたとのことです。大変残念なことで、今後原因の解明と対策が速やかに行われることを期待します。

ここまでに報道されている範囲では、手術中に膵臓(すいぞう)に亀裂が発見され、何らかの原因で損傷が起きたとみられ、縫合して修復したとのことです。手術後、動脈血流の障害による腸管壊死(えし)が起き、翌日に腸管を切除する手術を受け、その後、壊死性筋膜炎も併発し、4日後に多臓器不全で死亡しておられます。

手術に用いられたダビンチというロボットは10年以上前から外科系のさまざまな領域で用いられ、極めて使いやすい、先進的なすぐれものでした。今回もロボットそのものに問題はなかったといいます。

十分な準備のもとに、実績あるチームが正しく行った手術の結果が不運なものだったという印象が強いです。しかし早期胃がんの手術という、普通なら死ぬはずのないと言ってもよい安全な手術で患者さんを失ったことは重大です。患者さんの御冥福と早期の原因解明を望みます。

ダビンチロボットで僧帽弁の手術をしているところです 私自身もロボットに興味があり、大学病院勤務時代には他の多くの科、たとえば腹部一般外科や泌尿器科、婦人科その他の科と共同でロボット導入申請を何度か行ったり、近くの関連病院に小型のロボットを導入していただき仲間に経験を積ませたりみずからも練習したり、ロボット手術で実績の豊富なドイツの病院へ見学に行ったりと、新しい時代の低侵襲手術を目指して努力したことがあります。

しかしこれまでの手術ロボットは心臓手術についてはまだまだ不十分で、それを使って手術はできるものの、それが理想の低侵襲手術とは言えない現実に当分待つことにしていました。実際、ロボットでの心臓手術の権威の先生方が日本に講演に来られたときも、現在はあまりロボット手術は勧めないとこっそり本音をもらされたこともあり、やはり多くの問題があることを実感しました。講演ではロボットの利点を説明しておられただけに本音と建前が大きく食い違うロボット手術の現実を見た思いがします。まだ2-3年前のことです。

欧米では他の病院と差別化を図るために、つまり客寄せのためにロボットを導入・使用しているところも多く、正しい医療のありかたとは少し異なるものという印象がぬぐえません。

さらにロボット手術で得られるものは、創が小さく、美容上のメリットがあることが中心で、手術後の痛みや入院期間などはそれほど変わらないというデータもあります。少なくとも心臓外科領域ではそうです。その一方で、ロボットを使うために、手術の質を落としたり、不完全手術することなどもあり、ロボットを目的化した、本末転倒の議論と思います。

もちろん誰かが医学医療の将来をかけて、低侵襲手術の開発を行う必要があり、ロボットはその大きな第一歩です。それだけに慎重に、失敗は許されないという認識のもとで行う必要があります。

心臓外科分野ではロボット手術と並んで低侵襲手術として有名なハートポート(胸を小切開するだけで手術できます)も、使う医師によっては慎重かつ的確に使い、実績を上げておられるケースもあると思います。しかしそのハートポートを発明したスタンフォードのS先生は私の知己で、彼が初めて動物実験に成功したときの皆の興奮から、スタンフォードの若いホープとして隆盛を極め、まもなく数名の患者を立て続けに失って病院を去らざるを得なくなった経過までを知るだけに、ハートポートに熱中する先生方を見て不思議な気持ちになってしまいます。

昔、外科医の精神を教えてくれた先輩達は創の小ささよりも確実な切除や再建を強調しておられました。それこそが外科医の良心というわけです。しかし低侵襲つまり患者さんへの負担の少ない方法が重視される現在、かつての方針はどうしても修正せざるを得ません。しかしそれでも外科や医療の本筋は忘れてはならないと思うのです。

平成22年9月25日

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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京都大学での再生医療・臨床試験の再開を慶ぶ

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京都大学探索医療センターにてbFGF(ビー・エフ・ジー・エフ、塩基性線維芽細胞増殖因子)の徐放(数週間という時間をかけて病気のある部位で徐々に効力を発揮させる方法)による下肢動脈閉そく(閉塞性動脈硬化症、ASO)による虚血に対する臨床治験が今月から再開されました。それも探索医療センターの目玉プロジェクトとして、大きな予算と専任の教官が複数つく形で、大変うれしいことです。遺伝子も細胞も使わないためがんなどの心配も少ない安全性と、確実に効く効率の良さが評価されたということです。

bFGF徐放による血管新生治療で劇的な改善がみられた患者さんです このbFGF徐放による治療法は6年あまり前に、私が京都大学で仕事していたころに、再生医工学研究所の田畑泰彦教授との共同研究で、臨床試験として7名の患者さんに使い、成果を上げ、患者さんに喜ばれていたものですが、2007年のごたごたで中断になっていたものです。

7名の患者さんでの成果は国内外の学会や英語論文195番(2007年)でも発表し、患者さんを苦しめていた下肢の潰瘍が消えたり小さくなったり、あるいは歩ける距離が何倍にも増えたり、という「目に見える」ものでした。またその準備として1998年ごろから動物実験を繰り返し、その効果を自分の眼で確認していただけに自信もありました(英語論文のページにたくさんあります)。

さらにこの方法は当時の探索医療センターの王英正助教授らとの共同研究で、心臓の幹細胞から誘導した心筋細胞の移植治療の強力なサポートとして細胞を守り増やすために併用されていました(英語論文222番)。残念ながらこの方法は当時は京大病院では時間切れで実現できませんでしたが、今年になって京都府立医大にて循環器内科や心臓外科の夜久均教授のもとで臨床試験として一例目が実現しました。

せっかく患者さんに役立つものを10年もかけて開発してもそのまま尻切れトンボになるのを心配していたのですが、上記の皆さまのおかげで何とかこれから展開しそうな情勢になり、うれしく思っています。

とくに京大病院探索医療センターでの臨床治験の再開には、田畑泰彦教授はもちろん、心臓血管外科の坂田隆造教授や池田義准教授、丸井晃准教授はじめとした先生方の大変なご努力があったものと拝察されます。関係の諸賢に感謝いたします。

しかしせっかくの良い方法も、日本のドラッグラグの中では産業化・一般化まではなかなか至らず、わずかな数の患者さん、それも下肢虚血の患者さんにしか恩恵が届かない懸念が依然と続いています。そのため、いくつかの方法でこの方法を広く普及させる道を今、探っています。

何で日本はこうなんだ、とぼやいてもはじまらないため、一歩ずつ進めて行くつもりです。皆さんの応援をお願いいたします。

2010年9月18日

米田正始 拝

 

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【第二十一号】 第8回患者さんの会のお知らせ

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【第二十一号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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名古屋では雨模様ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか

さて本日のメルマガは第8回患者さんの会についてのご案内です。

詳しくは下記をごらんください

http://www.masashikomeda.com/web/2010/09/8thptsmeeting.html

時: 平成22年11月7日(日曜日)午後1時から4時まで

所: 祇園ホテル (いつものところです)

会費: 2500円

内容: 1.米田正始のお話 「突然死を防ぐために」
2.質疑応答
3.近況報告
4.その他 (何でもご提案下さい)

時間の都合上、ゆっくりとした個人的ご相談はできないかも知れませんが、その場合はとりあえず概略をお聞きしておいて、その状況に応じて後日機会を設けたく思います。

ご連絡は以下へお願いします

患者さんの会の連絡先 米田心臓外科オフィス 秘書 中村由佳
TEL:080-6105-8231(直通)
FAX:075-712-8835
Eメール:nakamura@heart-center.or.jp です。

2010年9月16日

敬具

米田正始 拝

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第八回患者さんの会のご連絡 

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秋の気配が見えるようになり、ひさしぶりの雨がどこかうれしい時節になりました。 Aki_0054

さて恒例の患者さんの会をまた開いて戴くことになりました。

時: 平成22年11月7日(日曜日)午後1時から4時まで

所: 祇園ホテル (いつものところです)

会費: おひとり2500円

内容: 1.米田正始のお話 「突然死を防ぐために」

恐ろしい話題で恐縮ですが、きっと皆さまのお役にたつと思います

2.質疑応答

(前もってご質問頂ければよりお答えしやすくなります)

3.近況報告

米田ほか若干名の方にお願いしたく思います

4.その他 (何でもご提案下さい)

この会はもとは米田正始の手術を受けられた患者さんとご家族の会でしたが、最近はそれらの方々に加えてご友人や心臓病の方、心臓の健康に関心のある方もご参加戴いています。

またかつて京大病院で米田の手術を受けられた方をご存じでしたらお声をかけて頂ければ幸いです。

なお時間の都合上、ゆっくりとした個人的ご相談はできないかも知れませんが、その場合はとりあえず概略をお聞きしておいて、その状況に応じて後日機会を設けたく思います。

ご連絡は以下へお願いします

患者さんの会の連絡先 米田心臓外科オフィス 秘書 中村由佳
TEL:080-6105-8231(直通)
FAX:075-712-8835
Eメール:nakamura@heart-center.or.jp です。

 

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【第二十号】 患者さんからのお便り

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【第二十号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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ようやく秋の気配が感じられるようになりました
暑い夏を乗り切っていただきうれしく思っています

さて患者さんからのお便りのコーナーに新しい記事をupしました

今回は慢性腎不全・血液透析で狭心症のため冠動脈バイパス手術を受けられた

患者さんのご家族からのお便りです。

http://www.masashikomeda.com/web/2010/09/cvletter30.html

永く楽しく元気に暮らして頂ければ最高です。そのためのお力になればうれし

いことです。

2010年9月15日

敬具

米田正始 拝

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お便り30 血液透析と狭心症の患者さん

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透析の患者さんは冠動脈バイパス手術で救われます 世の中には治療すれば助かる見込みの高い病気なのに、早合点して諦めたり、よく考えずに誤った選択をして亡くなる患者さんがおられます。

慢性腎不全で血液透析を週3回、長年続けて来られた患者さんはしばしば冠動脈がやられて詰まったり狭くなります。しかしそうした時にはカテーテル(PCI)によるステントよりも冠動脈バイパス手術が患者さんの寿命を延ばすことがよくあります。データがそれを示しています。いわゆるEBM、つまり証拠に基づく医学医療ですね。

以下の60代の患者さんも永年の血液透析のなかで冠動脈疾患を合併し、狭心症のため透析ができなくなり、三重県からハートセンターへ来院されました。ただちに調べ、危険な状態のためその日のうちに方針を立て、まもなく冠動脈バイパス手術し全快されました。全身の状態に余裕がないため、いつもどおり体外循環を使わないオフポンプバイパス手術を使いました。

現在は血液透析中に血圧が下がったり苦しくなることもなく、安全に透析や毎日の生活が送れる Ilm10_dh03002-s ようになっておられます。

慢性腎不全・血液透析の患者さんが長期的にお亡くなりになる原因の多くは心臓血管系の病気が合併することです。そこでバイパス手術で心臓が長期間安定するようにすれば、透析の患者さんにも長生きできる道が開けるわけです。

以下はその患者さんのご家族からのお手紙です。

****** お手紙 ******

 

拝啓

 

秋というのにまだまだ暑い日が続いておりますが、米田先生にはますますご活躍のことと存じます。

この度は手術をはじめ、父が大変お世話になりありがとうございました。

思い返すとあれは春頃、父は透析中の血圧低下が多くなり、毎日不安な日々でした。
その頃から歩いていてもすぐ椅子に腰を下ろして休んでいる姿を見るようになり、聞くと胸が苦しい気がすると言っていました。

お便り31の実物写真 その後、総合病院での診察をお願いする事になったのですが、当たり前とは思っていましたが、予約を入れて一つの検査をするのに一週間、診察の予約が一週間とすべての検査と診察に一ヶ月かかり、その診察時に医師は「**さんの場合は発作が起きたら即死の場所ですよ」とおっしゃいました。そして早い手術で七月末か八月との事でした。

私はこの医療体制、医師の会話に疑問でいっぱいになり、病気についてやいろんな事について調べる様になりました。実は当初、父も母も心臓の手術は全く考えておらず、できる範囲の手術のない治療でと思っていました。それはこの十年、父は入退院を繰り返していましたし、その頃から医師にいつ心臓や脳の発作で倒れてもおかしくない事、また同じ年代の透析病院のお仲間が一人、二人と亡くなっていき、半年ほど前も心臓の手術をした方が術後二週間で亡くなったのを目の当たりにしたからです。

ですが、病気の事を調べていくうちに色んな事を知り、その中でも米田先生のウエブサイトは全て読ませて頂きました。「倒れたらそれも天命」と少しでも思っていた自分を恥じる気持ちでいっぱいになりました。無知とは恐ろしい事です。

その後、貴ハートセンターにお電話するとすぐ予約を入れて頂き、先生が海外から帰国されるのを心待ちに一日、一日発作が起きない事を祈りながら過ごしておりました。

米田先生にお会いできた七月一日は家族一同忘れられない一日です。お話からお人柄が素晴らしく、医師のあるべき姿だと痛感しました。先生との会話の中で「救える命がたくさんあるのに間に合わない方がたくさんおられる」その言葉に本当に心打たれました。

その日を境に凄まじい速さで時間が流れました。早い対応をして頂き、入院、手術と米田先生のお陰で手術中も安心して過ごす事ができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。また多くの先生方、スタッフの皆様にも大変お世話になりました。宜しくお伝えください。

書面にて長々とお話しました事どうかお許しください。父がまた体調に異変がありましたら今後ともご相談、ご指導頂けましたら嬉しく存じます。

大変なお仕事ですが一人でも多くの命を救ってくださる事をお祈りしております。

本当にありがとうございました。

敬具

 

平成二十二年九月

****

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元・京都大学医学部教授
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【第十九号】 ウィーンフィル演奏会のお知らせ

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【第十九号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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残暑の中にも影の傾きに秋の気配を感じる最近です。

ウィーンフィルハーモニー交響楽団のメンバーによる室内楽のコンサートをサ

ポートして10数年が経ちました。といっても私自身はときどき拝聴するだけ

で、私の父が代表世話人のような形でお世話し、最近は大勢の方々のおかげで

運営できているのが実際のところですが。

親善や文化活動としてのコンサートですので比較的安価でまた庶民的な雰囲気

でやっています。

開催地は橿原市(奈良県)・京都市・小浜市(福井県)のみですが、よろしけ

ればご来場下さい。

くわしくはHPをご覧下さい。
http://www.masashikomeda.com/web/2010/09/announce_vienaphil2010.html
です。

2010年9月9日

敬具

米田正始 拝

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ウィーンフィル奏者による室内楽コンサートのおしらせ

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残暑きびしいこのごろですが、皆さまには如何おすごしでしょうか

今日はウィーンフィル奏者による室内楽コンサートのおしらせです。もともと私の父・米田正国が音楽好きで毎年何回かザルツブルグやウィーンへ出かけて行っていたご縁で、ウィーンフィルのチェロ奏者フォグさん夫妻と親しくなったことから、奈良県を中心に親善コンサートを開いたのがはじまりでした。クリックすると拡大されます。ご覧下さい

これまでも音楽ファンはもちろん、音楽にそれほど関心なかった方々にも楽しかったと言って戴きました。

すでに10数年近くの歴史のある恒例イベントとなりました。今年は以下の要領で行います。関心のある方はぜひご連絡下さい。なおもしチケット完売のときはお許し下さい。

■ウィーン・フィル奏者と陽子フォグのピアノによる室内楽

2010年10月11日(月・祝)
開場13:30、開演14:00

会場 かしはら万葉ホール ロマントピアホール
奈良県橿原市小房町11-5
入場料 3000円(全席自由席)

プログラム:
モーツァルト ピアノ四重奏曲変ホ長調 KV.493
リース ピアノ四重奏曲ホ短調 作品129
シューマン ピアノ四重奏変ホ長調 op.47
クリックしてください
陽子・フォグ/ピアノ、クリストフ・コンツ/ヴァイオリン、ロバート・バウエルスタッター/ヴィオラ、ヨアゲン・フォグ/チェロ

主催 ウィーンフィル奏者による室内楽を聴く会
後援 (社)奈良県医師会

お問い合わせ・ご予約受付
TEL・FAX  0744-27-4363 (米田)
心臓外科ホームページで見ましたとおっしゃって下さい


■同メンバーによる同様のコンサートが以下の2か所でもございます。関心のあるかたはご連絡下さい。
心臓外科ホームページで見ましたとおっしゃって下さい

1.2010年10月13日水曜日
クリックすると拡大されます 開場18:00 開演19:00

小浜市文化会館大ホール(福井県小浜市)

チケット:S席3500円、一般席3000円、学生席1000円

事務局
電話 0770-52-1489
FAX 0770-52-5489


2.2010年10月14日木曜日 

開場18:00 開演19:00
クリックすると拡大されます

京都コンサートホール:アンサンブルホールムラタ

チケット:一般席4000円、学生席1000円

事務局・お問い合わせ先 電話 090-8218-5841  FAX 075-222-1318

 

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【第十八号】 日記と患者さんの声に新記事upです

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【第十八号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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台風が過ぎたらとたんに暑い日が戻って来ました。半端ではない残暑です。如

何お過ごしでしょうか。

さて心臓外科医の日記に新しい記事をUpしました。テレビ映画「外科医須磨

久善」への雑感です。わたしにはあらためてジーンとくるものがありました。
http://www.masashikomeda.com/web/2010/09/cvdiary_drsuma.html
です。
関心がおありの方は本HPの心筋症・心不全の項目などもご参照ください。

それから患者さんの声にも新しい記事をUpしました。イギリスはスコットラ

ンドから名古屋まで手術に来て下さった患者さんからのお便りです。
http://www.masashikomeda.com/web/2009/05/post-00b2.html
からお入りください。

それでは皆さま、ご自愛のうえ、残暑を楽しんで下さい。

2010年9月9日

敬具

米田正始 拝

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お便り29 僧帽弁閉鎖不全症の患者さん

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はるばるスコットランド(イギリス)からお便りを戴きました 今年の春のある日、イギリスのスコットランドからメールが届きました。

まだ40代のお若い男性で、僧帽弁閉鎖不全症で心臓が拡張し、

不整脈も起こっているようで、

現地イギリスでは僧帽弁置換術人工弁を植え込む手術)しかないでしょうと言われたそうです。

人工弁になれば若いご年齢ゆえ機械弁になる可能性が高く、

ワーファリンという血栓予防のお薬を一生涯飲まねばならなくなります。

親身なプロ医師がついておればまだしも、普通はなかなか大変なことです。

それをよく勉強されよく理解してメールを送ってこられたわけです。

 

イギリスは心臓外科の先進国で、多くの心臓外科医が同国で研修を積んで来られましたし、

私もさまざまな形で同国の先生とはご交誼をいただき、

またお世話になって来ました。

そのイギリスで僧帽弁形成術が難しいと言われた患者さんなので、

おもわず力が入ったのを覚えています。

 

実際お会いしますと頭脳明晰で熱い、しかしきさくな方で、

仕事にも熱心なご様子でしたので、

Ilm10_de02013-s ぜひとも弁形成を完遂して楽しい健康生活が送れるようにしようと、あらためて決意しました。

患者さんのお父上もよく勉強しておられ、光栄で、ぜひご期待に沿いたく思いました。

また昔お世話になったイギリスに少しでも恩返しできればという気持ちもありました。

 

僧帽弁閉鎖不全症の手術では僧帽弁の向かって右半分が壊れており、

比較的複雑な形成になりましたが、無事一発で決まり、

手術前に心房細動の不整脈があったため強化メイズ手術を行いました。

念のため心エコーで世界のトップクラスと言われる川崎医大循環器内科(吉田清教授(当時))の先生にもご参加いただき、出来栄えをお褒め戴きました。

 

その後の経過も順調で、僧帽弁閉鎖不全症つまり逆流不整脈もすべて治り、まもなく元気にスコットランドへ戻られました。その患者さんからのお便りです。

(2010.9.記 )

追記: あれから3年、弁も心臓も快調で患者さんはお元気にしておられます。毎年フォローアップのため米田正始の外来へきて下さいます。うれしいことです。

 

***********患者さんからのメール********

米田先生、深谷先生、北村先生、小山先生、看護師の方々

残暑厳しい中如何御過ごしでしょうか。

手術後一ヶ月あまりでこちら(スコットランド)へ戻ってきましたが気温はかなり涼しく、スコットランドの夏は日本の秋のような気候でした。いろいろと忙しくご挨拶と御礼が遅くなってしまいました。

術後の経過は順調で今はほとんど普通に生活しております。顔色も以前よりよくなったとよく言われます。

手術前はどうなることかと不安がよぎり、今までの人生を振り返ったりと何か戦地に赴くような言いようのない思いに捕われていましたが、先生看護士の方々のサポートもあり何の疑問もなく落ち着いて心臓手術を受けることができました。

今は手術を受けて本当に良かったと思っています。深く感謝しています。米田先生に診察していただくことができ、ハートセンターで治療を受けることができたのも幸運でした。日本の医療水準が世界最高であることを身を以て体験しました(いろいろ問題が指摘されてはいますが)。

一昨日こちらの病院で検査(心電図)してもらいましたが何も異常はありませんでした。ただ少し脈が早いようだと医者から言われました(今現在85/分)。血圧は7月28日時点で122/82でした。夜遅く疲れた時などに一瞬動悸を感じることはたまにあります。エコーの検査も受けるはずだったのですが、何故か省略されてしまい、また予約し直すことになりました(おそらく年末かもしれません)。肝心の僧帽弁の状態を確認したかったのですが仕方ありません。多分何の問題もないと思いますが。エコーの検査は念のためで、それが終わったらもう定期的に検診を受ける必要はないだろうということでした。

アスピリンの服用はこちらの医者からもやめていいと言われたのでもう飲んでいません。肌寒いせいもあり、この2、3週間風邪をひいてしまい咳に悩まされましたが、今はほとんど快復しました。

また帰国したときにそちらへ術後の検査へ伺うと思いますが、よろしくお願いします。最後になりましたが、本当にありがとうございました。

 

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