事例 がん患者さんに対するオフポンプバイパス手術

Pocket

患者さんは 79歳男性です。

前立腺癌の治療中で、閉塞性動脈硬化症ASOもあり、右上腕骨折されています。

そこに狭心症が発生し、冠動脈2枝病変と診断されました。

今後のがん治療のさまざまな局面を考えて、手術(オフポンプCABG)のため紹介されてハートセンターへ来院されました。

カテーテル治療で薬剤溶出ステントを使うと、強力な抗血小板剤が必要となり、

その後がん手術などが必要になっても抗血小板剤のため出血が止まらず手術ができないことがあるからです。

 

右腕がギプス固定をまだ外せない状態のため、右前腕を腹部に乗せる形で体位を整え手術を開始しました。

胸骨正中切開ののち左内胸動脈を採取しました。

同時に左大伏在静脈を採取しました。

 

心膜を切開し、まず心臓を軽く脱転し血管を確認しました。


この患者さんの前下降枝は心尖部を回って下壁まで灌流していたため、最初に前下降枝を遮断吻合することは若干危険と判断したため、中間枝から始めることにしました。

まずデバイスを用いて静脈グラフトを上行大動脈に吻合しました。

ついでそれを中間枝に吻合しました。


その上で左内胸動脈を前下降枝中央部に吻合し、操作を終えました。

 

Photo写真は2本のグラフトの完成図を示します。

手前が前下降枝への内胸動脈グラフト、向こう側が中間枝への静脈グラフトです。

なおグラフトの選択につきまして、前立腺癌の存在を考えますとグラフトはすべて静脈をということも考えましたが、

上行大動脈が硬化著明であまり操作しない方が良いことと、がんの長期予後が改善する場合に対応するため、内胸動脈を用いることにしました。

グラフトのフローは両方とも好ましい拡張期パタンでした。

経食エコーに 00027508_20090216_CT_504_4_4て心機能は良好でした。

術後のMDCTでバイパスはいずれもきれいに開存し良く流れていました。


術後経過は順調で、術翌日、一般病室へ戻られ、2週間で退院されました。

冠動脈バイパス手術DES(薬剤溶出ステント)の使い分けについて、議論がまだまだ多いようですが、冠動脈バイパス手術のあとは強力な抗血小板剤(副作用も強い)を使わなくて済むため、さまざまながん治療を支援します。

心臓が薬なしで安定するためがん治療がやりやすくなるからです。

大腸ファイバーや胃カメラ、それらを使った生検などもやりやすいです。

国際的な大規模研究であるシンタックストライアルでもこうした複雑病変ではバイパス手術のほうが患者さんの長生きに役立つことが示されています。

 

Heart_dRR
お問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

4) 冠動脈バイパス手術の安全性はどのくらいですか?へもどる

がんをお持ちの患者さんへのページにもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

事例 左室緻密化障害 2

Pocket

患者さんは 19歳男性。左室緻密化障害のため心不全症状が強くなり、在宅酸素療法を受けておられました。

仕事もできず社会的にも困った状態になっておられました。

 

左室緻密化障害の手術治療ができると聞いてハートセンターへ来院されました。

胸骨正中切開でアプローチしました。

21心臓を観察しますと、

冠動脈左前下降枝も第二対角枝も左室側にカーブし、

左室前側壁に多くの血液供給が必要である状態を反映しているものと推察しました(写真左)。

写真右は左室の横隔膜面の外観を示します。

34  体外循環・大動脈遮断下に左室心尖部を切開しました(写真左)。 

左室を切開しても、内部には心筋や結合組織様のものが充満し、内腔はまったく見えませんでした。


白色で硬い繊維化組織を切除し、徐々に僧帽弁に向けて進んで行きました。

それから僧帽弁が見え、両乳頭筋を確認しました(写真上右)。

5両乳頭筋を守りつつ、異常突出した心筋組織を切除し、

最後に薄い心尖部をゴアテックスパッチでセーブ手術の方法で形成し(写真左はパッチ閉鎖中)、

70分で大動脈遮断を解除しました。

最後に左室切開部を二重に閉鎖しました。

十分なエア抜きと止血ののち体外循環を離脱しました。離脱はカテコラミンなしで容易でした。


経食エコーにて左室内の異常心筋は左室なかほどの狭窄部や心尖部では切除できましたが、乳頭筋周囲とくに乳頭筋基部の異常心筋はそのまま温存されていました。

僧帽弁は問題なく、左室の容積も増え、左室機能は良好に見えました。

78  写真左は術前、右は術後です。

左室が心尖部まで機能するようになったことがわかります。

また心尖部はパッチで守られています。

入念な止血ののち、無輸血にてオペを終えました。


術後経過は順調で、2週間後、元気に退院されました。

その後も経過良好で、術前に必要だった在宅酸素療法はすっかり不要になり、普通の生活に戻られました。

 

左室内狭窄部が取れ、左室腔が正常サイズに拡大したため血行動態・症状とも大きく改善したものと考えれられます。

さらに左室内血流の改善によって左室内血栓もできにくくはなるものと期待しバイアスピリンにて慎重にフォローしています。

 

今後も心臓手術や治療の戦略をさらに検討し、改良を加えていく予定ですが、これまでの経過から考えますと、左室緻密化障害はこれからは治せる病気になって行くのではないかと思います。

肺高血圧症が高度になればいくら熟練チームでもオペができない(体が耐えられない)こともありますので、早めにご相談下さい

Heart_dRR
お問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

左室緻密化障害の手術 へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

どの病院へ行ったら良いかわからない場合は―情報あつめが大切

Pocket

かかりつけの先生に心臓が悪いと言われたとき、あるいは心臓の手術が必要と言われたとき、 どの病院へ行ったら良いかわからない場合は

疑問が晴れないときは他の病院でセカンドオピニオンをもらうことが良いでしょう

7.病院や医師の選び方 の項をごらんください。

医者選び・病院選びも寿命のうちという患者さんのお言葉は実感があります。

この領域でもインターネット情報あるいは心臓外科名医 紹介やランキング本などの情報は有用ですが、やはり内容を吟味して考えることが大切です。

今通っている病院での手術に心配があるときは他の専門医の意見をもらう(セカンドオピニオン)のが安全です。

 

医療とくに心臓手術は不均一な世界です。

つまり同じ手術でもどこで受けるかでそのあとの結果に大きな差がでます。

それは電気屋さんでテレビを買う感覚とはずいぶん違います。

テレビならどこで買っても大損はないぐらい、どこでも品質は一定ですが、医療はばらつきが多いのです。

 

医者は自分が病気になれば病院も医師も選びます。

とくに手術や特殊な検査や治療などの場合は良い先生をもとめてどこへでも行きます。

それは医者が経験的に医者を選ぶことの大切さを知っているからです。

一方、普段のお薬をもらうとか風邪などの小さい病気の場合は近くの医院や病院、いわゆるかかりつけの先生が良いでしょう。

 

現代はセカンドオピニオンが使える時代ですので、主治医の先生にセカンドオピニオンのための紹介状を書いて戴くのが良いでしょう。

気持よく書いてくれる先生なら良い先生であると言えますし、書くのを渋る先生では何か問題があるかも知れません。

 

一生に一度あるかないかの大きな治療の場合はこうして万全を期して悔いが残らないようにしたいものです。

病院や医師を選ぶのは患者さんの権利ですから。


Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

生まれた時あるいはこどもの頃からの心臓病と言われれば

Pocket

生まれたときからの心臓病とかこどものころからの心臓病と言われれば

生まれた時からの心臓病やこども時代に手術した心臓が成人になってから新たな問題を抱えることがあります6.先天性心疾患(せんてんせい しんしっか ん) のところを見てください。

学校健診で心臓の雑音チアノーゼ(くちびるが紫色になります)あるいは心拡大を言われた方もこちらです。

.

昔こどもの頃に心臓手術を受けて、最近調子が悪いなどの場合もこの先天性心疾患の項目かもしれません。

中には何十年も医師の診察を受けていないといったケースもあります。心臓が良い状態ならよいのですが、長い間に悪くなっていることもあります。

たとえば昔閉じられた穴がまた開いてしまったとか、手術で解除された狭窄(狭くなること)が再発するとか、穴に関連した弁が壊れるなどですね。

.

先天性心疾患がかつて根治術で治った方でも、成人の生活習慣病が加わると、新たな心臓病が通常より起こりやすい場合も あります。これはとくに川崎病(MCLS、正確には先天性ではありませんがこどものころにやられやすい病気のためこの項目に入れました)の患者さんの場合、当てはまります。

.

いずれにせよ昔、オペを受けた方で、最近息切れや動悸や疲れがある方、あるいはお腹や下肢が腫れるなどの場合は、心臓専門施設での定期健診を勧めます。

心エコーや心電図、レントゲン、血液など、あまり痛くない検査で大半はわかります。

.

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

足の血管が詰まったと言われた方は

Pocket

足の血管が詰まったと言われたかたは

足の血管が詰まったままでは足が腐ったり、ばい菌がついて足を切断せざるを得なくなったり、そのままでは心配です5.動脈硬化症(どうみゃく こうかしょ う) のページをどうぞ。

ASO閉塞性動脈硬化症やバージャー病などで、足が痛むとか足先が冷たい、色が青や黒くなるなどのとき、歩 くと足が痛むなどのときもこちらです。

2.虚血性心疾患と同様、糖尿病や慢性腎不全・血液透析の方はとくにご注意を。動脈硬化症は全身に来るやっかいな病気ですが、治療法もさまざまなものがあり、役立ちます。

 

Heart_dRR
心臓手術や血管手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

胸の痛みや腕・首のしびれがある方は

Pocket

狭心症や胸の痛みなどがある方は

胸痛は要注意です4.虚血性心疾患(きょけつせい しんしっか ん) の項をごらん下さい。

胸の重くるしい感じや、胸からあごあるいは左腕にかけてのしびれや不快感も同様です。

心筋梗塞 虚血性心筋症虚血性僧帽弁閉鎖不全症などの関連もこの虚血性心疾患の項目にあります。

糖尿病や腎不全・血液透析のかたもこちらかもしれません。

虚血性心疾患のなかでも狭心症の間に治してしまうのが良いのですが、不幸にして心筋梗塞になっても、そのあとでも治せるケースは多数あります。

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

大動脈が大きくなっている、こぶのようだと言われた方は

Pocket

胸やお腹の大動脈が大きくなっている・こぶのようだとか破裂しそうだと言われた方は

強い胸痛や背中の痛みを起こす大動脈解離は一刻を争う病気です3. 大動脈疾患(だいどうみゃく しっか ん) の項を参照してください。

大動脈瘤とか大動脈解離もこちらです。

大動脈疾患の中でも大動脈瘤では症状があまりなかったり、声がかすれるなどの症状のこともあります。

背中や胸に激痛があれば大動脈解離 の可能性があります。腰が強く痛むときにも注意が必要です。これらの症状があればお急ぎください。

 

マルファン症候群と言われた方は瘤が破れやすいため早目のご相談が勧められます。大動脈二尖弁の方もそれに準じた注意が役立ちます。

早目の治療によって安全に治る場合が多いからです。

Heart_dRR
心臓手術や血管手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

心臓が大きくなっているとか心臓の筋肉が壊れている、心不全と言われたら

Pocket

心臓が大きくなっている(心拡張・心拡大や心肥大)とか心臓の筋肉が壊れている、あるいは心不全と言われたら

Zoki_022.心筋症・心不全(しんきんしょう・しん ふぜん)の項目をみてください。

特発性心筋症拡張型心筋症などの場合もこちらです。

息切れ疲れやすい、足がむくむなどの症状がしばしばあります。

治らない病気とあきらめている患者さんが意外に多いのですが、心筋症でも治る部分・治る患者さんが多くあります。

たとえば同じ心不全でも調べてみると弁膜症狭心症などがそのおおもとの原因として見つかることがよくあります。その場合はそのおおもとの病気を治せば心不全も治るか軽くなることが多く、より明快な方針が立つわけです。

純然たる心筋症つまり筋肉じたいが壊れている場合でも、現在はそれを守る良い薬がたくさんあります。βブロッカー、ACE阻害剤またはARB、抗アルドステロン剤などがそうです。状況によっては心臓手術が役立つこともあります。

なので専門家に相談することです。諦めてはなりません。

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

弁が壊れている(逆流とか狭さくなど)と言われた方は、、、

Pocket

まず僧帽弁とか大動脈弁をはじめ、何らかの弁が壊れている(逆流とか狭さくなど)と言われた方 は

Kiki_02

1.弁膜症(べんまくしょう)

の項目をごらん下さい。

心臓に雑音があるとか体を動かすと息切れがするとかの場合もここ(心臓弁膜症)かもしれません。

時には胸の痛みとか足のむくみ動悸めまい・ふらつき・失神などの症状が出ることもあります。

風邪をひきやすい、こじらせやすいなどの場合もあります。脳梗塞・脳卒中や不整脈から弁膜症が見つかっ たというケースもあります。

弁膜症などでよく見られる心房細動などでは手術前のワーファリンの正しい飲み方も大切です。ワーファリンにつき ましてはこちらをどうぞ→心臓外科患者さんのためのワーファリ ン情報サイト

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

はじめての方へ へもどる

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

はじめての方へ ―まずお読みください 【2025年最新版】

Pocket

最終更新日 2025年1月3日

心臓外科手術情報WEBではこの領域の最新情報を一般の方々にもできるだけ理解しやすいように、心臓血管外科専門医の米田正始がご説明します。
以下を参考に1.から14. までの解説をごらん下さい。どの項目を見るかがわからない場合は10.さくいん のページもご参照ください。

御案内 health_0021

また「心臓外科手術情報WEBについて」「よく戴くご質問」のページもご参考にしてください。
お問い合わせはこちらをご覧ください。

1.心臓手術の概説

他の臓器のそれと比べた、その全般的特徴を知るのに役立つでしょう。それが安全対策につながるのです、、、
続きを見る
◆もし「あなたは心臓手術が必要です」と言われたら、、、
こちらをご参考にしてください

151420520

◆心臓病そのものの基本的な注意点などを簡単にまとめました。

などを簡単にまとめました。こちらもごらんください、、、続きを見る

204149269

基本になる「心臓血管の仕組みや主な病気」は「All About」(オールアバウト)に記事(専門医・米田正始が執筆しています)を載せてありますのでご参照下さい。

Aboutは知識の百科事典のようなページでアメリカ等で人気があり、日本でも充実・普及しつつある有益サイトです。

◆心臓血管手術の今後の方向は

流れはより低侵襲つまり体への負担の少ない、体にやさしい方向にありますが、同時にこれまでお手上げだった重症例を救うための本格手術という方向もあります、、、続きを見る

2.MICS(ミックス、低侵襲小切開心臓手術)は

IMG_0365DVPb

MICS3

安全性を維持しつつ小さい皮膚切開で患者さんにやさしいオペです。その実際を解説します、、、続きを見る
(右図の右側はMICSでの皮膚切開の一例です。左側は通常の正中切開です。右写真はMICSの傷跡の実例です)

 

◆傷跡が目立たない心臓手術
これからより多くの方々のお役に立つことでしょう、、、続きを見る

 

◆ロボット手術は魔法の手術?
今話題のダビンチ・ロボットとは、、、続きを見る

 

◆もう一つのミックス、、、ミックスが医学的に危険なとき、安全重視の胸骨正中切開時でも早い仕事復帰や早期のクルマ運転復帰が、、、続きを見る

◆心臓血管外科の名医とはも参考にして下さい。

193237727

正確さとスピードの両方が求められる心臓手術では他臓器のそれより術者の技量差が結果の差つまり患者さんの生き死にの差に現われやすい特徴があります。

そのため経験量や熟練度それも一人あたりのそれが大切なわけです、、、続きを見る

3.ハートチーム

患者さんにベストの治療を行う ため、これからの医療のあるべき姿です。欧米では当然のこととなりましたが日本もそれを目指さねばなりません、、、続きを見る
ガイドラインで示されたハートチームの大切さ。もはや世界の常識になりつつあります、、、続きを見る

Cgre028-s

4.心臓手術まえのオリエンテーション

具体的にどう進んでいくか見てみましょう。心臓手術を受けることを考えておられる方に参考になるでしょう、、、続きを見る

さらに以下もご参考にして下さい。

205152340

◆糖尿病について

糖尿病では心臓血管が壊れやすいため心臓血管手術が必要になることがよくあります。

また術後も糖尿病のコントロールが大切で、そうしてこそ永く元気に暮らせるのです、、、続きを見る

◆慢性腎不全・血液透析について

腎不全の患者さんも全身の血管が壊れやすいため注意が必要です。
腎不全の患者さんが長期的に亡くなる原因は心臓血管・脳血管の病気ですので、
これらを予防し、予防できないときでも早期発見・早期治療すれば長生きしやすくなります、、、続きを見る

HemoBoy

◆メタボリック症候群と心臓

近年話題になったメタボリック症候群は心臓血管の大敵です。
その予防は生活習慣とくに食事と運動から始まります。
同時に定期健診が命を守ります、、、続きを見る

207380497

◆ローカーボ食ダイエット(つまり糖質制限食、新しい科学的ダイエットです)はこちらへ。

米国の糖尿病学会ではすでに市民権を得ています。下手にやるとがんが増えるなど有害となりますので、正しく行うことが大切です。。

◆日本ローカーボ食研究会(現、科学的栄養治療研究会)のHPはこちら

さまざまな有益情報があります

5.ご高齢の患者さん

2011021

信長の戦国時代には人生50年と言いました。今、そう思う方はおられないと思います。
でも70年生きたからもう死んでも良いと仰るかたはあります。
現代は寿命100年といわれるほどになり、80年以上、元気に楽しく暮らすことが普通の時代です。そのために平素の健康管理、病気の予防が大切ですが、治せる病気が見つかれば高齢でもきちんと治し、社会復帰することが個人にも社会にも有益です、、、
続きを見る

.

6.がんをお持ちの心臓病患者さんについて

独特な工夫が必要で、それによって問題を解決できることがよくあります、、、続きを見る

208274545

7.いわゆる難病について

難病というのはあまり良い言葉ではないような気がします。難病でもある程度以上治せるもの、あるいはうまくコントロールして生活を守れることはよくあります。

心臓関係の難病もそうです。難病イコールもうダメとは限らないのです、、、続きを見る

8.医療費はどのくらいかかりますか?

羽がはえたお金2

これはよく戴く御質問です。
我が国の医療保険制度はこの点立派で、
大きい心臓手術でも患者さんやご家族の負担が最小限になるようにできています、、、続きを見る

9.遠方の患者さんの場合は

遠方でも地元の病院とチームワークを行うことで
高い医療レベルと患者さんの便利さを
両立することができます、、、続きを見る

Map41-2

10.待ち時間につきまして

A308_005

待ち時間は患者さんにとって苦痛や負担になるものです。
なるべく待ち時間を減らす工夫が重要と考えています。
一回の外来で主な検査ができ、しっかりとした方針が立てば、遠方の患者さんにもメリットがあると思います、、、続きを見る

Ilm22_ba01055-s

奈良市とそのエリアにおける心臓手術について

、、、続きを見る

11.セカンドオピニオンのもらい方

セカンドオピニオンはしばしば患者さんを救います。
現在の病院に疑問ある場合は積極的に他病院でセカンドオピニオンをもらうようにするのが現代は広く認められています、、、続きを見る

Ilm2009_02_048-s

12.手術前に心カテーテル検査は必要ですか?

A309_088

かつては心臓手術の前は何でもカテーテルという時代でした。今はそうとは限りません。
カテーテルなしでも困らない病気ではカテーテルを省略することで患者さんの負担や苦痛を減らすことができます、、、続きを見る

13.手術前に経食道エコー検査は必要でしょうか?

有用なことが多いですが、必ずしも必須とは限りません。
手術が必要という根拠があれば、オペ室で眠って戴いてから快適な経食道エコーで精査し手術へと進むようにしています。しかし快適な経食エコーなら安全と質の向上のため前向きに前もってやるのも一理あります、、、続きを見る

14.大切にされる患者道

患者さんが医師・医療者と仲良くそして良い雰囲気と信頼関係を築くことは大変良いことです。治療もそれだけうまくいきやすくなります。
そのためには大切にされる患者道をご覧下さい。
医者や看護師・技師などの医療者もまた現在の貧相な医療保険制度のもとで手弁当の努力をしています。
この点、患者さんと理解共感のうえ協力できればより良い医療へと進めると思います、、、続きを見る

Ilm09_aj06018-s

 

15.それぞれの病気のご説明ページは、、、

1.まず僧帽弁とか大動脈弁をはじめ、何らかの弁が壊れている(逆流とか狭さくなど)と言われた方は弁膜症のページへ。弁膜症のトップページはこちら。

2.心拡張・心拡大や心肥大とか心臓の筋肉が壊れている、あるいは心不全と言われたら心筋症・心不全のページへ

3.胸やお腹の大動脈が大きくなっている・こぶのようだとか破裂しそうだと言われた方は大動脈疾患のページへ

196741568
065

4.狭心症(胸の痛み)や胸の締め付け感などがある方は虚血性心疾患のページへ。中には弁膜症や大動脈疾患で胸が痛むことがありますので、そちらもご参照下さい。もちろん早目に病院か医院へ御相談しつつ。

5.足の血管が詰まったと言われた方や歩くと足が痛む方、閉塞性動脈硬化症ASOと言われた方は動脈硬化症のページへ

6.生まれたときからあるいはこどものころからの心臓病と言われれば先天性心疾患のページへ。こどもの頃からの病気ですが高齢者になっても影響は大きいですので。

7.かかりつけの先生に心臓病と言われたとき、あるいは心臓手術が必要と言われたとき、どの病院へ行ったら良いかわからない場合はこちら

8. 心臓腫瘍(心臓にできものやがんが ある) と言われたらこちら。腫瘍の性質、サイズや部位によっては急ぐものもありますので。

Ilm09_af10003-s
Ilm04_ba04003-s

9.収縮性心膜炎(略称CP)との診断を告げられたらこ ちらへ。軽ければお薬で良いのですが、重症では心臓手術が必要となります。右図のようなたまごの殻の中に心臓が閉じ込められた形になるからです。しかしほとんどの場合は治せる病気です。
ミックスMICSによる収縮性心膜炎の手術: 痛みを減らし、創を見えにくくし、早く仕事に復帰するために
心タンポナーデ。心臓の周りに水や血液などが貯まって心臓を圧迫します。重症ではいのちにかかわる病気です。

10.まだ病院に行くことができていない方でも、
さいきん息切れが強くなったとか、
胸が痛むあるいは重苦しくなる、
胸がどきどきする、
一度失神したなどの症状があるようでしたら、
まずかかりつけの先生に相談されるか、左段下の要領で私たちにご相談ください。

Sick_29
Fotosearch_CCP02051

11.地震後のクルマなどの生活や飛行機での長旅のあとで息切れや胸痛が起これば肺塞栓症のページをごらんください
12.心臓ペースメーカーについてはこちらをどうぞ

13.エホバの証人の信者さんで心臓血管外科手術を考えておられる方はこちらをご覧ください
14.睡眠時無呼吸症候群(略称SAS):これはイコール心臓病ではありませんが、心臓病になりやすいため注意が必要です

Iryou_tenteki
心臓手術のお問い合わせはこちら
患者さんの声はこちら
Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。