第4回伊賀塾

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医の心、幅広い医療者の倫理や志を論じる学び舎として高い評価を受けている伊賀塾、その第4回の集まりに行ってまいりました。

私、米田正始は前回の第三回からの出席ですが、専門領域の学会などではそう学べない医学医療全域にわたる重要テーマを学べるため楽しみにしていました。

第4回伊賀塾
この伊賀塾はもともと伊賀上野市民病院の活性化のために始まったとのことで、行政当局から同病院の展開にあまり貢献していないため塾をやめるかもしれないという噂を聞き心配していました。案の上、今回をもって終了することになったようで残念なことです。最後の会ということで無理してでも参加することにしました。

 

塾長の小柳仁先生の開会挨拶ののち、伊賀上野市民病院院長の三木誓雄先生が同病院改革の来し方行く末をご紹介されました。一時寂れていた病院をここまで引っ張って来られた同先生の想いが伝わって来ました。老舗ののれん、中国の病院での軍服ユニフォーム、イギリスのがんセンターの構造、さまざまな実例と考察の中から初速ゼロの病院を立派なスピードがでるところまで造り上げられたご努力には感嘆いたしました。ご意見を求められたため、同じ想いをもつ医師としての努力のあり方をお話させていただきました。


カルビー社長の松本晃先生は熱い会社を育てるまでの考え方、哲学とその実践法をお話されました。日本の医療は医療従事者の犠牲の上に成り立っているということを認識しておられることに感心いたしました。

お話のなかでとくにDiversityつまり多様性は松本先生の真骨頂と思いました。たとえば女性を管理職とくに執行役員に多数取り立て成長のエンジンとするなどですね。大学に女性学長がこれまで少なかったのも如何なものでしょうかと問題提議されていました。講演のあと、私は思わず質問してしまいました。Diversityは欧米では当然のことですが、日本式の村社会つまり自分と違う属性の人間を否定する社会の中では、真逆の考えであり、革命的な発想です。しかし頭がやわらかいこどもたちでさえ、自分と違う属性をもつ仲間を、たとえば体が弱い級友がいればそれだけの理由でいじめる、つまり日本人はこどもの時からすでに村社会に毒されている、これを大人になって突然変えるのは大変なことではないでしょうかとお聞きしてしまいました。松本先生がこれを決意をもって努力して克服しておられるご様子がうかがえました。


聖路加国際大学学長の井部俊子先生はこれまで執筆してこられたエッセイの中からとくに面白いものを選んで朗読されました。看護師としての視点とひとりの人間としての視点の微妙なずれを克服する努力は初心を忘れないこととも共通しなるほどと思いました。最後の引用「Do your best, it must be the first class」は皆で肝に銘じたいところです。

 

名古屋大学の杉浦伸一先生は薬剤師の立場から医療改革への努力を続けてこられた経過をお話されました。医療は資本主義社会では測れない暗黙知の上に成り立っている。その暗黙知を形成知へと進化させねばならないことを強調されました。クリニカルパスや医療安全でのさまざまな努力はこの線の上にのっており、大学病院での臨床試験などの膨大な書類もこの観点から考えると手間はかかるが正当性のあるものとあらためて理解できました。人が職を失うと不安になるのは社会とのきずなが切れるから、というのは言いえて妙でした。最後にネルソン・マンデラの言葉、教育は最強の武器(education is the most powerful weapon)という引用に私は感動いたしました。

質疑応答の時間に、あつかましいとは思いながら次のことを申してしまいました。

教育を軽視し、わずかな出費を嫌ったために大きなものを失ったという実例をひとつご紹介します。それは舞鶴市民病院の一件です。かつてアメリカのプロの家庭医をお招きし、すぐれた総合診療教育を行っていた同病院は、全国から多数の若く熱い医師が集まり、隆盛を極めていました。しかし舞鶴市議会から「なぜ一地方都市の病院が教育にお金をかける必要があるのか」という圧力を受けていました。そしてあるときその教育ができなくなり、若い医師たちは去り、病院は崩壊し老人ホームになっていきました。教育へのわずかな出費を渋った市議会のために優れた病院がつぶれてしまったことを皆さんに、とくに伊賀上野市議会の皆さんに知って頂きたい。

もっとも市会議員の皆さんは次の選挙までに実績を出さねばならないため、5年10年先のビジョンまでつきあっていられない、そういうご事情がおありかと思います。いたし方ないものと思いますが、日本で病院医学教育や伊賀塾のような優れた事業を続けるには別の手立てが必要と感じました。


作家の後藤正治先生はベラ・チャスラフスカのお話をされました。最近話題になっている書籍でもあり、私たちの世代には想い出のシーンも多く、熱中して拝聴いたしました。東京オリンピックでもメキシコオリンピックでも優勝した同選手ですが、メキシコの時は厳しい社会情勢のもとでの優勝でした。まだ冷戦時代の中、プラハの春と言われた民主化改革が旧ソ連軍などのために占領、弾圧されていたのです。2000語宣言という改革派の署名をチャスラフスカは撤回せず、苦しくとも「節義」を貫いたことをお話されました。チャスラフスカは冷遇の日々を送りましたが、ベルリンの壁崩壊、東西雪解けのあとはオリンピック委員長にまでなったと聞き、救われた思いがしました。後藤先生の結語、人生は撤回できない、困難な時代はない、を襟を正して拝聴いたしました。

 

京都大学の光山正雄先生は基礎医学者としての40年から想う医学の将来展望というタイトルでお話されました。京大教授会でも良識派であった先生ですので大変参考になりました。たまたま病院から電話があり、拝聴を中座したため全部は聴けませんでしたが、一見地味でも感染と免疫をセットで深く探求されたお仕事は素晴らしいと感心いたしました。個人的には、その時代のトップトピックス以外にも優れた研究があることを皆さんに知って頂きたく思いました。上記の教育と同様、研究費を倹約するというのは長期的に国益を損なうものと思いました。


最後に小柳仁先生がこの伊賀塾を締める講演をされました。テーマは「渾身の心臓外科ーー医療人が人間であること」で、熱い、ほれぼれする人生をあらためて見せて頂きました。志の高さ、患者への愛、自己犠牲、努力、継続、リスク克服、どれをとっても心臓外科医という人種はもっとも臨床医らしい臨床医であると私は思っています。要するに誇り高い医師群と思います。大学を去って、医局などの属性とは関係なく、全国の若手とひとりの医師としてつきあえる現在、彼らが完全燃焼できるようなお手伝いをと思います。小柳先生の生きざまを拝見するなかでそうしたことが湧き上がって来ました。

平素の学会では学べないことが学べる、貴重な場である伊賀塾はこうして終了しました。小柳先生、関係の皆様、お疲れ様でした。


平成26年7月27日

米田正始

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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関西胸部外科学会にて

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この6月19日、20日に大阪で関西胸部外科学会第57回総会が開催されました。会長は畏友かつ大先輩の佐賀俊彦・近畿大学教授でした。

この IMG_0449 (2)学会は昔から多数の熱い先達の想い入れからユニークな発展をしてきたものです。ふつうは学会の地方会といえば近畿地方とか九州地方などの限定されたエリアでアットホームにやるのですが、この関西胸部だけは西日本の大半を網羅する大きな学会です。当然これまで多数の若手を育て、登竜門としても、また心臓血管胸部外科の学術的発展にも貢献してきました。私自身もその昔、何度も発表の機会を頂き、尊敬する先生方から何度も貴重なコメントを頂き勉強の糧とした思い出があります。

ちょうどそれは世界の心臓血管胸部外科の最高峰と言われるアメリカ胸部外科学会(AATS)に対してアメリカ西部の先生方が西部胸部外科学会(WTSA)を隆盛に維持してこられたのに似ていると私は思っています。

今回は佐賀先生がそのユニークさをいかんなく発揮された素晴らしい内容になったと思います。多数の座長を若手から登用し、若手の登竜門を前面に打ち出すべく症例報告のAwardセッションを多数組んだり、ヨーロッパ心臓胸部外科の受賞論文を発表していただいたり、海外からの招請演者も来日歴のないフレッシュな顔ぶれになったり、海外で活躍する同朋にシンポジウムをやってもらったり、腕によりをかけた学会でした。

中でも宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロダクトマネージャーである森田泰弘さんに教育講演・安全管理セミナーとして講演していただいたのは圧巻でした。日本が世界に誇るイプシロンロケット、ミューVの開発秘話とその品質管理つまり医療における安全管理への努力を知ることができました。そもそも糸川博士のペンシルロケットからラムダロケット、ミューロケットがそれぞれ時代の最先端を行く優れものであったことをあらためて知りました。予算も少ない人員も少ない恵まれない環境の中で、これほどのものができたこと、さらにイプシロンロケットの場合はたった3年で完成させるという離れ業であったこと、その合間に皆で撮った写真の中の笑顔が素晴らしい、疲労困憊のはずなのに、なぜこれだけの笑顔があったのか、そこから先駆的プロジェクトにおける人材の大切さ、チームワークの大切さが実感できました。

最後にイプシロンロケットの打ち上げのシーンを見て私は感動し涙を抑えるのに苦労しました。ただ美しいロケットが飛翔しているだけではない、それを支える人たちの尊さを実感したからです。素晴らしいセッションでした。

それ以外でも興味深いセッションは多数ありました。

たとえば最近ホットな領域のひとつであるMICSでは教育セッションが2つ組まれ、MICS手術を安全確実に導入するかを大阪大学の西宏之先生、慶応大学の岡本一真先生、愛媛大学の泉谷裕則先生らが解説されました。これからミックス手術をやっていこうという若い先生らの参考になったと思います。

ミックスの教育セッションの後半の前に、アフタヌーンティセミナーというちょっとおしゃれな休憩が入りました。ここではちょっと方向を変えて滋賀医大の浅井徹先生が冠動脈バイパス手術のときに高速エコーとドップラーでより精度の高い手術を行うことを紹介されました。これは私が10年前に発表(論文のページ参照)した内容を器械の進歩でさらに便利に進化させたもので、あの頃の努力が無駄ではなかったとうれしく思いました。

ミックス教育セミナーの後半はより細分化した領域の話でした。心臓病センター榊原病院の坂口太一先生はMICSでの冠動脈バイパス手術を、金沢大学の石川紀彦先生はダビンチをもちいたロボット手術を、そして都立多摩総合医療センターの大塚俊哉先生は心房細動のミックス手術を解説されました。それぞれこれからの展開が期待される、ホットな領域で皆の参考になったと思います。

なかでも大塚俊哉先生のオフポンプで左心耳を切除する方法はこれでワーファリンが安全に止められるデータとあいまって、これから皆で推進しようと盛り上がりました。循環器内科の先生方と一緒に展開したいものです。

ミックス関係では会長要望ビデオ演題で不肖私・米田正始もポートアクセス法による僧帽弁形成術と大動脈弁形成術の同時手術をご紹介し、さまざまなご意見を頂きました。私自身、つい数年前まではこのような手術ができるとは思っていなかったため、今昔の感がありました。

若手のための症例報告コンテストはにぎやかに多数の発表が行われました。私のかんさいハートセンターからも松濱稔先生と小澤達也先生が面白い症例を報告してくれました。松濱先生は、あと1週間のいのちと言われた心臓悪性腫瘍を心臓手術で治し、2年近くも自宅で人間らしく生きられたケースを報告しました。ネバーギブアップ精神が患者さんを2年とはいえ、有意義に延命できたこと、これからさらに治療法を磨きたく思いました。小澤先生は肝硬変と三尖弁閉鎖不全症の患者さんにポートアクセス法で三尖弁形成術を行い、元気に退院されたケースを発表しました。ポートアクセスに代表されるミックス手術は美容に良いだけでなく、体力の落ちた患者さんの救命にも役立つことを示してくれました。ご苦労様でした。

恒例の会長講演はもちろん佐賀先生がされました。ドン・キホーテ・デラマンチャの心臓外科人生というタイトルで、力強い心臓外科医の半生を知るなかから、どうすれば立派な心臓手術ができるか、どうすれば一流になれるのかというヒントを多くの若手諸君が学んでくれたのではないかと期待しています。

弁膜症のシンポジウム「複雑な修復法を用いた僧帽弁形成術の遠隔成績と成績向上のための工夫」ではさまざまなタイプの僧帽弁閉鎖不全症への外科治療の検討がなされました。倉敷中央病院の小宮達彦先生はBarlowタイプ(バーロータイプ)のそれを、小牧市民病院の澤崎優先生は砂時計型切除法を、大阪大学の戸田宏一先生は1ノットループテクニックを、大阪市立大学の柴田利彦先生はループ法200例の検討を、名古屋第一日赤の伊藤敏明先生は自己心膜による僧帽弁再建を、そして私・米田正始は機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋吊り上げ術(PHO法と呼んでいます)を検討報告しました。なかでも機能性僧帽弁閉鎖不全症は世界的に予後が悪く、心臓外科の位置づけも不透明になっていますが、これから優れた治療成績を世に問うて、安心して心臓手術を受けていただけるよう、努力したく思いました。

興味深いディスカッションが続き、時間の都合で尻切れになりましたが、大変有意義なシンポだったと思います。たとえば僧帽弁形成術のあとSAM(前尖がまくれ上がってMRが再発する)をどうするかで熱い議論になりました。私はSAMは解決できる、だからSAMのために弁置換になるのはもったいない、手術中に十分直し、患者さんがスポーツでもなんでものびのびできるようにしよう、とコメントしました。静岡県立総合病院の坂口元一先生、良い質問と議論をありがとう。

大動脈のシンポジウムでは広範囲に進展した弓部大動脈病変に対する治療戦略と展望というタイトルでこれまた熱い議論が交わされました。大阪大学の倉谷徹先生と国立循環器病研究センターの湊谷謙司先生の軽快な司会のもとで、通常手術、術中ステントグラフト、ステントグラフト+デブランチ、などの方法が詳細に論じられました。倉敷中央病院の島本健先生の発表はそれぞれの方法の弱点を正視した優れもので大変参考になりました。他先生方のご発表もいずれも立派で今後に役立てるセッションになったと思います。

招請講演ではメルボルン大学 IMG_0435オースチン病院時代の畏友・George Matalanisが弓部大動脈手術と大動脈基部再建の講演をされました。私も是非聴きたかったのですが、同じ時間帯に別のセッションの司会がありできませんでした。しかしGeorgeとはその前の夜のパーティでゆっくり話でき、相変わらず活躍している内容を子細に学べてうれしく思いました。

アメリカはNorthwestern大学の Chris Malaisrie先生は2回講演されました。そのうち1回はランチオンセミナーで私が司会をさせて戴きました。講演は僧帽弁形成術と、MICSのAVRでいずれもしっかりとした準備と勉強・研究の上に成り立つ立派な内 IMG_0431容でした。実際米国を代表するアカデミック外科医になりつつあると思いました。この先生はかつて私の古巣であるスタンフォード大学で修練を受けたことがあり、いっそう親しみがわきました。講演のあとも一緒に食事しながら将来の交流がますます楽しみになると思いました。

学会1日目の夜に全員参加の懇親会がありました。和やかな楽しい会でしたが、近大マグロの解体ショーがあり、とれとれのマグロがふるまわれました。とくに中トロは絶品でした。これからマグロが入手困難になるだろうという予想のあるなかで、これだけ立派なマグロが養殖できるとなれば、私たちは一生マグロに別れを告げることなく楽しめることになり、一同感謝感謝の夜でした。

こうしてユニークかつ立派な関西胸部外科学会総会は盛会裏に終了しました。

会長の佐賀先生、関係の皆様、お疲れ様でした。おめでとうございます。

 

平成26年6月22日

米田正始 拝

 

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執筆:米田 正始
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心臓手術を受ける患者さんのためのガイダンス(オリエンテーション)【2020年最新版】

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最終更新日 2020年3月6日

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はじめに 152536310

心臓手術の前にはいろいろと心の負担があると思います。少しでも実際を知り、不要な不安を解消し、前向きに進んで頂ければ幸いです。この記事がそのために役立てばうれしいです。

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◆心臓手術のスケジュー ル:

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思ったより早く進むのですねと言われます。平均ではおよそ2週間の入院となります。

患者さんの重症度やお家の事情、遠方か近くかなどを考えてキメ細かく退院時期を相談していきます。

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◆心臓手術に必要な体力は? A301_089

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手術を乗り切るための体力が必要です。心臓はこれから治すため少々悪くても良いとして、肝臓がひどく弱っている場合は要注意です。

腎臓は機能していないときでも透析でしのげます。肺が弱って肺活量が不十分なこともあります。

こうした重症の患者さんの場合、できるだけ良い状態にもどして、 196741568勝てる確率を上げることが肝要と考えています。

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◆心臓の位置は?

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胸の真ん中から左側にかけてあります。

右胸心の方の場合は真ん中から右側にかけて存在します。

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◆人工心肺・体外循環とは?

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オペの間、心肺の肩代わりをする超重要な器械です(写真左)。

これによって心臓を止めて中に入って病気を治せるのです。

ヘパリンと言う血を固まらなくする薬を使いますので、術後出血がないように、しっかり止血をします。

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◆臨床工学士とは 184701458

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人工心肺や透析、人工呼吸などの器械類を運転し整備してくれます。

医師と一心同体で大切なハートチーム員です。

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◆心筋保護

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手術中、心停止の間、心臓をまもります。

血液にカリウム、マグネシウムその他の保護物質を入れてそれを注入します。

心臓を止めるとか止めないとかではなく、冬眠させ、修理が完了し春に目覚めるという感覚ですね。

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◆ヘパリンとは

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血がさらさらになって固まらなくなる薬です。

心臓手術で体外循環を使うときに必須です。

それが終われば中和して血が固まりやすいようにします。

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◆無輸血開心術

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輸血を一本も使わずに心臓手術を完 遂したときにこう呼びます。自己血貯血をすれば無輸血率が上がります。

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◆輸血の安全性

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肝炎の危険性について、今では輸血1本につき10万分の1未満の危険性があると言われます。

ほとんどゼロに近いのですが、0ではないため、極力輸血をしないようにしています。自己血輸血では肝炎などのリスクはゼロです。

平素エホバの証人の患者さんの無輸血手術に力を入れている努力が、他の一般患者さんの輸血を減らすのにも役立っています。

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Ilm09_ba01019-s麻酔について

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当院では一般麻酔医ではなく、心臓麻酔医が行います。やはり餅は餅屋で、安全性に貢献します。

全身麻酔ですので術中の苦しみや心配はありません。

さらにポートアクセス手術などでは創部に肋間神経があるためこれをブロックし、痛みを消すようにしています。

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◆とくに人工呼吸について

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術中から術直後にかけて患者さんの呼吸が弱いときに人工呼吸器をもちいて人工呼吸します。

オペのあと、なるべくすぐに人工呼吸器から外れると後の回復が速くなります。適宜マスクを用いて肺を守ります。
一緒にがんばって早く元気になりましょう。

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◆モニター

.93750547.

術直後は心電図・血圧・肺動脈圧・右房圧・組織酸素濃度、気管内圧などを同時にモニターします。

安全の確保に大きく役立ちます。

術後、歩けるようになるとモニターの大半は外れています。

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◆手術の後、ICUでは

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状態が落ち着くまで居て頂きます。

心臓手術のあと1−2日でICUを出ることができる方が多いのですが、医誠会病院ではICUに余裕があり、もう少しがっちり治療することもあります。

Ilm13_ag01017-s.

◆心臓リハビリ

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心臓手術のあと、心 臓に無理のない範囲でこれをしっかりと動かすことは大切です。

全身のさまざまな臓器にも役立ちますし、食欲も増進してさらに良くなります。

このリハビリにはとくに力を入れています。術前から練習を兼ねて心臓リハビリに親しんで頂くようにしています。

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Ilm19_cb02020-s◆感染症対策

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きわめて重要です。

術中に徹底した無菌操作を行います。

ちょっとでも感染しそうな動きは厳に戒め、解決しています。
創、肺、下肢の創、点滴ライン、その他細かいところも入念に調べます。

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◆創の痛み

.  A306_081

術後の痛みはあります。

しかし私たちはこれをできるだけ軽くする工夫をしています。正中切開の場合は、安定度が極めて良い胸骨再建をするため胸骨痛を訴えられる患者さんは少ないです。

ミックス手術(ポートアクセス手術)のときには上記のように神経ブロックをして痛みを減らします。

これは効きます。

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◆入院期間

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通常は平均術後10日ていどです。A309_047

5−6日でどんどん歩行し退院できる患者さんも多いのですが、あまり早期の退院にはこだわっていません。自宅へ帰ると間も無く社会復帰・仕事復帰という線を狙っています。また患者さんのご希望や状態によって調整します。

また遠方の患者さんの場合は若干時間をかけて安定度を上げてから退院して戴くなどしています。

独り暮らしの方の場合も同様に配慮しています。

逆にお仕事などの都合で早く退院したい方の場合にも配慮や支援をしています。

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Ilm18_aa04014-s◆社会復帰とその時期

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通常は退院後1か月で仕事復帰して戴くようにしています。

これは胸骨正中切開の場合です。

皮膚や筋肉などの治りはもっと早いのですが、胸骨は通常は完全になるまで3か月以上かかります。なので当初は重労働や重いものを持つ作業や車の運転は避けるようにお願いするのですが、私たちの場合は強固な胸骨再建のおかげでより早期の復帰ができています。退院後まもなくクルマ運転できる方が多いです。→→もっと見る

ポートアクセス法手術(ミックス手術)の場合は骨を切らないためもっと早く社会復帰できます。

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◆クルマのA303_009運転

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仕事の復帰に準じます。

前述のように私たちの病院では車の運転も早くなる傾向にあります。

ポートアクセス法手術の場合は骨は切りませんのでもっと早くから運転復帰できます。

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◆外来通A308_011

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通常退院後1か月でご来院いただき、

経過が良ければ次は3か月後、さらに6か月後と伸ばしていき、

その後は年1度でフォローアップしています。

もとの病院やかかりつけ医と協力して全身を守りながら進みます。

 

もちろん患者さんの状Map41-2態によってその間隔は自在に調整します。

たとえばまだ不整脈が出やすいとか胸に水が貯まりやすいなどの場合は早めに外来に来ていただき、安定を図るようにします。

九州・沖縄・東北・北海道など遠方の方の場合は、地元の病院と連絡を取って安全な態勢をつくり、かつ余裕をもってお帰り頂けるように少し長めの滞在にしています。

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◆心臓手術の成Illust1441

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重症の患者さんでは危険性も上がります。

それをできるだけ下げる努力をしています。

リスク補正した全国平均の死亡率と私たちのそれを比較しますと、私たちのそれは全国の半分以下です。

そもそも断られた患者さんが多数含まれるためなかなか厳しいですが、その多くが元気になっておられるため、ますますこの努力を続けます。

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◆イン Ilm17_bc01015-sフォームドコンセント

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その患者さんの手術のメリットと危険性を具体的にご説明します。

心臓手術は一生に一度あるかどうかのおおごとですので、

十分な時間をかけてお話しし、納得できるまでご質問を受けるようにしています。

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◆看護023師さん

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昔は看護婦さんと呼びましたが、医療のプロとして敬意をこめてこう呼ぶようになりました。

平素のお世話をしてくれるのは彼女ら(彼ら)です。

彼女らとのチームワーク、患者さんも含めた全体のチームワークはとても大切です。

看護師さんからのオリエンテーションもありますので、しっかりと聴き、またご質問ください。

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◆おわりに

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心臓手術 Ilm09_aj06015-sは全身をまもって初めて意義のあるものになります。

何かと大がかりですが、それが患者さんを守ります。

いのちだけでなく、活発で楽しい生活を守ることにもつながります。

患者さん・ご家族ーコメディカルー医師全体のチームワークが大切ですし、なにより患者さんご自身が生きたいと強く念じて一緒に頑張って下さることが良い結果につながりやすいのです。

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154411073◆ひとつお願い

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もし悩みや疑問、苦情その他がありましたら遠慮なく担当医や私までお願いします。

細かいことでも結構です。

それらを解決すること自体が大切ですし、くわえて治療成績やチーム力がさらにあがり、お互いに得るものが多いのです。

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◆患者さんの想い出:

心臓手術の患 A81218100者さんにもさまざまな病気、年齢、状態があります。それぞれに対応した手術が必要です。

Aさんは80歳男性で、遠方の紀伊半島南部からお越し下さいました。

大動脈弁、僧帽弁、三尖弁すべてが壊れて心不全になっておられました。

80歳と比較的ご高齢であったため、体力の負担を減らす目的でミックス法で心臓手術を行いました。

Ca010a-s胸骨の下半分を切って心臓に到達し3つの弁を直しました。

そのおかげで術後は痛みも軽く、大きなオペの割にはスムースでまもなくお元気に退院されました。これからこうした方法が主流になっていくのでしょう。この手術は画期的と評価されYoutubeにもUpされました。

その後も外来でお元気なお顔を見せて下さいます。遠方から私たちを信頼して来てくださる、そのこと自体が大変光栄でうれしいことです。ひとつでも多くのことでお役に立ちたい、そう思います。

Aさん、これからもお元気で楽しくお過ごしください。

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◆参考ページ

心臓手術とはどういうもの?

そのこれからの方向

心臓外科の名医とは

手術と言われたら?!

安全に必要な症例数は?

病院の立派さと心臓外科の立派さは別?

対象となる病気は?

医師の選び方

私のお勧めは?

術後の社会復帰について 

美容について

必要な検査

米田正始が考案した術式は

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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【第五十一号】内覧会や講演などのご案内

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 【第五十一号】
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           発行:心臓外科手術情報WEB
           http://www.masashikomeda.com
           編集・執筆:米田正始
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台風や大雨が心配なシーズンですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私のほうは相変わらず忙しく走り回っています。

名古屋ハートセンターでの手術が最後の駆け込みで混んでいるのと、

高の原中央病院かんさいハートセンターの立ち上げ準備でなんだか落ち着きま

せん。

まあ忙しいのはありがたいことと思っています。

さてこれからいくつか講演などの予定があり、そのなかには一般の方向けのも

のもあるため、ここでご案内いたします。

1.かんさいハートセンターの内覧会。 今年10月1日に、まず心臓血管外

科からスタートする高の原中央病院かんさいハートセンターを講演とともに
院内をご案内いたします。

平成25年9月28日土曜日と29日日曜日、14時ー17時、

高の原中央病院7階講義室です。

以下をご参照ください

https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/09/khcnairan.html

ただしこれは受け容れの都合により医療関係者の方に限定させて戴きます。

患者さんたちにおかれましては、内覧会ではなく本物の外来のほうへどうぞお

越し下さい。

すでに火曜日と金曜日に米田外来を一部開始しています。高の原中央病院の代

表電話 0742-71-1030 からコオディネーターの勇元(いさみも

と)につないでもらい、ご相談ください。

2.高の原中央病院健康フォーラムでの講演のお知らせ。

平成25年9月18日水曜日 14:00-15:00 
奈良市北部会館 市民文化ホール3階多目的室1で。

詳細は以下をご覧ください。無料です。

https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/09/TCHforumCVSdiet.html

心臓手術と科学的ダイエットというテーマでお話しします。

3.NHK文化センター名古屋教室での講演

平成25年12月8日、13:00-15:00

名古屋市東区東桜1-13-3 NHK放送センタービル7階
NHK文化センター名古屋教室 にて

こちらの講演も上記と同様、心臓病と科学的ダイエット というテーマです。

詳細はこちらをご覧ください。こちらは会員1890円、一般2100円
です。十分元が取れるよう、頑張ります。

https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/09/lecturenhkcvsdiet.html

私は心臓外科医で心臓手術が専門ですが、患者さんが真に健康になるためには

、単に手術だけとかお薬だけでは不十分なのです。

そこで科学的ダイエットを含めた正しい食生活や運動などが必要になるのです

巷にダイエット法は山ほどありますが、その多くは欠点があり、まもなく消え

て行きます。無理があったり、中には有害なもの、たとえばがんが起こりやす

くなるなどもあります。やはり正しくやることが大切です。

有名人の心臓手術、心

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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講演 NHK文化センター 名古屋教室 心臓病と科学的ダイエット

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心臓病は生活習慣病と密接に関連しています。たとえばメタボ、糖尿病、脂質異常症、高血圧症あるいは喫煙などですね。そのため心臓手術も生活習慣病と切っても切れない縁があります。

Ccbo022-s私が本職の心臓手術にくわえて科学的ダイエットに力を入れているのはそのためです。

本音のところは、昔から油断するとすぐ太る体質で、もっと良いダイエット法はないものか、いつも探していたからです。しかしそのダイエットが患者さんに大いに役立つことを知ってから、がぜん張り切って取り組むようになったのです。

ご縁あってNHK文化センターで講演させて戴くことになりました。

その説明パンフレットを引用します。ちょっとお恥ずかしい大げさな書き方ですが、これはパンフのキャッチフレーズということでお許しください:

 

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スーパーDr.登場!

12月8日 心臓病と科学的ダイエット

名古屋ハートセンター副院長(現、かんさいハートセンター特任院長)

米田正始

 

心臓外科の名医、米田先生の講演会。有名人の手術を例にとりながら、予防・治療・手術など、ためになるお話しを致します。また予防のための正しいダイエット指導もございます。

13:00~15:00

会員 1890円、一般 2100円

お申込み、お問い合せは Tel 052-952-7330 または NHKカルチャー名古屋 でご検索下さい

場所: 名古屋市東区東桜1-13-3 NHK放送センタービル7階
NHK文化センター名古屋教室 にて

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それでは心臓病、心臓手術、あるいは健康生活にご関心のある皆様のご参加をお待ちしております。


ご報告

002b満員御礼でした。

かつて米田正始の手術を受けて下さった患者さんたちも多数お越しになり、同窓会のような楽しい会になりました。

なおNPO法人日本ローカーボ食研究会から話題の教科書を販売しましたが、完売しました。厚く御礼申し上げます。

また来年お会いしましょう!

 

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせは こちら

 

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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【第四十七号】 アメリカ胸部外科学会の印象記

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 【第四十七号】 
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           発行:心臓外科手術情報WEB
           http://www.masashikomeda.com
           編集・執筆:米田正始
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いつのまにか梅雨に入ってしまいましたが、皆さんお元気でしょうか

さて今月の第1週にアメリカの学会2つに行って参りました。

その印象記を2回にわけてUpしました。

学会印象記はどうしても医療者向けになってしまうのですが、医療とくに心臓

外科に関心のある方々にも多少は参考になるかも知れません。

ひとつはMitral Conclaveという僧帽弁の学会で、これは後述のアメリカ胸部外

科学会の僧帽弁分化会という位置づけで大変レベルの高い学会です。
こちらをご覧ください
https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/05/cvdiary2ndmconclave.html

これはニューヨークで開催されました。飛行機がニューヨークに近づいたとき

、あの世界貿易センタービルの再建がかなりできてきているのを見てアメリカ

の回復を感じました。

ついでながらニューヨークの街は昔の犯罪の巣窟とはすっかり違う安全な街に

なっており、夜遅い時間でもタイムズスクエアなどは若者でにぎわい、楽しい

雰囲気に満ちていました。

いまひとつはアメリカ胸部外科学会AATSで、心臓血管外科では世界の最高峰に

ある学会です。
こちらを見て下さい
https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/05/cvdiary93aats.html

このAATSはミネアポリスで開かれました。日本ではそれほどなじみのない街か

と思いますが、心臓血管外科の世界では歴史のある街です。ニューヨークのあ

とだけに静かな、気持ちのよい中部の田舎町という印象はありました。

学会にもさまざまなものがありますが、こうしたアメリカのトップ学会は世界

の動向を知る一番の場ですし、そこで発表できるということは大変光栄で励み

にもなり勉強にもなることです。

ということで世界中からアクティブな心臓血管外科医が参加し、その語らいや

出会いの場という意味も大きく、会の意義をさらに大きくします。

こうした会のもうひとつの凄さは、心臓血管外科の歴史の実際に触れることが

できることです。

たとえば今回のAATSでは Albert Starrスター先生の講演がありました。骨子は

ブログをご参照戴くとして、こうした歴史を変えた、あるいはすでに大きな歴

史の一部とも言える先生の話をまとめて聴けたというのは貴重な経験です。

また心臓病学の歴史の一部ともいえるEugene Brownwald先生の受賞を自分の眼

で見れたというのも日本国内ではなかなか経験できないことでした。

ついでながら、若い先生方にはこうした偉大な指導者の生き様の一端に触れて

高い志を新たにして努力して頂ければと思いました。

学会の後ろの部分は割愛して帰国しました。手術を待ってくれている患者さん

がいてくれるのをうれしく思いながら。

敬具

平成25年5月17日

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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【第四十四号】 文芸春秋に掲載されました

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 【第四十四号】
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           発行:心臓外科手術情報WEB
           http://www.masashikomeda.com
           編集・執筆:米田正始
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春の日差しが心地よいと思ったら、嵐のような強風が吹いたり、まだ冬の名残

を感じるこのごろですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私のほうは相変わらずばたばたと落ち着かない毎日です。先日は沖縄からまた

患者さんが来て下さり、危篤状態から頑張って手術し、リハビリや栄養その他

さまざまな努力のすえ、笑顔で帰島して頂きました。

歴史的ないろいろなことから沖縄の方々にどんなことでもお役に立ちたいと思

っていた身には大変うれしいことでした。

こちらをご参照ください
https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2013/04/casereredoimr.html

ところで文芸春秋の5月号に米田正始の記事が掲載されました。ご笑覧頂けま

したら幸いです。

そのさわりの部分は私のHPに載せました。
https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2008/01/post-0f92.html

高齢者の方々への医療については、世界的にも議論があります。

とくに国や社会が経済的に苦しいところでは、高齢者の医療費を削減しようと

する動きが絶えません。

たしかに医療費をある程度の範囲に抑えて、社会の足かせにならぬよう、さま

ざまな努力をやって来ましたし、今後もそうだと思います。

しかしもはや社会の役に立たなくなったからと言って、保険や福祉を打ち切る

のには抵抗を感じます。

私の恩師であるトロント大学・心臓外科のデービッド先生はかつて言われまし

た。

「年寄年寄と言うが、この人たちが何十年も税金を払い、家庭を支え、地域に

尽くし世の中に貢献して来たことを忘れて良いのか」と。

加えて高齢者を切り捨てる世の中になってしまうと、次に狙われるのは身体障

害者や難病の患者さんをはじめ、社会的弱者となるおそれがあります。

際限なく人間性を失い、孔子の言うケダモノ社会に堕ちて行くことを心配しま

す。

そういう気持ちもあって、心臓外科の立場から、高齢者でも生きたい方、また

ご家族から見て生きて欲しい方には分け隔てなく治療するのが筋と思っていま

す。

もちろん経済が破綻してはそれが成り立たなくなるため、皆で経済を守る努力

を続けるのも大切ですが。

文芸春秋の記事がこうしたことを考えるきっかけになれば幸いです。

敬具

平成25年4月11日

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
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元・京都大学医学部教授
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第21回アジア心臓胸部外科学会ASCVTSにて

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IMG_1668この4月4日から7日までの4日間、神戸の国際会議場で第21回アジア心臓胸部外科学会(ASCVTS)が開催されました。そこでの見聞録です。

例によって学会での見聞録、印象記で一般の方々には専門的すぎるかと思います。現在の心臓血管外科ではこんな努力と展開があるのだと、読み流して頂ければ幸いです。

この学会は古瀬彰先生ら日本の心臓血管外科医が立ち上げられたアジアの学会ですが、早いもので20年が経ち、世界から評価される立派な学会に育ったことを感じさせてくれる学術集会でした。

私もかつては理事のひとりとして、どう盛り上げて発展させるかをアジアの仲間たちと考えていました。それを懐かしく想い出します。

今回の会長であられる高本眞一先生(三井記念病院院長)らが大いに努力され、あの伝統ある米国胸部外科学会(AATS)や欧州心臓胸部外科学会(EACTS)と並び立つ、国際的に評価される学会となったことは、よろこばしい限りです。

それを象徴するかのように、学会の前日に開催された卒後教育セミナーでは欧米の有名どころが多数講演されました。

私が参加した成人心臓血管外科関係では、アメリカのダミアノ先生(Dr. Ralph Damiano、セントルイスにあるワシントン大学)、カメロン先生(Dr. Duke Cameron、ジョンスホプキンス大学)、ラトーフ先生(Dr. Omar Lattouf、エモリー大学)、ヨーロッパのカパテイン先生(Dr. Peter Kappetein、オランダのエラスムス大学)、ノラート先生(Dr. George Daniel Andreas Nollert、ドイツのミュンヘン大学)、コール先生(Dr. Philippe H Kolh、ベルギー)や、アジアからはサン先生(Dr. Li Zhong Sun、中国)と、もちろん地元日本から多数の先生が講演されました。ロシアや中央アジアからも参加者があったのは時代の流れとうれしく思いました。

内容的に、冠動脈つまり狭心症や心筋こうそくの治療で内科のカテーテル治療PCIと外科の冠動脈バイパス手術の協力協調が求められるハートチームが浸透しつつあることを改めて感じました。これは重症例では冠動脈バイパス手術のほうがPCIより成績が良い、つまり患者さんが長生きできることが証明されたことを受けての変化です。

またそのハートチームが、TAVI(カテーテルで入れる生体弁)の進歩によって弁膜症の世界にも必須のものとして認識されるようになり、あわせて心エコーの重要性がひろく認められるようになりました。

同様に、大動脈の治療でもこれまで大きな成果を上げ治療成績のめざましい外科手術に加えてステントグラフト(EVAR、TEVAR)が一層進化し、両者をうまく組み合わせた治療体系が治療成績をさらに押し上げることを実感しました。

またHOCM(肥厚性閉塞性心筋症)あるいはIHSS(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症)の外科治療と内科カテーテル治療(PTSMA)の進化と協力についての講演もありました。私ごとながら、IHSSの治療はトロントのウィリアムズ先生直伝の方法(モローの手術の変法です)で多数の患者さんの治療にあたって参りましたが、日本全体の1割ちかくをこなしているのがわかり、努力の成果が少し形になって見えたような気持ちがしました。内科の治療では治しづらいものが外科手術で治せますので、今後も精進したく思いました。

それを象徴するものとして、ハイブリッド手術室(ハイブリッドOR)の最近の進展も紹介されました。外科医にとっては5感を倍増するような威力があり、内科医にとっては外科手術に大きな影響力をもつ、それぞれに役立つ、まさにハートチームのひとつのかたちです。手術室で3次元の構造が画像として把握できるDynaCTの進歩はうれしいことです。

 

IMG_1680b

タイの畏友・タウィーサック先生と

4月5日からの学会でも同じ流れで心臓外科の上昇気流を感じる活発な議論が交わされました。

 

これからのリーダーがあるべき姿が欧米とアジアの視点から論じられました。リーダーつまり教育者を教育する重要性が近年強調され、欧米では時間をかけてこうしたセッションが行われていますが、アジアでも本格化した感があります。

この数年間ホットな心臓外科領域になった弁膜症では大動脈弁形成術、自己心膜をもちいた大動脈弁再建術それもこどもと成人のそれぞれに、そしてもちろん僧帽弁形成術では実にさまざまな方法が駆使されるようになり、その成果が示されました。なかでもかつて弁形成が困難と言われたリウマチ性僧帽弁膜症に対して果敢な努力と成果が遠隔成績として示されつつあり、さらにそれがリウマチ性弁膜症が多いアジアから主に発信されるところ新しい時代を感じました。

個人的には2つの発表(創がもっともきれいなポートアクセス法の僧帽弁形成術と、心不全で難しい機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する新しい弁形成術)と2つの座長(ミックス手術と再生医療)が賑やかにでき、仲間とともに楽しく勉強できたことが何よりでした。

また畏友、ペンシルバニア大学のJoseph Woo先生がその講演のなかで私たちが行って来た新しい僧帽弁形成術を紹介して下さったのも友情が感じられうれしいことでした。

IMG_7739b1日目夜のディナークルーズでは神戸港から明石大橋の近くまで行き、丁度適温で心地よい海風に吹かれての神戸の夜景はなかなかのものでした。アジアや欧米からの友人たちも楽しんでいたようでした。

2日目の全体のディナーでは由紀さおりのミニコンサートで比較的年配の私たち世代には思わず青春時代にもどるようなひとときでした。欧米アジアの代表がそろ IMG_1679bい踏みで、この学会が世界に認められる位置についたことを感じました。

3日目、つまり最終日もけっこう参加者があり、虚血性心筋症・虚血性僧帽弁閉鎖不全症や大動脈基部のセッションは活発な議論が交わされました。

オーラスにアカデミックランチというのがあり、欧米アジアの学会の重鎮と若手が研修をめぐって懇談する場でした。私はペンシルバニア大学のWoo先生のテーブルで、若い先生らと語らうことができました。

いつものことながら、こうした学会活動以上に、アジアや欧米の旧友や元弟子と再会を楽しめたこと、いつまでも協力して仕事に打ち込めることを、このうえなくありがたく、感謝した4日間でした。皆さんまた会える機会を楽しみにしております。会長の高本先生、お疲れ様でした。

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執筆:米田 正始
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心臓外科はほんとうに若手医師に人気がないのだろうか

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近年、あちこちの心臓外科(心臓血管外科)医局で新入局者が少ない、人気がないという声を聞く。


Cpyo013-sなかにはそれほど人も減らず困ってもいない医局もあるようだが、大学によっては事態は深刻である。

何年かに1人しか入局がないといった話さえ耳にする。

しかし心臓外科を目指す若手がそれほど減ったのだろうか。

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たしかに現代の若者はあまり厳しいことは好きでない。昔のように患者を助けるために1か月病院に泊まり込んで治療したなどはもはやノスタルジアでしかないのかも知れない。

ひところ人気があった眼科や耳鼻科でさえ、最近はきつい、つらいと人気低下の傾向にあると聞く。若者気質がさらに高じていきつくところまで行ったのであろうか。

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私見ではあるが、心臓外科領域の若手を見ていると、以前より数は多少減ったかもしれないが、現在もある一定数、熱く高い志をもった若手が存在すると思うのである。というのは、医局を預かった経験や若手と接したところでは、忙しい施設で、日夜手術に入り、術前術後の管理をし、患者のために活躍する若手がその施設を辞めたいといった話をあまり聞いたことがない。若手が辞めたいというのは多くの場合、ヒマな施設なかでも執刀など手を動かす機会が少ない施設の場合である。

つまり心臓外科に来るほどの若手は、それが忙しいことぐらいは熟知した上のことであり、辞めたいというケースは修練内容の貧相さに失望しているだけと思うのである。

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病院この観点からは大学病院は大いに苦しく不利である。コメディカルや事務が雑用をやってくれないためおのずと若手医師にしわ寄せがくる。そのため雑用係りとしての若手医師を増やさざるを得ず、結果として1人当たりの症例数や経験数が減るのである。

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たとえばある国立大学病院では年間200例をこなすために医師が総数で15名も必要である。すなわち医師一人当たりの例数は13例にすぎない。その一方、民間市中病院である私の施設では年間300例以上の開心術を行う。医師は私を含めて4名である。そのため医師一人当たりの例数は75例に達する。実に5-6倍の開きである。

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このためかどうか、民間市中病院の私のところへは研修希望がちょくちょく来られる。数年に一人しか入局しない一部の医局と対照的である。

そうした中で、現代の若手医師は怠惰というよりも高い質と量を求めている、昔よりDemandingであるだけではないかと思うのである。

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ただ医局にいれば将来のポストがある程度約束されるなどの長期的メリットがあるという考えがむかしからある。それも一つの特長と思われる。しかし近年台頭しているのは、そのような遠い将来の、それもただポストだけが確保されていても内容が伴うかどうか不明な状況には頼りたくないという考え方である。

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これらを考えると心臓外科にもっと若手が参Ilm09_aj06012-s入してくれるようにするには何が必要か、おのずと見えてくると思われる。そして彼らの要求に応えることが、医学教育はもとより、医療の改革にもつながるのではないかと思うこのごろである。

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誤解のないように付記しておきたいのだが、これらは大学や医局を否定しているのではなく、大学病院と市中病院とくに自由度の高い私的病院がタイアップすればそれぞれの強みを発揮しやすくなることも強調したいのである。タイアップすることで経験量も増え、学会発表もやりやすくなり、収入も確保しやすくなる、このことは豪州などでは常識になっている。

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さまざまな工夫を凝らして修練がもっと面白くなれば心臓外科という領域はまだ若手を惹きつける魅力を十分に備えているように思うのは私だけであろうか。

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心臓血管外科の卒後研修のページにもどる

修練医募集、実力や業績をつけたい方へ.

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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あけましておめでとうございます(2013)

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あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年、2012年はおかげさまで充実した一年でした

Orti046-s名古屋ハートセンターも開設から丸4年が過ぎ、心臓大血管手術も300例には及ばなかったものの、それに迫る実績をあげ、名古屋エリア屈指の施設に成長いたしました

これも多くの患者さんや開業医・内科・心臓血管外科の先生がたはじめ、院内の内科・外科・コメディカル・事務はじめとしたあらゆるチームメンバーの皆様のご尽力のおかげと深く感謝しております。

心臓手術数だけではなく、質的にも他病院で断られた再手術、再々手術、再々々手術例を始め、駆出率が10-30%つまり心臓のパワーが本来の半分から5分の1まで落ちたケース、心筋症やIHSSなどにみられる複雑な心室、冠動脈が病気でバイパスがつけられないと言われた患者さん、弁のあちこちが壊れて弁形成しづらいと言われた僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症の患者さん、大動脈弁を形成で治さないと妊娠出産などの人生設計ができないというケース、その他さまざまな患者さんたちにお役に立てて医者冥利の一年でした。

また他病院で目いっぱいの手術治療のかいなく、術後経過が思わしくなく弁や左室が悪化し、どうにもならない状況からご来院いただき、出直しの再手術で元気になられば弁膜症や先天性心疾患の患者さんたちにもよろこんで戴けたことを光栄に思います。患者さんがお元気になられることで、元の病院への不満も解消し、このような形ででも同業者の方々に貢献できたのもうれしいことでした。

ミックス手術(MICS、小さい切開の、患者さんにやさしい手術)がさらに増え、私の執刀例ではほとんどのケースが何らかのミックス手術で、手術の内容や大きさだけでなく、その患者さんの年齢・状態やライフスタイルなども考慮して最適なものが選べる、ひとつのオーダーメイドのミックス手術に進化したのも昨年の成果です。20歳前後の若い女性患者さんたちにポートアクセス法を始めとしたミックス手術でこころの負担を減らすことができたのもうれしい想い出です。

Ilm22_ba01055-sもちろん地域医療のなかで、夜中などに生きるか死ぬかの状態で救急車搬送された多数の患者さんたち、とくに急性大動脈解離や大動脈瘤破裂の患者さんたちにも私たちを信じて頑張って下さったことを感謝申し上げます。

しかしその一方、あらゆる手を尽くしても救命できなかった患者さんも若干あり、深いお詫びと反省、検討と近い将来同じ病気・同じ状態の患者さんをぜひとも救命できるよう、チーム全員で努力しております。お助けできない患者さんがおられる以上、その改善や解決に向けて十字架を背負って生きて行く自覚を忘れないようにしています。

こうした努力の結果を内外の学会やシンポジウム等でも発信することができ、多くの仲間たちのお役に少しでも立てたのであれば、大変幸甚なことです。

たとえば昨年10月のヨーロッパ心臓胸部外科学会(バルセロナ、Segesser先生が会長)で新しい手術のセッションで、私たちの手術(機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する乳頭筋最適化・僧帽弁形成術)を発表し、ぜひ使ってみたいとのご意見を頂けたこと、あるいは3月のアジア心臓血管胸部外科学会(バリ島、畏友Hakim先生が会長)のシンポジウムでも同様によろこんで戴けたことを光栄に思います。ヨーロッパやアジアの先生方に、是非この手術を使いたいと言っていただき、ビデオをお贈りしたりご説明したりと、海外の友人仲間に貢献できるのはまさに至福の時でした。

国内でも7月の冠動脈外科学会(防衛医大前原先生が会長)、9月のMitral Conclave(慶応大学の四津先生が会長)、10月の日本胸部外科学会、11月の日本弁膜症学会(慈恵医大の橋本先生が会長)やCCTなどでも同様の貢献の機会をいただき、厚く御礼申し上げます。私のチームの若い心臓外科医諸君も大きなシンポジウムで発表でき、より自覚と誇りをもってくれたのも大きな収穫でした。国内学会ではしばしばVSP(心筋梗塞後の心室中隔穿孔)のセッションの座長を仰せつかるのですが、いつも前向きの議論をワークショップ風に進めていけるのを楽しんでいます。今、若い先生方にも安心して使って頂ける新しい手術法を開発しています。

共同研究をしていただいている川崎医大の先生方がAHA、ACC、ASEはじめ名だたる国際学会でその成果を発表したり、なかには向こうから乞われて講演したものもあり、日頃の努力が評価されたこと、大変うれしいことです。

ひるがえって毎日の仕事のなかで、患者さんや職員の皆さんとの対話の時間をもっと持ちたく思いながら十分にはできていないという反省がつのります。時間が物理的に取れないなら、せめて質を上げて、短時間でもしっかりと聴く、これを今年はもっとちからを入れて実行したく思います。

患者さんの悩みも多岐にわたります。心臓手術によって心臓は元気になっても、体の他の部分のさまざまな悩みやご家族とのこと、社会経済的なことなど、自分の領域を超えた悩みにも何かできることはないか、考えてしまいます。心臓病だけ治してもダメということをこれまで以上に実感することが増えました。できるところから手をつけていこうと思っています。

そういえば病院のコメディカル諸君が主体的に研究テーマをもち、患者さんの役に立つ研究をやろうという機運が生まれ、昨年はヨーロッパのエコー画像の国際学会で発表してくれた放射線技師さんや、国内の大きな全国学会で看護研究を発表し優秀演題賞を受賞してくれた看護師さん、MEさんの大きな学会で講演してくれた技師さん、新しい知見を報告してくれた検査技師さんなど、まさにチーム医療を担う若い諸君の活躍が始まったのも大きな収穫でした。やはり仕事は面白くなくてはいけません。汗や涙を流してでも楽しくなければならないのです。そうしたお手伝いをこれからもっとできれば、おのずとその成果は患者さんに還元できると思います。

思いつくままに昨年の努力とちょっぴり成果をお書きしましたが、こういう雰囲気で今年も皆で汗をかきながら走りたく思います。皆様のご指導やご鞭撻を頂けましたら幸いです。

2013年1月1日

米田正始 拝

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