名古屋ハートセンターにて米田正始の手術を受けて下さった患者さんたちへ

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最終更新日 2020年3月8日

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皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ことしの夏は猛暑が厳しく、多数の方々が熱中症などで体調を崩しておられます。どうぞご自愛ください。

A335_004さて名古屋ハートセンターが開設されたのは2008年10月でした。

 

ハートセンターは大学の学閥や政府自治体などのいわゆるコネとは関係のない、いわば庶民出身の病院です。

 

それだけに名古屋という比較的古風な風土では、患者さんを紹介して下さる病院も少なく、ほとんど展開しないだろうと言われていました。

 

こころある友人は皆、先生、気を悪くしないでね、名古屋ってそういう土地なんだから、じっくりゆっくりやって行こうよ、となぐさめて下さったものです。

 

しかし患者さん中心の仕事をすればそのうち必ずわかって頂けるだろう、今は患者力(かんじゃりょく)というのがあって、患者さんのご希望のまえには学閥も官僚も逆らえないという意見を下さった友人もあり、私もそれを信じて名古屋ハートセンターを皆とともに立ち上げました。

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ふたを開けてみると、1年目で心臓大血管手術で130例を超え、一人前の施設の仲間入りを果たしました。2年目のジンクスもそれなりに克服し200例に迫り、3年目、4年目と成長をつづけ300例に迫る、名古屋屈指の心臓血管外科施設になりました。

 

内科はそれ以上のスピードで展開し、カテーテル治療(PCI)ではすぐ名古屋のトップに立ちました。

 

これは患者中心の医療を日々実践し、それを患者さんや地域の病院医院の先生方が評価してくださった賜物と感謝しています。とくに患者さんのご支援には頭が上がりません。(患者さんの声のページをご参照ください)

 

128410265だけでなく、質的にも大きな展開がありました。

 

心臓大血管手術で、他で断られた患者さんや超緊急の患者さんもほぼ100%近い確率で受け容れ、そのほとんどを救命でき、お元気に退院戴きました。

 

また日本屈指の施設でもできないと言われた重症や難手術の患者さんも多数受け入れ、そのほとんどをお助けし軽快退院にまでもって行くことが出来ました。その成果は国内はもとより、国際学会や国際シンポジウムなどでも多数発信でき、名古屋ハートセンターを世界中から認識して戴けました。

 

全職員と患者さん、地域の先生方という大きなチームの絆を感じずにはおれません。心から感謝申しあげます。

 

私、米田正始は名古屋の地がすっかり気に入ってここで骨をうずめたく思っていましたが、残念ながら両親が歳をとりその面倒をみることになったため、実家のある関西に戻ることになりました。

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奈良にハートセンターを立ち上げしばらく勤務したあと大阪でさらにこの努力を続けることになりました。

 

私にとって患者さんと医師の関係はいのちがけの戦いをともにした仲間と心得ています。名古屋に移動してからもかつて京都で手術させて頂いた患者さんのための勉強会を開いたり、名古屋まで診察や治療のためにお越し下さった患者さんは多数おられます。

 

同じことを名古屋の患者さんとも共有したく思います。

 

名古屋ハートセンター 145148731で米田正始の手術を受けて下さった患者さんにおかれましては、何かご心配やお困りのときには遠慮なく米田までメールかお手紙を下さい。お役に立てるかも知れません。

 

これは私なりの人生観や職業倫理にもとづくものですので、お代は不要です。中にはメールの送り方が判らないというかたもおありでしょう。その場合は周囲の若い方に聞いて頂ければ今は携帯からでもネットを見たり通信することができます。

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心臓手術のあとは内科の先生が外来などで治療を続けられることで患者さんの健康は維持できる場合が多いです。

 

しかし外科医がそれを応援する形で、定期健診すれば、さらに予後が改善することがいろいろな場面でございます。ようするにより心臓のパワーアップをし、より健康に、より長生きするのにお役に立てることがあるのです。

 

5年間にわたり、私(たち)を支えて下さった患者さんたちに、心から御礼を申し上げるとともに、今後も絆を持って頂けましたら職業人医師として大変うれしいことです。

 

平成27年7月吉日

米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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名古屋ハートセンター、開院4年目を迎えました。感謝申し上げます

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■註:  米田正始は現在大阪市にある医誠会病院(外来と手術)および大東市にある仁泉会病院(外来)にて勤務しております。名古屋の皆様、5年間ありがとうございました。今後も絆を大切にしたく、何かありましたらいつでもご連絡下さい。下段のお問い合せフォーム等をご活用下さい。

名古屋ハートセンターの開設は2008年10月1日でした。

先日、満3年が経ちました。

 

Pch015-s母体となった豊橋ハートセンターの患者さん中心の高度で親身の治療をめざす基本方針をもとにして

地域医療や専門病院としての貢献できるよう努力して参りました。

 

幸い多くの先生方、患者さんあるいは市民の方々からご評価とご支援をいただき、

名古屋ハートセンター心臓血管外科は

一年目から心臓手術・大血管手術でほぼ150例に達することができました。

二年目は同200例弱、三年目もほぼ同様の実績を上げることができ、500例に達しました。

写真は名古屋ハートセンター3周年記念のパンフレットから、心臓血管外科のページです。

クリックすると拡大され読みやすくなります。

 

NHC3yrs開院前には、とくに地盤もコネもない、

いわばよそ者の私たちが、

名古屋の地に定着するまでには何年も時間がかかるでしょうとよく教えられたものです。

しかし実際にふたをあけてみますと、

名古屋あるいは濃尾平野全域から多くの患者さんがご来院いただき、

私たちの努力を評価していただけたことを皆様に深く感謝しております。

 

まず地域医療では救急をお断りしたことはほとんどありません。

不発爆弾処理の時期に患者さんの安全のため、一時救急窓口を閉鎖したとか、

とくべつな状況のとき以外はつねに救急患者さんの受け入れを堅持し、

地域の多くの方々によろこんでいただけたと思います。

 

つぎに心臓専門病院として、

一般の病院ではあまりやっていない手術や治療も必要なときに行い、

多くの患者さんを救命できました。

たとえば複雑な僧帽弁形成術とくに他院で一度形成し、うまく行かなかった患者さんの再形成術や、

マルファン症候群の患者さんの大動脈基部手術とくにデービッド手術

より小さい創でより早い社会復帰をうながすミックス(MICS手術つまり小切開低侵襲手術、たとえばポートアクセスの心臓手術など)

なかでも僧帽弁形成術、同弁置換術大動脈弁形成術、同弁置換術メイズ手術などがあります。

患者さんにやさしい手術としてミックス手術とともに、

大動脈瘤に対するステントグラフトEVARTEVAR)も開始し、

すでにルーチン治療として安定した成果を上げています。

 

Tl_l315c-sまた拡張型心筋症や虚血性心筋症にともなう機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する新しい弁形成術や、

糖尿病・透析などにともなう狭心症に対するオフポンプバイパス手術などでも

安定した結果でお役に立てたことをうれしく思います。

その他でも以前に他院で心臓手術を受けた経歴のあるかたの2回目、3回目、4回目などの心臓手術や、

強い心不全から肝臓の機能障害を起こした患者さん、

あるいはエホバの証人の信者さんへの無輸血手術などでもそのほとんどを救命できました。

 

これはひとえにご支援くださった先生方や、

勉強し身内の立場から応援くださった患者さんとご家族の皆様らのおかげです。

厚く御礼申し上げます。

 

Ilm17_da01001-s地域医療は病診連携のみならず病々連携も大切です。

さらに心臓血管外科同士の連携も重要です。

私たち名古屋ハートセンターは心臓血管の専門病院ですので

がんや膠原病、あるいはその他の病気を複雑に合併した患者さんの治療については大学病院や総合病院と連携して患者さんの治療を行ったり、

必要な場合にはそれらの病院へ転送して全身治療を完遂するようにして参りました。

民間病院には民間病院にできる貢献があり、

それは大学病院にも益するものであるという考えで努力して来ました。

今後はさらに特長を出して、

オンリーワン的な医療や皆で協力する医療などを並行して行えればと考えています。

 

心臓病の患者さんやご家族におかれましては、

情報を集めて知識を増やし、勉強し、どんどんご質問を頂ければ幸いです。

開業医や心臓関係以外の専門の先生方には

何か心臓病が疑わしい状況があればいつでもご相談頂ければお役に立てると存じます。

心臓関係の先生方にはチーム医療の一員として肩のこらないお付き合いがますますできることを期待いたしております。

今後も名古屋ハートセンターをよろしくお願い申し上げます。

(2011年11月記)

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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11.名古屋ハートセンターについて

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異動のご挨拶: Ttk007-s

名古屋ハートセンターを多くの方々のご支援のもとに立 ち上げた2008年10月から丸5年が経ちました。

お陰さまで、名古屋ハートセンター心臓血管外科は年間300例近い心臓大血管手術やさまざまな難手術をこなす、名古屋屈指の病院に育ちました。厚く御礼申し上げます。

さて私、米田正始は実家の事情により2013年9月をもちまして名古屋ハートセンターを退職し、2013年10月から郷里奈良県と京都府の県境にある高の原中央病院にかんさいハートセンターを立ち上げるため異動いたしました。(現在は大阪府の医誠会病院(外来、手術)、仁泉会病院(外来)で勤務しております。)

5年間、本当にありがとうございました。名古屋で仕事ができたことは私の心臓外科医人生の中で大切な宝物となりました。

 

名古屋HC5年間実績名古屋ハートセンターでは5年間で1000例近い心臓手術(含、2013年9月までのもの)を行うことができ、新しい手術や難手術などを学会などで多数発信することができました。これらに大血管手術を入れると最終年は280例近くにまで成長しました。関係の皆様に厚く御礼申し上げます。

右のグラフはその足跡を示します。2013年の9月までも2012年と同様のペースで忙しく手術をこなしていました。

私の志を同病院の仲間たちが引き継いで、ますます発展させてくれると信じています。皆様には長い目で見守って頂けましたら幸いです。


名古屋ハートセンターで米田正始の心臓手術を受けて下さった皆様へ: 絆をいつまでも大切にしたく存じます。何かご心配やお困りの際にはいつでもご連絡ください。

 

記事:

 

1)名古屋ハートセンター心臓血管外科   1年を振り返って

名古屋ハートセンターはおかげさまで昨年10月に開院1周年を迎えました。

1b)1年半時のご報告

名古屋ハートセンターHP に掲載いたしました。赤い帯のところをクリックしてください

1c)3年が経って: パンフレットもあります

 

2)ルーツとしての 豊橋ハートセンター 

3)新たな仲間、岐阜ハートセンター

4)連携施設やお世話になっている施設、地域医療のパートナー(皆様、大変お世話になりありがとうございました)

国立循環器病研究センター、、、

名古屋大学病院、、、

名古屋市立大学病院、、、

藤田保健衛生大学病院、、、

愛知医科大学病院、、、

大和成和病院、、、 Ilm17_da05017-s

名古屋徳洲会総合病院、、、

名古屋医療センター、、、

名城病院、、、

三重ハートセンター、、、

名古屋第二赤十字病院、、、

名古屋市立東部医療センター東市民病院、、、

東海循環器病診連携フォーラム、、、

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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異動のご挨拶 ――― お世話になった医療関係者の皆様へ

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拝啓

先生方にはますますご清祥のことと存じます。平素は一方ならぬご高配を賜り感謝申し上げます。

さて私、京大病院心臓血管外科で教授と診療科長が分離した状態で成人開心術が僅かしかできない現状が長々と続けば多くの患者さんや関係の方々にご迷惑がかかることを考慮し、京大病院側と係争のみならず和解交渉をも行っていました。このほど和解が成立し、9月14日で診療科長に復帰し、同15日付けで京大を退職致しました。ここまでの経過につきましては本サイトの「京大病院心臓血管外科手術の自粛問題」 についてをご参照下さい。

和解内容は上記の診療科長復帰とみずからの意思で退職すること、そして患者の治療や新治療法開発ために日夜尽力し、教室として心臓手術の客観的に良好な成績を上げ、成果・業績を出したこと等を実質的に認めて戴きました

この9ヶ月間、先生方にはご迷惑とご心配をおかけし、あらためてお詫び申し上げます。私自身は一教授よりも一心臓外科医であることが求めるものであると悟りましたので、今回の事件は外科医人生をもう一回分与えられたチャンスと受け止めて、9月16日付けで豊橋ハートセンターと大和成和病院の二箇所を拠点に診療活動を開始いたしました。臨床に精進しながら臨床研究および若手の育成を続けたく存じます。学会活動等でも今後もよろしくご指導戴ければ幸甚です。弁形成術や左室形成術、心房縮小メイズ手術、大動脈や基部再建などの心臓手術はもとより再生医療などでもここまで進めて来た仕事をもう少し進めたく考えております。

先生にはこの9年半の一方ならぬご厚情とご指導に感謝申し上げます。末筆ながら先生のご健勝とご発展を祈ります。

敬具

平成19年9月20日

豊橋ハートセンター心臓血管外科、大和成和病院心臓血管外科
米田正始 拝

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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