2010年1月6日 寒い日にご注意を

Pocket

寒い日が続きます。お正月明けですからあたりまえですが、この寒い季節にはハートセンターのような心臓専門病院は忙しくなります。つまり寒くなると心臓の調子が悪くなるのです。

たとえば狭心症の患者さんでは寒くなるとそれまで安定していた症状が急に悪化し、狭心症が何度も起こったり、運が悪いと心筋梗塞を起こして緊急入院・緊急治療になることもあります。それは寒くなることで全身の動脈が縮こまって血液の流れが悪くなり血圧が急に上がったりしやすくなって心臓への負担が急に増えるからです。また寒さのために心臓に血液を送る冠動脈そのものが縮こまり血液が流れにくくなることもあります。つまり急な寒さは心臓の大敵なのです。琵琶湖西岸の冬景色

同様に、心不全をお持ちの患者さんでも、寒くなると心臓への負担が急に増え、それまでお薬や養生で何とか安定していた心不全が一気に悪くなることがあります。心不全の原因となる弁膜症や心筋症その他の病気でも同じことが起こりやすいため注意が必要です。(写真は心臓外科医の写真紀行記より引用)

昔の人は偉かったと思うことがよくあります。まだ科学技術がそれほど発達せず、医学も医療も未熟であった時代でも、心臓の悪い患者さんをみて、この冬を無事に乗り切ってくれれば良いが、などと普段以上の注意をしたものです。実経験の中には科学が息づいているという一例ですね。

また寒くなると肺や気管支などの空気の通り道が寒さのために傷み、肺炎や気管支炎のもとになります。現代のエアコン社会では暖房のために湿度が下がり、お肌もカサカサ、肺や気管支の表面もカサカサとなって抵抗力は落ちてしまいます。そこへばい菌やウィルスがつけこむと肺炎や気管支炎になりやすくなります。まして心臓がもともと悪い方の場合は二重に肺もやられやすくなります。

そのため冬にはいつも以上の、ちょっとした気遣いが心臓や肺や体を守ります。たとえば急に寒いところに行かないように、トイレは少しあたたくしておくとか、寒いときはポータブルトイレを寝室に置くとか、やむなく外へ出るときは軽くウォームアップしてから出るとか、マスクなしで冷たい空気をいきなり吸わないとか、エアコンをつけるときは加湿器も使うなどですね。それらのケアに加えて、必要なときにはお薬を出してもらえば、効き目も上がるというものです。

そして心配なときは気軽に相談できるようなかかりつけの先生とか主治医をもっておくというのも有効です。私は自分が手術させて戴いた患者さんに、何か困ったことが起こればいつでも病院まで連絡して下さいとお伝えしています。そのおかげで寒い季節でも安全に回復されたことは何度もあります。近くの患者さんでしたら直接病院へ来ていただき、関西、首都圏や九州その他遠方の方はその地域の先生にこちらからもお願いして早期発見・早期治療できるようにしています。

寒い季節を楽しく安全安心で過ごしましょう!

米田正始 拝

ブログのトップページへもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

むくみがある―心不全にご注意を【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月12日

.

むくみはさまざまな病気が原因で起こります。心不全や心臓病がらみの場合は急ぐことが多いです(つまり危険なことがあるわけです)。
あと肝臓(肝硬変その他肝機能不全)や腎臓(腎不全やネフローゼ症候群その他)などが悪い場合も要注意です。悩む時間があれば早目に医師にご相談下さい。

全身がむくむ→まず内科か内分泌内科、腎臓内科などへ

下肢が主にむくむ、息苦しさがある→循環器内科か内科へ、必要なら心臓血管外科に

お腹がむくむ→まず消化器内科か内科へ

目の周りがむくむ→腎臓内科か内科へ

脇の下や太ももの付け根がとくにむくむ→内科へ

下肢がむくむ、妊娠や生理不順とともに→まず産婦人科へ

Heart_dRR
心臓手術や血管手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

症状さくいんへ戻る

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

Q7. 私は80歳近い後期高齢者だし、もう生きる意味があるんでしょうか?【2020年最新版】

Pocket

ilm09_ad26001-s

最終更新日 2020年3月4日

.

こうしたご質問を田舎の患者さんから戴くことがあります。とくに最近「後期高齢者」医療や保険が論じられるため、心臓手術を受けるべきかどうしましょうか、というご質問も増えました。

 

その答えは個々の患者さんの人生観や哲学によってさまざまでしょう。しかし私は「しっかりと生きて」戴きたいと個人的に希望します。

 

たとえばもう寝たきりで、家族もなく、友人もみな他界され、楽しみもない、という状況の方 でしたら、患者さんがそっと皆の待つ天国へ行きたいと希望されれば手術などせずに、苦痛のみ和らげ、その範囲内で一日でも長く快適に生きられる道を探し、またそのお手伝いをするのも良いとfamily02思います。

 

しかしただ年齢がやや高齢というだけで、心臓さえ治せばまた楽しく過ごせる患者さんを手術せず死なせるというのは私は反対です。というのは病気によっては心臓手術によってすっかり元気になり、その後、他の病気がそれほど重くない状況なら数年以上(あるいは10数年以上)、人間らしく過ごせる可能性が高いからです。たとえば狭心症・冠動脈疾患大動脈弁狭窄症胸部大動脈瘤腹部大動脈瘤や症状の強い弁膜症その他ですね。

 

こうした議論は心臓血管外科が高齢者でもかなり救命できるようになった20年以上前から話題になることが増えました。そのとき私の恩師 Tirone E. David デービット先生は次のように言われました。

長年社会貢献をしてくれた人たちに社会は報わねばなりません

 「世の中には、老人はもう役に立たないという理由で老人の医療とくに心臓手術を無駄と言う人もいる。しかしその患者さんが数十年にわたって仕事をし、社会貢献をなし、税金を払って来たという事実をどう考えるのか。」

 

これはその患者さんの現役時代の収入の多少にかかわらず尊い社会貢献という意味であり、女性とくに主婦業の方の場合は一見無収入でも旦那さんやご家族を介しての社会貢献という意味ではやはり尊いものがあるという意味です。

 

年老いて役に立たなくなったからもilm08_cf05008-sう不要だなどという社会は、身体障害者やハンディキャップを負った人たちを排除する社会と同じで、中国の古典・孔子の言うケダモノ社会です。そういう社会になってほしくはありません。

 

もちろん日本の医療を支えるのは日本の経済であり、その日本経済はこれから徐々に低落することが識者から指摘されている現在、医療もまたそれに対応して無駄遣いのない、効果的なものを追求する必要があります。しかしだからと言って、恩人とも言える老人を捨てて良いということにはなりません。

 

日本はいろんな意味で遅れた未発達国家ですが、国民皆保険とくにご老人に対する手厚い支援は世界に誇るべきものです。近年それが崩されつつあることを懸念します。

ilm2007_01_0180-s

ベトナムや中国、タイ、その他の国々で心臓手術させていただくとき、日本の保険制度のありがたさを実感します。アジア諸国では医療費をねん出するために、患者さんがご家族を売るなどもまだあると聞きます。日本で後期高齢者の患者さんを守ることは人間的な社会を守ることでもあるのです。(ご参考:三笠宮さま(96歳)の僧帽弁形成術

 

 ちょっと余談ですが、ベトナムのホーチミン市の病院で弁膜症心房細動の手術をしたときに、関係者から同じ手術でもなぜ先生の手術(強化したメイズ手術)はシンガポールの先生の手術より安価なのですか?と聞かれたことがあります。

haru_0270

それは高価な使い捨て器機を使わずに、術式で工夫して確実に治すからですと答えました。これからの時代にはこうした考え方は大切と思っています。

 

いささか話が大きくなり、かつ余談になってしまいましたが、後期高齢者だから治療を受けないというお考えよりは、皆で人間らしい社会を造ろうという方向で、ご自分もしっかり元気になるように治療を受けるというように考えられるのがよろしいかと思います。

 

なおご高齢の患者さんにつきまして、より医学的観点からのご説明は、この質問集の次のセクション「医学的なこと」のQ4に記載いたしました。また世の中では平均寿命と平均余命が混乱して使われていることがあります。平均余命のページもご参考になるでしょう。

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

よく戴くご質問 へ戻る

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

お便り22 オフポンプ冠動脈バイパス手術の患者さん

Pocket

狭心症・虚血性心疾患の治療には

食事や適度な運動療法、お薬から始まってカテーテル治療(PCI)さらに冠動脈バイパス手術とくにオフポンプ冠動脈バイパス手術であります。

冠動脈の重要部分が狭くなり胸の痛みが強く、あるいは痛みはそれほどではなくても心筋梗塞になりそうなときや命の危険があるときなどにはそうした強力な治療を考えます。

 

日本では手軽なことが受けてPCIが断然多いのですが、

オフポンプ冠動脈バイパス手術にも長所があり、うまく使い分けようというのが識者のご意見です。

 

前者は創も小さく回復も早いのですが、

この数年間多用されるようになった薬剤溶出性ステントは強力なお薬、抗血小板剤という血栓予防のお薬を使わないと心筋梗塞で突然死するケースがまれにあることが判り、

当初は3カ月間だけとか1年間だけという意見もありましたが、

最近は延々と使うケースが多くなりました。

その場合、がんの手術には支障があり得ますし、

たとえば大腸ファイバーでポリープ(がんの前の状態です)をせっかく見つけても普通のようにファイバーで軽く切除できないケースが多く、学会でも問題になり始めています。

もし34b出血すれば止めることが難しいからです。

前立腺がんや乳がんその他でも同様です。

つまり薬剤ステントは手軽で便利ですが新たな病気を抱え込むという一面があります。

必ずしも優しくない治療法という一面があるのです。

 

オフポンプ冠動脈バイパス手術は創は大きいですが、

あまり強力な抗血小板剤を飲まなくても良いですし、

必要なら全然飲まずとも行けますので、スポーツを楽しみたい方や山登りその他怪我をする可能性のある趣味や仕事の患者さんに適した方法です。

最近の欧米の大規模臨床試験(Syntax トライアル)でもしっかり治せる治療法として認識されました。

このSyntaxトライアルの4年後のデータでは、冠動脈バイパス手術を受けた患者さんはステントの患者さんより長生きできることが示されました。

また重症糖尿病慢性腎不全・血液透析などの方にも同様に役立ちます。

この特長はとくに人工の心臓を使わなくて済むオフポンプ冠動脈バイパス手術で際立ちます。

 

将来的には眼科や耳鼻科のように内科外科が融合した総合循環器科の中で個々の患者さんに最も適したものを選んだり組み合わせたり(ハイブリッド治療と呼び欧米では増えています)することが患者中心医療に役立つと思います。

近年、欧米で提唱されているハートチームですね。

こうすることで初めて的確な使い分けができるのです。

 

下記の患者さんは循環器内科の世界的権威である先生から、この人にはオフポンプ冠動脈バイパス手術が適切だよとご紹介頂いた患者さんです。

登山をはじめ、さまざまなスポーツを楽しむ、活発な方です。

手術のあと、安心して仕事やスポーツを楽しんでおられる姿をみて、大変うれしく思います。

 

*********************************

米田先生


私は2009年7月6日に名古屋ハートセンターで米田先生にバイパス手術をして頂きました。
一言感謝の言葉を伝えたくメールしました。
12月27日現在までの経過をお伝えします。


3年前にT病院でバイパス手術しか治療方法は無いと告げられてから、何箇所かの病院の診察を受けました。


T病院で「発作が出たら即、死です」と説明されていましたので不安と恐怖ばかりでした。
頭から離れない不安の生活を続け最後に決断できたのは名古屋ハートセンターでした。
お任せしようと決心してからは迷いは全くなくなりました。

7月3日入院
6日手術
21日退院


退院後で一番不安な時期は9月上旬から中旬の間でした。


寝返りするとき、日常生活の動作の中でいたるところに痛みが現れて、経過が良くないのかと心配が続きました。


その度に「手術後2ヶ月間は痛みがありますから」と米田先生に言われたことを思い出し焦る気持ちを抑えていました。


私独自のリハビリですが入院中は大部屋に移動した翌日から二階のフロアーを開院前後に一日一万歩から二万歩を目標に歩きました。


(我が家は二階が生活ベースなので退院する前に階段を練習したかったのですが病院の階段は段差が大きくてリハビリには無理でした。)


退院後は翌日から近くの天白川沿いを毎朝夕、2時間くらい歩きました。


そして初めての通院8月4日の翌日からスポーツジムに通いはじめました。
(ゆっくり、のんびり2時間くらい)


まだ胸を広げる動作は出来ないのでストレッチや下半身の運動から。エアロバイクでビックリ、手術前の負荷95が60でギブアップ。


それでも週に5日は通い続け(現在は負荷も90)生活の行動範囲も広くなっていきました。
(乗り物に乗り、人ごみに出る練習でこの期間は今までになく映画をたくさん観ました)

 

初めてのハイキング、軽い登山開始は9月26日、岐阜城のある金華山です。

(瞑想の小路を往復)自信を得た私は家族に元気になった姿を見せに上京。たくさんの人が喜んでお祝いをしてくれました。


その後は温泉旅行で元気になれた喜びを感じました。

 

11月には夫の釣りのお供で伊豆大島まで行き三原山を登山したり大島のなかを4日間歩き回ってきました。


その後、曽爾高原ハイキング、鳩吹山を5時間かけて縦走を何度か繰り返し、そして目標だった鈴鹿の鎌ヶ岳を歩いてきました。


回復した実感を掴み嬉しくてなりません。

 

そして12月8日に初スキー、12、13日は御岳で滑り、本格的なスキーも北海道で4日間雪の降り続く中で滑ってきました。


去年までの発作が出たらと思う不安は全くなく、スキーは上達しなくても、マイナス7~8度の寒さの中にいる自分が考えられないくらいでした。もう何でもOKです。


この元気な姿を回りに見せられることがとても幸せです。


心配をかけた人への感謝の気持ちを伝えられたらと思っています。

 

米田先生から紹介して頂いた平光先生は海外スキーも「折角元気になったのだから楽しんできてください」と言ってくれました。


「天にも昇る」そんな気持ちで有頂天になり、早速仲間のオーストリアスキーに参加申込をしました。
来年の1月30日から9日間楽しんできます。

 

入院中に見舞ってくれた友達には「二度とスキーなんかしたくない」と言っていた時から半年も過ぎないうちに「手術したのは去年だったみたい」と勘違いするほどになりました。

 

これ程の元気、幸せ、大切な命を贈ってくださった先生に心から感謝いたします。

米田先生の「祇園ホテル」講演(註:米田正始の患者さんの会のことです)にも参加したいと思っています。

 

私は今回の手術が最高な先生、スタッフ、まわりの人たちの温かい中で行われて今、とても幸せに毎日を送っています。


そしてチョッピリ勇気と頑張った自分を褒めてあげたいと思っています。

 

皆さん本当にありがとうございました。

まとまらないメールです年内に感謝の気持ちを伝えたくてお便りしました。

 

2009年12月27日  ****

患者さんからのお便り・メールへもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

動悸がする―不整脈があるかも、さらにその背景の病気は?【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月11日

.

動悸そのものは心臓の症状ですが、その原因として心臓病やホルモンや婦人科の病気その動悸にご注意を 他いろいろあり得ます。大変苦しいときは要注意です。以下はいざという時にすぐ使えるようにかなり簡略に書きました。どこへ行けば良いか判りにくいときは内科か救急を受診して下さい

.

動悸がする(胸がどきどきする、胸がどきんとする、胸がドーンと来る、胸が躍る感じがするなど)→いずれも不整脈の症状でまず循環器内科へ
動悸と胸痛があれば→まず循環器内科へ

動悸に発熱が加われば→まず内科または循環器内科へ

.

動悸に頭痛や肩こりめまいが加われば→内科や婦人科へ、ついで循環器内科へ

動悸に加えて目が飛び出しておれば→まず内科か内分泌内科へ

.

動悸だけでなく息切れや足のむくみがあれば→循環器内科へ、ついで心臓外科

動悸に加えて顔色が白く悪ければ→まず内科へ

.

Heart_dRR
手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

なお All About に動悸を起こす病気の一覧を載せましたので、こちらもごらん下さい

症状さくいんへ戻る

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

息苦しい―危険な兆候、息ができなくなるとどうなるの?【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月11日

.

息苦しさが強いときは命の危険が迫っていることもあります。すぐに下記の科などを受診されあまり息苦しいときは無理せずにご相談を。健康あっての仕事、健康あっての楽しみです るのが安全です。以下はいざという時にすぐ使えるようにかなり簡略に書きました。どこへ行けば良いか判りにくいときは内科か救急を受診して下さい

.

息苦しい、熱がある→まず呼吸器内科か内科へ

息苦しいし胸が痛い→まず循環器内科か内科へ

.

息切れがする、動くとえらい→まず循環器内科か内科、ついで呼吸器内科、心臓血管外科

胸が重い→まず循環器内科か内科へ

.

胸が苦しい→息苦しいときに準じます

息苦しいし胸がゼーゼーするか咳や痰が多い→まず呼吸器内科か内科、ついで循環器内科へ

息苦しいし、呼吸が速い→まず内科か精神科へ

.

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

 

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

症状さくいんへ戻る

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

胸が痛い: 心臓の悲鳴か、大動脈の悲鳴か、あるいは?【2020年最新版】

Pocket

最終更新日 2020年3月11日

.

胸が痛いとき、とくに強い痛みや5分以上続くときは大きな危険な病気かも知れません。すぐ胸痛は危険なサイン。無理せず遠慮せず! に下記の科などを受診されるのが安全です。以下はいざという時にすぐ使えるようにかなり簡略に書きました。どこへ行けば良いか判りにくいときは内科か救急を受診して下さい。

.

胸が痛い、ずきずき痛い、左胸が痛いとき→まず循環器内科、ついで内科か呼吸器内科へ

.

ナイフで刺すほど胸や背中が痛い→まず循環器内科か心臓血管外科へ

(同時に)胸が苦しい、→まず循環器内科、ついで内科か呼吸器内科か心臓外科へ

(同時に)熱が出る→まず循環器内科か呼吸器内科へ

.

咳をすると胸が痛い、息を吸うと胸が痛い→まず呼吸器内科か内科へ

乳が痛い→まず乳腺科か外科へ

.

胸の浅いところが痛い→まず皮膚科か整形外科へ、ついで内科へ

体を動かすと痛みが強くなる→整形外科へ

お腹へ痛みが移る→消化器内科か外科へ

 .

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちらへどうぞ

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

なお  All About の健康のページに胸痛を伴う病気の一覧をお出ししましたので、ご参照下さい。

症状さくいんへ戻る

.

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

【第七号】 新年おめでとうございます

Pocket

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【第七号】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
           編集・執筆:米田正始
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

明けましておめでとうございます

旧年中はこのブログを読んで戴きありがとうございました。今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は世の中も医療の世界もさまざまなことがありました。政権交代があり、医療についてもとくに医療崩壊について熱い議論がさ れるようになっています。新年早々ですので、なるべく肩の凝る話はしたくないのですが、医療の世界とくに公的病院での税金の無駄遣いに光が当てられるとともに、患者さんや社会を守るための予算を削減されないように皆で努力する必要があります。

福祉や医療のための予算を毎年2200億円ずつ削減されて来たのが昨年、ようやく止めになりました。しかしその打撃から立ち直るにはまだまだ時間がかかりそうで、その間、患者さんを守る必要があります。

医療は、とくに心臓関係は365日24時間体制でなければなりません。ただし現在の医療費・医療体制では完全シフト制を敷くだけの人手は雇えず、職員の献身的ボランティア精神で何とかうまくこなしているのが現状です。たとえばハートセンターでは緊急手術となれば待機メンバーが直ちに病院へ来てくれて当直医と合流し、いつでも必要な手術ができます。

逆にそうした工夫ができない病院では診療拒否とかたらいまわしなどが起こっています。救急車でのたらいまわしなどの目に見える医療崩壊はまだ議論になりやすいのですが、重症患者さんなどをリスクが高いからと手術・治療や検査さえ拒否するような形での医療崩壊は社会から見えにくく、根深い問題です。名古屋で仕事を始めて1年余り、そうした公的病院内での医療崩壊を多数見て来ました。

この不況の時代で明るいニュースはあまりないのですが、これまで私たちが主張してもなかなか議論にもなりにくかった上記の話が「話しになる」状態になっているのは幸いです。

またこれまで医療費亡国論つまり医療費に予算を投入すると日本経済はダメになるという誤解があり、そのために医療費を削って道路工事などに多額のお金を投入するというのが日本の姿でした。しかしそれは誤りであると科学的に証明がされました。

これからの時代は患者さんや市民の皆さんが声を出して問題を解決することも大切かと思います。結局堅苦しいお話になりました。申し訳ありません。

皆さん、今年も真摯にかつ明るく楽しく前向きに進みましょう。

(註:この記事は私のホームページにある心臓外科医の日記ブログから一部抜粋、転載いたしました。日記ブログの方もご覧下さい)

平成22年1月1日 

名古屋ハートセンター心臓血管外科
米田正始 拝

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Copyright (c) 2009 心臓血管情報WEB
http://www.masashikomeda.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

2010年元旦 新年おめでとうございます

Pocket

明けましておめでとうございます

旧年中はこの心臓外科医の日記ブログを読んで戴きありがとうございました。今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年は世の中も医療の世界もさまざまなことがありました。

政権交代があり、医療についてもこれまでの問題点とくに医療崩壊について熱い議論がさあるホテルにて、新年の飾りです れるようになっています。新年早々ですので、なるべく肩の凝る話はしたくないのですが、医療の世界とくに公的病院での税金の無駄遣い(たとえば仕事もしない天下りの人たちへの高給)に光が当てられるとともに、患者さんや社会を守るための予算を削減されないように皆で努力する必要があります。福祉や医療のための予算を毎年2200億円ずつ削減されて来たのが昨年、ようやく止めになりました。しかしその打撃から立ち直るにはまだまだ時間がかかりそうで、その間、患者さんを守る必要があります。

医療は、とくに心臓関係は365日24時間体制でなければなりません。ただし現在の医療費・医療体制では完全シフト制を敷くだけの人手は雇えず、職員の献身的ボランティア精神で何とかうまくこなしているのが現状です。たとえばハートセンターでは緊急手術となれば待機メンバーが直ちに病院へ来てくれて当直医と合流し、いつでも必要な手術ができます。私のような中間管理職?もその時のために病院から歩いて10分(走れば3分!)のところに住んでいます。

逆にそうした工夫ができない病院では診療拒否とかたらいまわしなどが起こっています。救急車でのたらいまわしなどの目に見える医療崩壊はまだ議論になりやすいのですが、重症患者さんなどをリスクが高いからと手術・治療や検査さえ拒否したり遅延させるような形での医療崩壊は社会から見えにくく、根深い問題です。名古屋で仕事を始めて1年余り、そうした公的病院内での医療崩壊を多数見て来ました。

この不況の時代で明るいニュースはあまりないのですが、これまで私たちが主張してもなかなか議論にもなりにくかった上記の話が「話しになる」状態になり、徐々に解決策へと進めそうな雰囲気になっているのは幸いです。またこれまで医療費亡国論つまり医療費に予算を投入すると日本経済はダメになるという誤解があり、そのために医療費を削って道路工事などに多額のお金を投入するというのが日本の姿でした。しかしそれは誤りであると科学的に証明がされました。その話しはまた別の機会にご紹介しますが、とにかく今後の医療や福祉の充実のためには役立つ情報です。

これからの時代は患者さんや市民の皆さんが声を出して問題を解決することも大切かと思います。結局堅苦しいお話になりました。申し訳ありません。

皆さん、今年も真摯にかつ明るく楽しく前向きに進みましょう。

平成22年1月1日 米田正始 拝

 

ブログのトップページへもどる

Heart_dRR
心臓手術のお問い合わせはこちら

pen

患者さんからのお便りのページへ

 

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。

お便り21 僧帽弁形成術の患者さん

Pocket

心臓手術はミスが許されない世界です。

そのため心臓手術の一例目というのは大変な神経を使い、

しつこいぐらい十分な準備と少々のことでは揺らがないチーム態勢を整えて臨む必要があります。

しかしどんな病院でも開設第一例目の患者さんは必ず存在します。

 

2008年10月に名古屋ハートセンターを開設したときにも当然第一例目の心臓手術患者さんがおられました。

僧帽弁閉鎖不全症のため僧帽弁形成術が必要になっておられました。

もち62149b2dろん前もって患者さんにこの病院での第一例目ですということをお話しお許しを得て手術させて戴きました。

この患者さんは二つ返事で手術を承諾して下さいました。

そのご信頼に応えるべく、私たちはできる準備は何でもやるという方針で臨みました。

 

病院オープン直後のことですから、酸素やガスあるいは吸引などの配管の検査も専門家とともに全部自分で確認しましたし、

手術道具から人工心肺の器械まで実地予行演習を行い、手術シュミレーションも何度もこなし、

当日は豊橋ハートセンターからも1.5チーム分の応援部隊に来て戴き、

それこそ今日はいったい何例手術するのと聞かれそうなほどの態勢で臨みました。

 

そのおかげか、手術(僧帽弁形成術)はスムースできれいな結果が得られ、

患者さんは間もなくお元気に退院して行かれました。

必ずうまく行くとお互い信じて手術を行ったわけですが、

今思い出しても勇気と決断力と信頼を患者さんは持っておられたと思います。

 

以下はその患者さんからのお便りです。僧帽弁形成術から1年あまり後の最近、頂きました。

思わずジーンとしてしまいました。

**********************************

米田正始先生

ご無沙汰致しております。

手術から早1年が過ぎました。

先生はじめ皆様に大変お世話になりましてお陰さまで順調に回復しまして感謝いたしております

ありがとうございました。お礼のお手紙遅くなり申し訳ございませんでした。

 

テレビで心臓病の番組を見ていた時、米田先生が出て見えて手術の時にはお願いしたいなと、思っていました。

一度診察して頂ければと思いメールさせていただきました。

その日のうちに先生から返信を頂き、診察をしましょうと、予約を頂き 豊橋ハートセンターへ行きました。

 

やはり凄い、思っていた通りの先生、不安が一変に喜びにかわりました。

 

僧帽弁の逆流で色々検査して頂いた結果手術をすれば体も楽になり2週間位で退院できますと言って下さいました。

直ちにその場で決心しました。

 

先生を信じていた為手術に当たって何一つ不安がなく、当日を迎えました。

名古屋ハートセンター開業第一番の手術となり豊橋ハートセンターからも応援に来て頂き盤石の態勢で手術が行われました。

 

手術の時期が遅くなるに従い状態が悪化し人工弁にせざるを得ない時もあるとの事、早期決断により僧帽弁形成術で済みました、

一番良い時期にして頂いたと今では思っています。

 

大成功でした。先生 看護婦さん また周りの方々皆さん行き届いた配慮で安定した入院生活を過ごせました。

心より感謝致しております。

 

術後胸を切ったにもかかわらず何処も痛まず先生に何で?と 何度も聞いていました。

順調に回復したからだと思います。

退院後 地元の病院に通院する段取りも先生がお忙しい中足を運んでくださいました。

 

坂道を登る時、息切れ すぐに体がだるくなっていたのですが今では苦にならなくなり本当に毎日の生活が楽に成りスムーズに過ごしております、皆様のお陰です。

 

益々のご活躍お祈りいたします。

 

平成21年12月**日 *****

患者さんからのお便り・メールへもどる

Heart_dRR
お問い合わせはこちら

 

 

Pocket

----------------------------------------------------------------------
執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
----------------------------------------------------------------------
当サイトはリンクフリーです。ご自由にお張り下さい。