【第三十号】 天皇陛下のご全快を祈ります

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 【第三十号】
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発行:心臓血管外科情報WEB
http://www.masashikomeda.com
編集・執筆:米田正始
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寒い日が続きますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

心臓血管外科情報WEBの情報が冬の健康生活に多少でもお役にたてば幸い
です。

患者さんへのお知らせのページをごらん下さい。

https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2008/11/post-4fa5.html

です。

さて天皇陛下がこの2月18日に狭心症のため冠動脈バイパス手術を受けら
れることになりました。

狭心症の治療にはその重症度におうじて、お薬やカテーテル治療(PCIや
ステント)さらに外科手術(冠動脈バイパス手術)などがあります。

その患者さんの状態に一番適した治療法を選ぶことが欧米では常識となって
いますし、日米欧のガイドラインでも示されています。

天皇陛下が治療を受けられる東京大学の先生方が的確な治療方針を立てられた
ことに敬意を表したく思います。執刀予定のA先生にも激励のメールをお送り
しました。友人・仲間として大変うれしいことです。

皆様のお役に立てるよう、関連記事を心臓血管外科情報WEBとオール
アバウトに載せました。ご参照ください

心臓血管外科情報WEBでは

https://www.shinzougekashujutsu.com/web/2012/02/emperorcabg.html

オールアバウトでは
http://allabout.co.jp/gm/gc/390317/

です。

春はもうすぐそこまで来ています。皆さん、ご自愛のうえ、お元気で
お過ごしください。

平成24年2月15日

米田正始 拝

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Copyright (c) 2009 心臓血管情報WEB
http://www.masashikomeda.com
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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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天皇陛下が冠動脈バイパス手術を受けられるわけは?

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朝日新聞などの各種報道によれば天皇陛下が2月18日に冠動脈バイパス手術を受けられることになったとのことです。天皇陛下の一日も早いご全快を祈るものです。

 

私のこの心臓血管外科情報WEBにも多数の閲覧があり、報道当日は通常の3倍近い、5700もの閲覧がありました。

また直接、なぜ天皇陛下は冠動脈バイパス手術を受けられるのですか?なぜカテーテル治療(PCI)じゃだめなんですか?とのご質問を戴きました。

 

天皇皇后両陛下。いいお写真ですね。もちろん私は主治医団の一員ではありませんので、周辺状況から推測するだけなのですが、

主治医の先生方はかなり多角的に、陛下の冠動脈や心臓だけでなく、長期間の健康や、以前に受けられた前立腺がんの治療なども総合的に考えられたからではないかと愚考します。

 

カテーテルによる冠動脈形成術(PCI)はメスを使うことなく、冠動脈の狭いところにステントと呼ばれる金属の網の筒を入れるため、患者さんにやさしい治療として広く使われています。

優れた治療法と思います。

 

しかしステントは、現在その多くが薬剤溶出性ステントという、抗がん剤などを表面に塗ったものが多く、患者さんの細胞を寄せ付けない傾向があり、金属がむき出しの状態のままになることがよくあります。

そこでは血栓ができやすく、いったん血栓ができると、冠動脈は血栓で詰まって、患者さんは心筋こうそくとなって死亡します。

こうしたことを防ぐため、強力な血栓予防のお薬、抗血小板剤を長期間にわたって飲む必要があります。

 

その抗血小板剤のため、他臓器の手術や出血しやすい検査がやりにくくなるのです。

Ilm09_dd04001-sたとえば大腸にポリープと呼ばれるきのこ状のできものができると、いずれがんになる可能性があるため内視鏡で切除するのですが、抗血小板剤が入っていると切除は出血の危険性のため消化器内科の先生も二の足を踏むことがしばしばなのです。

あるいはせっかく早期胃がんがみつかっても、あるいは歩けなくなるような背骨の病気が手術で治せるときでも、抗血小板剤が入っていると手術しづらくなるのです。

 

こうしたPCI・ステントの影の部分が最近指摘されることが増えました。

冠動脈バイパス手術のあとなら、こうした問題はほとんどありません。

 

ここで大切なこと、それはPCI・ステントと冠動脈バイパスのどちらが良いかという偏狭な議論をしているのではないということです。

それぞれの特長を活かし、患者さんの状態や年齢・生活・仕事などを勘案してベストのものを選ぶのが良いという意味です。

 

欧米の大規模臨床試験であるSYNTAXトライアル(シンタックストライアル)では冠動脈の病変が複雑な場合、冠動脈バイパス手術のほうが患者さんは長生きできるという結果がでています。

そのため複雑な冠動脈病変の患者さんには欧米では公式ガイドラインでバイパス手術を第一選択として推奨されているのです。

天皇陛下の場合は今後のがん治療のことも考慮して冠動脈バイパスを選択されたものと考えます。

もちろん抗血小板剤が不要で、長期安定性も良いため、公務やスポーツなどものびのびやれるため、というのも理由のひとつでしょう。

■追補: 手術の後の経過が良好で陛下はお元気に公務に戻られたのは皆さんご存じのとおりです。強いお薬や冠動脈血栓症などの心肺なく仕事に打ち込めるのがバイパス手術の特長です。詳細はこちらをどうぞ。

 

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天皇陛下の冠動脈バイパス手術の成功を慶ぶ」のページへ

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All Aboutのページ「天皇陛下が受けられる冠動脈バイパス手術とは」はこちら

 

 

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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腹部大動脈瘤、どんなとき手術やEVARが必要に?

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腹部大動脈瘤は直径5㎝にまで大きくなるか、6か月で5mm以上拡大すると何らかの手術が必要となります。腹痛や圧痛、背部痛あるいは塞栓症状などの症状があるときも同様です。

しかし心臓血管手術の場合、得られるメリットとよく比較検討することが大切です。欧米での腹部大動脈瘤手術の死亡率は2.7-5.8%と報告されています。日本ではもう少し低く1%程度でしょうか。私たちの経験では1%未満で、待機手術ならほぼゼロです。

手術が緊急になったり、高齢、腎不全、肝硬変、心臓や肺の病気などがあると死亡率は高くなります。

その一方、手術のリスクを下げるため、EVAR(ステントグラフト)は開発されました。

.

欧米の主要な学会からのガイドラインは患者の状態に合わせたオーダーメイドな治療を勧めています。たとえば患者さんの年齢、リスクファクター、瘤の構造やサイズ、手術する外科医の経験量などが大切です。

全体としていえることは

.

Person_0133b1.従来型の外科手術は手術が安全に行える若い患者さんによく勧められています

2.EVAR(ステントグラフト)は外科手術が危険でEVARに適した大動脈や瘤の形があるときに勧められます

3.EVARはそれに適した大動脈や瘤をもち、外科手術はそれほど危険ではないが長期間安定できないときに勧められます

 .

私たちの経験では、腹部大動脈瘤は確実に治せる病気になりました。そこで手遅れになることだけは避けて頂きたく考えています。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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元・京都大学医学部教授
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EVARに適した腹部大動脈瘤とは?

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腹部大動脈瘤に対するEVAR(ステントグラフト内挿術)治療は患者さんにやさしい治療法として人気がありますが、EVARに適した腹部大動脈瘤とそうでないものがあります。

この点、その患者さんの瘤の特徴を把握し、もっとも適した治療法を選ぶことが患者さんの安全と安心につながります。

 .

EVARに適した腹部大動脈瘤の特徴とは次のものがあります。

 .

1.中枢側のネックの長さが15mm以上あること。

腎動脈より足側の、正常の腹部大動脈の長さがこれだけあれば、EVARの中枢側はしっかりと固定されるわけです。

このとき、ネック部の大動脈に血栓や強い石灰化がないことが重要です。

 .

2.瘤のサイズ。正しくサイズとくに直径を測定することが大切です。

EVARが小さすぎても大きすぎても問題が起こることがあります。

大きすぎると大動脈ネックが拡張してしまうこともあります。

 .

ここまでの報告では動脈瘤があまり大きすぎるとEVAR(ステントグラフト)の成功率は下がる傾向がみられます。

ヨーロッパのレジストリー(登録)データEUROSTAR registryでは瘤の直径が6.5㎝以上では治療後のさまざまな問題たとえば術後合併症や死亡率あるいは遠隔期の破裂などが増えると報告されています。

 .

3.角度: 身体の縦の線と大動脈のネックか動脈瘤がなす角度が60度以上あるとEVARは入りにくくなったり、折れ曲がったり、漏れたり、あとでグラフトがずれていく恐れがあります。

 .

4.腸骨動脈つまり遠位側の状態: 腹部大動脈瘤の多くは遠位側の大動脈が瘤となっているため腸骨動脈で固定する必要があります。

この腸骨動脈が拡張したり、良い部分が短かったするとEVARは入れづらくなります。

 .

ときに総腸骨動脈が使えず、外腸骨動脈を使う場合がありますが、リークが起こりやすく注意や工夫が必要となります。

 .

5.大腿動脈:EVARは大腿動脈から挿入するために、その直径は8mmは必要です。

大腿動脈が全体的に細かったり石灰化が強いとかなり困難となります。

必要に応じて後腹膜に剥離して腸骨動脈から入れることもあります。

 .

6.アクセサリー腎動脈: 患者さんの30%にアクセサリー腎動脈が見られます。

もしEVARがこれを閉塞させると腎梗塞になります。

 .

7.下腸間膜動脈: 腹部大動脈瘤の患者さんでは下腸間膜動脈がよく閉塞しています。

この場合はEVARを挿入しても問題ありません。

しかし下腸間膜動脈が開存し、かつ上腸間膜動脈に狭窄があれば、EVAR(ステントグラフト)が下腸間膜動脈を閉塞すると腸虚血となり危険です。

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お便り51: 肝硬変と多弁置換再手術を乗り越えた患者さん

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Ilm09_dd05001-s心臓弁膜症では永い間に修復した弁が傷んだり、人工弁それも耐久性を誇る機械弁さえ機能不全に陥ることがあります。弁そのものが大丈夫でもパンヌスと呼ばれる自己組織が伸びて弁の作動を妨げることがあるからです。

さらに長年月の間に心不全やうっ血のため肝臓などの内蔵が壊れることも少なからずあります。あるいは昔の心臓手術の際にC型肝炎となり、その後肝硬変、場合によっては肝臓がんとなっての闘病生活ということさえあります。昔は肝炎の検査法が未完成でC型肝炎などは防ぎづらい病気だったのです。

以下のお手紙の患者さんは昔、九州の大学病院で、僧帽弁と大動脈弁の機械弁による弁置換と、三尖弁形成術を受け、その後、長年お元気にしておられましたが、パンヌスの生成のため大動脈弁が壊れてしまいました。Omm05_ikm001-s

三尖弁も長年の逆流のため劣化が著しく、高度な三尖弁閉鎖不全症となりました。それによる肝臓うっ血と昔の心臓手術の際のC型肝炎のために肝硬変に進行していました。Child分類(チャイルド分類)でB型(つまりかなり悪い状態)の肝硬変は大きな心臓手術とくに再手術に耐えられない恐れもありました。

さまざまな工夫をしててきぱきと大動脈弁を新たな機械弁で取り換え、三尖弁は弁がもはや使えないほど壊れていたため生体弁で弁置換しました。

入念な術前準備、体調管理のおかげで術後はうそのように経過が良く、翌日には集中治療室を無事退室されました。

しかしそれから肝臓の疲労が蓄積し、肝機能が低下し、ふたたび集中治療室で治療が必要となりました。危険な状態がしばらく続きました。それらを乗り切ったあとは次第に元気になられ、退院のときには手を握り、お互い涙が出てしまうほど感動しました。

以下はその患者さんからのお手紙です。ほんとうによく頑張って下さったと今も感慨深いものがあります。

********************

米田正始先生

早いもので、先生方に治療・手術をしていただいてから5ヶ月近く経ち、今日こうして元気に外来できましたことに心から感謝しております。

私も昨年10月26日退院以来、地元の大学病院に通院して治療を続けております。

その間、貧血のため検査入院をし、造血剤の投与などを受け、現在順調に推移しています。

自分自身、病識のなかったことを痛感しており、今後私と同じような状態にある人に対して、名古屋ハートセンターの先駆的な取り組みの素晴らしさや医療技術の高さ等と私の体験を話して、早期の診断・治療を受けるよう勧めていきたいと考えています。

当初の予定では、11月22日に外来診察を受けるところでしたが、前述のとおり、貧血のため検査入院が必要となり、今日の外来となりました。

今日の検査結果を受けて、種々ご指導があるかと思いますが、それに基づいて今後も治療を続けていきたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

先生方は、わたくしたち病者の救いの手であり、希望のひかりであります

何回言っても言い尽くせませんが、本当にありがとうございました。

時節柄、健康には十分留意され、今後の活躍をお祈りいたします。

平成24年1月19日

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お便り50: 大動脈二尖弁と上行大動脈瘤の患者さん

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大動脈二尖弁は100人にひとりの割合で発生する病気です。

本来3枚ある弁尖つまり弁のひらひら動く部分が2枚になっており、弁尖に力が過重にかかり次第に壊れていくことが知られています。

そのままとくに問題なく人生を送られる方も多数あるのですが、次第に弁が壊れて弁膜症として治療が必要になることも多々あります。

この大動脈二尖弁はかつては弁の病気と考えられていましたが、数年前、大動脈の病気でもあることが大動脈壁の遺伝子解析で解明されました。

私たちは以前から大動脈二尖弁の患者さんの大動脈は通常よりかなり弱いと考えていましたので、手術のときにも、このままでは将来瘤(こぶ)になると確信した場合は安全な限り、人工血管で取り換える治療をしてきました。

近年は、この大動脈二尖弁を比較的早期に形成つまり修復すれば、長持ちするというデータを得て、可能な場合に大動脈弁形成を行っています。

P1140323c下記の患者さんは大動脈二尖弁を勉強して私にメールで連絡を取ってこられました。

じっくり相談し、長期的にもっとも患者さんに有利な方法で心臓手術しました。

弁は破壊が強かったため、あえて弁形成せず、生体弁で、かつ将来のもしもの再手術を回避できるよう、カテーテル弁(TAVI)に対応できるかたちで大動脈弁置換を行いました。
また上行大動脈は拡張し薄く弱くなっていたため、これを人工血管で置換(取り換えること)し、かつ将来瘤になる恐れがある近位弓部大動脈にも人工血管を外張りの形で縫い付けるラッピングにて補強・保護しました。

創もミックス法(MICS)にて通常の半分程度の小さい創で手術を完了できました。

将来のさまざまな問題をできるだけ予防し、また対応できるようにしましたが、これも患者さんやご家族とじっくり長期計画を相談できたおかげです。

外来や入院中はこうして質疑応答をし、一緒に考え、大いに語る、これもこれからの医療の大切なポイントと思います。

***********************

米田正始 先生

このたび、先生にお世話になりました
****でございます。

PtLetter50予定通り、先日2日に退院させていただきました。

昨年末、不躾ながら突然メールを差し上げました
ところから、あっという間に入院・手術・退院と今に至り、
この間、夢の中にいたような気持ちでおります。

いままで、他の病院に通院し、手術の時期について
悩んでおりましたことが嘘のようです。

初めて先生にお目にかかった時、何の迷いもなく
すべてお任せする気持ちになりました。

入院中も、回診のたびに先生方に、小さな疑問にも
丁寧にお答えいただき、毎日小さな不安が払しょくされて
いきました。

なかなか、お医者様にくだらない質問をするのは勇気が
いることですが、そんな心配もないほど、親切にしていただきました。

たまたま見つけた先生のWEBサイトから、先生に巡り合え
ましたことを、周りのものが、「神様のお導き」では、なかったかと
申しましたが、本当にそう思います。

先生方には、感謝の気持ちで一杯です。
簡単には言葉にはできません。

それでも、まずはお礼をと思いメール差し上げました。
本当にありがとうございました。

************************

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第二回日本ローカーボ食(糖質制限食)研究会

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第二回日本ローカーボ食研究会(糖質制限食の研究会です)の学術集会がこの2月5日に名古屋で開催されました。

この研究会は昨年2011年に発足し、同年6月に第一回学術集会を開催し、幸い多くの先生方や栄養士さん、コメディカルの方々や食品企業の皆様らのご助力で盛会に終えることができました。

それを受けて今回はさらに内容あるものを目指して開催されました。

IMG_0420b8題の一般演題発表およびディスカッション、そして灰本元先生の教育講演、さらに8題の演者をパネリストとしたパネルディスカッションで賑やかに討論がなされました。その詳細は日本ローカーボ食研究会のホームページをご参照ください。

一般演題ではローカーボ食(糖質制限食)の指導に難渋した症例をいくつかの施設から発表され、苦労と工夫が論じられました(写真は準備中です)。

また効果的で安全な治療法としてのローカーボ食(糖質制限食)をもちいた経験を小早川医院の小早川裕之先生や四日市糖尿病クリニックの東盛亜美先生らが発表されました。

ローカーボ食指導の上での血糖値コントロールの課題を西伊豆病院の野々上智先生が、また同様の課題を不安定ローカーボとして灰本クリニックの篠壁多恵先生が発表されました。

ローカーボ食(糖質制限食)に難渋した症例の経験を中京クリニカルの中村了先生や、名古屋ハートセンターの白戸絵里奈先生・田中舞子先生が発表されました。膵臓の石灰化著明な糖尿病でのローカーボ治療経験を中京クリニカルの前田恵子先生が発表されました。

こうした難渋例や教訓例のご検討は、ローカーボ食(糖質制限食)治療が進化していることを示すものと感じました。

お酒にもダイエットに良いものからそうでないものまでいろいろありますまた前回にひきつづいて、小又接骨医院の村坂克之先生のアルコールの研究のご発表があり、皆の注目を集めました。前回の結果、つまり赤ワインや辛口白ワインは血糖値をほとんど上げないという事実は愛飲家患者さんには朗報だったのですが、今回は純米酒や本醸造酒も良い結果で、今後うまく活かせばより楽しいダイエットが実現できそうな有用情報でした。糖質ゼロや糖質減量ビールもかなり行けるとはありがたい限りのお話しでした。

ちなみに私ども名古屋ハートセンターの症例は、高度肥満と脳梗塞既往のため手術も術後リハビリもままならない重症例に弓部大動脈置換術+大動脈弁置換という大きな手術をローカーボ食(糖質制限食)を効果的にもちいてスムースに乗り切るという、心臓手術や血管手術の新たな補助手段としてのローカーボ食の応用の一例として発表したものでした。同時に、軽快退院後、体重リバウンドと肥満再発・心不全再発で再入院するという、ダイエット指導のむずかしさも示したものでした。皆さまからご教示をいただき、うれしく存じました。

この会の御大である灰本 元先生の教育講演「海外大規模研究から」は糖尿病コントロールの最適レベルはどこにあるかという課題、あるいはそれに関連して糖尿病患者さんに多い低血糖のリスクや心臓死、あるいはがんをどう予防するかという課題など、まさに全人的治療の一環としてのローカーボ食(糖質制限食)治療の位置づけや最適法の探求というスケールの大きな内容でした。

パネルディスカッションでは安井廣迪先生の総合司会のもと、灰本元先生と私、米田正始の司会で進めさせていただきました。

個々の発表の際に論じきれなかったいくつかのポイントをもう少し掘り下げてみました。たとえば大酒のみの代謝はどうなるか、とくにTCAサイクルがアルコールで「占拠」されてメタボになるメカニズムや、脂肪を食べてはいけないと刷り込まれた患者さんをどう教育するか、そもそも脂肪を食べて血中脂肪が下がる理由、ローカーボ食(糖質制限食)がうまく遂行されていることを確認する指標は何がベストか、内蔵脂肪を簡便に計測する器械、などなど、内容ある議論をしていただき、司会者としてうれしく存じました。

これらのご発表や議論はちかぢか、一冊の本として出版予定です。発表者の皆様にはぜひよろしく執筆お願いするとともに、読者の皆様には乞うご期待です。

研究会のあとはローカーボ食(糖質制限食)企業の展示とともに懇親会が行われ、賑やかに歓談のときが持てました。クラシエ薬品の新しいスポーツ飲料、大塚食品のヘルシーなごはん、楽園フーズの新しいパン、サントリーの新しい試み、その他今後が期待される食品が展示試食されました。

新しいヘルスケアを担うこの研究会が多くの方々のご協力でさらに発展することを期待しつつ、第二回研究会を終了しました。みなさん、どうもありがとうございました。次回は半年後になる予定です。よろしくお願い申し上げます。

2012年2月6日

 

米田正始 拝

 

日本ローカーボ食研究会のホームページはこちら

 

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お便り49: 高度の大動脈弁狭窄症で緊急手術した患者さん

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大動脈弁狭窄症は高齢化社会の中で増加している病気のひとつです。

 

動脈硬化と同じことが大動脈弁にも起こり、弁尖が硬くなって開かなくなるのです。

大動脈弁は心臓の出口にある重要な弁で、

これが開かなくなると心臓に負担がかかり過ぎ、

重症になると突然死したり、そうでなくても1年間で半数の方が亡くなる病気です。

 

Ilm2007_01_0798-sしかしこの病気は治せる病気です。

生きているうちにとくに全身の状態がまずまず良いうちにしっかり手術すれば、

すっかり元気になれる病気です。

以下の患者さんはこの大動脈弁狭窄症それも重症の方で危険な状態になって私の外来に来られました。

じっとしていれば一見お元気でも弁がほとんど開かず、少し負担がかかれば状態が急変し、心臓が止まりかねない状態でした。

年末だったのですが、不安な状態で年明けを待つよりもすぐ心臓手術で治すことが安全上有利だったため、御用納めの日に緊急手術しました。

お正月のお祝いは病院でやって下さいとお願いしました。

術後経過は順調でお正月明けには退院され、

楽しみにしておられたお孫さんの結婚式にも十分間に合いました。

というより、結婚式に間に合うように患者さんと一緒に努力しました。

それからこころ温まる、楽しい写真を送って頂いたので、

ぜひこの経験を他の患者さんにも役立つよう手記をお願いしたところ、

次のお手紙を下さいました。

*****************************

「義理母が大手術を乗り越えて」

次に新郎が退出の時間です。その前に新郎が、心臓の大手術を乗り越えられたおばあさまへ感謝のお言葉を贈られます。

PtLetter49b「ばあちゃん、今日は僕たちの結婚式に出席してくれて本当にありがとう!ばあちゃんがたいへんな心臓の手術をしてひょっとしたらこの席には座って貰えないかもと本当に心配していました。でも間違いなくその席ににこやかに笑っていてくれるそれだけで本当にうれしく心から感謝します。みなさま僕のおばあちゃんに大きな拍手をおねがいします。!」

この時ばかりは、拍手のうずの中心にいたのは義理母でした。

2011年12月24日奈良橿原の診療所で米田先生のセカンドオピニオンを母と妹3人で聞いていました。

「母の心臓大動脈弁狭窄症としての病状と数値が良くない、交換弁は、絶対生体弁がいい。」という結果でした。

というのもこの病気で77歳という年齢、しかもいつ突然死が起きても決して不思議ではない数値。

でも母はそんなにしんどがってない、これは母の身体能力が高く日頃から体操やプールに通ってたからこそ平気で生活できていたのでした。

米田先生は、分かりやすくとても丁寧な説明や適格な病状の診断を私たち素人3人にお話しくださいました。

色々説明や日常のお話を聞いて頂いているうちに物腰やさしい米田先生の診断を信じてみようと私も妹も同じ気持ちだったのです。

それよりもっと強くその気持ちを持ったのは、本人の母だったのです。

「米田先生に手術お願いできますか?先生私の手術してください。」と彼女自身が決めてしまったのです。

米田先生は、「12月29日の仕事納めを**さんの手術で仕事納めにさせて頂きましょう。」の一言。

入院日は名古屋今年初めての雪。高速をおりたら一面街は雪景色でした。幸いすべての 検査入院結果のデーターも届けられ無事手術成功!手術した日のみCCU室で次の日にはしっかり意識も回復して出された朝食は全て食べる事ができました。先生や看護師さんたちも驚かれる位驚異の回復力でした。

母は日に日に回復し手術して10日めに退院にこぎつけました。そしてみごと孫の結婚式に十二分に間に合い素敵なばあちゃん!として祝福されたのです。

米田先生の全ての患者さんの側に立つ医療、決して簡単な事ではないと思います。多くの医師や看護師さんたちスタッフの連携と協力、患者を第一に想って頂ける気持ちがひとつになって初めて実現できるもの本当に頭の下がる思いでございます。

心臓に何か不安をお持ちの方には是非名古屋ハートセンターにご一報を!決して私どもはまわし者ではございませんが必ず何か解決の糸口が見いだされる事でしょう。私たちがそうであったように。

本当にありがとうございました。

大阪府***市** ****。

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全国お茶サミット2012

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 2月3日に第16回全国お茶サミットが静岡県島田市で2日間にわたって開催されました。

IMG_0408bこのサミットはお茶の普及やお茶産業の振興のために毎年開催されている、文字通りお茶産業関係者の方々の大きなイベントです。

会長は島田市長の桜井勝郎さん、来賓は静岡県副知事の岩瀬洋一郎さん、農林水産省関東農政局の唐沢武さん、日本茶業中央会理事長の榛村順一さんはじめ、日本のお茶産業の重鎮の方々がずらりと並ばれるものでした。

榛村さんはお茶サミットの生みの親とお聞きしました。

さまざまな展示や講座、闘茶会、緑茶のアロマセラピー、その他のイベントとともにアトラクションと記念講演が企画されました。

私はご縁あってこの会から講演をご依頼いただき、これまで京都大学時代に緑茶ポリフェノールの心臓保護作用を研究した経験や自分自身お茶好きということもあってお引き受けしました。

日本人は毎日の生活の中で「日常茶飯事」という言葉にもあるように、ごく普通にお茶を愛飲していますが、

その医学的メリットについては必ずしも意識されず、お茶の良さも十分には活かされていない感があります。

IMG_0410bそこでまずなぜ心臓外科医の私がお茶のお話をするか、つまりお茶は心臓や全身に良いことから始めました。

 

ついで鎌倉時代から古文書にも記載されるお茶の効用や、生活に溶け込み、

あるいは茶道として芸術の域にまで高められたお茶と健康の歴史を概説しました。

そこで経験的になんとなく体に良いと言われるお茶の医学的科学的メリットを京都大学での実験研究の結果を紹介しながら紹介しました。

緑茶ポリフェノールを前もって飲んでいたラットと飲んでいなかったラットに心筋梗塞をつくり、そのダメージの度合いを調べたところ、

緑茶を飲んでいたラットは心機能、浮腫、組織所見、水分含有量とも緑茶を飲んでいなかったラットより優れていたのです。

お茶に含まれるポリフェノール、カテキン、ビタミンC、ギャバ、βカロチンその他さまざまな物質が健康に良い、そのカギのひとつが抗酸化作用であることを示しました。

抗酸化作用があるとなれば、それは当然、アンチエイジングや美容、がんの予防などにも役立つわけで、そうした効果も紹介しました。

せっかくの機会ですから、心臓病の予防や早期診断、早期治療という観点から、

虚血性心疾患、弁膜症、動脈硬化、大動脈疾患などの注意点を解説しました。

ポイントを知り、危険なサインがでればすぐかかりつけ医や専門医に相談すれば、心臓血管病の多くは治せる、あるいはもっと長く生きられることを示しました。

あわせて緊急の心臓手術や血管手術が必要な状態、ただちに病院へ行くべき状態をお話ししました。

こうしたちょっとした知識をもつことで、いのちが救われることはしばしば経験します。

そういう観点から、放っておくべきでない症状を解説したわけです。

病院へ行くと怖い検査や治療が待っていると考えられる方も少なくないと思います。

そこで苦痛なく冠動脈を調べられるCTや、

仮に手術が必要となっても患者さんにやさしいカテーテル治療、

大動脈瘤へのステントグラフト(EVAR)、

さらに小さい創で社会復帰も早いミックス手術やポートアクセスの心臓手術なども紹介しました。

それらのお話しが終わってから、質疑応答の時間になりました。さまざまな積極的なご質問をいただき、その関心の高さをうれしく思いました。

ご質問のひとつにワインとの比較がありました。赤ワインのポリフェノールは確かに心臓などを守るのですが、それほど効かせようとすればアルコール中毒になりかねない、しかしお茶ならその心配もないことをお話ししますと受けました。

また抗酸化物にいろいろあっても、それぞれ意義があるため、たとえばビタミンCさえ摂っておけばビタミンEやポリフェノールなどは不要かといえば、そうではなく、それぞれ大切であることもお話ししました。

引き続いて「付録」講演としてローカーボ食ダイエットを簡略にご紹介しました。

心臓血管外科の患者さんの治療をする中で、ただ単に手術するだけでは患者さんの長期の健康が守りきれないと思っていました。

もちろん長期間のフォローアップは大切ですし、実践して来ました。

しかしそれだけでは不十分なのです。

それは、心臓手術で心臓が良くなると、患者さんは食欲も増えふっくらと太られることが多々あるからです。

そこまでは良いことですが、そのまま太り続けて生活習慣病やメタボになってしまうとせっかくの心臓手術があだになって新たな病気を造っていることになりかねません。

そこでたまたま春日井市の開業医・灰本元先生と知り合い、

そこで学んだローカーボ食ダイエットが、正しく使えば患者さんたちに大きな恩恵となると思ったわけです。

逆にあやまった使い方では長期的には合併症がおこる可能性があります。

それらをふまえてローカーボ食のやりかたを簡略にお話ししました。

時間の都合でイントロ程度しかお話しできませんでしたが、

多くの方々が健康管理・予防や早期診断早期治療に関心をもって頂ければうれしいことです。

関心がおありの方々は私のホームページ(心臓血管外科情報WEB)や日本ローカーボ食研究会のホームページをご参照頂ければ幸いです。

ともあれお茶サミットの講演は賑やかに閉幕し、私なりにお役に立てたのであれば大変うれしいことです。

お世話になりました島田市お茶がんばる課の戸田さん、当日お世話して下さった中野さん、きれいな司会をして下さったアナウンサーの好本さん、ありがとうございました。

またこの機会を下さった上記の桜井さん、岩瀬さん、唐沢さん、榛村さんはじめ、関係各位に深く感謝申し上げます。

 

平成24年2月4日 米田正始 拝

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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心臓手術、輸血になったらどうしよう??【2020年最新版】

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最終更新日 2020年3月2日

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心臓手術に際してはできるだけ輸血をゼロに近づけるべく努力をしており、私たちの経験でも、C型肝炎などで困る患者さんはほとんど皆無に近くなっています。

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しかしそれでも昔の血液製剤肝炎事件などのトラウマか、輸血を極端に心配される患者さんはおられます。

たしかに20-30年ほど昔は、輸血が5本に達したら肝炎になると言われた時代がありました。

そのため心臓手術そのものよりも輸血を心配されることさえあります。

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しかし現代の心臓手術は、経験豊富なプロフェッショナルチームが行う限り、肝炎の心配は少ないです。

通常の心臓手術では出血は少なく、輸血もあまり必要ありません。

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心臓再手術の場合は、心臓と周囲組織の癒着をはがす必要から、術後じわじわと出血することがかつてはありました。

現代はこうした出血もずいぶん減りました。

図はメスを示します。現代は剥離には止血効果のある特殊メスを使いますので出血も減りました癒着をはがすときに電気メスだけでなくハーモニックメスを多用し、止血確認しながら手術を進めるためです。

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もし必要になっても、日赤の検査に合格した血液のみ用いますから、輸血1本あたり肝炎をもらってしまう確率は10万分の1にも満ちません。

つまりたとえ5本の輸血が必要となっても、肝炎になる確率は万にひとつもないわけです。これは心臓手術の危険性よりさらに一段と低いものです。

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輸血の心配は私たち心臓外科医と心臓手術チームがいたします。

少しでも出血を減らし、少しでも輸血をゼロに近づける。

これが大切で、患者さんやご家族はそれ以上に悩むよりは術後の心臓リハビリなどにエネルギーを使って頂ければと思います。

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しかし輸血をしない心臓手術は理想の医療です。この観点から、医誠会病院心臓外科では積極的に自己血貯血を進めています。3−4回に分けて患者さんの血液を採らせていただくためと、チームで厳重な品質管理を行うため手間がかかりますが、それだけの価値はあります。 →→続きを見る

心臓病によっては自己血貯血が進められないこともあります。外来でご質問いただければと思います。

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