アジア心臓血管胸部外科での雑感

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この3月9日から11日までインドネシアはバリ島で開催されたアジア心臓血管胸部外科学会(ASCVTS)に参加して来ました。

正確にはその前日、3月8日のMitral Conclaveという僧帽弁手術おたくの集まりから参加し、最終日の11日日曜日を待たずに10日夜に帰国の途につきました。何しろ12日月曜日には駆出率17%(つまり正常の4分の1のパワー)の重症患者さんが心臓手術を待ってくれていますので。

今回は畏友・Hakim先生(インドネシア国立循環器センター)が会長で、以前から楽しみにしていたものでした。その前日のMitral ConclaveもあのDavid Adams先生とHakim先生のふたりで、アジアとアメリカのそれぞれの胸部外科学会が共同で開催する、なかなかのものでした。

Mitral Conclaveでは最近の弁膜症ブームの中で昨年も同じ趣旨の会がAdams先生を中心にアメリカで行われたばかりで、それほど目新しいものはありませんでした。しかし随所に着実な進歩がみられたこと、またアジアとの共催を意識して、アジアに多いリウマチ性僧帽弁膜症に対する僧帽弁形成術が主要トピックスのひとつになっていたのはアジアの一員としてうれしいことでした。

タイの畏友Taweesak先生が相変わらず元気に僧帽弁形成術のビデオを披露し、楽しく議論できました。この道の大先輩、インドのKumar先生の僧帽弁をきれいに削る技はさすがでした。ベトナムの友人Phan先生は大御所であるパリのCarpentier先生譲りの弁形成を発表しておられ、リウマチ性の弁形成では世界のトップという貫禄を感じました。あとで楽しく密談し勉強できました。名古屋でもリウマチ性弁形成が増えてきたことを話すると喜んでくれました。

かつて弁形成がきわめて難しかったリウマチ性僧帽弁閉鎖不全症や僧帽弁狭窄症がさまざまな手法を駆使して形成できるようになったのは数年前からですが、その長期成績が次第に安定し始めており、まだまだ多いリウマチ性僧帽弁膜症の患者さんにとって朗報です。

さらにそうした技術がその他の僧帽弁膜症たとえば、僧帽弁形成術後の弁膜症再発に対する再手術のときに役立っています。実際、これまで人工弁を入れていたようなケースや、どこかで弁形成がうまく行かなかったというやり直しのケースでも弁形成が完遂できることが増え、自分でもこの数年間の進歩、以前との大きな差を実感しています。

数年前に弁置換した患者さんに対して、当時としては先端的な手術をしていたとはいえ、申し訳なく思うほどです。

このConclaveでは低侵襲心臓手術MICS(ポートアクセス法など)も話題として取り上げられました。四津良平先生がライフワークであるポートアクセスでの経験を、ライプチヒのMohr先生のループ法とともに紹介されました。MICS好きの私としてはもっと時間をとっていろいろ議論したかったのですが、それは後のコーヒータイムまでおあずけでした。

しかしこうした複雑弁形成をMICSで行っている施設はまだあまりないようで、安全第一の観点からはそれで良いのですが、それぞれのノウハウの蓄積とレベルの向上で、いずれMICSでの複雑弁形成が専門施設ではルーチンになるものと感じました。

このMitral Conclaveと並行して、看護師さんの研究会が一日行われており、大変良いことと思いました。医師だけでなく、看護師さんも国際交流して自分たちの弱点を知り逆に貢献もするよろこびを知って頂くと面白い展開になると思いました。

 

翌日の3月9日からアジア心臓血管胸部外科学会ASCVTSが始まりました。

Hakim先生から朝7時までにおいでと勧められたので、睡眠不足の中を6時起きして開会式に参加しました。

インドネシアの厚生大臣が開会宣言のドラを鳴らしているところです

この厚生大臣は学会の最初のセッション、心臓血管胸部外科の将来やそれを担う教育の話をきちんと聴いてから挨拶をして退席されたのは立派でした。

アジア心臓血管胸部外科学会そのものは、例年どおり、成人心臓、先天性つまりこどもの心臓、そして肺などの外科の3部門が平行で行われました。肺移植の伊達洋至先生とも再会できてうれしく思いました。

この学会全体を通じて感じたことは、弁膜症に対する関心がさらに強まったこと、とくに弁形成が学会の主要なトピックスになっていること、低侵襲心臓手術MICS(ポートアクセス法など)がさらに進化しつつあること、カテーテルによる大動脈弁置換術いわゆるTAVIがさらに入りつつあること、大動脈外科でもその流れのなかでEVAR・TEVARつまりステントグラフトが一層洗練されつつあること、冠動脈バイパス手術は数を減らしながらも、その特長を示し、ハートチームで適切な選択をしようとする流れがさらに強まっていること、つまり内科外科の連携をもっと強化しようという動きなどなどを感じました

アメリカのMichel Mack先生やCraig Smith先生の心臓外科の展望、Bavaria先生のハイブリッド手術室の解説、Damiano先生のメイズ手術の展開なども参考になりました。

中国でダビンチ・ロボットが心臓外科でも多用されつつあることをGao先生の講演で知り、刺激を受けました。

私は一日目の僧帽弁形成術のシンポジウムで、機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する新しい手術(Bileaflet Optimization、両弁尖形成術)を発表しました。昨年のフィラデルフィアでのMitral Conclaveで発表したころより数も増え、その応用範囲も広がり、皆さんからありがたいコメントを頂きました。来年のシンポジウムへ招待してくれた先生も複数あり、うれしいことでした。京大病院時代から皆の協力で進めて来た術式がかなり完成度を上げて、いまやケースによっては左房を開けず、僧帽弁輪形成術MAPさえ無しでできるとか、乳頭筋吊り上げの糸で行う左室形成術という視点が受けました。大変光栄なことであるとともに、現在の仲間や京大時代に仲間に感謝する一日でした。

二日目には大動脈のシンポジウムで恩師デービッド先生のデービッド手術つまり自己弁を温存する大動脈基部再建手術の難症例をいくつかビデオで示し、その対策を披露しました。同時に大動脈炎に対するデービッド手術が患者さんに福音となる可能性を論じました。この領域の世界的権威であるペンシルバニアのBavaria先生がこれは良い手術だやるべきだ!と言ってくれたのは光栄な限りでした。ちなみに現在は天理病院の院長となられた上田裕一先生とスペインのMestres先生らが座長で、シンポジストには大北裕先生もおられ、私にはアットホームな雰囲気でした。あとで良いコメントを頂き、感謝の塊になっていました。

バリ島と言えば、美しい夕陽や見事な棚田、寺院その他さまざまな魅力があり、しかも素晴らしいゴルフ場もありますが、今回は私の要領が悪く、そのいずれも参加できず残念でした。

まあたまには勉強三昧も良いかとわかったようなことを思いながら、皆と楽しく過ごせた4日間でした。

お世話になった会長のHakim先生と奥様に深謝と学会成功のお祝いを申し上げます。

 

平成24年3月11日

帰国直後、大震災の被災者の方々に黙とうをささげつつ

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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冠動脈バイパス手術のふしぎな力【2025年最新版】

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最終更新日 2025年1月2日

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◼️天皇陛下のご選択

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天皇陛下(現在の上皇陛下)が冠動脈バイパス手術を受けられてから、この心臓手術は存在を認められ、国民的支持を頂いたような雰囲気があります。

それでは冠動脈バイパス手術はなぜ選ばれたのでしょうか。あるいはなぜ優れているのでしょうか。

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まず冠動脈バイパス手術にもちいる内胸動脈という血管が優秀であることが挙げられます。

この血管は動脈硬化がほとんど起こりません。冠動脈よりも血管年齢が若いとも言えます。つまり冠動脈バイパス手術によってその心臓は多少とも若返るわけです。

これは悪くなった冠動脈を力で広げてそこへ金属の筒を入れるステント治療よりはるかにバイオなわけです。

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◼️内胸動脈なぜ若い?

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ではなぜ内胸動脈はそれほど「若い」のでしょうか。その理由はまだ不明なところもありますが、いくつか解明されています。

Haru_0155ひとつには、プロスタグランディンEという活性物質・ホルモンを自ら造るちからがあり、このために動脈が老化しにくく、血栓もできにくいのです。

またNO(エヌ・オー、一酸化窒素)という物質も造るため、血管がリラックスし、良い状態が続きやすいのです。

内胸動脈の内側の表面にある細胞(内皮細胞)はそれ以外の、血管を守るちからも持っています。

神が与えた血管と言われるゆえんです。

内胸動脈でバイパスをつけた冠動脈の下流には動脈硬化が起こりにくいという意見もあります。

つまりその冠動脈全体にわたって何らかの保護効果があり得るのです。

SYNTAX_logo

 

こうした効果のおかげで、冠動脈バイパス手術を受けた患者さんはステントの患者さんよりも長生きできることが欧米の大規模臨床試験(シンタックストライアル試験と言います)で示されています。

これは冠動脈の病気が複雑なタイプの場合で、なるほど、実感と一致すると私たちは感心しました。

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胃01b

◼️バイパス手術のもう一つの利点

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また同じ理由で冠動脈バイパス手術のあとは、強いお薬が要りません。

とくに抗血小板剤のプラビックスやパナルジンなどが不要となります。

バイパスピリンさえ必要あらば止めることができます。

 

このおかげで、早期がんの生検や手術、あるいは背骨の手術など、中高年の患者さんによく必要となる検査や治療が、バイパス手術のあとは問題なく行えるのです。

前立腺がんを治療された陛下にとっては、つよいお薬の不要なバイパス手術は一段とお役に立てる治療法だったものと思います。

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◼️他にもあるバイパス手術の利点

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それ以外にも、冠動脈の入口が通常は2つしかないのに、冠動脈バイパス手術によって2-5つも入口が増えて、さまざまな角度から血液が行き、余裕が生じるという説もあります。

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また内胸動脈や胃大網動脈は、「時間差攻撃」の力もあります。

つまり血圧のピークが大動脈よりも遅れるため、心臓がリラックスする拡張期の圧が内胸動脈では高くなるのです。

拡張期こそ、冠動脈に血液が良く流れる時期ですから、この効果は大きいのです。

Trp1006-sクルマのエンジンに例えれば、ターボを付けて性能をアップしたような印象です。

それやこれやで、冠動脈バイパスはカテーテルによるPCI治療、ステントとは違う利点をもつのです。

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◼️バイパス手術だけが良いというわけではなく

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ただし誤解のないように申し上げれば、私はどちらが良いとか悪いとかを論じているのではありません。

それぞれ使い道があるのです。

適材適所でこそ、威力を真に発揮するのです。

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Ilm20_ae04023-sたとえば冠動脈の病気がシンプルな場合はPCI・ステントが良い場合が多く、冠動脈が複雑に壊れているときには冠動脈バイパス手術が威力を発揮します。

このことは、重症の糖尿病や、慢性腎不全・血液透析の患者さんではいっそう顕著です。

 .

それを裏付けるように、透析30年の患者さんでも、その内胸動脈はきれいでやわらかかったのを覚えています。

ちなみにそれらの患者さんたちの冠動脈は硬化のためガチガチのボロボロでした。

その血管を守るためにも内胸動脈は役立っているでしょう。

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こうした利点をもつ冠動脈バイパスがステントとうまい使い分けのもと、天皇陛下をはじめ多数の患者さんのいのちと健康を末永く守ってくれることを期待しています。

 

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事例: 腹部大動脈瘤に安全のため通常手術を行ったケース

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腹部大動脈瘤の治療では、ややご高齢で全身の体力もそれほどない患者さんではなるべくステントグラフト(EVAR)が低侵襲ゆえ望ましいものです。

もちろん瘤の形や状態がEVARに適していることが条件です。

もしEVARで無理をして瘤が治らず、そのまま破裂すると、外科手術で腹部大動脈瘤の成績がきわめて良好な今日、大きな悔いを残すことになってしまいます。

そこでEVARに無理があるとき、効果が不十分と思われるときには外科手術を前向きに考えることがあります。

 

術前CT患者さんは76歳女性で

6年前に狭心症に対してカテーテル治療PCIを受けておられます。

またCKD(慢性腎機能障害)があります。

 

以前から指摘されていた腹部大動脈瘤が直径5cmを 術前CT側面超え、

瘤の拡張速度も速いため、治療することになりました。

ただし狭心症が再発していたこと、そして冠動脈の状態がカテーテル治療PCIに不向きなことから、オフポンプバイパス手術を行いました。

3本のバイパスグラフトはすべて開存で、患者さんは元気になられました。

そこで腹部大動脈瘤の治療をということになりました。

できればステントグラフトEVARでと考えていましたが、

両側腸骨動脈の状態が悪く、蛇行と石灰化そして狭窄が見られます。

ステントグラフトを下肢の動脈から届けることができない所見でした。

術後CT側面 術後CT正面そこで開腹し、瘤の部分を人工血管で取り換えました。

術後経過は順調で、人工血管は良い状態で安定し、

患者さんはまもなくお元気に退院されました。

術後1年が経ちましたが経過はおおむね良好で安定しておられます。

開腹手術といえども、創はなるべく小さくして患者さんの苦痛が少なくなるようにしました。

こうした患者さん個々の状態を考えてベストの治療を選ぶことが大切と考えています。

 

メモ: 最近の医療界では、大動脈に限らず、どの治療でも、それが「やれるからやる」というレベルを脱却して「患者さんに良いからやる」というレベルが求められるようになりました。

さらに申し上げれば「患者さんにベストだからやる」と科学的データにもとづいて判断するのが正しいと言えましょう。

 

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腹部大動脈瘤の治療ガイドライン

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Ilm19_ca06026-s腹部大動脈瘤はある程度の大きさになると急に破れやすくなる病気です。

いったん破れてしまうと病院にたどり着くまでに死亡したり、到着しても全身状態が悪化して手術の成績は極めて不良です。

その一方、状態が良いうちにゆうゆうと手術すれば死亡率はほぼゼロまで良くなっています。

こうした状況を考えてガイドラインが作られています。手遅れにならぬように、しかしまだ不要な手術や治療を避けられるように。

 

日本循環器学会のガイドライン、非破裂腹部大動脈瘤手術適応から、抜粋要約します

 

図1bクラスI つまり手術を強く勧められるのは

男性で瘤の最大横径>5.5㎝

女性で瘤の最大横径>5㎝

 

クラスIIa つまり手術を勧められるのは

最大横径>5㎝ か瘤の拡張速度>5mm/6か月か

腹痛・腰痛。背部痛などの有症状あるいは

感染性動脈瘤

 

クラスIIb つまり手術はケースバイケース、よく検討してから、は

最大横径4-5cmで

手術危険度が少なく生命予後が見込める患者で、経過観察のできない患者

 

詳しくは日本循環器学会のホームページなどをご参照ください。

およそ5cmを超えれば注意し、専門家と相談することが安全でしょう。

 

メモ: 腹部大動脈瘤が上記のように大きくなり手術が必要な場合にも、現在は従来型の手術と、お腹を切らずに行えるステントグラフト(略称EVAR)があります。

さらに、手術の場合でも皮膚を小さく切り、苦痛が少なくてすむ方法が使えます。

そこで創よりもいのちを優先することが患者さんにとって、やりやすくなりました。

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事例:胸部大動脈瘤へのハイブリッドのステントグラフト

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胸部大動脈瘤の中には単純な一か所の瘤から、複数のあるいは広範囲の瘤もあり、その患者さんに応じたベストな治療法、手術法が大切です。

心臓血管手術のなかでもやや大きめのものになりますので、十分な考察と戦略が求められます。

近年のステントグラフト(略称EVAR、胸部の場合はTEVAR)はこうした治療にも役立つことが多くあります。

ステントグラフト単独で、あるいは心臓血管手術と併用(いわゆるハイブリッド治療)で、あるいは手術単独で、などの中からその患者さんにとってベストのものを選ぶ時代になりました。

 

患者さんは79歳男性で、高血圧症をはじめ、さまざまな生活習慣病をお持ちでした。

術前CT弓部大動脈瘤と下行大動脈瘤のため手術が必要という判断になりましたが、近くの病院の小さいチームでは不安と私の外来へ来られました。

たしかに弓部大動脈瘤が大きくなり、瘤が二段になって危険な所見でしたし、下行大動脈瘤も長くは無視できない状態でした。さらに腹部にも小さい大動脈瘤がありました。

かつてはこうした瘤は、患者さんの年齢や体力などを考慮して、必要なら一気に全部を人工血管で置き換えるなどして治したものですが、患者さんの体への負担は少なくありません。

とくに79歳の比較的ご高齢の患者さんではその負担は無視できません。

そこでまず弓部大動脈全置換術を前からのアプローチで行いました。

術後CTこれはすでに確立した安全な方法、選択的脳灌流という方法をもちいて、脳を守っている間に下行大動脈に人工血管をつなぎ、全身の血流再開ののち、上行大動脈を人工血管でつなぎ、最後に弓部大動脈3分枝を上記の人工血管と連結すれば完成です。

これによって25℃程度の中等度の低体温で手術ができ、止血にもあまり時間がかからず、体への負担も小さくすみました。

もう少し体温を上げれば、さらにスピードアップが図れるのですが、選択的脳灌流の最中の脊髄保護を確実にするために、私たちはあまり温度を上げ過ぎないようにしています。

そのおかげか、手術で脊髄などがやられたことはありません。

術後経過は順調で、術後2週間を待たずに元気に退院されました。

EVAR後術後3か月経って安定したところで、こんどはステントグラフトで下行大動脈から2つめの瘤、さらに上記の手術でつけた人工血管までをすべて内張りをつけるように治しました。

こうすることで創を一か所にとどめ、出血や苦痛もより少ない状態で手術が完成しました。

手術からまる2年がたち、お元気に暮らしておられます。

腹部にも大動脈瘤ができており、現在直径44mmのため経過観察しています。

将来必要が生じればそれもなるべくステントグラフトEVARで治したく思っています。

 

高齢化社会を迎えて、広範囲の胸部大動脈瘤も増える傾向にあります。

ステントグラフトのうまい活用で、こうした患者さんの心臓血管手術成功率を上げ、さらに体の負担を減らすことでより早い社会復帰を促すように工夫しています。

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胸部大動脈瘤の治療ガイドライン

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胸部大動脈瘤はその部位によって心臓や脳、脊髄、腹部内蔵、などの重要臓器と関連するため、心臓血管手術の中でも昔から大きな手術として扱われて来ました。

近年は専門チームでの手術成績が格段に良くなり、病気の性質上、破れてしまうと手遅れになることが多いためもあって、やや早めに手術する方向にあります。

それだけに確実に、安全に治す必要があるとともに、今後破れる恐れの高い状態をより正確に把握し判断する努力も大切です。

日本循環器学会の胸部大動脈瘤における治療の適応ガイドラインはこうした意味でもお役に立つでしょう。以下、ガイドラインからの抜粋、要約です。

 

クラスI つまり強くお勧めできる治療法は

最大短径6cm以上に対する心臓血管手術

 

クラスIIa つまりお勧めできる治療法は

最大短径5-6cmで、痛みのある胸部・胸腹部大動脈瘤に対する心臓血管手術

最大短径5cm未満、症状なし、COPDなし、マルファン症候群を除く、の胸部あるいは胸腹部大動脈瘤に対する内科治療つまり点滴やお薬による治療

 

このように基本的に最大短径6cm以上か、それ以下でも症状があるときに手術となるわけです。

Ao Sac aneu
なおこのガイドラインには、マルファン症候群やのう状瘤を除く、と明記されています。

写真右は嚢状瘤の一例です。

マルファン症候群やのう状瘤つまりポコッと局所的に膨らむ瘤では6cmより小さい瘤でも破裂することが知られています。

そこでもう少し小さい段階でも心臓血管手術を行うことがあるわけです。

実際、直径5cmあまりの上行大動脈瘤をもつマルファン症候群の患者さんを定期健診していたところ、ある日突然A型解離を発生され、緊急手術でお助けした経験が昔、10年以上前にありました。

直径5cm程度でも解離が起こる恐れがあるため、もし強い胸痛発作がおこればすぐ病院へ来て下さいと平素から打ち合わせをしていたのが役立ちました。

その場合、当時の大学病院では緊急対応しづらいことも考え、近くの民間施設においでと伝えておいたのが功を奏し、ただちにその病院で合流し、緊急手術、軽快退院されました。

やはり備えあれば憂いなしですね。

 

またステントグラフト(EVAR)をもちいた治療も進化を続けています。

胸部大動脈瘤のなかでも下行大動脈瘤ではEVARは活躍の方向にあり、それ以外の弓部大動脈瘤などでもこれまでの手術が危険すぎるときなどに、弓部血管バイパス術と併用してEVARを行うこともあります。

今後が期待される領域でしょう。

 

これからもガイドラインをきちんと守って早め早めに対策を立てるのが良いでしょう。

 

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事例: 慢性大動脈解離への自己弁温存式大動脈基部再建手術(デービッド手術)

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慢性大動脈解離つまり大動脈解離のあと、手術を受けても月日が経って、手術以外の部位が膨らんで瘤(大動脈瘤)になることがあります。

いくつかのパタンがありますが、いずれにせよ、瘤が破れれば死亡しますし、そうでなくとも、場所によっては大動脈弁が瘤の影響を受けて弁膜症さえ合併することがあります。

つぎの心臓手術の事例はそうした慢性大動脈解離のケースです。

胸部XP
患者さんは51歳男性で、8年前、急性大動脈解離のため、近くの病院で上行大動脈置換術を受けられました。

それからはお元気に生活しておられましたが、徐々に大動脈基部つまり大動脈の一番根本の部分が拡張し瘤になったためハートセンターの米田外来へ来院されました。

胸部X線写真(右写真)ではかつての解離の跡かたで弓部大動脈大動脈がやや突出して見えましたが他には異常所見ありませんでした。

PreopCT2造影CT(左写真)にて以前手術を受けられた部位つまり上行大動脈は人工血管で安定していましたが、その根本の、大動脈基部とくにバルサルバ洞と呼ばれるふくらみ部分が直径60mmと異常に拡大し、破れそうになっていました。

さらにその基部の拡張のため、そこに付いている大動脈弁が閉じられなくなり、大動脈遮閉鎖不全症つまり逆流が発生し始めていました。

そこでガイドラインに沿って、瘤の破裂や弁膜症を防ぐため手術をすることになりました。

手術では以前の手術で人工血管が使われているため、その人工血管と周囲の組織との癒着が強く、そのままでは心臓や大動脈の中に入れないため、丁寧に剥離を進めました。あとで出血しやすい状況のため、入念に止血しながら進めました。

AvalveOKそして体外循環という、一種の人工心臓を回して安全確保ののち、心臓を止めて、大動脈と心臓の中に入りました。

まだ51歳とお若いご年齢のため、人工弁をもちいるベントール手術ではなく、患者さんご自身の大動脈弁を温存・修復してきれいな形にまとめつつ、大動脈を人工血管でとりかえるデービッド手術を行いました(写真右)。

米田の恩師・デービッド先生に直伝して戴いた方法にその後の磨きをかけた方法で手術を進めました。

PostOpCT無事、人工血管の中に患者さんの大動脈弁が入り、逆流なくきれいに開閉し、かつ左右冠動脈の根本部分も人工血管につないで修復は完成しました。

術後のCTでは大動脈基部はきれいに安定し、もはや破れる心配は消えました。大動脈弁の逆流も解消し、心機能も良好でした(写真左)。

手術後10日でお元気に退院されました。

術後まる2年が経ちましたがお元気に定期健診のため外来へ来られます。

この手術のおかげで、ワーファリンは無しで、かつ長期間の安定が期待でき、再手術の見込みはかなり低いと考えられます。

つまり機械弁をもちいたベントール手術では大動脈基部の安定は図れても、ワーファリンが一生必要ですし、生体弁をもちいたベントール手術では基部の安定やワーファリン無しはできても、10年あまり後に再手術が必要となります。

やはり親からもらった自然の弁を活かしつつ、大動脈のみ人工血管に代える手術が望ましいわけです。

今は外来に定期健診にてお元気な顔を拝見するのが楽しみなこのごろです。

 

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慢性大動脈解離の治療ガイドライン

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大動脈解離つまり大動脈の壁が内外に裂けて血液がその隙間に流れ込む病気では、タイプによって緊急手術しなければまもなく死亡することが多くあります。

いわゆる急性大動脈解離のA型と呼ばれる、主に上行大動脈が解離で壊れるときですね。

その一 Aortic Dissect方、B型といわれる、下行大動脈が解離する病気では通常手術ではなく、点滴やお薬で治します。

 

しかしいずれの場合でも、その後時間が経って、解離した大動脈や手術した以外の部位 の大動脈が膨らんできて破れそうになれば、つまり慢性大動脈解離の状態になれば手術が必要がことがあります。

 

以下はその慢性の大動脈解離の患者さんのための治療ガイドライン(抜粋・要約)です。

 

◆大動脈解離における亜急性期および慢性期治療の適応

 

クラスI つまりつよくお勧めできる場合は

 

大動脈の破裂、大動脈径の急速な拡大(6か月間で5mmを超える)にたいする心臓血管手術

大動脈径の拡大(60mm以上)をもつ大動脈解離例に対する心臓血管手術

そのいっぽう、大動脈の最大径50mm未満で合併症や急速な拡大のない大動脈解離には内科治療(つまり点滴やお薬など)が強く勧められます

 

クラスIIa つまりお勧めできるのは

 

お薬によりコントロールできない高血圧をもつ偽腔開存型大動脈解離に対する心臓血管手術

大動脈最大径55-60mmの大動脈解離に対する心臓血管手術

大動脈最大径50mm以上のマルファン症候群に合併した大動脈解離に対する心臓血管手術

 

クラスIIb つまりお勧めできるかどうかは微妙、ケースバイケースなのは

大動脈最大径50-55mmの大動脈解離に対する心臓血管手術

 

詳細は日本循環器学会のホームページなどのガイドラインの項をご参照ください

 

定期検診(健診)は大切ですなおステントグラフト(略称EVAR)は複雑に偽腔(解離腔)が入り込む慢性解離には使えないことが多いです。また大動脈基部などにも使えません。将来の展開は期待されますが。

 

ともあれ大動脈解離は急性期を無事乗り切ってお元気になられたあとも、定期健診を受けて、安全を確保することが安全上必要な病気です。

ゆめゆめ油断されることのないように、お願いします。

 

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急性大動脈解離の治療ガイドライン

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急性大動脈解離、つまり大動脈の壁が急に内外に裂ける病気はタイプによっては急速に死に至る大変な病気です。

しかし現代の心臓血管外科・循環器内科・救急救命科の水準は高くなり、熟練したチームなら急性大動脈解離の大半を救命できるようになりました。

 

そこでもガイドラインが活躍しています。

日本循環器学会のガイドラインは、大動脈疾患のエキスパートが多数集まって、十分な検討のうえで作成された指針です。

これを踏まえることで、個々の患者さんやその病院の特徴を加味して正しい治療法が選択しやすくなっています。

 

◆スタンフォードA型急性大動脈解離の治療ガイドライン(抜粋要約)

SUtypeAdissectクラスI つまり強くお勧めできる治療は

偽腔が開存しているときの緊急の心臓血管手術

偽腔の破裂、再解離、心タンポナーデ、脳循環障害、大動脈弁閉鎖不全症、心筋梗塞、腸管虚血、四肢血栓塞栓症などがあるときの心臓血管手術

 

クラスIIa つまりお勧めできる治療は

血圧コントロール、疼痛に対する薬物治療に抵抗性のときの心臓血管手術

 

◆スタンフォードB型急性大動脈解離の治療ガイドライン(抜粋要約)

SUtypeBdissectクラスI つまり強くお勧めできる治療は

合併症のない偽腔開存型および偽腔閉塞B型解離に対する内科治療

偽腔の破裂、再解離、心タンポナーデ、脳循環障害、大動脈弁閉鎖不全症、心筋梗塞、腸管虚血、四肢血栓塞栓症などの場合の心臓血管手術

 

クラスIIa つまりお勧めできる治療は

血圧コントロール、疼痛に対する薬物治療に抵抗性の大動脈解離に対する心臓血管手術

血圧コントロールに対する薬物治療に抵抗性の大動脈解離に対する内科治療

 

詳細はガイドラインをご参照ください。日本循環器学会HPなどで見ることができます。

 

急性大動脈解離のA型は最初の2日間に半分の患者さんが亡くなる恐ろしい病気で心臓血管手術が緊急で必要ですし、B型も通常は内科治療つまり点滴やお薬で行けますが、心臓血管手術が必要となることがあるわけです。

Ilm22_ba01054-sなおステントグラフト(略称EVAR)は前もって人工血管をデザインし作成する必要から、現時点では緊急手術が多い急性大動脈解離には使えないことが多いです。

 

ともあれ、大動脈解離と言われれば至急、経験豊かなエキスパートに相談するのが理想的でしょう。

 

メモ: かつて急性大動脈解離の患者さんが、やや時間が経ってから病院へ来られ、緊急手術の準備中に死亡されたことがあります。

あと1時間早く来て下されば救命できたのに、という悔いが残っています。

こうしたことが起こらないように、強烈な胸痛や背部痛が突然起こればすぐ病院へ行きましょう。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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腹部大動脈瘤―切るべきか待つべきか。EVARの時代に

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腹部大動脈瘤の治療のなかで、外科手術またはEVAR(ステントグラフト)か、あるいは待つのが良いかを迷う方がおられます。

図1b大切なことはその患者さんの腹部大動脈瘤が破れるかどうか、です。いったん破れてしまえば治療は間に合わず死亡することが多いからです。

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瘤が小さい患者さんつまり直径 4.5 cm未満では手術のリスクより瘤破裂のリスクが小さいのですが、そうした患者さんでも瘤が大きくなる危険性があることは忘れてはなりません。

そこで瘤のサイズや形に応じたきめ細かい対応がいのちを救うともいえるでしょう。

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無症状の小さい瘤、つまり直径3cmから4.5cm未満では判断が微妙です。

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1.小さい腹部大動脈瘤の患者さんは、それが破れるまでに関連した病気で死亡することが少なくありません

2.直径4-5cmの瘤では、5年以内に手術またはEVAR(ステントグラフト)が必要となる確率は60-65%で、8年では70-75%にもなります

3.手術(またはEVAR)のメリットと手術の死亡リスクとどちらが大きいか、よく検討することが勧められます。

4.無作為割り付けによる臨床研究の結果(アメリカ):無症状の中サイズの腹部大動脈瘤(直径4.0-5.5cm、日本人サイズなら3.5-5.0cm相当でしょう)で、手術してもしなくても5-8年の死亡率は差がありませんでした。

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Ilm2007_01_0330-sイギリスの小型瘤研究では、直径4.0ー5.5cmの腹部大動脈瘤をもつ1090名の患者さんで、8年間のフォローでは、当初は手術群のほうが死亡率が高いのですが、3年で並び、8年では手術群のほうが低死亡率(4.3%対4.8%)となります。

フォロー中、瘤は年間0.33cmずつ大きくなり、破裂の確率は当初は毎年1.6%、のち毎年3.2%に上がりました。女性のほうが破裂する恐れが男性の4倍もありました。

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Ilm2007_01_0603-sこうした大規模臨床研究にもとづいて、2005年にアメリカ循環器学会ACCとアメリカ心臓学会AHAが出した腹部大動脈瘤のガイドラインはつぎのようです。

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■ 直径4.0-5.4cm(日本人サイズなら3.5-4.9cmに相当でしょう)の腹部大動脈瘤では6-12か月ごとにエコーかCTでフォローすべき

■ 直径3.0-4.0cm(日本人サイズなら2.5-3.5cmに相当でしょう)の腹部大動脈瘤では2-3年ごとにエコーでフォローすべき

■ そして直径5.5cm以上(日本人サイズなら5cm以上に相当でしょう)では外科手術(あるいはEVAR)が勧められています。

■ これらのガイドラインは平均的アメリカ人男性の場合であり、日本人とくに女性ではそれより一回りあるいは二回り小さい瘤でも注意が必要です。

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なお一般的に正常の大動脈または動脈の直径の2倍を超えるか、6か月で直径が0.5cm以上大きくなれば手術(あるいはEVAR)すべきとも言われています。

 .

メモ: 一般に、症状が強い病気の場合は患者さんも油断なく病院へ来られることが多いため、ある意味むしろ安全なのですが、症状が弱いあるいは無い病気の場合はどうしても油断が生じてしまいます。

腹部大動脈瘤もそのひとつです。

しかしこれまでのデータつまり教訓の蓄積を活かさない手はありません。

どうか油断なきようにお願いします。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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