お便り85: ポートアクセスで僧帽弁置換術を

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Ilm17_da05018-s創がちいさいミックス手術とくにポートアクセス法は若い患者さんや仕事に早く復帰したい働き盛りの方々に喜ばれています。同時に比較的ご高齢のかたには痛みや苦痛を減らし、合併症を減らすというメリットがあります。

下記の患者さんは関西からこのポートアクセス法での僧帽弁手術を希望してご来院されました。

2階まで昇っても息切れと動悸がし、胸が苦しくなるという症状がでていました。

ちかくの病院で検査を受け僧帽弁閉鎖不全症の重症と診断されたのでした。

手術で僧帽弁を実際にみたところ、リウマチ性の変化があり、弁尖が短縮肥厚している箇所がいくつかあり、逸脱していた弁尖を切除しても逆流が残るという所見でした。

お若い患者さんでは生体弁が長持ちしないため、心膜パッチなども適宜使って弁形成するところですが、比較的ご高齢で体力も弱めで、生体弁も長持ちするため、

無理なく元気になれるよう生体弁で僧帽弁置換術を行いました。

術後経過は良好で、遠方のためややゆっくりと入院していただき、術後2週間で元気に退院されました。

以下はその患者さんからのお便りです。

*******患者さんからのお便り*******

 

名古屋ハートセンタースタッフ御一同さま

この度、無事に退院できました事、

お便り85
心よりお礼申し上げます。

手術には執刀して頂きました米田先生はじめ、北村先生、深谷先生、木村先生、麻酔科の先生、その他スタッフの皆様方には長時間にわたり、大変お世話になりました。

本当にありがとうございました。

手術日の朝、先生方が、お部屋にお越し下さり「頑張りましょう!!」と、優しい笑顔でのお言葉に不安な気持ちも払拭いたしました。

こんな素晴らしい先生方に手術をして頂きました事、私の一生の自慢にして行きます。

手術後も、先生の心温まる回診に心がいやされ、ホッとしたものです。

又、手術室等、色々な説明をして下さった看護師様が、夜勤明けにもかかわらず、4階からわざわざ来て下さり、

「大丈夫、大丈夫やからね!!」と私の手を両手で握って下さいました。

その優しい手の感触は、今も忘れられません。

涙が出そうでした。

看護師皆様も、ニコニコと接して下さり、こちらが色々とお世話になっていますのに。

「ありがとうございます!」と頭が下がります。

毎日毎日、手厚い看護に感謝で一杯でした。

そして子供にも、こちらの病院を選んでくれた事に感謝です。

一か月後の受診時には、ずっと元気になって先生にお目にかかれる様頑張ります。

 どうぞ、スタッフご一同様、

くれぐれもお身体を大切になさって下さいませ。

まだまだ一杯お礼を申し上げたい事多々ございますが、

これで失礼致します。

平成25年1月28日

****

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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お便り84: 嚢状瘤に対して弓部大動脈全置換手術を

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弓部大動脈瘤とくに嚢状瘤つまり局所的にポコッとこぶになっているタイプはサイズが小さくても破裂する恐れがある病気です。

しかも症状がない場合が多く、いったん破裂すれば強い症状が出ますがその時にはすでに手術が間に合わずいのちを落とすことが多いというやっかいな病気です。

A335_009この患者さんは近くの先生の気転でCTを撮っていただき、未然に診断をつけて頂いたおかげで命拾いをしました。

普段はお元気な70代男性で、そうして弓部大動脈の嚢状瘤という診断をつけていただき、米田正始の外来へ来られました。

まもなく手術となりました。

人工血管で弓部大動脈をすべて取り換える手術(弓部大動脈全置換術)を行い、経過良好で術翌朝には集中治療室を退室され、手術後9日目に元気に退院されました。

以下はその患者さんからのお便りです。

お役に立てて本当にうれしいことです。

また私のチームの医師・看護師さんたちの名前をあげて感謝してくださり、こんなにうれしいことはありません。

また外来でお会いするのが楽しみです。

*********** 患者さんからのお便り **********

名古屋ハートセンター

米田正始 先生

このたび 1月16日に胸部大動脈瘤を手術していただいた****です。

 お陰さまで26日に退院し、日々少しづつリハビリに取り組んでおります。

 12月27日に妻ともども先生へ伺い、診察、検査の結果、早く手術したほうが良いと勧められて、迷ったのですが、先生の説明に納得して早期の手術を決断した次第です。

 手術を担当していただいた米田先生をはじめ、北村先生、深谷先生、木村先生、看護師の小中野先生、梅田先生、道木先生、病室のスタッフの方々に大変お世話になりましたこと、厚くお礼申し上げます。

 ハートセンターの取り組みは、宗田 理「いい病院」への挑戦という本が昨年春に出版されておりまして、事前に目を通しておりましたが、ご指摘通り素晴らしい取り組みをされている病院と納得しました。

 今回、***病院の**先生に病魔を見つけてもらったおかげと思っており、感謝の念で一杯ですが、手術をしていただいた「名古屋ハートセンター」の皆さんにも感謝、感謝です。

本当にありがとうございました。皆様にもよろしくお伝えください。

まずはお礼まで

平成25年1月29日

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お便り83: 拡張型心筋症と僧帽弁閉鎖不全症から立ち直り

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拡張型心筋症は難病で、重くなるとしばしば打つ手なしという扱いになることが世間では多いようです。

私たちはこの拡張型心筋症の治療にちからを入れてまいりました。

A335_007心臓外科の観点からは、拡張型心筋症が悪化したときに合併する機能性僧帽弁閉鎖不全症をしっかり治し、かつ左室をできるだけ良くすることが重要と考えています。

そのため、単に手術で頑張るだけでなく、その後のアフターケア、丁寧な薬の治療が大切です。

以下の患者さんは50代前半の男性で、駆出率20%台つまり健康な心臓の3分の1のパワーまで落ちた状態で、しかも高度の僧帽弁閉鎖不全症を合併して来院されました。

そこで僧帽弁形成術を工夫し、弁だけでなくなるべく左室のパワーアップを図るようにしました。

術後経過は良好でまもなく退院されましたが、その後も時間をかけてβブロッカーやACE阻害剤、ARBなどを使用し、じわりじわりと心機能を改善させていきました。

そして手術から1年後には駆出率44%へ、2年後には56%まで改善し、その後術後3年半の現在もこれを維持しています。現在のデータだけを見れば、もう心筋症や心不全の姿はありません。

ともに心臓手術を勝ち抜き、さらに時間をかけてじっくり薬を効かしここまでに回復された患者さんは、仲間そのものです。

その患者さんが手術のあと、退院されるときに意見箱に入れて下さったお便りです。

*********患者さんからのお便り*********

 

米田先生はじめ北村先生、深谷先生、小山先生、また担当戴きました看護師の皆様には心より感謝申し上げます。

米田先生にお会いするまでは騙し騙しぎりぎりまで手術を先延ばしするつもりでしたが今なら弁形成が可能であり、また置換と形成との効果の相違、また放置した場合と現時点で手術をした場合のリスクを、分かり易く比較して説明して戴き、今後のQOLを十分に鑑み、家族と話し合い手術する決意をする事ができました。

術前も、先生方が積極的にインフォームドコンセントを含めたコミュニケーションを取って頂き全く不安なく(本人は)手術を受ける事ができております。

今後は健康な体になり、気兼ねなく仕事に打ち込める事や、高校中学の二人の息子と妻ともスポーツを交えた楽しい時間を過ごす機会を与えられ社会復帰が楽しみです。

貴院に於かれましては志の高い看護師の方々が、更にスキルアップしようと研修に積極的に参加されている様子などから益々患者からの信頼性の向上が期待され発展されることを信じております。

本当にありがとうございます。

こちらの病院の看護師、受付、各職員の方々どなたも私ども患者に対しての応対が、低姿勢で丁寧と大変感心いたしました。

また担当のドクターの方々皆様、ハイレベルで人当たりも良く、患者の質問に丁寧に説明していただき、大変満足しており、感謝いたしております。

平成21年5月30日

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お便り82: 3度目の心臓弁膜症手術で

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弁膜症とくに機械弁つまり金属の人工弁の手術のあとは長年月にわたり、丁寧な治療やフォローアップが必要です。それによって元気で楽しい生活を長期間楽しむこともできます。そうした患者さんの人生をお支えするのも私たちの役目のひとつです。そこでは内科の先生方や開業医の先生方とのチームワークもたいせつです。

 

以下のお便りは東北地方在住の60代女性患者さんからA335_001のものです。

 

若いころ、僧帽弁狭窄症に対して僧帽弁交連切開術を受けられ、いったんお元気になられました。

その効果は20年近く続きましたが、そこで弁がまた狭くなり、カテーテルによる僧帽弁形成術を受けられました。

 

その後経過はまずまず良好でしたが、数年後また僧帽弁が狭くなり、大動脈弁もあわせて狭くなっていたため、ついに僧帽弁置換術と大動脈弁置換術を受けられました。どちらも金属製の、いわゆる機械弁でした。

 

以後も現地の大学病院に通院し、ワーファリンの治療を受けておられました。

 

15年経って、大動脈弁が狭くなって来ました。パンヌスと呼ばれる、患者さんご自身の組織が増殖し、機械弁の動きを妨げるようになったのです。

 

さらに2年たち、いよいよ弁が狭くなって、危険な状態となったため、ネットや本で勉強し決心して私の外来に来られました。遠方にもかかわらず、列車で長時間かけてお越し頂きました。

 

調べてみますと弁がきびしく狭くなり、しかも別の弁も二次的に逆流し、心不全が悪化していました。

 

再々手術はリスクがやや高くなりますが、このままでは永く生きられない危険な状態で、こうした手術に慣れている私たちに任せたいとのご希望のため地元の病院のご推薦も得て手術に踏み切りました。

 

 手術では心臓と周囲組織との間の癒着をはがし、それから大動脈弁とパンヌスを切除し、新しい人工弁を入れ、三尖弁も形成して無事終了しました。

 

術後経過は良好で、翌朝には集中治療室を退室され、術後10日目に元気に退院されました。

 

遠方のため、地元の病院と協力し役割分担しながら、名古屋へは時々健診に来られます。お元気にしておられます。

以下はその患者さんご本人からいただいたお礼のメールです。

 

 ***********患者さんからのお便り*********

(前略)

今私は台所で料理をしたり秋植えした花眺めたり、スーパーで買い物をしたり、また散歩をしていてもこのようにできるのは本当に米田先生に出会えて手術して頂いたからだなと毎日毎日思いながら喜びをかみしめ感謝しております。

三度目の手術が必要とわかった時の不安、ハイリスクであるらしいことなど考えて、いてもたってもいられずいろんな本買って読んだりネットで朝から晩まで調べました。

そして米田先生のページ見つけたのです。

読んでいくと先生の患者に対するあたたかい人間性や考え方とても尊敬できました。

そして米田先生にすべてをかけてお任せしようと決めました。

先生のページすべてネットから印刷しました。

だいぶ厚くなりましたが、何回も何回も読みました

まだ行ったこともない名古屋にはるばる主人と不安抱えながら行って説明聞き手術日まで決めました。

一回の外来ですべて検査できたのも助かりました。

 
手術も苦しいとか痛いとかなく入院もアッという間の夢中の二週間でした。

私は麻酔で何もわかりませんでしたが、さぞかし先生方は大変だったと思います。

外来で米田先生お見受けして思わずお声おかけしても気さくにお話ししてくださり本当にありがたいです。

治して頂いた命大事にしていきます。本当に有難うございます。

感謝

    

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お便り81: 大動脈二尖弁と上行大動脈、僧帽弁の患者さん

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大動脈二尖弁はそれ自体では必ずしも病気とは言えないのですが、大動脈弁の弁膜症を起こしやすいため、注意深いフォローアップが必要です。

同時に大動脈基部つまり大動脈の根っこの部分から上行大動脈にilm17_da05003-sかけて、大動脈の壁が弱く瘤になりやすいため、マルファン症候群のような結合組織疾患に準じたフォローアップが必要です。

これによって長期の安全性が確保しやすくなるのです。

下記の患者さんは大動脈二尖弁のため、お若い年齢でも大動脈弁閉鎖不全症と上行大動脈瘤を発症し、

さらにIEつまり感染性心内膜炎を合併したため僧帽弁閉鎖不全症も発生し、

このままでは心不全悪化や大動脈破裂などの懸念が強まるため来院されました。

この病気をきちんと治してくれる病院をもとめて、九州から来て下さいました。

詳しく調べますと、大動脈弁と僧帽弁の両方と、上行大動脈から弓部大動脈の一部までを治す必要があることがわかりました。

時間がゆるせば弁は両方とも形成か再建とし、上行大動脈は人工血管で置換したかったのですが、僧帽弁は前尖つまり主要パーツが全体に壊れているためその形成術も比較的複雑で、上行大動脈も弓部大動脈の一部まで治す必要があり、大動脈弁は破壊が高度であることもあって短時間で確実に生体弁で治しました。

とくに僧帽弁形成術では穴をパッチで治し、ゴアテックス人工腱索を8本立てて逸脱を修復しました。

以上をミックス手術で、小さい創で行いました。若い患者さんが創を気にせず楽しく暮らして欲しいからです。

術後経過は良好でまもなく元気に退院されました。九州から外来へ定期健診に来て下さいますが、元気いっぱいのお姿をみてうれしく思っています。

大動脈弁が将来壊れたら、TAVIという折りたたんだ生体弁をカテーテルでもとの弁の中に装着することで再手術が回避できるよう、極力大きな生体弁を植え込みました。

以下はその患者さんとそのお父さんからのメールです。とくに患者さんのお便りは他の患者さんたちのお役に立つようにという気持ちで書いて下さいました。

*******患者さんからのお便り*******

私は38歳の男です。

お便り81です生まれつき二尖弁と診断され、定期的に地元や他県の病院で診察を受けてきました。

 
将来的に手術も必要だと言われてましたが、自覚症状もなく、元気でしたし、運動も普通にしてきました。

歳をとるにつれ、大動脈弁の逆流もひどくなるし、大動脈も太くなってきてて、早めに手術したほうがいいと言われましたが、手術するのも怖くて、自分の病気にも向きあう事ができませんでした。

 
やはり手術するなら心臓専門の病院がいいと思い、パソコンから米田先生のホームページを見て、私の病気の事を米田先生にメールしたところ、返事をいただき、平成24年7月に診察をしました。

1日の検査で、治療方針を決めていただき、病気の症状など、丁寧に詳しく説明してもらって、その時はじめて米田先生に全てを任せようと決心する事ができました。

検査の結果は、大動脈弁閉鎖不全症、僧房弁閉鎖不全症、大動脈瘤です。大動脈瘤の太さは5センチでした。

手術は平成24年8月21日に決まり、大動脈弁置換術、僧房弁形成術、人工血管置換術をして、無事に手術は終わりました。

術後は、思っていたほど痛みもなく、2日目には歩いたり、食事も普通にできました。名古屋ハートセンターの看護師さんやドクターの方も親切な方ばかりで、入院中も不安なく過ごせました。

退院は8月31日で、入院から12日で退院する事ができました。

一度の手術で、三箇所を治す難しい手術みたいでしたが、現在の経過も順調です。

手術して約半年になりますが、仕事や運動などしたり、手術前よりあきらかに元気に過ごしています。

傷口も小さく綺麗なので、米田先生に手術していただいて本当に良かったと思います。心から感謝しています。

先生には新しい命をいただきました。

 

*******患者さんのお父さんからのメールです********

熊本・**市の****です。

ご無沙汰致しております。
次男の経過が良好なのも、先生ならびにスタッフ皆様の御蔭と感謝申し上げております。

病気発覚時に、開業医病院では処置できずに総合病院に転院した訳ですが、経過観察だけが続くだけで
ムンムンとした日々を過ごしていました。

私の二十五年前の経験から病院と先生は、自分の納得した上でお願いしたが良いと思っておりましたので、
ネットで全国の病院と先生を調べました。

こういう事を言えば言葉は悪いかも知れませんが、「医者と病院は、選ばなければ・・・・・」

米田先生のホームページを拝見しました時に、病の説明を細目に書き込みされている事に感銘致しました。
また、開業医の先生への項目に早めの紹介をと、書かれていたのに・・・・自分も同感致した次第です。

初めて、先生にメールで病気の問い合わせ致しました時も、ビックリするほど返信が早かったのを覚えています。
返信の内容で、不安が一掃したのも言うまでもありません。

九州・熊本から受診した時も、日帰り出来る様に手配頂いて、感謝申し上げます。
スタッフの皆様も暖かく親切でしたので、田舎者も安心して帰路についた次第です。
重ね重ね、今回の診察から手術までと、経過治療につきまして御礼申し上げます。

有り難う御座いました

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
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お便り80: 困難な状態から再手術を乗り切った患者さん

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Ilm17_da05002-s心臓手術のなかでも再手術はさまざまな注意が必要です。

単に弁を治すだけではなく、壊れた全身を守り助けながら、周囲の組織とくっついた心臓をきれいにはがし出して、そのうえで心臓の中を治すことが必要です。

以下の患者さんは7年前、当時50代で僧帽弁交連切開術後の状態で僧帽弁が再び狭くなり(僧帽弁狭窄症)、大動脈弁まで同様に狭くなり(大動脈弁狭窄症)、心房細動を併発し、さらに大きな脳梗塞まで患っておられました。

他県の有名病院でフォローアップされていましたが、苦しくてどうにもならなくなり、意を決して当時京都大学病院で勤務していた私のところへ来られました。

大きな脳梗塞の後という状況は予断を許さぬものでした。

しかし、当時の私のチームと、なにより患者さんの前向きの頑張りでお元気になられました。

手術は僧帽弁を人工弁に置き換え、大動脈弁も同様に置換し、心房細動に対してメイズ手術を行い、左室のパワーが落ちないようにゴアテックス人工腱索を斜め方向に立てました。

それらがうまく作動し、その後も大変お元気で生活を楽しんでおられます。

私の患者さんの会にも毎回顔を出して下さり、笑顔を拝見するたびに、じいんと来るものがあります。

こちらの方こそ、あの時よく頑張っていただき、ありがとうと申し上げたくなります。

以下はその患者さんからの術後7年目のお便りです。

 

*************患者さんからのお便り************


拝啓 里山も少しづつ装い始め色濃くなってきております。

 

PtLetter80米田先生には大変御無沙汰申しております。お忙しい毎日をお過ごしの事と存じます。

手術前、心臓音は弱かったと思いますが、元気な心臓音で目覚めるしあわせな瞬間です。
 

手術していただいた2005年12月12日、麻酔より目覚めさせていただいた時、私は生かされていると先生方に心より感謝致しました。

外出以外の朝6時半頃より、里山の坂道を登り地ぞう様にお参りし、四季を愛でつつ1.5時間くらい散歩いたしております。

しあわせの時です。

手術より7年目を生かされている私です。

先生には感謝の言葉しかございません。

私より元気だった大切な友人が一人二人と旅立ってゆきさみしいです。

父の分、友の分まで大切に生きさせていただこうと思います。

初孫も2歳を迎えました。

『孫のキス スカイプ繋ぐ 冬の虹』

孫に会いにアメリカにも行こうと楽しみにしているところです。

米田先生、御自愛なさりおすごし下さいませ。

7年目の感謝状

かしこ

*****

 

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お便り79 バルサルバ洞瘤の再破裂

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バルサルバ洞破裂は大人の心臓病としてはそう多くはありませんが、修復に注意を要することが多々あります。

.

たとえば大動脈弁が壊れつつあるときとか、右房や右室での修復に注意を要するとilm17_da05001-sきとか、さまざまな盲点があります。

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以下の患者さんは関西の病院でそのバルサルバ洞破裂に対して修復術を受けられました。

破れたバルサルバ洞瘤を大動脈側からと右房側から縫合閉鎖し修復されたようです。

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ところが、手術後まもなく、その縫合閉鎖部位がまた破れて心不全が発生し、それから思い余って私の外来へ来られました。

.

手術を受けた病院ではどうにもならない、あるいは返事をもらえないなどで、見捨てられた形となったようです。セカンドオピニオンの病院ももとの病院に遠慮して、あるいは何か他の理由でとりあってくれないとのことでした。

.

精密検査ののち、これは私たちが開発した大動脈基部修復の方法で、しっかりと強い組織を活用して完全修復するしかないと判断しました。

なにしろ、一度失敗したあとの再建というのは、野球でいえば4-0で負けている状態から試合を始めるようなものですから、結構大変です。

.

しかし患者さんを救うためには着実に塁を埋め、逆転のタイムリーヒットを打たねばなりません。

そこで私たちの方法をもちいたのです。

.

具体的には大動脈の壁(バルサルバ洞)はすでに瘤化しており弱いため、ここではなく、もっとしっかりした大動脈弁輪に糸をかけてそれでパッチを内張りとして縫い付けました。

これは大動脈基部再建だけでなく、大動脈弁輪形成と保護を兼ねたものです。デービッド手術やヤクー手術の経験が役立ちました。

.

これだけで破裂したバルサルバ洞(つまり破れたところの入口側)は落ち着いたのですが、さらに右房側(つまり破れたところの出口側)から、三尖弁の弁輪をも活用して、もう一枚のパッチを縫着し、確実を期しました。

.

術後経過は良好で、エコーでもバルサルバ洞の破裂による異常血流は完全に消えて正常化しました。

.

患者さんはお元気に退院されました。

以下はそのお父さんからのお便りです。ご期待に沿うことができ、私たちも本当にうれしく思います。

.

*******患者さんのお父さんからのお便り*******

 

名古屋ハートセンター
米田 正始 先生様

*****の父です
息子の*** 11月1日退院しました

この約3ヶ月の間 非常に不安な思い、辛い思いで過ごしてきました。

ですが 米田先生との出会い、ハートセンターさんとの出会いによって 本人、家族共々 幸せな気分になりました。

まだまだ 経過をみていかなくてなりませんが 私達にとっては 米田先生や名古屋ハートセンターの皆さんが付いてくれていると思うと心強く感じます。

また 検診等で 名古屋や奈良に行かせて頂きますので 今後とも宜しくお願いします

本当に有難うございました。

 

*****************************

上記のメールをいただき、このホームページに掲載してもよろしいですかとお聞きしたところ、ご快諾をいただき、さらに以下のメールを下さいました

**********お便り、その2***********

 

名古屋ハートセンター
米田 正始 先生様

****の父です

7月初旬 息子のバルサルバ洞動脈瘤破裂 発覚し 心臓の手術が必要 いきなりの電話でした

近くの病院で 比較的簡単な手術と聞き 任せる事にし 8月中旬に手術しました

ですが 術後4,5日で再破裂を聞かされ 再手術が必要とのこと 本人も家族も気分はどん底に落ちました

今の病院で再手術か 他の病院を探すかもわからなくなってる状態が続きました

 

セカンドオピニオンがスムーズに行く方もいらっしゃるかもしれませんが 私達家族は 初めはとてもためらいました

先生に失礼ではないのではとか それをする事によって 元の病院に戻りにくくなるのではとか 色々と悩みました

しかし どうしても納得いかず セカンドオピニオンをし 親切に対応をして頂きましたが 最終的には「前の先生は きっとご自分で治してあげたいと思ってますよ」と
断られてしまいました

セカンドオピニオンってなんだろうと思いました

いろいろ調べてるうちに 米田正始先生の事を目にしました

すぐさまメールで問い合わせしましたら 一度来てくださいと返事を頂き 先生と会うことができました

先生とお会いして 「手術を受けていただけるのでしょうか?」「受けますよ」一瞬で話が決まりました

涙が溢れたのは今でも忘れません

診察、検査入院、手術日決定、入院、手術とスムーズに日程を決めて頂き 本人、家族共 非常に助かったのが現実です

なぜなら 本人、家族で手術日を決めようにも 2度目ともなれば 決める事は 非常に難しい事だったからです

「断らない・待たせない・温かい」 名古屋ハートセンターのうたい文句 素晴らしいです

入院中に他の患者さんや家族の方とも お話しましたが みなさんいろんな悩みや不安な思いを持っていて 
米田先生に相談できた事から ハートセンターでの手術を決意できたという患者さん、家族の方が多くいました

 
またみなさんは ここを(ハートセンター)見つける事が出来たことを幸運に思っていました

あと 先生方やスタッフの方々の患者さんへの対応も 非常に驚きました

 
会話にしても患者さん目線で 温かい対応でした (他の病院では 上からいろんな事 言われましたが)

この約4ヶ月の間 非常に不安な思い、辛い思いで過ごしてきました。

 
ですが 米田先生との出会い、ハートセンターさんとの出会いによって
本人、家族共々 幸せな気分になりました。

まだまだ 経過をみていかなくてなりませんが 私達にとっては 米田先生や
ハートセンターの皆さんが付いてくれていると思うと心強く感じます。


心臓の手術で困っている方は 全国、世界に数知れずいると思います


1つの出会いで それが解決されるでしょう

また 検診等で 名古屋や奈良に行かせて頂きますので 今後とも宜しくお願いします

本当に有難うございました


************************

その後も定期検診のため外来に年1-2度お越しい A335_018ただいております。

米田正始が2013年10月に高の原中央病院かんさいハートセンターを立ち上げてからは奈良へ来て下さっています。

心臓の調子も大変よく、血液の漏れも全くなく、正常所見です。

これからは前向きに活発に楽しい生活を送って下さい。

これも患者さんとご家族の決意と努力の賜物なのですから。

黙々と頑張って下さった患者さんとご家族に私は今も感謝しています。

なお私たちはどんなに経過が良い患者さんでも年一度は定期検診でフォローするようにしています。

かかりつけ医の先生と協力して患者さんに役立つことが多々あるからです。


***** 手術から3年の時が過ぎました。新年にメールを頂きました****


米田 正始 お便り79の写真 先生

新年明けましておめでとう御座います

年1回しか お会いできませんが 本年もよろしくお願いいたします

ハートセンターにて 息子の手術が終え 3度目のお正月となりました
先生には 感謝の一言です

いろんな患者さまが 先生への感謝の気持ちを持っていることが (患者さんの声) よりよくわかります

感謝する側 される側 これも 人と人との 絆なのでしょうか

私たちも そういう事を大切にし 生きていきたいと思っております

短文では ございますが 米田正始 先生 今後ともよろしくおねがいします

**家 家族一同

 

*****************************

.

バルサルバ洞破裂への新手術から4年が経ちました。

この病気は比較的珍しいため手術経験をもつ心臓外科医は少数ですが、それでも4名の方をお助けできています

過日のAATS(アメリカ胸部外科学会)の大動脈シンポジウムの日本版でこのバルサルバ洞瘤形成の新術式を発表し、デービッド先生はじめ権威の先生方にお褒め頂きました。

これからますます多くの患者さんのお役に立てればうれしいことです。

.

さて今年もまたメールを戴きました。

.

お元気そうでなによりです

また外来でお会いしましょう

.

**********術後4年目のお便り**********

.

新年あけまして おめでとうございます。
今年もメールで申し訳ありませんが ご挨拶させて頂きます。

.

先生の手術を受けて 4度目となるお正月を迎えさて頂きました。お便り79のNewFigure

.

米田医院での診察から始まり 名古屋ハートセンターでの手術 高の原中央病院での検診 今では仁泉会病院での検診
と先生が我が家の近くに居る安心感 (ある意味 不思議なくらいです)。

.

息子はもう大丈夫でしょうけど あの時の本人、家族の苦しみは 忘れてはいけない事だと思っております。

.

それと同時に あの時 米田先生やハートセンターの方々に助けて頂いた感謝の気持ちも忘れてはいけないと思っております。

.

何年たっても感謝の一言です。
有難うございます。

.

あと前回の検診の日に 妻までお世話になり 申し訳ないです

.

次の日 早速 山岸眼科様の方で診察して頂きました
お礼の方 遅くなり 申し訳ございません。

.

また今年の秋に検診に行かせて頂きますので宜しくお願いいたします。

.

****  家族一同

 

**************************

 

手術から5年が経ちました。現在は仁泉会病院の外来で定期健診していますが、お元気で心臓になんら問題なく嬉しいことです。今年もお手紙を頂きました。

 

******** 術後5年のお便り ********

今年も 新年の挨拶として メールを送らせて頂いたのですが
メールアドレスが 変わっているようで
病院の方の相談 お問い合わせの方に 送らせていただきました(いいのかダメなのか わからずに)

失礼いたします

新年明けましておめでとうございます

 

2012年10月 名古屋ハートセンターでお世話になりました **** 家族一同です

今年も無事に お正月を迎える事ができました

 

これも先生のおかげだと思っています (これは私たち家族だけでなく 数多くの家族が思っているはずです)

 

人間は 不思議なもので 普通に生活を続けていると あの時大変だったことも 薄れていくことがあります
これは 良い事なのか 悪いことなのかは 私にはわかりません

ただ親としては 正貴に対し あの事は 忘れ生活して欲しい

私達家族を救って頂いたことは 決して忘れる事のない事

時折 そういうことを 考えたりします
これも無事に生活を送れてるからなのでしょうか

 

先生への感謝の気持ちは 数多くの家族の気持ちです

先生の益々のご活躍を期待いたします

 

**** 家族一同

 


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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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お便り78 ベントール手術をミックスで受けられた患者さん

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大動脈基部拡張症心臓手術のなかでも大きめの手術が必要です。

IMG_5500bなにしろ伸びきった大動脈の根っこ部分を人工血管で置き換え、左と右の冠動脈の入口部分をいったん切り離し、それを人工血管にぬいつけ、そして大動脈弁を形成または置換することが必要だからです。

下記の患者さんはまだ30台のお若い女性で、この大動脈基部再建を、小さい創のミックス手術で希望して山口県からお越し頂きました。

手術中は、弁が予想以上に肥厚し短縮しており、患者さん自身の弁を温存するデービッド手術は不適当であることが判明しました。

そこで生体弁をもちいたベントール手術を行いました。

将来、この生体弁がいつの日か壊れたときに、再手術を回避しやすいよう、TAVIつまり折りたたんだ生体弁をカテーテルで植え込む方法がつかえるよう、十分なサイズの生体弁を取り付けました。

創もかなり小さく、夏服でも見えないレベルにとどめました。手術中の安全性を損なわぬよう、さまざまな工夫を凝らしました。

術後経過も順調で、遠方のため余裕をもって帰宅いただけるよう、ややゆっくり入院して戴きましたが、手術後10日で元気に退院されました。

 

*************患者さんからのお便り***********

米田先生へ

先日土曜日に退院させていただくことができました。

傷も本当に小さく痛みもほとんどありませんし、帰ってすぐに軽い食事の用意が出来
ることに自分自身驚いてます。

術前は脈100ぐらいになると心臓あたりがドクンドクン暴れて脈が速くなるのが怖いぐら
いでしたが、

術後は常時脈100近くありますがドクすら感じないので楽でよくなったんだあと感じるのと

、昨日久しぶりに自宅の湯船でゆったり浸かり苦しさを感じることがなくスーと息が入る感じをうけ改めて手術してもらってよかったと思ってます。

 
家事がリハビリで日に日によくなってるのを感じ嬉しいです。ご縁を頂いて本当にあ
りがとうございました。

またハートセンターさん全スタッフさんの志の高さに感銘をうけたのと、各部署での
職人魂のようなものを感じることができ私も随分元気を戴きました。

徹底したお掃除・配膳の方々の優しいあいさつ、知識経験豊富な看護婦さんに相談し
て癒され、先生方からはパワーをもらいみなさんのお蔭で今日の元気な一日があると感謝してます。

米田先生は超ご多忙と思いますが、お身体だけはご自愛下さい。

****

 

その後、上記のメールをホームページに掲載してもよろしいですかとお伺いしたところ、次のお返事をいただきました

********患者さんからのお返事メール*******

米田先生へ

大変ありがたいメールいただきまして、感謝で一杯です。

今朝も昨日より階段がスラスラなことに驚いています。

ホームページ掲載は同じ患者さんとして安心して手術を考慮し受けて戴ければ
幸いです。

実際に私もお便りのコーナーでどれほど勇気付けられ助けられたか
わかりませんので、どうぞご利用ください。

****

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お便り77 大動脈弁狭窄症のエホバ証人の患者さん

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エホバの証人の患者さんは信仰上の理由から輸血ができません。

一般の方々には不思議なことのように感じられるかも知れませんが、信者さんにとってはいのちがけの、大切なことです。

Ilm10_df01001-s私たちは信仰の自由を尊重し、輸血なしでも患者さんをお助けできるよう、全力をあげています。

以下の患者さんはこのエホバの証人の信者さんで、大動脈弁狭窄症という、手術なしでは突然死することさえある心臓病のため私の外来へ来られました。

精密検査の結果、心臓だけでなく、肺もかなり悪いことが判りました。

その原因のひとつが肥満やメタボであることもわかりました。

心臓プラス肺プラス「メタボ」プラス絶対無輸血というのはかなり厳しい条件です。

しかし患者さんが生きるためには何とか手術を乗り切って頂く必要があります。

そのためさまざまな努力や工夫をしました。

まず科学的ダイエットであるローカーボダイエットで積極的に脂肪を減らし、横隔膜が動きやすいようにし、あわせて呼吸運動を毎日励行いただき、メタボと肺の改善に努めました。

1か月以上の時間をかけて十分に態勢をととのえ、肺機能も改善したところで手術に臨みました。

肺に負担をかけぬよう生体弁で短時間に大動脈弁置換術を行いました。

徹底止血して輸血なしでも大丈夫な状態を維持したことはいうまでもありません。

患者さんもしっかり頑張って下さり、手術のあとはとくに問題なく順調に回復され、術後10日で元気に退院されました。

以下のお便りはそのエホバの証人の患者さんからのものです。

患者さんといっしょに苦労して得た大きな成果はまた格別なものがあると思いました。

 

*******患者さんからのお便り**********

米田正始 先生へ

 平成24年8月31日に大動脈弁狭窄症の手術をしていただきました****です。

昨日術後1ヶ月の検診を北村先生にしていただきました。

順調に回復していて改めて米田先生、北村先生、深谷先生、木村先生、看護士の皆さん、ハートセンターのスタッフの皆さんに感謝しています。

米田先生に昨日はお会いできないと思っていましたが、お会いする事もできうれしかったのですが、ゆっくりお礼が言えずに帰宅してしまいました。

もっと早く米田先生にメールを送りたかったのですが遅くなってしまって申し訳なく思っています。

 7月2日に他の病院で弁膜症だと診断された時、実母を同じ弁膜症により術後1ヶ月で人工呼吸も一度も外れず66歳で亡くしておりましたので、弁膜症に知識と経験のある先生の診察を受けなくてはと思いました。

また私の信仰上の理由で無輸血で手術してくださる先生を探さなければなりませんでした。

家族がネットで米田先生のことを知り、また無輸血で私たちの仲間を手術していただいている事もわかり米田先生にお願いするしかないという思いで、7月23日に先生の診断を受けました。

7月2日に他の病院で弁膜症と診断されたときから比べると、一段と急激に調子が悪くなり歩くのもやっとという感じになっていて、先生に診ていただくのが数日遅かったら、命を落としていたのではないかと思うほどでした。

先生に始めに診ていただいた日に無輸血で手術していただきたいとお願いすればよかったのですが、その日は米田先生のお話を伺っているだけで精一杯で話しをできずにきてしまったので、先生たちをびっくりさせてしまい、申し訳なかったと思っています。

私の実母も弁膜症で手術した際に、大量に輸血をしていましたので、無輸血で手術する事がどれだけ先生方の手を煩わせ、大変かと言うことも母を見ておりましたので、よくわかっているつもりです。その上私は肺が悪いということもわかり、貧血もあり、体重も落とさなければいけないこともありと、二重三重に、お手間を取らせてしまいました。

そのような中で手術していただき、止血に十分時間をさいていただき、手術を成功させていただいたこと、生涯忘れません。

 FFPに関しても米田先生が私の信仰の自由を最後まで守ってくださり先生の懐の深さにただただ感謝しております。

 入院中はローカーボ食にしていただき体重を約10キロ落とす事もできました。

家ではなかなか痩せることもできませんでしたが、体重を落とすこともでき、今後元気でいるためにも頑張って体重管理をしていこうと思っています。

 米田先生と一緒に頑張ってくださった北村先生、深谷先生、木村先生にも改めて御礼申し上げます。

北村先生には、忙しく大変な中でも笑顔で励ましていただきました。私のつまらない質問にも応答していただき、色々な不安を取り除いていただきありがたかったです。

米田先生の良き理解者でまじめな深谷先生。始めは先生の事が怖かったけど、今は先生の回診が懐かしいぐらいです。深谷先生に一言もお礼を言えず退院してしまったので、今度お会いしてお礼を言わせてくださいね。

とても細やかで洞察力のある木村先生。CCUでは家族に丁寧に状況を説明くださり感謝しています。患者は先生に癒されていると思います。もちろん私もその一人です。

 看護士さん達にも大変お世話になりました。

特に手術室の下島看護士さんには、私の話しを忙しい中よく聞いてくださり理解を示してくださり大変助かりました。

病棟の大橋看護士さん、私の事情に本当によくご配慮くださって助けていただきました。ありがとうございます。

草野看護士さんは病室に入っていらっしゃるだけでを和ませていただき支えていただきました。ステキな笑顔に救われました。

大谷看護士さんは本当にお若いのに高いプロ意識をもってお仕事されていて、感動しました。

CCUを出た時から数日間男性の看護士さん(お名前を忘れてしまいごめんなさい)にも大変お世話になりました。お仕事大変な中でもとても爽やかでやさしい看護士さんでした。ありがとうございました。

他にも、検査してくださった先生方、栄養士さん、清掃や食事の際にお世話になったスタッフの皆さん、多くの皆さんにお世話になり、心よりお礼申し上げます。

 最後になりましたが、毎日お忙しい日々をお過ごしの米田先生。どうぞお体を大切にしていただいていつまでもお元気でいてください。先生に助けていただきたい患者さんはまだまだたくさんいるのですから。

 これからもどうぞよろしくお願い致します。

 平成24年10月3日

***********

 

あれから2年が経ちました。

私も名古屋での5年間の生活に別れを告げ、郷里にかんさいハートセンターを立ち上げました。

(註:現在は大阪市の医誠会病院と大東市の仁泉会病院にて勤務しております)

全国から多数の患者さんが心臓手術をもとめてお越し下さり、にぎやかにやらせて頂いております。

上記の患者さんからまたお便りを頂きました。

また外来でお元気なお顔を拝見したく存じます。

********患者さんからのお便り******

米田先生へ


2012年8月に手術していただいた愛知県の○○です。

おかげさまで元気に過ごさせていただいております。

先生に普通以上のご迷惑をかけ、たいへんお世話になり心臓を治していただけた今、米田先生に手術してもらえて “本当によかった”と改めて感じる今日このごろです。

奈良に1年に1度は米田先生の心臓チェックを受けに行きたいと思っていますのに、なかなか実行出来ないことを残念に思っています。

でも、健康第一でお元気でいて下さい。

先生を必要としている人間はますます多くなっています。

その人たちも助けてあげてほしいです。

この健康に日々感謝しています。

ありがとうございます。


2014.8.29

 

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お便り76 下行大動脈瘤の患者さん

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下行大動脈瘤の治療にはステントグラフト、略称EVAR(エーバー)をもちいて、なるべく切らずに治すようにしています。

Ilm10_de02011-sその場合、足の付け根の動脈などから折りたたんだ人工血管を入れて、下行大動脈瘤まで進め、そこで瘤に内張りをつける形ですべて内側から直してしまいます。

そのため胸にはまったく創がつきません。

それによって痛みを減らし、より早い社会復帰や仕事復帰を図ることができます。

しかし、足の血管などが動脈硬化で壊れているなど、状況によってはその方法が使えないこともあります。

この患者さんは下行大動脈瘤の治療のため来院されました。

なるべくステントグラフトをと検討しましたが、血管が悪いため、外部の識者の先生にも検討していただき、通常の手術を行うほうが良いという判断となりました。

通常の手術では左胸を切って中へ入り、下行大動脈を人工血管で取り換えます。

その場合、ときおり脊髄神経がやられ、下半身がマヒになることが報告されています。

そこでさまざまな工夫を凝らし、脊髄保護にとくに力を入れて手術を行いました。

その結果、何も問題なく、順調に回復され、まもなくお元気に退院されました。

つぎのお手紙はその患者さんの奥様からのものです。

病院の御意見箱に入れて下さいました。

お役に立てて大変うれしく思います。

 

***********患者さんからのお便り************

 

他院で受診した時、医師から「あなたは手術しても車いすの生活になるよ」と言われ、主人と私はあまりのショックに目の前が真っ暗になりました。

そんな時、貴院を知り親切に対応して頂き藁をもすがる思いでやって参りました。

そして8/30、最善の方法で手術をしていただき、心配していたマヒもなく、今日退院を迎えることができました。

米田先生をはじめ、北村先生、深谷先生、木村先生、手術に携わったすべての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

そして明るく心が和むお世話をして下さった看護師さん、介護師さん、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。皆さま優秀な方達ばかりです。

名古屋ハートセンターに出会えて本当に良かったです。

 

御意見箱へのご回答: この度は退院、本当におめでとうございます。

そして、このような御意見が頂けて、ハートセンタースタッフにとって

これ以上嬉しいことはございません。お言葉を胸に、今後とも日々の業務に励んで参ります。

この度は、お褒めのお言葉、ありがとうございました。

米田、スタッフ一同

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