お便り112: ポートMICSの僧帽弁形成術でゴルフ復帰へ

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僧帽弁閉鎖不全症の治療として僧帽弁形成術がベスト!というのはかなりの患者さんたちの間で常識になりつつあるようです。

近くの病院で弁置換を勧められてからこれはおかしい P1120179bとご自分で調べ、形成を確実にやってくれる病院を訪ねる患者さんも増えました。

同様におなじ弁形成なら早く仕事やスポーツに復帰したい、そのためにミックス手術ポートアクセス手術だ!と考える方々が増えました。

そして自分が納得できる治療や方針を立ててくれる医師を求めて飛行機ででも移動するという方が増えました。

下記の患者さんもそのひとりで、みずからしっかりと病気に立ち向かい、勉強し、そして連絡を取って来られました。

手術では僧帽弁前尖の広範囲が逸脱し、形成術としてはやや複雑でしたが、これをポートのMICSできれいに仕上げることができました。

せっかく九州・宮崎からお越し下さっただけに、十分な治療と、遠方がハンディにならないような配慮をし、余裕ができるまで院内で心臓リハビリもこなして頂くようにしました。

まもなく春がやってきます。ゴルフやスポーツなども楽しんでいただければうれしいことです。

東京オリンピックの観戦は余裕でお楽しみ頂けるものと存じます。

以下はその患者さんからのお便りです。

 

****** 患者さんからのお便り **********


特任院長 米田正始 様
IMG_0782b

いつも医療に献身的に取り組んでおられる米田正始先生をはじめ、増山慎二先生、
小澤達也先生、村西菜苗先生そして麻酔科の先生、看護師の方々等改めて敬意を
表します。

入院から退院まで約29日間、不快な気持ちもなく治療に専念できたこと心より感
謝申し上げます。

ありがとうございました。

神の手に委ねたこの体、お陰様で東京オリンピックまではしっかりと見届けられ
るのではないかと密かに喜んでいます。

また、諦めかけていたゴルフも来年いや今秋にも本格的にできるのではないかと期待をふくらませています。

お会いできそうもありませんのでお手紙でお礼申し上げます。

本当にありがとうございました。

医療充実・発展のため、益々ご活躍されることでしょう。

どうか体だけはご自愛ください

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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お便り105: 感染性心内膜炎(IE)のため僧帽弁形成術を受けられた患者さん

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感染性心内膜炎(略称 IE)は突然ひとを襲います。

きっかけは抜歯やけがその他さまざまですが、その背景に弁膜症先天性心疾患などの心臓病があります。

感染性心内膜炎のために弁がより壊れて弁膜症が悪化することもあります。

IMG_0364b感染や心不全がどうにもならなくなった時などに心臓手術が必要となります。

下記の患者さんは遠方からお越し下さいました。

当初入院しておられた大学病院では心配と連絡を取ってこられ、患者さんのご希望で主治医の許可と協力を得てかんさいハートセンターまで転院して来られました。

2つのメールを掲載いたします。ひとつは最初に私に送って下さったもの、もうひとつは退院後お元気になられたあとのお礼のメールです。

褒めすぎのところはお恥ずかしい限りで読み飛ばしてください。

病気と正面から向き合い、勉強し相談し熟考し、決断された患者さんとご家族には頭が下がります。

ポートアクセス法というMICSによる僧帽弁形成術で痛みも少なく、元気な生活に戻れたのは患者さんとご家族の努力の賜物です。

弁形成のあとはワーファリンも不要ですし自然な生活ができるでしょう

これから元気な健康生活を楽しんで下さい。


******ご家族からの最初のお便り******

お忙しい所大変申し訳ありませんが、インターネットを見て米田先生にメールさせて頂きました。

私は**市に住みます**と申します。

私の妻の母が微熱が長く続いて体調がおもわしくない為、今月始めに近くにある**大学病院で診察して頂いたら、感染性心内膜炎と診断され抗生剤の投与を続けています。

ですが効果があまり良くないらしく、近いうちに弁の手術をしなくてはいけないと先生から告げられたみたいでショックを受けています。

本当にこの病院で手術に踏み切って良いものなのか不安がっています。

実際に手術が近々に迫ってるこの状態でハートセンターへの転院は可能なのでしょうか?

まさか心臓の病気になるなんて思いもよらなくて慌ててしまい、先生のおみえになるような専門の病院があるなんて知識も無かったのですごく後悔をしています(泣) 

何か良い方法があれば教えて頂きたいです宜しくお願い致します m(_ _)m


*****ご家族から、退院後のお便り *****

米田院長先生

昨日は母が無事退院で お便り105きました事を心より感謝申し上げます。

本当なら院長先生に直接お会いして御礼を申し上げたかったのですがメールで申し訳ありません。

母は自分の病気を知った当初はもう助からないと絶望的でしたが、この病気 (感染性心内膜炎) をきっかけに米田院長先生の存在を知る事が出来まして、

神にすがる気持ちで先生にメールを送りましたら直ぐにお返事を頂き、そして先生のお導きによって母の命を繋いでいただけました。

本当に言葉では言い表せないほど感謝の気持ちでいっぱいです。

母の病気がきっかけではありますが、先生を知れば知るほど偉大さや人間性、様々な事が、職種は違えど私にとっても刺激になり勉強にもなりプラスになっています。

今後も母のアフターケアでお世話になりますが、宜しくお願い致します。

そして米田院長先生がいつまでもお元気でご活躍される事を心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございました

              ****

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お便り103: 僧帽弁形成術を肺を守るためのミックスで

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僧帽弁形成術MICS手術とも進化を続けています。

かつて弁形成が不確実だった時代には肺が悪い患者さんには最初から決め打ちで僧帽弁置換術を行ったものですが、エキスパートがいる病院ではほとんどの場合、形成 IMG_1685bを確実に仕上げることで患者さんの予後を良くできるようになりました。

ただしこれはあくまでも経験豊富なエキスパートとそのチームの話です。

下記の患者さんは70代というややご高齢で、かつ肺が弱いという状況がありました。そこで肺に影響を与えず、しかも術後の肺リハビリがやりやすい、胸骨下部部分切開という方法(MICSミックスのひとつです)をもちいました。

これなら胸骨の上半分は残すため安定性が良く、術後の痛みが減り、深呼吸や歩行練習その他肺のリハビリもうまく進みやすいからです。

僧帽弁形成術はうまく決まり、お元気に退院して行かれました。

その後、私は名古屋を去り郷里の奈良に高の原中央病院かんさいハートセンターを立ち上げました。

以下はその際のお手紙です。

患者さんにはこれからもお元気で楽しく活発に生活していただければうれしいことです。機会があれば奈良へもお出かけ下さい。


****** 患者さんからのお便り *****

御免下さいませ。

米田先生院長就任おめでとうございます。


米田先生には大変お世話になりまして厚くお礼申し上げます。一月に手術をしてその後順調に回復して六月の深谷先生の検診では完璧ですよって。ほんとうに嬉しかったです。

米田先生のおかげです。名古屋ハートセンターで手術して本当に良かったです。

深谷先生の診察を終えたあと、米田先生がお会いして下さり、一言一言がとてもはげみになり、ありがたかったです。

お顔が見えないとさみしい限りです。

手術前は階段を登ると十段目ぐらいでハァーハァー今は平気でかけ登る事が出来ます。うれしくて、うれしくて、やさしいお顔が頭からはなれません。最高の先生です。

又、何かお世話になる事がありましたらその時はよろしくお願い致します。

私も今後も絆を大切にできれば幸いです。
ありがとうございました。

 

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事例: 交連部の僧帽弁形成術 2

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患者さんは40代男性で僧帽弁閉鎖不全症心房細動のため弁形成術不整脈手術を求めて遠方からお越し下さいました。

お仕事の都合でイギリス在住でした。イギリスは心臓外科先進国ですが、その在住エリアの中心的病院で人工弁による僧帽弁置換術しかないと言われてはるばる私の外来へ来られました。

調べますと後交連部を中心とした比較的広い範囲の僧帽弁逸脱と逆流でした。

私にとってはいつもの手術ですので95%以上は形成可能と判断し、あわせて私たちのメイズ手術は単なる肺静脈隔離(PV isolation)より成績が格段に良いためこれも行うことになりました。

図6サマリーPCとA3逸脱術中、まず弁を調べますと、後尖交連部のPCと呼ばれる部分が腱索断裂し瘤化して完全に逸脱していました。

となりの後尖右側のP3と呼ばれるところは低形成かつ逸脱し、

さらに前尖の右側部分であるA3も逸脱し、逆流ジェットが当たっていたためか肥厚していました(写真右)。

前尖も弁輪もかなり大きく、余裕があったため

シンプルで 図10弁輪再建ののち弁尖再建中長期の安定性が証明されている四角切除を行うことにしました。

弁として作動できない部分を四角に切除し弁輪を少し整えたあと前後の弁尖を再建しました(写真左)。

逆流試図16最終逆流試験OK験にて結果良好でしたので

リング30mmを縫着しました。余裕あるサイズでした(写真右)。

インクテストでも十分な弁尖のかみ合わせが確認でき(写真左下)、

図17インクテストもOK長期間安定しやすい形ができていました。

写真の青いところが特殊インクで染まった部分で、白いところが弁尖のかみ合わせ部分となります。

なおこのインクは無害でまもなく消滅します。

リングの糸をくくる前に冷凍凝固法にてメイズ手術を施行しました(写真右下)。図14クライオメイズ

お若いご年齢を考慮し、極力再発しないように冠静脈洞の外側からもブロックラインを造りました。

写真左下がそのときのものです。心臓の外側にも不整脈の原因があるためこれを丁寧に治します。

心拍動下に 右房のメイズも行いました。

図15冠静脈洞にもクライオ術後の経食エコーにて僧帽弁、三尖弁とも良好であることを確認しました。

心房ペーシングが良く効き、心房細動が治ったことをも確認しました。

術後経過は順調で約10日で退院され、しばし郷里で体調を整えてからイギリスへ戻られました。

術後の定期検診でも弁、リズム、心機能とも正常で、仕事にも精出しておられ、うれしい限りです。もちろん利尿剤も不整脈のお薬もワーファリンもなしで行けています。

すでに心臓手術から4年以上が経ちます。この弁はおそらく一生お役に立ち続けるものと考えます。また定期検診でお会いしましょう。

 

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事例: 交連部の僧帽弁形成術 1

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患者さんは40代の医師で僧帽弁閉鎖不全症のため北海道からお越し下さいました。仕事熱心な先生でなるべく短期間で健康な生活に戻りたいというご希望で来院されました。

やや複雑な逸脱のため地元では僧帽弁形成術ができるかどうか??ということではるばるハートセンターを選んでくださったようです。図1弁チェックA3PC


お若く体力もあるためか当初、比較的症状は軽かったのですが
、発作性心房細動を外来で起こされ、心臓手術を何年も先ではなく今やろうと決意されました。 

図2弁チェックP3術中、僧帽弁を見ますと術前のエコー予想どおり、後交連部の逸脱でした。(写真右上)

なかでも前尖A3つまり向かって右側の太い腱索が断裂しており、A2つまり前尖中ほども逸脱、PCつまり後交連部も逸脱していました。

A2-3とPCだけでなく後尖P3つまり後尖右側も軽度逸脱(写真左上)していたため、これらをすべて良い形にすることが長期の安定につながると判断しました。図3A3へのGT

そこでA3に4本人工腱索を立て、PCとバランスをとることでこれを守り(写真右)、

 

かつA2にも人工腱索を立てて正常化を図りました(写真左下)。

ここで生理食塩水を左室内へ注入し僧帽弁がきれいにか 図4A2へのGTみ合い、逆流がないことを確認しました。

リングをもちいて弁輪形成し、

念のため逆流試験で良い結果を確認(写真右下)し、

ピオクタニン色素で深いかみ合わせができていることも確認しまし 図5逆流試験OKた。

術前に発作性心房細動を何度か繰り返しておられたため、両心房メイズで心房細動を根治し、

後顧の憂いなく仕事に集中していただけるようにしました(写真左下)。

図7左房メイズ術後経過は順調で10日あまりで元気に退院されました。

その後も外来でお元気なお姿を拝見するにつれうれしさがこみあげてきます。

あれから4年、ますますのご健勝とご活躍をお祈りいたします。

 

健康人と見分けがつかないほどの良い治り方は弁形成術ならではの利点です。複雑弁形成が必要なため人工弁による僧帽弁置換術になるかも、と言われた患者さんはセカンドオピニオンをもらって本当に僧帽弁形成術ができないかどうか、確認されることを勧めます。

それともう一点、現在ではこうした心臓手術ポートアクセス法などのMICSでできるようになっています。多数の経験をもつ専門施設に限られますが、こうしたことを検討するのも大切です。

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執筆:米田 正始
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お便り93: 僧帽弁形成術の不成功から来院、元気に帰還した患者さん

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弁膜症の手術にも難しいタイプがあります。

下記の患者さんは70代男性で、地元(他府県)でトップレベルの病院にて、僧帽弁形成術を受けられました。


A335_012残念ながら比較的難しいバーロー症候群の僧帽弁で、その病院では対処できず、生体弁による僧帽弁置換術になりました。

ところがその時に生体弁の付け根のところから逆流する、これはおかしい、左室が破裂したのではないかと長時間かけてさまざまな処置が手術室で取られたようですが、結局うまく行かなかったようです。

そこでどうにもならないからと、ちかぢか機械弁で僧帽弁置換術をと言われ、HPで調べてから米田正始の外来に来られました。70代のご年齢で機械弁は、ワーファリンというお薬が欠かせなくなるため脳出血などの合併症が起こりやすくなり、何とか生体弁をというお気持ちで来院されたのでした。

エコーを拝見しますと、どうもおかしい、これは生体弁がきちんと左室内に入り込んでいないのではないか、と考え、それならこの生体弁を外して私たちが新たな生体弁を入れれば治せると考えました。

こうした再手術には独特のノウハウが必要で、弁膜症に熟練したものにしかわからないこともあるため、手術をお引き受けしました。

初回手術の前に来て頂ければ僧帽弁形成術ができたものと拝察しますが、この段階からは次善の策として良い弁置換をしようというわけです。

手術は予想どおりで、うまく新たな生体弁が入り、患者さんは術後11日目に元気に退院されました。やや遠方ですので少しゆっくり院内にいて頂きました。

外来でお会いするたびにお元気になられるのがわかり、うれしく思っています。

以下はその患者さんのご家族からの礼状です。

手術を受けた病院を出て治してくれる専門家をもとめて外の病院へ行く、実に勇気のいることだったと思います。しかしその決断が良い結果をもたらしたこと、敬意を表したく思います。

 

*****  患者さんのご家族からのお便り *****

名古屋ハートセンター
心臓血管外科 統括部長 米田正始 先生
スタッフの皆さま

拝啓


猛暑の候、米田先生はじめ名古屋ハートセンターの皆さまにおかれましては、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。


月日の経つのは早いもので、父が今年2月6日に僧帽弁置換の再手術を受け、本日でちょうど半年となります。
その節は大変お世話になり、ありがとうございました。

今思い返せば、あの時米田先生にご相談していなければ、今頃父はまだ原因不明の心不全に悩まされ、当時かかりつけの**病院で再度僧帽弁の置換をするのであれば血栓リスクの高い機械弁、もしくは循環器内科で処方していただく薬で何とか生き延びるか、どちらか究極の選択を迫られていたと思います。


「あの時」と申し上げるのは、その悩みの境地において米田先生のサイトを拝見してから、居ても立っても居られずご相談いたしました、昨年12月9日のメールです。

 

市川功さんメール

患者さんのご家族からのお礼メールです。本文に記載されているのは添付文書の内容ですが、このメールからも伝わってくるものがございます

当日、しかも1時間足らずで米田先生よりご返事いただいた内容は、医療現場における一般論と、名古屋ハートセンターの受入れ姿勢を綴った大変有難いお言葉でした。
メールを拝見した時の、あの安堵感は今でもはっきり覚えています。
「断らない医療」の姿勢がそこにあるのだろう、と私は思います。

今回、米田先生に執刀していただいたお陰で、懸念しておりました心不全の根本原因もはっきりし、弁置換も機械弁ではなく血栓リスクの低い生体弁を使用してくださいました。


そして何より手術時間が極めて短かったことで術後の回復が早く、父が初回の**病院で受けた弁置換の術後とは明らかに違う回復ぶりでした。


お陰で今では服用を続けていたワーファリンをはじめ、薬は殆ど飲まずに過ごすことが出来ており、この上ない喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。

末筆になりますが、私たち家族の愛する父が、この名古屋ハートセンターでお世話になることが出来て本当に良かったと思っております。


スタッフの皆さまがこの素晴らしい場所で働いておられるのが、羨ましくも思います。
この夏の暑さはまだまだ続きそうですので、どうか皆さまくれぐれもご自愛ください。


敬具

平成25年8月*日

*****

 

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お便り91: 困難と言われた僧帽弁形成術をミックス法で

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医師と患者さんの人間関係、とくに信頼関係は極めて重要です。

下記の患者さんは他府県から僧帽弁形成術をもとめて私の外来へ来られました。


Tutuji地元の大学病院でも形成は難しいと言われる、複雑な弁の壊れ方でした。

後尖、前尖とも後交連部で壊れていたからです。

さらに長期間の負担のためか、左房がひどく拡張し、そのため心房細動の不整脈も出ていました。

この状態になるとメイズ手術は歯が立ちません。そこで私たちが10年ほど前に開発した心房縮小メイズも併せ行いました。

僧帽弁も心房細動も治りましたが、同時にそれは小さい創でできました。いわゆるミックス手術ですね。

以下のお手紙はその患者さんからの礼状です。

遠方からお越し頂いただけの結果を出すことができ、それ以上にこうした絆をうれしく思います。またこれからも大切にして行きたく思います。


********患者さんからのお便り***********

 

米田 正始 先生

前略

僧帽弁形成手術及びMAZE手術を2012年11月8日に行っていただいた****です。
手術体験談のお話を受け、駄文ですが一筆記させていただきます。

小生が心臓に問題ありと診断されたのは2008年6月でした。そこから5年たち、状態は徐々に悪化してきて、ちょっと激しく体を動かしただけで動悸が激しく、休まないで行動ができなくなってきました。そこで地元の大学病院で診察していただいた結果、僧帽弁閉鎖不全症で手術が必要という結論となりました。

心臓にメスを入れることは、生命に直接関係すると思いましたので、自分自身が十分に納得した上で手術に望みたいとの気持ちが強くありました。そこでインターネットや近親者に、僧帽弁手術の事例や病院の対応に関する情報を集めた結果、名古屋ハートセンター・米田正始先生に執刀していただくことになったのですが、そういった決断を下すことになった主な理由は次の点です。

1. 心臓の手術は技能(症例数)が物を言う。そして、患者は医者を選ぶ権利がある。

米田先生のホームページ「心臓血管外科情報WEB(当時の名称)」に載っていた内容です。

特に外科手術では、執刀医の技術/技量がその成否に大きく影響することはよく知られていますが、最近の大学病院では、患者が医師を指名することまでは不可能と言って良いと思います。

外科手術の特性とご自身の豊富な経験に基づく自信とを、良く表している言葉と思いました。また、それを可能としている名古屋ハートセンターのシステムも素晴らしいと思いました。

2. 心エコー検査で「腱索断裂(少なくとも2本)」との所見が示された。

今まで受診した心エコー検査や経食道心エコー検査では、このように具体的な所見を示されたことはありませんでした。

画像の読影技術は重要であるとともに非常にむずかしいものであるとのお話は以前から知識としてありましたので、このように具体的な所見を示されたことは、名古屋ハートセンターのスタッフの技術が非常に高く、高度な診療を期待させるものでした。


3. 小生の僧帽弁閉鎖不全症は形成手術でなんとかいける。

今までの手術方法に関する説明では機械弁への置換手術が中心でした。ところが、米田先生から形成手術で多分大丈夫だろうとの診断を出していただいたことで、非常に安心したことを思い出します。

さらに、形成手術が不可能な場合でも、生活するうえで色々と問題のある血液抗凝固剤の服用をやめられる生体弁への置換という方法を示されたことです。

今、ドイツでは開胸せずに穿孔して生体弁の置換手術の事例が報告されており、生体弁の寿命のくるほぼ20年後では、ドイツの事例のような患者に負担をかけない手術が一般的になっているだろうとの、最新情報をもとにした方向づけを提示していただけました。

 以上の点に加え、地元の大学病院の医師も、米田先生を高く評価しており、安心して手術をお願いしたらどうかとのアドバイスもいただきました。

 こういった理由から、小生の場合なんの不安もなく手術に望むことができました。

今回は僧帽弁の形成手術、心臓縮小手術、心房細動に対するMAZE手術を施していただきましたが、全身麻酔でしたので気がついたら終わっていました。

次の曰には30mくらいでしたが、自分自身の足で集中治療室から個室に歩いて移ることができました。術後、気胸が発生しましたが、それも担当医の方の適切な処置で問題はありませんでした。

 さらに退院前の心エコー検査では僧帽弁の逆流も100%なくなっていることが確認できました。この時、「米田先生は、僧帽弁の手術が得意なんですよ。」と言った検査技師の言葉が今でも耳に残っています。

おかげさまで、仕事にも復帰できましたし、先日の6ヶ月検診も問題はありませんでした。

 手術という大きなイベントを抱えている時には、ちょっとしたことでも不安が増大してしまうものです。米田先生、名古屋ハートセンターが十分信頼の置けることを、手術前に自分自身で十分に確認/納得したことが、小生がなんの不安もなく手術に望むことが出来た大きな理由と思っております。

また、家族も患者本人が安心して手術に向かっている姿を見て、うろたえることなく平常心で手術に向かうことができました。


今回の入院も含めた治療では、米田先生をはじめ、佐藤先生、深谷先生、木村先生他スタッフの皆様に大変お世話になり、ありがとうございました。

 まだ、これからもよろしくお願いいたします。


敬具

2013年6月5日

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事例:石灰化僧帽弁(MAC)と虚血性心筋症に僧帽弁置換を行った患者さん

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慢性腎不全・血液透析の患者さんには独特な注意とケアが大切です。

冠動脈はじめ全身の動脈に硬化がおこり、血管が詰まったり狭くなったりします。

また僧帽弁や大動脈弁も壊れやすくなります。

とくにMACと呼ばれる僧帽弁輪への石灰沈着は高度になると手術の障壁になりかねません。弁形成や弁置換しようにも針が石灰を通らなくなるからです。

しかし現代はこのMACにも対策があり、治せる病気になりました。

患者さんは56歳男性です。

19年前に慢性腎炎による腎不全のため血液透析を導入されています。

以前から僧帽弁閉鎖不全症大動脈弁狭窄症が見られていますが心電図で左脚ブロックが次第に強くなるため当院内科へ来られました。

00040121_20091111_CR_1_1_1内科にて精査の結果、冠動脈左前下降枝と右冠動脈に狭窄がみつかり、それぞれロータブレーターと薬剤ステントDESをもちいたカテーテル治療PCIにて軽快しました。3か月後の検査で左前下降枝は再狭窄していたためここにも薬剤ステントを入れられました。

その半年後に僧帽弁閉鎖不全症のため心不全がコントロールできなくなり、心臓外科に紹介されました。

右図はそのときの胸部X線写真です。

00040121_20091006_US_1_16_13b僧帽弁には僧帽弁輪石灰化MACがあり、肺高血圧症PHもある、虚血性心筋症・心不全(駆出率27%と正常の半分以下)ともいえる状態でした。(左図)

PCI後に時々起こる心筋症です。

胸骨正中切開・心膜切開で心臓にアプローチしました。心臓は拡張著明でした。
体外循環・大動脈遮断下に左房を右側切開しました。

僧帽弁は後尖のP2(後尖の中ほど部分です)弁輪に石灰化著明で、P1(後尖の前交連側)とP3(後尖の後交連側)にも石灰化は及んでいました。また前尖A1(前尖の前交連側)とAC(前交連部)にも石灰は強くありました。

後尖腱索の大半を切除し後尖を反転させてこれらの石灰化を左室筋肉に傷をつけないよう注意しながら摘除しました。

最初はロンジュールという道具で石灰を砕いてはずし、以後は超音波破砕器CUSA(キューサ)で石灰化を乳状化して溶かすように切除し心筋にまで影響が及ばないようにしました。

後尖と後尖弁輪が石灰摘除のためやや弱くなったため、前尖を弁輪から5mmのところで切断しこれを左右に二分して後尖側へ再固定し、後尖縫合部の補強と心機能の改善・左室破裂の予防を図りました。

その上でSJM機械弁27mmを縫着しました。

この患者さんの体格からは十分なサイズで、かつ拡張した左室の基部をある程度縮小し心機能を改善する効果も多少は期待できるサイズです。

石灰摘除部でも人工弁がきれいに乗っていることを確認し、念のため逆流試験にて縫合部や弁の開閉に問題がないことを確認しました。左房を2層に閉じて87分で大動脈遮断を解除しました。

00040121_20091124_US_1_18_18b体外循環を離脱しました。術前心機能の弱い患者さんでしたが離脱はカテコラミンなしで容易でした。入念な止血ののち、手術を終えました。
経食エコーにて良好な弁の縫着と機能を確認しました(右図)。

術後経過は順調で、血行動態安定し出血も少なく、術翌朝抜管し透析を行っています。

透析と心不全のため時間をかけて回復を促し、手術後1か月半で元気に退院されました。

00040121_20130115_CR_1_1_1手術から3年あまりが経過し、外来へ定期健診にこられます。

左室駆出率も術直後の11%から27%まで回復し、まずまずお元気です。

今後も健康管理をしっかりし、お元気で暮らして頂きたく思います。

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僧帽弁膜症の関連リンク

原因 

閉鎖不全症 

狭窄症

◆  機能性僧帽弁閉鎖不全症

弁形成術

◆ リング


虚血性僧帽弁閉鎖不全症に対するもの

腱索転位術(トランスロケーション法)

両弁尖形成法(Bileaflet Optimization)

乳頭筋最適化手術(Papillary Head Optimization PHO)

 

④ 弁置換術

◆ ミックス手術(ポートアクセス法)によるもの  


⑤ 人工弁

    ◆ 機械弁

生体弁 

       ◆ ステントレス僧帽弁: ブログ記事で紹介

心房細動

メイズ手術

心房縮小メイズ手術

心房縮小メ イズ手術 


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事例: 感染性心内膜炎IEのため僧帽弁置換術を受けた患者さん

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感染性心内膜炎(IE)の治療ではしっかりとした状態評価と、いざというときにいつでも手術できる足腰の強さ、さらにばい菌を完全に消すまで粘り強くかつ適切に抗生物質を使いこなすちからが求められます。

以下の患者さんはこの感染性心内膜炎のため遠方の大学病院からお越し下さいました。

65歳女性、感染性心内膜炎IEに僧帽弁閉鎖不全症弁MRと心房細動AFを合併しておられました。

セカンドオピニオンで来院された患者さんですが、ご本人とご家族のご希望で当院手術となりました。

一応落ち着いておられましたので、できるだけばい菌がいないasepticと呼ばれる状態で手術できるようしばし点滴ラインや抗生物質offで、経口ワーファリン等で経過をみておりました。それから手術になりました。

胸骨正中切開ののち心膜を切開しました。
体外循環・大動脈遮断下に左房を右側切開しました。

図1僧帽弁はまず前尖A2とA3に腱索断裂が複数あり(写真左)、

かつ古くなったvegetationが付着(写真下右)していました。

図2またACも逸脱気味でした。

一方、後尖はP2とP3が左室後壁に張り付き、

図3実質的にP2・P3は存在しないのと同様になっていました。

写真左でP2とP3はほとんど立ち上がることができません。

また写 図4真下右でP2とP3の大半が左室後壁に付着しています。

後尖が半ば存在しないanatomyでの弁形成は、弁尖をあらたに造れば形成は十分可能です。前尖には人工腱索を6-8本も立てればきれいにかみ合うようになるでしょう。

しかし感染がまだ多少でも残存している恐れから複雑な弁形成がやや不利な状況と、すでに60歳半ばのご年齢で生体弁もかなり長持ちしやすいことを併せ考え、この患者さ 図5んの場合は前向きに弁置換が有利と判断しました。

そこで前尖の元・感染部を切除し、

残りの前尖後尖腱索を僧帽弁輪に再固定(写真左)する形で乳頭筋を温存し心機能を守るようにしました。

モザイク生体弁27mmを 図6固定しました(写真右)。

それに前後して、冷凍凝固を用いたMaze IIIをまず左房側に行い(写真下左)、

図7左房を閉じて、70分で大動脈遮断を解除しました。

左心耳は除細動の可能性が高く、

かつ心房性利尿ホルモンANP分泌能温存を考慮し、

閉鎖しませんでした。

図8心拍動下に右房をメイズ切開し、右房メイズを行いました(写真左)。

エア抜きののち119分で体外循環を離脱しました。

離脱はカテコラミン無しで、心房ペーシングにて容易でした。

切除した前尖 図9の感染部(写真右)です。

経食エコーにて良好な僧帽弁(人工弁)機能と心機能を確認いたしました。術前にワーファリンないしヘパリンが入っていましたので入念に止血を行い手術を完了いたしました。

術後経過は順調で、出血も少なく、心房ペーシングで血行動態は安定し、夕方には覚醒、術翌朝人工呼吸から離脱しました。

もともと感染性心内膜炎IEがあったため、時間をかけて感染の治療(予防)を行い、術後3週間で元気に郷里へ戻られました。

心臓手術から4年が経過し、現在は毎年1度、定期健診に外来へ来られます。笑顔を拝見するたびにうれしくなります。

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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事例: クレフトのある先天性僧帽弁閉鎖不全症

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先天性僧帽弁閉鎖不全症にはさまざまなタイプがあります。

単にクレフトと呼ばれる弁尖のき裂から、それが大きくなって弁輪に達するもの、さらに弁輪を割って心房中隔欠損症ASDや心室中隔欠損症VSDまでに至るものなど、さまざまです。

Ilm19_cb02025-sその他にもさまざまなき裂、低形成、腱索や乳頭筋の異常などがあります。

いずれにせよ、こどもの頃からの逆流のため、長い年月を経て弁の形も正常も変化変形します。

それぞれに応じた対応が大切と思います。それによって弁形成ができるからです。この病気では若い患者さんが多いため、きわめて重要なことです。

患者さんは30代後半の女性です。

11歳のときに心雑音を近くの病院で指摘され、以後毎年2回定期健診を受けておられました。

13歳ごろに倒れて近くの病院へ行き、そこで重い僧帽弁閉鎖不全症と初めて診断されたそうです。以後、2か月ごとに外来通院し内服治療を受けておられます。

来院の前年までは毎日仕事をしておられましたが、それ以後次第に息切れが増え、旅行などのときに苦しくなったこともあったそうです。何とか一日おきの勤務で頑張っておられましたが、弁形成ができるという話を聞いて米田正始の外来へ来られました。

心不全のある、高度な僧帽弁閉鎖不全症のため手術を行いました。

全身麻酔下に胸骨正中切開・心膜切開でアプローチしました。
体外循環・大動脈遮断下に左房を右側切開しました。

図1僧帽弁は術前診断どおり、前尖に裂隙(クレフト)があり、

僧帽弁輪中央部からやや後交連側に斜めに走行する形でクレフトができており、

クレフト部の前尖は肥厚と硬化が著明でした(写真左)。

僧帽弁輪そのものは何とか保たれていました。

乳頭筋は前尖のクレフトの左右比に近い形で、前乳頭筋が後乳頭筋よりもやや発達し 図2ていました。

また後尖はP1がやや低形成で、

P3が腱索伸展のため逸脱していました(写真右のセッシでP3を把持)。

P2-P3間のScallopが前尖のクレフトの対岸にあり、ここからMRが強く発生しやすい形でした。

総じて、先天性のクレフトMRで、その後P3の逸脱という後天性疾患が加わったもので、クレフトは共通房室弁口の亜形と考えられましたがASDやVSDはありませんでした。

図3まずクレフトを僧帽弁輪から弁尖まで結節縫合にて修復再建しました。

このとき、

弁輪近くの僧帽弁輪形成術MAPの糸は左室側から、大動脈弁を直接チェックしながら弁輪に刺入しました(写真左)。

さらにP3をP2にEdge-to-edgeで連 図4結し、

P2-P3間のScallopを閉鎖しつつ、

同時にP3の逸脱を防ぐようにしました(写真右)。

Duran柔軟リング25mmで全周性にMAPを行いました 図5(写真左)。

柔軟リングを用いることで隣接する大動脈弁のジオメトリーを変えないように、

また弁輪部のクレフトが再発しないようにしました。

逆流試験にてMRの消失を確認し(写真右)、

左房を閉 図6じて87分で大動脈遮断を解除しました。

経食エコーにてMRの消失と良好な心機能および大動脈弁を確認しました。弁形成の完了です。

入念な止血ののち手術を終えました。

術後経過はおよそ順調で、出血少なく血行動態もおおむね良好で、術当夜抜管いたしました。

術翌朝一般病棟へ帰室され術後10日目に元気に退院されました。

あれから3年が過ぎ、現在は毎年1回定期健診に来られます。

心臓もすっかり小さくなり、リズムも含めて正常化しました。お元気なお顔を拝見してうれしく思っています。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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