第九回患者さんの会のお知らせ

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皆さまいかがお過ごしでしょうか。ことしは冬の寒さが長引き、風邪などひいておられないでしょうか。

さて大変お待たせいたしましたが第九回の患者さんの会を開催させていただくことになりました。

皆さまご存じのとおり、秘書の中村さんが寿退職されたころから、米田自身も病院での心臓手術や出張なども増え、おそくとも昨年秋ごろにはと思っていたのが、ずれずれになっておりました。

ちょっと今日的なテーマなどを準備し、世話人の全さんのケーキなどをいただきながら、皆さまと久しぶりに歓談できるのを楽しみにいたしております。

----記----

第九回患者さんの会

日時:平成24年6月3日日曜日 午後1時から午後4時まで

場所: キャンパスプラザ京都

内容:近況報告(米田正始、何人かの患者さん)

講演:「地震や津波から何とか逃れた、それから心臓病の患者さんはどうすれば??」 米田正始

地震や津波が来れば生活環境は破壊され医療情勢も悪化します。そのときにどうやって体を守るか、ご一緒に考えたく思います。

質疑応答なんでも相談: 心臓手術やそれにまつわる悩み・疑問をどうぞ

(込み入ったご相談はとりあえず簡略お話しし、後日また時間をもうけるなど致します)

総合司会:松岡さん

連絡事項、新たな世話人さまなどのご相談

お申込み: 準備の都合上、お早めにお申し込みください

参加費: おひとり2500円(含:会場費、飲食代、通信費、その他)

申し込み先: 米田心臓外科オフィス 電話 080-6105-8231 FAX 075-712-8835

          eメール  sakura-koiti@snow.ocn.ne.jp

 

*********** 会場のご案内 ***********

キャンパスプラザ京都

〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る
キャンパスプラザ京都
(ビックカメラ前、JR京都駅ビル駐車場西側)
TEL.(075)353-9111
FAX.(075)353-9121

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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お便り52: 死亡率50%と言われた心臓手術を無事乗り切った透析患者さん

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慢性腎不全・透析の患者さんでは狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患大動脈疾患・動脈疾患だけでなく、弁膜症も起こりやすいことが知られています。

腎臓が壊れると血管・大動脈や弁も壊れやすくなります。大切にしてください動脈硬化が進みやすく、弁もまた同様に硬化し壊れてしまうのです。これは血液透析でも腹膜透析でも同じです。

 

そうした患者さんでは弁を中心として心臓手術に際してもきめ細かい配慮や治療が必要です。

 

たとえば弁がカチカチに石灰化し、石のようになっているときには

その石灰をきれいに摘除してから人工弁を植え込む必要があります。

でないとあとで石灰が圧力で溶けると弁の縫い代が緩んで逆流することがあるからです。

 

さらに僧帽弁では弁の付け根である弁輪などにも石灰化が起こる、

いわゆるMAC(マック)と呼ばれる状態になると手術にも熟練の技術が必要となります。

 

そして次の患者さんのように、上行大動脈を含めた大動脈が、動脈硬化でカチカチに石灰化すると、普通の方法では心臓手術は危険になります。

弁の心臓手術では必ず上行大動脈を一時遮断する必要がありますが、

石灰が割れて飛び散ると脳梗塞などの重大な合併症がおこります。

それに対する対策をもって心臓手術に臨んでこそ、患者さんを救命できるのです。

 

Ilm23_dh01001-s次の患者さんは静岡県在住の71歳の男性で長年腹膜透析を続けておられましたが、

大動脈弁狭窄症僧帽弁閉鎖不全症が発生し、危険な状態に近づきました。

近くの病院では心臓手術となれば危険率つまり死亡率が50%と言われるほどの重症でした。

 

そこで思い余ったご家族が米田正始までメールを送ってこられたのがお付き合いの始まりでした。

 

さまざまな対策を立てて、大動脈弁を機械弁で置換し、僧帽弁を形成しました。

心機能が低下していたため私たちが開発した方法 (両弁尖形成法、Bileaflet Optimizationと呼びます)を用いました。

時間の節約や患者さんの体力温存にも役立ちました。

さらに天皇陛下の心臓手術と一部同様の左心耳閉鎖で血栓や脳梗塞が起こりにくいようにしました。

 

術後経過は順調で、元気になられました。

下記の2つ目のメールがその感謝メールです。

 

どんな時でもネバーギブアップです。そのために情報を集め、どしどし質問し、相談し、一緒に考える、これが大切です。

私たちもぜひお役に立ちたいと平素から願っています。

 

**********最初にいただいたメールです**********

こんにちは。

71歳になる父の事についてご相談させてください。

静岡県**市に住んでおります。

父は幼い頃から腎臓が悪く、3年程前に手術をして腹膜透析を今現在もしておりま
す。

昨年末にカテーテルの検査をして、心臓の弁の動きが悪くこのままでは心臓がもたな
いので、

心臓血管外科のある病院で弁の交換の手術をしてもらうように進められました。

その後、そちらの病院でCTなどもろもろの検査をしていただきました。

検査結果が出るのに数日あいていたのですが、その間に胸が苦しく、呼吸がしにくい
と言い出し、急きょ外来で診ていただいたところ、

心不全をおこしておりそのまま入院しました。

検査の結果は、大動脈弁、僧帽弁などの動きが悪いだけでなく、

透析の関係で血管の石灰化がとても強いと言われました。

弁の手術をするにしても、血管の石灰化により血管の破裂、はがれた物が脳などに詰
まる可能性などのリスクがあると言われました。

5分5分ぐらいを考えていてほしいと...

また、セカンドオピニオンを受けて納得してからでもいいので、よく考えて決めて欲
しいとの事でした。

ただ、このままほっておいてもまたいつ心不全をおこすかわからないし、

そうなった時今以上に治りが遅くなること、

その繰り返しが続くと治らなくなること、

また石灰化が進行していくので今が最後のチャンスではないかと言われました。

その場ではすぐに返事はせず、家族でよく話しをしました。

 その病院はベット数100に満たない割合と小さな病院です。

先生はわかりやすく検査の結果や手術についてお話してくださいますし、スタッフの
みなさんもとても親切で感じの良い病院です。

しかし、心臓の手術ということと、普通よりリスクの大きいことなどを考えるともう
少し設備の整っている病院のほうが良いのではないか?

と、家族は考えてしまいます。

しかし、別の病院に行って検査をして手術に至るまで父の体力がもつかも不安の材料
です。

今は、心不全も改善され体調も安定しています。

どんな手術でもリスクがあることはわかっていますが、家族として最善の方法を考え
てあげたくインターネットを見ていたところ、

先生のホームページを拝見しメールをさせて頂きました。

お忙しいところ大変申し訳ありませんが、アドバイスいただきたく思います。

宜しくお願いいたします。

 

*******心臓手術後にいただいたメールです******

こんにちは。

14日に父の手術をしていただきました**です。

無事手術も終わり、先生方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

地元の病院で、成功率50%と言われ一人娘としてどうにかして父を助けたいとの一心
で、たまたま目にした先生のホームページにメールをさせていただきました。

先生のホームページを見てもとてもお忙しいのはわかりましたので、まさか1時間も
しないうちに先生ご自身からわざわざお電話頂くとは夢にも思っていませんでしたの
で、本当にびっくりいたしました。

その時、先生とお話させていただき、父を名古屋まで連れて行こうと決心しました。

手術前の説明も、専門知識のない私達にもとてもわかりやすく、不安な事は何でも質
問するようにとおっしゃって頂きました。

先生のお言葉で、父本人も私たち家族も何の不安もなく手術に向かうことができたと
思います。

北村先生、深谷先生、小山先生も病室に何度も来てくだって父の不安を和らげて下さ
いました。 

手術前も先生方が全員で父のところに来てくださり「スタッフ全員でがんばります。」という、名古屋ハートセンター、米田先生のチームという感じを受け、とても心強かったです。

また、看護士、受付の皆さんもとても親切で、手術後の父のケアはもちろんのこと、
付き添っている母に対してもとても優しくしていただいたそうです。

(術後、父がわがままを言ったようです。母も手術無事に終わり、慣れない土地での
生活に張り詰めた気持ちが少しゆるんだようで、泣いていたようです。)

本当にありがとうございました。

とりあえず、母は昨日いったん自宅に戻りました。

父にはリハビリを頑張ってもらいたいと思います。

わがままを言って看護士さんを困らせなければ良いのですが....

私も時間のとれる限り父の様子を見にそちらへ伺うつもりでおりますが、宜しくお願
いいたします。

また、先生のほうからお話があるようでしたらいつでも伺いますのでご連絡くださ
い。

本当に米田先生にめぐり会えた事に感謝しています。

私が病院にいた間だけでも、毎日たくさんの救急車が来て、手術をなさっているようで
すので、先生もお体にお気をつけください。

本当に、本当にありがとうございました。

 

****

 

********追伸です**********

おはようございます。
お忙しい中返信ありがとうございます。

昨日の午後、父の体調も安定しシャワーも浴びることが出来ましたので、自宅の静岡
に戻ってまいりました。

今朝も父と電話で話をしましたが、声にもはりが出てきましたし食欲も出てきたよう
です。

腹膜透析も順調に行えているようでホッとしております。

 
先生方をはじめ、スタッフの皆さん方には感謝でいっぱいです。
ありがとうございます。

ところで、ホームページへの私どもの掲載の件ですが、喜んでお受けいたします。

私が米田先生や名古屋ハートセンターを知るきっかけになったのもインターネットの
お陰です。

どこかで心臓手術で悩んでいらっしゃる方が父のような場合でも無事手術を終え、回復にむかっていることが決断のきっかけになればと思います。

 
腹膜透析ということで、先生方やスタッフの皆さんにも普通の患者さん以上に神経を
使わせてしまった分、その事が何かのお役にたつのであれば嬉しいです。

それでしたらもう少し上手にコメントを書ければ良かったのですが(笑)・・・

先生にお任せいたしますので、お役にたつようにお使いください。

 
このまま順調に行けば、来週にでも数泊で母が名古屋に行く予定でおります。

まだまだ、ご迷惑をおかけいたしますがどうぞ宜しくお願いいたします。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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お便り51: 肝硬変と多弁置換再手術を乗り越えた患者さん

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Ilm09_dd05001-s心臓弁膜症では永い間に修復した弁が傷んだり、人工弁それも耐久性を誇る機械弁さえ機能不全に陥ることがあります。弁そのものが大丈夫でもパンヌスと呼ばれる自己組織が伸びて弁の作動を妨げることがあるからです。

さらに長年月の間に心不全やうっ血のため肝臓などの内蔵が壊れることも少なからずあります。あるいは昔の心臓手術の際にC型肝炎となり、その後肝硬変、場合によっては肝臓がんとなっての闘病生活ということさえあります。昔は肝炎の検査法が未完成でC型肝炎などは防ぎづらい病気だったのです。

以下のお手紙の患者さんは昔、九州の大学病院で、僧帽弁と大動脈弁の機械弁による弁置換と、三尖弁形成術を受け、その後、長年お元気にしておられましたが、パンヌスの生成のため大動脈弁が壊れてしまいました。Omm05_ikm001-s

三尖弁も長年の逆流のため劣化が著しく、高度な三尖弁閉鎖不全症となりました。それによる肝臓うっ血と昔の心臓手術の際のC型肝炎のために肝硬変に進行していました。Child分類(チャイルド分類)でB型(つまりかなり悪い状態)の肝硬変は大きな心臓手術とくに再手術に耐えられない恐れもありました。

さまざまな工夫をしててきぱきと大動脈弁を新たな機械弁で取り換え、三尖弁は弁がもはや使えないほど壊れていたため生体弁で弁置換しました。

入念な術前準備、体調管理のおかげで術後はうそのように経過が良く、翌日には集中治療室を無事退室されました。

しかしそれから肝臓の疲労が蓄積し、肝機能が低下し、ふたたび集中治療室で治療が必要となりました。危険な状態がしばらく続きました。それらを乗り切ったあとは次第に元気になられ、退院のときには手を握り、お互い涙が出てしまうほど感動しました。

以下はその患者さんからのお手紙です。ほんとうによく頑張って下さったと今も感慨深いものがあります。

********************

米田正始先生

早いもので、先生方に治療・手術をしていただいてから5ヶ月近く経ち、今日こうして元気に外来できましたことに心から感謝しております。

私も昨年10月26日退院以来、地元の大学病院に通院して治療を続けております。

その間、貧血のため検査入院をし、造血剤の投与などを受け、現在順調に推移しています。

自分自身、病識のなかったことを痛感しており、今後私と同じような状態にある人に対して、名古屋ハートセンターの先駆的な取り組みの素晴らしさや医療技術の高さ等と私の体験を話して、早期の診断・治療を受けるよう勧めていきたいと考えています。

当初の予定では、11月22日に外来診察を受けるところでしたが、前述のとおり、貧血のため検査入院が必要となり、今日の外来となりました。

今日の検査結果を受けて、種々ご指導があるかと思いますが、それに基づいて今後も治療を続けていきたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

先生方は、わたくしたち病者の救いの手であり、希望のひかりであります

何回言っても言い尽くせませんが、本当にありがとうございました。

時節柄、健康には十分留意され、今後の活躍をお祈りいたします。

平成24年1月19日

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お便り50: 大動脈二尖弁と上行大動脈瘤の患者さん

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大動脈二尖弁は100人にひとりの割合で発生する病気です。

本来3枚ある弁尖つまり弁のひらひら動く部分が2枚になっており、弁尖に力が過重にかかり次第に壊れていくことが知られています。

そのままとくに問題なく人生を送られる方も多数あるのですが、次第に弁が壊れて弁膜症として治療が必要になることも多々あります。

この大動脈二尖弁はかつては弁の病気と考えられていましたが、数年前、大動脈の病気でもあることが大動脈壁の遺伝子解析で解明されました。

私たちは以前から大動脈二尖弁の患者さんの大動脈は通常よりかなり弱いと考えていましたので、手術のときにも、このままでは将来瘤(こぶ)になると確信した場合は安全な限り、人工血管で取り換える治療をしてきました。

近年は、この大動脈二尖弁を比較的早期に形成つまり修復すれば、長持ちするというデータを得て、可能な場合に大動脈弁形成を行っています。

P1140323c下記の患者さんは大動脈二尖弁を勉強して私にメールで連絡を取ってこられました。

じっくり相談し、長期的にもっとも患者さんに有利な方法で心臓手術しました。

弁は破壊が強かったため、あえて弁形成せず、生体弁で、かつ将来のもしもの再手術を回避できるよう、カテーテル弁(TAVI)に対応できるかたちで大動脈弁置換を行いました。
また上行大動脈は拡張し薄く弱くなっていたため、これを人工血管で置換(取り換えること)し、かつ将来瘤になる恐れがある近位弓部大動脈にも人工血管を外張りの形で縫い付けるラッピングにて補強・保護しました。

創もミックス法(MICS)にて通常の半分程度の小さい創で手術を完了できました。

将来のさまざまな問題をできるだけ予防し、また対応できるようにしましたが、これも患者さんやご家族とじっくり長期計画を相談できたおかげです。

外来や入院中はこうして質疑応答をし、一緒に考え、大いに語る、これもこれからの医療の大切なポイントと思います。

***********************

米田正始 先生

このたび、先生にお世話になりました
****でございます。

PtLetter50予定通り、先日2日に退院させていただきました。

昨年末、不躾ながら突然メールを差し上げました
ところから、あっという間に入院・手術・退院と今に至り、
この間、夢の中にいたような気持ちでおります。

いままで、他の病院に通院し、手術の時期について
悩んでおりましたことが嘘のようです。

初めて先生にお目にかかった時、何の迷いもなく
すべてお任せする気持ちになりました。

入院中も、回診のたびに先生方に、小さな疑問にも
丁寧にお答えいただき、毎日小さな不安が払しょくされて
いきました。

なかなか、お医者様にくだらない質問をするのは勇気が
いることですが、そんな心配もないほど、親切にしていただきました。

たまたま見つけた先生のWEBサイトから、先生に巡り合え
ましたことを、周りのものが、「神様のお導き」では、なかったかと
申しましたが、本当にそう思います。

先生方には、感謝の気持ちで一杯です。
簡単には言葉にはできません。

それでも、まずはお礼をと思いメール差し上げました。
本当にありがとうございました。

************************

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お便り49: 高度の大動脈弁狭窄症で緊急手術した患者さん

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大動脈弁狭窄症は高齢化社会の中で増加している病気のひとつです。

 

動脈硬化と同じことが大動脈弁にも起こり、弁尖が硬くなって開かなくなるのです。

大動脈弁は心臓の出口にある重要な弁で、

これが開かなくなると心臓に負担がかかり過ぎ、

重症になると突然死したり、そうでなくても1年間で半数の方が亡くなる病気です。

 

Ilm2007_01_0798-sしかしこの病気は治せる病気です。

生きているうちにとくに全身の状態がまずまず良いうちにしっかり手術すれば、

すっかり元気になれる病気です。

以下の患者さんはこの大動脈弁狭窄症それも重症の方で危険な状態になって私の外来に来られました。

じっとしていれば一見お元気でも弁がほとんど開かず、少し負担がかかれば状態が急変し、心臓が止まりかねない状態でした。

年末だったのですが、不安な状態で年明けを待つよりもすぐ心臓手術で治すことが安全上有利だったため、御用納めの日に緊急手術しました。

お正月のお祝いは病院でやって下さいとお願いしました。

術後経過は順調でお正月明けには退院され、

楽しみにしておられたお孫さんの結婚式にも十分間に合いました。

というより、結婚式に間に合うように患者さんと一緒に努力しました。

それからこころ温まる、楽しい写真を送って頂いたので、

ぜひこの経験を他の患者さんにも役立つよう手記をお願いしたところ、

次のお手紙を下さいました。

*****************************

「義理母が大手術を乗り越えて」

次に新郎が退出の時間です。その前に新郎が、心臓の大手術を乗り越えられたおばあさまへ感謝のお言葉を贈られます。

PtLetter49b「ばあちゃん、今日は僕たちの結婚式に出席してくれて本当にありがとう!ばあちゃんがたいへんな心臓の手術をしてひょっとしたらこの席には座って貰えないかもと本当に心配していました。でも間違いなくその席ににこやかに笑っていてくれるそれだけで本当にうれしく心から感謝します。みなさま僕のおばあちゃんに大きな拍手をおねがいします。!」

この時ばかりは、拍手のうずの中心にいたのは義理母でした。

2011年12月24日奈良橿原の診療所で米田先生のセカンドオピニオンを母と妹3人で聞いていました。

「母の心臓大動脈弁狭窄症としての病状と数値が良くない、交換弁は、絶対生体弁がいい。」という結果でした。

というのもこの病気で77歳という年齢、しかもいつ突然死が起きても決して不思議ではない数値。

でも母はそんなにしんどがってない、これは母の身体能力が高く日頃から体操やプールに通ってたからこそ平気で生活できていたのでした。

米田先生は、分かりやすくとても丁寧な説明や適格な病状の診断を私たち素人3人にお話しくださいました。

色々説明や日常のお話を聞いて頂いているうちに物腰やさしい米田先生の診断を信じてみようと私も妹も同じ気持ちだったのです。

それよりもっと強くその気持ちを持ったのは、本人の母だったのです。

「米田先生に手術お願いできますか?先生私の手術してください。」と彼女自身が決めてしまったのです。

米田先生は、「12月29日の仕事納めを**さんの手術で仕事納めにさせて頂きましょう。」の一言。

入院日は名古屋今年初めての雪。高速をおりたら一面街は雪景色でした。幸いすべての 検査入院結果のデーターも届けられ無事手術成功!手術した日のみCCU室で次の日にはしっかり意識も回復して出された朝食は全て食べる事ができました。先生や看護師さんたちも驚かれる位驚異の回復力でした。

母は日に日に回復し手術して10日めに退院にこぎつけました。そしてみごと孫の結婚式に十二分に間に合い素敵なばあちゃん!として祝福されたのです。

米田先生の全ての患者さんの側に立つ医療、決して簡単な事ではないと思います。多くの医師や看護師さんたちスタッフの連携と協力、患者を第一に想って頂ける気持ちがひとつになって初めて実現できるもの本当に頭の下がる思いでございます。

心臓に何か不安をお持ちの方には是非名古屋ハートセンターにご一報を!決して私どもはまわし者ではございませんが必ず何か解決の糸口が見いだされる事でしょう。私たちがそうであったように。

本当にありがとうございました。

大阪府***市** ****。

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お便り48: ミックス手術ですみやかに社会復帰された患者さん

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かつて心臓手術は大きな侵襲つまり体への負担はやむをえない、

ある意味、当然という空気がありました。

今でも他の臓器の手術と比べると大きな手術であることが多いようですが、

それでもできるだけ体の負担を減らし、創を小さくし

骨を切るところを減らし、

痛みの軽減や早い社会復帰をめざす方向にあります。

いわゆるミックス手術(MICS手術、低侵襲小切開手術)ですね。

 

Ilm10_de02004-s下記のメールはミックス手術での大動脈弁置換術を受けられた50代女性です。

関西からお越しいただきました。

実年齢よりかなりお若く見え、

もともと積極的で活発に生きてこられた方だけに、

できるだけ手術のあと、早期に社会復帰をしていただこう、

そして美容上もなるべくきれいな形にしようとしました。

ミックス手術の中でもポートアクセス法はじめ、いくつかの方法をもっているのですが、

この方の場合は医学的理由で胸骨を部分的に正中切開する方法をもちいました。

将来のカテーテル生体弁(TAVI)を考慮してヨガbiyou_0004

生体弁をもちいた大動脈弁置換術AVRでまとめました。

活発な生活を長年にわたって続けて頂けるよう、配慮しました。 

 

手術の後の回復は早く、

ミックス手術(MICS手術)の効果以上に患者さんの明るさと頑張りに頭が下がります。

また外来でお元気なお姿を拝見したいものです。

 

********術後12日目にいただいたメールです******

米田先生

先週の金曜日、退院の日は、嬉しいながらも大変、残念でございました。
先生にお会いでき、きちんとお礼を言って帰京できると思っておりましたので。

退院も無事に出来、先生には並々ならぬお世話になりました。
お礼の言葉も、言葉だけでは伝わりにくくございます上、
失礼のないお礼はと、ずっと気になっておりました。

先生のお話の中で、関西では、お世話になったから、又、関西で
何か?をする為に動き出している、とのお話でした。
それらで、寄付金を募っておられましたら、又この先、
そのような事がございましたら、是非、お声をかけて下さいませ!
先生への感謝の気持ちで、微力ではありますが、協力させて
頂きたいと存じますので。

***は2週間の予定でホテルを予約してましたので、
金曜日、土曜日(ノリタケの森に行ってきました。
術後10日目に観光できるとは、自分でもビックリ!です。何かあれば、日曜夜に病院に戻ればいいと思ってましたから・・)
と名古屋に滞在し、昨夜、祇園祭りの喧騒を避けて、京都に戻って参りました。

それでは、1ヶ月検診までに、2kg落ちた体重(1800カロリーの病院食をきれいに食べてましたのに、落ちるものなのですね。)を少しづつ戻るよう、しっかり食べ、ウォーキング等、行い、体力をつけてハートセンターに参りたいと思います。

先生、名古屋も暑いですね。どうぞ、お身体をご自愛下さいませ。

****

*******************************

米田先生

PtLetter48A先だっては一月検診の時、わざわざご丁寧なお話を有難うございました。
その後、京都から大阪に慌ただしく引っ越しし、それも無事にこなし、ここメルボルンに来ました。
冬の終わりだというのに日中の日差しは強く、暖かくて過ごしやすい気候です。

退院後、いつの間にか、息がし易くなっており、現在は、殆ど胸骨の痛みもありません。
胸ベルトをしてますので、窮屈に感じますが、深呼吸がとても気持ち良くでききるようになり、心臓弁が替わったんだなとつくづく感じます。

ウォーキングをしたり、2日~3日に一度はプールでゆっくりと泳ぎ、体力をつけています。

9月16日が高木先生の診察ですので、そのエコー検査の結果を持って、次回、10月にハートセンターに出向きたいと思います。

10月にヨーロッパ旅行に出る計画ですので、3種類の薬(アルダクトンA,バイアスピリン、メインテート)もまだ継続中ですから、注意点などを次回の診察の時に伺いたいと思います。(元々、低血圧ですので、この薬を飲んで、下がってるという感じはしないのですが。)

術後まだ2カ月足らずですが、これからますます元気になったんだな。と実感できる事が沢山あるかと思います。そんな時、いつも先生に感謝しています。

  敬具

*****

******術後3か月にいただいたメールです*********

米田先生

本日、血液検査、レントゲン、心電図と北村先生の診察でハートセンターに出向いておりました。

どこも問題がなく経過良好です。

自分でも、知らず知らずのうちに、どんどん元気になっていっている様な気がします。
有難うございます。

週末より一月程のヨーロッパ旅行に出かけますので、
(今までは体力に自信がなく、一月の旅行は敬遠してたのですが)
毎日、歩いたりして、実感として健康になったと感じる事と思います。

次回の検診は1月でございますので、宜しくお願い致します。

先生もお元気でご活躍下さいますよう心よりお祈り申し上げます。

***

**********************************
米田先生

メールを有難うございました。

今、パリに来ています。

PtLetter48B普段なら、交通機関で回るところを、昨日一日、歩いて名所を巡りました。
腰や足は痛くなりましたが、深呼吸ができ、酸素が充分に吸えるので、上半身はすこぶる調子が良かったです。

手術後三カ月足らずで、健康体の身体に戻るとは、自分でも驚くばかりです。

身体に自信がついてきましたので、この後、バルセロナから、2週間の航海で、マイアミに行きますが、船の中でも不安がありません。

(今日は、一度、目まいがしたのですが、20秒位で直りました。アルダクトンは、もう処方されてませんので、薬が原因ではなく、更年期等の症状かもしれません。)

先生、私の拙い文章で良ければ、どうぞHPで使って下さいませ。
私も患者ですので、手術の決心がつかれない気持ちは、よく解ります。
私は旅行が好きですので、海外で倒れたら人に迷惑かけますし、出かけてる時に家族も心配しますので、それで決心致しました。
大きな事じゃなくても、山に登りたいとか、何かがなければこのままでいいと思い、年々、踏ん切りがつかず、弱っていくんだと思います。
こんなに元気になるんなら、もっと早くにしておけば良かったと皆さん思われると思います。
それに、先生もおっしゃいましたように、若いうちにする方が、体力があり復帰が早いのは実感として感じます。

それでは、先生、私は火曜日の北村先生の診察になっておりますので、もし一月、病院にいらっしゃいましたら、お目にかかれますように。

宜しくお願い致します。

***

大動脈弁手術から3年が経ちました。またお手紙をいただきました。

人生をエンジョイされているご様子がよくわかります。

これでこそ、心臓手術を受けて戴いた意義があるというものです。立派です。敬服いたします。

今後も楽しくお過ごしください。

************

米田先生

日本は朝夕冷え込む季節になNEC_0342りましたが、お変わりなくお過ごしのご様子で、ご繁栄お喜び申し上げます。

11月16日の講演会の記事を読ませて頂きました。
誠に残念ですが出席出来ませんが、とても元気な事をお知らせしたくメールしました。

10月2日よりサンディエゴのラホヤに滞在しています。


来てすぐにサイクリングやハイキングをエネルギッシュにこなしています。
サイクリングも急な坂ありで、後で聞くと何と30キロ以上の距離だったそうです。

ハイキングも平坦な道でなく写真のような崖を登りました… 初めはどうなることかと思いましたが、筋肉痛もなく、お陰様で心臓もびくともしません。

NEC_0356昨日から車で3週間のアメリカ国内旅行に出発し、初めてアメリカで5時間も運転してPhenixに着きました。

明日はcamal backに登り、国立公園等をハイキングします。
自分でも、こんなに体力があったのかと驚いていますが、これも偏に先生に心臓を治して頂いたお陰と、いつも本当に感謝しています。

いつもお忙しくなさってます上、どうぞご自身のお身体も御自愛下さいますように。

P.S.  一つ少し心配な事は、いつも旅行をしますと、よく活動するせいか、体重が減って38キロを切ってしまいます。(83pound) 薬局でプロティンとココナッツオイルを勧められて混ぜて飲んでます。

糖質制限食の反対の炭水化物をもっと食べないと駄目ですね…

Scottsdaleにて

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お便り47: 心が通じ、大きな手術を乗り切った患者さん

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AoDissect2慢性大動脈解離は、大動脈解離のあと、

解離つまり壁が内外に裂けた状態がそれなりに一時安定した状態です。

そのままで行けることもありますが、

しばしば二次的に解離腔が拡張し、

大動脈瘤つまりこぶのように膨らむことがあります。

こうなると破裂の恐れが強くなり、

心臓血管手術が必要となります。

破裂してからでは体がもたず、手術が手遅れになって命を落とすことが多いからです。

 

下記の患者さんは78歳の女性で、

A型大動脈解離つまり上行大動脈 Ilm10_de02003-s心の解離を発生され、

近くの総合病院に緊急入院し、

内科治療を受けられました。

たまたまお薬や点滴で落ち着き、

そのまま退院して普通に生活しておられました。

しかし時間とともに解離した大動脈がこぶのように膨らんできて(慢性大動脈解離)、

そろそろ手術をという話が持ち上がりました。

しかしその病院での対応になっとくできず、

名古屋ハートセンターの私の外来に来られました。

 

図 トータルアーチ時間をかけて相談しているうちに、次第に打ち解け、

前向きに治療・手術に取り組む決心をして下さいました。

比較的ご高齢の患者さんにとってはかなり大きな手術ですが、

生きるため、そして活発に生きるために覚悟を決めて頑張って下さいました。

解離を起した弓部大動脈をすべて人工血管で取り換える、

弓部大動脈全置換という手術を行いました。

結果は順調で翌日には病棟へ復帰され、まもなくお元気に退院されました。

その後は普通の健康生活を楽しんでおられます。

 

Ilm20_ae04023-sその患者さんのご家族からのお礼のメールです。

病院の事務へ送られてきました。

簡潔な文章の中に患者さんのお心が感じられうれしく思いました。

 

また外来の定期健診でお会いしたいものです。

結局、人間はこころのつながり、信頼関係が一番大切で、

こころが一つになったとき、ベストの結果がでるものと思います。

 

**************************

Subject: ありがとうございました〓

 

21年9月に母親の大動脈オペをしていただき、今は普通の生活をしています〓

 

当時の母親は***のDrの対応が不満でオペを拒否していましたが、

米田Drの 優しく思いやりのある対応ですぐにでもオペをと希望した母を今だに笑い話になってます〓

 

あれだけ、嫌がっていたのに スタッフのみなさんも大変親切にしていただいて、退院するのを嫌がった事も思い出 しました

 

父親を二月に亡くし、その間入院している忙しい事でお礼が遅くなりました。

本当にありがとうございました。

米田先生は私たち家族の恩人です。 ありがとうございました。

 

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執筆:米田 正始
福田総合病院心臓センター長 仁泉会病院心臓外科部長
医学博士 心臓血管外科専門医 心臓血管外科指導医
元・京都大学医学部教授
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お便り46 遠方からご自分の信念で来院下さった患者さん

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セカンドオピニオンは患者さんの権利です。これを嫌がる医師には何らかの問題がある恐れさえあるのです
現代の医療は情報開示や患者さんの人権尊重が当然のことと受け容れられています。

それでも医師の中には患者さんが他病院でセカンドオピニオンをもらいたいとか

他病院へ移動したいと希望を出すと

怒ったり不愉快な態度をとったりしてなかば妨害しそうになるというケースがまだ散見されます。

それはその医師がご自分のやっている医療を他人に見られたくない、

他人に見せられない内容だからと言われてもしかたありません。

 

Ilm23_hf03006-s
以下の患者さんは

僧帽弁閉鎖不全症三尖弁閉鎖不全症心房細動それも脳梗塞既往に対する手術をもとめて長野県から来院されました。

やはり経験豊かなエキスパートが手術すべき状況で、

弁形成をちょっとかじっただけの外科医がやるべき状態ではありませんでした。

ご相談の結果、ご希望をいただき私どもで手術治療させて頂きました。

 

僧帽弁形成術三尖弁形成術メイズ手術

いつもどおり慣れた手順で、

正中ミックス手術(MICS手術)という創が小さくなる方法で手術させていただき、

お元気に退院されました。

僧帽弁閉鎖不全症の直接原因として、弁の複数個所が壊れていたため、

それぞれ修復しきれいに作動するようになりました。

 

以下はその患者さんのご家族からのお便りです。

これからは患者さんが勉強して医師を選ぶ、そういう時代です。

このことは僧帽弁形成術大動脈弁形成術などの、

経験を要する心臓手術の場合、とくに大切です。

医師はそのご期待に沿うべく、全力を尽くす、これがこれからの医療かと思います。

 

****************************

米田正始先生様

PtLetter46米田先生・・・この度は母の命を救って下さいまして本当にありがとうございました。何とお礼を申し上げましたらよろしいのでしょうか・・・本当に本当にありがとうございました。

**の病院で手術をする・・・という話になってから、「本当にここで手術をうけても大丈夫なのだろうか・・・?」とずっと不安な気持ちで毎日を過ごしていました。

カテーテルの検査をして、その結果を聞く時に、担当の先生が、「最初に言っておくけど、道路を歩いていても運悪く車にひかれて亡くなる人っているよね・・・それと一緒で、手術をしても運が悪ければ亡くなるって事があるっていう事を分かっておいてね。」と言われました。そして外科の担当の先生の診察の時には、「手術をして、脳卒中を起こしてしまう事があるので、そうなった時の家族でのサポート体制をよく話し合っておいて下さい。」とも言われました。

そんなにリスクの高い心臓手術なら、しない方がいいのではないか・・・でもこのまま心臓病を放置したら、母はどんどん苦しくなっていくし、どうすればいいのだろう・・・と、毎日一人で悩んでいました。

私には6才上の兄がいるのですが、兄は脳卒中が起きるのを心配してか、母の心臓手術にはもともと大反対でした。母に手術をするようすすめた私に、「母にもしもの事があったら全ての責任をとれ!!」とまで私に言いました。

ある日、隣のお家の奥さんと話す機会がありまして、お互いの両親の話になりました。そして、母の心臓の手術を**病院でうけるのがものすごく心配だ・・・という事を話しましたら、「インターネットで“日本の名医”って入れて検索してみて!!絶対に日本のどこかにお母さんの心臓を治して下さる先生がいるはずだから・・・」と言われました。

八方塞りで、もうどうしていいか分からなかった私に隣の奥さんが、米田先生と出逢えるきっかけをつくってくれたのです。 私はすぐに家へかけこみ、パソコンを開きました。そして「日本の名医」で検索をしてみました。その中で、「心臓血管外科情報WEB」(註、現在の名称は心臓外科手術情報WEBです)というサイトに目がとまりました。読み始めますと、それは米田先生が心臓病について、とても詳しく説明して下さっているページでした。

病院で簡単に説明されるだけで、私自身が母の心臓の病気について、ほとんどよく理解していなかった事が分かりました。それから毎晩、米田先生のページを読んで、母の心臓の病気について学びました。

そして、母の病気は米田先生だったら絶対に治して頂ける!!と強く確信頂しまして、名古屋ハートセンターにお電話させて頂きました。すぐに予約を入れて頂きまして、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

9月12日、初めて米田先生に診察をして頂いて、長野に帰る電車の中で母は、「よかった・・・米田先生に診て頂けて本当によかった・・・よかった・・・」と何回も安心した様子で話していました。母が通院していた歯科医院の先生にも「名古屋ハートセンターで手術をして頂く事になった」と話したところ、先生が「それはよかったですね、最高の先生の元で手術をするのが一番ですよ!!」と言われたと話していました。

兄達も、米田先生の手術の説明の後で、「すごくいい先生だね、米田先生ならおばあちゃん絶対大丈夫だね!!」と、その時初めて手術に賛成してくれました。
そして、手術のあとに、「あんなに素晴らしい先生を、この広い世界から見つけてくれてありがとう・・・」と兄からメールが届きました。
米田先生・・・本当に本当にありがとうございました。

母は、手術から目覚めた後私に、「本当によかった・・・米田先生のおかげで本当によかった・・・これで山へまた山菜とりに出かけられるね・・・!!」と嬉しそうに話してくれました。

米田先生に救って頂いた母の命を大切に、これから末長く親孝行をしたいと思います。
本当にありがとうございました。

*****の娘
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お便り45 僧帽弁形成術とメイズ手術でさらに前向きに生きられる80代半ばの女性患者さん

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かつて80歳代といえば

もうご高齢でゆうゆう自適、ご隠居さんというイメージがありましが。

しかし現代は違います。

平均寿命から考えても80代は人生の中ではまだまだ現役なのです。

 

Ilm2010_044-s以下のお手紙をくださった患者さんも、

弁膜症僧帽弁閉鎖不全症と心房細動)を治してまた元気に活発な生活をしたいと希望し、ご来院されました。

名古屋からはやや遠方の福井県からお越し下さいましたが、

これもまた現代的で、

ネットを活用し自分の病気に適したドクターをもとめて全国どこへでも行きますという前向きのご姿勢で来られました。

 

かつては近くの病院におまかせで、

その病院での心臓手術の実績やどういう医師が治療してくれるかなどはまったく知らない状態の患者さんが多かったのですが、

それではいけないと知り、みずからアクションを起こす賢患者さんが増えました。

 

以下はその患者さんからのお便りです。

僧帽弁閉鎖不全症に対して僧帽弁形成術心房細動に対してメイズ手術を行いました。

Ilm17_aa05003-s弁の逆流も消え、長年の心房細動も正常リズムにもどりました。

 

いっぱんに僧帽弁形成術のあとは回復も早いのですが、

実際、術後も直後からどんどん歩行運動して下さりまもなくお元気に退院されました。

外来でも活発なお姿を拝見しうれしく思っています。

 

***************************

Ptletter45日中はまだ29度の暑さですが朝夕の風が少しさわやかになりました
入院中は大変お世話になりまして誠とに有難うございました

今日は手術後一ヶ月体力も少しづつ回復に向い幸を感じて居ります

これもひとえに先生の施術のお蔭と有難く感謝の他ございません

高齢で手術をすることに不安心配がありましたが先生のお力を信じてそのお蔭で痛もなく無事今日迎えることが出来ました


ハートセンターへ寄せていただき先生にお目にかかったこと本当に幸運であった今しみ々と思って居ります


勉学研究に頑張っていただいたなればこそ医学の進歩があり私達助けられるその思い今信頼とお蔭を強く致しました


また入院中私なりに感じましたことひとつ看護士さん方々の笑顔と言葉の優しさ行動がすごく患者の心を癒してくれました

本当によく指導されていること強く感じました
‘ハート病院は本当に良い病院です’
心から誰にでも話することが出来ます

先生のお蔭で生かされた生命を又ハート病院で受けた数々の思いを私も残された人生の中にただ生きるので無くよく生きることへ人生の中に活かして行きたいと思って居ります


先生も何卒いつまでもお元気で益々のご活躍を心よりお祈り申しあげております


本当に本当にありがとうございました

末筆になりましたがお世話になりました
他の先生方達にもよろしく申し上げて下さいませ

かしこ

米田先生

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お便り44: 大動脈二尖弁と上行大動脈の手術を受けた患者さん

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先天性心疾患は生まれた時からの心臓病です。

そのため身体の負担はもとより、

こころの負担が患者さんご本人だけでなくご両親たちにも重くかかってしまいます。

 

Hana_16 ご本人にとっては、ある日心臓が悪いと言われたとき、

なぜ何も悪いことをしていないぼくがこんな目に合わなければならないの?と思うでしょうし、

ご両親にとっては、私たちはこんな病気を創ってしまった、こどもに申し訳ない、どうしよう、

という苦悩に襲われるのです。

 

私たちができること、それは

できるだけ安全性を高めて

できるだけ良い手術をして心臓病を治すこと、

そしてなるべく心の負担を軽くするお手伝いをすることです。

以下のお手紙は大動脈二尖弁による大動脈弁狭窄閉鎖不全症のため

遠方から名古屋ハートセンターまで来て心臓手術を受け、

元気になって下さった患者さんとそのお母様からのお便りです。

ドットハート001154m初対面の時から、

正直に何でも打ち明けて下さった患者さんの男らしい姿勢に私は勇気づけられ、

力が入ったのを覚えています。

こころが通じていると実感したわけです。

またそれまでの苦しい経過の中で

命をかけてでも無輸血で治療を受けてお母さんを喜ばせてあげようという気持ちを戴き、

絶対無輸血という決意で手術をさせて頂きました。

大動脈二尖弁の患者さんは上行大動脈が弱く、

この患者さんの場合もすでに瘤になり始めていたため

併せて治すことができました。

彼にとってできるだけのことをしたく思ったのです。

以下はその患者さんとお母様からのお便りです。

**********患者さんからのお便り***********

私は、生後すぐに心臓病らしいと告知されたそうです。

お便り44実物 両親は私の成長するにしたがい、心臓病で有名な病院へ、つれて行き診察してもらいました。

ところが、現在とは違い当時、病名も判らず両親は、とても心配したそうです

その後、「大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症」と診断され医師から「35歳くらいで、階段の昇り降りも負担になる。人工弁を入れる手術が必要。」と聞かされましたが、ちょうどその頃、私は中学生で「そのうち心臓は止まり死ぬ。」と考え、つよくない体を、飲酒、喫煙や人に言えないような事を行ない、非行を繰り返す毎日でした。

そして、自業自得とはいえ、この時期から動悸、息切れ不整脈の症状が頻繁に、あらわれ、とうとう2009年5月に、重度の心不全、呼吸不全で14日間、生死をさまよう事となったのです。

救命医療で担当して下さった医師の治療のおかげで、なんとか一命は救われましたが、人工弁を入れる手術をしたわけではなく、真剣に手術について考える必要に迫られるのです。

まず、かかりつけの医師に「あと3年くらいしか心臓がもたない事、はやく手術すれば心機能の回復も見込まれる。」と説諭されましたので、地域の大学病院へ行きました。

それから心臓血管外科の医師から、初めて具体的に手術について説明をうけたのですが、あらたに、「上行大動脈瘤」がある事も聞かされました。

問題はそれだけでは、ありません、この手術には、絶対に輸血が必要との事でした。

私は、まだちがうのですが、母親はエホバの証人です。これまで私は社会や両親、とりわけ医療関係者、また神様にたいしても、ふざけた態度ですべてにそむいて来たので、ひとつだけでも、従いたいので輸血はしないと決めていたからです。

なんとか無輸血で、手術が出来ないものかと、困り果てたころに、WEBサイトを介し米田正始医師に、たどり着いたのです。

こんな私を米田先生は、なんの偏見も無く「手術は無輸血でします。これを機会に生まれ変わればいい。」と、やさしくおっしゃってくれましたので、私は安心し、すべてを頼る事にしたのです。

そのような訳で7日間の準備入院、そして8日目、手術が無事終わり数時間後には、歩くことも出来ました。そして10日後に退院して現在は、走る事も出来るのです。

最近、友人に手術痕を見せた時に「本当に心臓の手術したのか?」と言われ、みても分からないほど、手術あとも、とってもきれいです。

これまでは「ガタガタ」うるさく、気だるく、おもかった心臓が、術後は、心臓そのもの、存在すら感じられない不思議な、感覚、すごくかるい感じを私は、うまく文字や言葉では表現できません。

米田先生、治療していただいた事、本当にありがとうございました。

2011/1/17

**********お母さんからのお便り**********

お便り44実物2 2009年12月に、39才になったばかりの長男は、手術室に入っていました。

時間が止まってしまった様な長く感じられる日でした。

米田先生から手術がうまくいったと告げられた私は、まだ目ざめていない子に顔を見た時、安堵感と、よろこびで胸がいっぱいになり、「よかったね。手術はうまくいったのよ。もう大丈夫だからね。」と声をかけていました。

私が、どれほど、うれしくて、心から先生が他とチームワークをくんで、一丸となって長男のために全力をあげて、手術にとりくんでくださった若い先生方と、スタッフの方に、心を込めてありがとうございましたと伝えたくて。この胸中をわかっていただけるでしょうか。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

1970年12月に生まれた長男は、生後一か月検診で、医師から信じられない言葉を聞かされました。

今でも、昨日のように思い出します。「赤ちゃんは、心臓の雑音がひどいので検査をするように。」

私の耳に入ったこの言葉は、ショックで、どうしていいのかわからなくなってしまいました。私も、若いママになれたよろこびで、足取りも軽く病院へ行ったのに、帰り道は、とても不安な思いを抱く悲しい気持ちで帰宅し、誰にも言えずに、一人ぼっちで育児に専念することになりました。

初孫を、とてもよろこんでいた四人の若い祖父母には、心配をかけたくないので、言えなかったのです。

外見からは、チアノーゼもなく、よく食べ、よく眠ってくれて、泣いてぐずることもほとんどなく、楽に育てられたのですが、悲しい思いをしたのは、予防接種の度に、心雑音と告げるだけで、すぐにパスされて、冷たくされた思いでした。私の不安は、この先どうなるのか、つのるばかりでした。

心臓病に詳しいと聞くと、どこへでも行って診てもらいましたが、東京の**大学の先生には、「赤ちゃんの時は、わかりにくいのですよ。」と言われるばかりでした。

でも本人は、親の心配も知らずに、丸々と太って、病院にかかることもなく、風邪などの熱には要注意と言われていたのに、四十度近い熱でも、とても元気で、すぐに治るし、心臓が悪いなんて信じられないくらいだったのです。

小学校に入学する前に、6才になったら、入院して、カテーテル検査をするようにと予約をして、受けましたが、その時は、心室や心房の壁に穴もなくて、原因はわからなかったのです。

そして、中学生になった時、学校側の要望により、***病院で受診しました。当時は、日本一と知られた病院でした。そこで、やっと病名がわかりました。大動脈の弁が狭いそうでした。

でも本人は至って、普通の子と変わらず、元気そうでしたが、病名を告げる事によって、学校側は責任上の理由で、ドクターストップがかかりました。

大好きなスポーツも制限されてしまって、自分の思うようにならなくなったので、ずい分、ヤケになりました。

それまで、明るくて活発な性格だったのに、心がすさんでゆき、悪い傾向のまま走り出してゆくようになり、悪い仲間と連れ立つようになり、愛情を示そうと努力する家族に背を向けてしまって、私の手から離れようとばかりして、心痛の元となりました。今でもあの頃を思い出すと、目に涙があふれてきます。

不安と悲しみ、親であるがゆえの惨めさ、恥辱の伴う苦しい時期だったのです

成長に伴い、身体が大きくなると、心臓も負担がかかってくるようになり、悪い生活習慣のため、発作も度々で救急のお世話にもなるようになり、もう年令は、38才になっていました。

病院へ行くと医師からは、早く手術をした方が良いと何度も告げられましたが、私自身が様々な思いがあって、決心がつかないのでしたが、ある時かかりつけの先生から「お母さん、そろそろ手術を考える時ですよ、このままでは死んでしまいますよ。」と告げられて、病院を探すことになりました。

大学病院では無輸血の手術は無理ですと断られて、困っていたところに、米田先生との出会いがあったのです。

先生は、とても優しく、ひろい心で、相談にのってくださり、先生の最高レベルの医術を駆使して、さまざまな工夫をこらし、出血も最小限にと全力を尽くして取りくんでくださったおかげで、もう限界だった心臓を治してくださった事、もう一度生きてゆく機会を与えられたので、大変な思いをして、これまで生きてくることができたのだからこれからは、もっと、もっと、自分の体を大切にして、命を尊重して生きて欲しいと心から願っています。

米田先生、先生の優しさと、勇気と、すばらしい医術に感謝を込めて、ペンを止めます。

本当にありがとうございました。

***の母**より。

 

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